ちょっと以前から、ラジオで時々かかる曲が気になっていた。
淡々としたベースとドラム中心のバックにヴォーカルは
女の子の声で、ちょっと不機嫌に、囁くような感じで「バッドガイ」と繰り返す。
曲間のブレイクで「ダー」と言うのだが、これがまた倦怠感と虚無感たっぷりで素敵だ。
(ジョージとシャウラがラジオで真似していた。「ダー!」「ダー!」)
露骨にダルで、セクシーな感じ。
なのでこれはきっと、
リアーナを幼くしたような、不健康に痩せたの女の子がミニスカートはいて
踊らずにマイクスタンドに絡み付いて妖艶な感じで歌ってるのだろう、と想像していた。
レトロ趣味でないエイミー・ワインハウスみたいな。
なかなかいい声で、曲もいいし、気に入っていた。
最近、やっとラジオでアーティスト名を聞き取った。
「ビリー・アイリッシュ」。
懐かしのビリー・アイドル?ではないのね。
ビリーってしかし、女性名にもなるのか。(そういえばビリー・ホリディという偉大な先達がいたな。)
アイリッシュって・・・意味的にはどう考えても
アイルランドの~、とかアイルランド人の~、となると思うのだが・・・
「大阪ナオミ」、みたいなモノかな?・・・・・・面白い名前。
などと思いながらYOUTUBEで検索して、
出てきたヴィデオ・クリップや、ライヴ動画を見て、
あまりにも想像と違うのでびっくり仰天した。
若い、痩せた女の子、と言うのは合っていた。
髪の毛は長くて、色は青だったり、鮮やかな緑だったり。
それはいいのだが、ファッションと動き方・・・踊り方が、
全然セクシーじゃない。
服はダブダブの、子供のパジャマ(半そで、半ズボン)みたいなもので、踊る踊る。
その踊り方は子供がピョンピョンはねてるみたいな感じ。妖艶さなど、カケラもない。可愛いけど。
スエットパーカーをかぶって着たりする。
これは・・・ヒップホップなのだな、このファッションと動き方は。
歌詞も、
バッドガイに恋して翻弄されてるのだと思いきや、
アイム・バッドガイって言っている。
アタシはアナタの彼女を怒り狂わせるの・・・みたいなことを言っている。
「アタシは悪いヤツ」なのだ。
むむむむ。
新鮮な驚き。
ここまで想像と違うと、けっこう衝撃である。
もう、何だか自分が古臭い人間のような気になってしまった。
いや、実際そうなのかもしれないのだけれど、
今までそんな風に感じたことはなかった。
でも考えてみたら、
長髪で鮮やかな緑色に染める、という髪の毛的冒険は
20年以上前に我等がランブル・フィッシュのヴォーカリスト、佐治朝吉が
チャレンジしているのだ。
ははは。
佐治は偉い。
僕はヒップホップのセンスはわからないし、わかろうとも思わない。
それで全然、いいと思う。
しかし、服装の趣味が理解不能だからといって楽曲のよさが変わるわけではない。
大ヒットしているビリー・アイリッシュの「バッドガイ」は
いろんな意味で面白い、いい歌であると思う。
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