純アコとエレアコと純アコと。

2018-01-28 11:47:54 | Weblog

一番初めのギターは、家にあったオンボロのガットギターで、

あれは・・・遠いシンセキの兄ちゃんが置いていったものであったらしい。

「富士」とラベルに書いてあってダセエ・・・と思ったものだったが今思えばあれは

「富士弦楽器」、つまり「フジゲン」製だったのね。ダサくないじゃん。


次のギターは、中学生だった兄が親に買ってもらった「ARIA」のフォークギターで、これは「当たり」だった。

新品で2万位の値段で、ギターとしてはすっごく安いモノだったハズなのだけれど、

シャリーンとした素晴らしい音。後年も、随分使った。今でも好きだ。

高価なアコギと比べても全然負けていない音。

後年の「ほろほろ鳥」の「ウタウタウ」の録音も、そのギターだ。


そして僕はエレキギターを弾き始める。

中学で どいけん達とバンドを結成して文化祭もどき・・のイヴェントに出演したりする。

そして高校で、佐治たちの仲間に入って動き出す。「ランブルフィッシュ」の前身バンドだ。


リーダー格の佐治は、歪んだデカイ音のエレキが大好きな粗暴な(?)若者だったが、

反面、とても繊細でリリカルでもあったので、アコースティックの音色も好んだ。

だから、「ランブルフィッシュ」では僕は、基本的には「エレキギター弾き」だったのだが、

佐治の要請もあって、「エレアコ」を弾く曲も何曲かあった。

ライヴで「青の時代」をやるときには常にエレアコを弾いていた。


ここで「エレアコ」という楽器が登場する。


「エレアコ」は多分、1980年代に初登場したのだと思う。

あれかな?あの「オベーション」かな?初めは。

ボディのバックサイド(裏側)が何と、木製ではなくて何だっけ、あのプラスティックみたいな

樹脂?製の、常識を覆すギターだった。

そしてコレがスゴかったのだが、「ピエゾ・ピックアップ」というのが付いていた。

ピエゾ、というのはボディの振動を拾って音にするもので、画期的だった。

オベーションは高価でとても若者に買えるようなモノではなかったので、

僕が初めて買ったエレアコは「タカミネ」のものだった。

これは・・・・・・・・・・・・・・まあ、悪くはなかった。(「タカミネ」は、いいメーカーだ。)

ランブルで、ガンガン使った。

でも「エレアコ」って・・・・・・・・・・・使ったことがある人は皆知ってると思うけど、

全然「アコーステイック」の音なんか出ないのだ。

高価なオベーションでもそうだったハズで、

要はアコースティックの音って、我々の想像以上に複雑で繊細で、

ピックアップで拾えるようなものではないのだ。

でもエレアコの「非・アコースティックの音」でも、それを使うしかなかった。

何故なら・・・・

エレアコでない、本物のアコギではバンドの音に埋もれてしまう。

エレキの歪ませない音でシャラーンと弾いても良いのだが、

見た目の「アコギ感」だけでも・・・あって欲しかったのだ。「見た目」って大事だ・・・と僕は思う。

まぁ でも、それは「アコースティック」の音色を僕が欲していたから・・・であって、

聴いている人はそんなこと、別に何も思わなかっただろう。

それなりに頑張ってエレアコなりの「いい音」を追求したし、何よりも

佐治の「歌」がすべてを凌駕していたし。


それで、そのエレアコの次に「K.ヤイリ」の小ぶりなエレアコを買った。ランブルで使うために。

これはなかなか渋いギターで、木に塗装をしていなくて、

「コーティング」もしていなくて、おまけにピックガードも付けていないので

弾き込めば弾きこむほど木の表面が削げてボロボロになっていく。音もまあ、例の「エレアコの音」ではあるが、

まあまあ悪くない。

偶然か必然か、周囲のミュージシャン友達が何人か、同じものを使っていた。

ホーボーもこれ使ってたよな。


それでランブル解散して・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ばるぼら」ではレコーディング以外、アコギは使わなかったな。

ずっとアレを使っていた、G&Lの「スカイホーク」。テキサスも、上海も、ニューヨークも、

「スカイホーク」と一緒に行った。


それで「ばるぼら」解散後、自分で歌うことにして、

2003年くらいにハードレインの「やっさん」のオススメで、「弾き語り」に再挑戦したことがあった。


このときのギターは、また別のエレアコで、「エピフォン」のもの。

でも、バンドでやるわけじゃないから、ピックアップの音も使いつつ、

アコースティックのナマの音もヴォーカル用マイクで拾う、という「合わせ技」でやってみた。


これは・・・・まあまあ良かったのではないだろうか、と思ってるのだけれど。


この辺の時期から実は、弾き語りスタイルで演るのなら、

エレアコのピックアップ使わずに、ナマの音だけでやるのが一番いいかな・・・・と

思ってはいたのだ。友達のシンガーソングライター、正垣祐樹なんかは、もっと早くから

そんな「純アコ」に切り替えていた。

でも、それだと・・少しだけ「音圧」が足りないように思っていた。

ライヴハウスに、バンドに混じって「弾き語り」で出演したりすると

当たり前だが「音圧」が負ける。その点、ピックアップ使うと、マシなのだ。


「エピフォン」というメーカーはいろいろとあって、

昔々の1950代年とか60年代とか・・は「ギブソン」のライバル的なメーカーだったはず。

(だからヴィンテージのエピフォンはすごく高価だ。)

でも、何処かの時点で倒産して、

最終的に「ギブソン」が「エピフォン」の商標を買って(多分ね)、

いわゆる「ギブソンジャパン」的な、ギブソンそっくりなデザインの楽器を、

比較的安価で公認で製作販売するようになった・・・・のだと思う。

要するに「ギブソン」の廉価版ね。中国や韓国で作られている。


僕はその後も「エピフォン」のエレアコを買った(よっぽど好きなのね)。

「ギブソン」の、TEXANという名器の復刻・・・というかコピーというか、そんなやつ。

でも惚れ惚れするほど美しい木目のギターで、見ているだけでシアワセ。

ピエゾ・ピックアップも多少進化している。また少し音がマシになっている。



そして、写真の黒いアコギ。

これはドラマーのコータローさんに頂いたもので、これも偶然か必然か、「エピフォン」製だ。

スタイルは完全にギブソンJ-45だよね。

一昨年に、キャンプの延長でコータローさん宅に泊めてもらった時に、

何気なくそこにあったこのギター鳴らしてみて、その音のよさにびっくりして、

感動していたら、頂ける事になった。

コータローさん、アリガットゴザイマッス!!!

カラッとした明るい音。しかもナマ音がでかい!家で弾いてたらトナリから苦情が来た。ははは。

他のギターだと、苦情なんか来たことないのに。

弦が古くなっても、音色があまり変わらない。これはボディが「鳴っている」のだと思う。

いわゆる「激鳴り」というヤツだ。


これは「純アコ」である。あの懐かしい「ARIA」のフォクギター以来の、

ピックアップの付いてない、「純アコースティック」。

しかも、色が真っ黒。自分で選んでいたらこの色でしかも純アコギ・・という選択肢は無かったと思う。

アコギは木目・・・でないと・・・という「思い込み」があったのだ。

でも、冷静なって見たら、真っ黒なアコギってとても魅力的。見た目も最高。

他の人のセンスを自分の中に入れてみることって、とても大事だ、と改めて思う。



2018年 2月17日に大阪・日本橋の「太陽と月」で開催される

弾き語りライヴ・イヴェント「ONE PLUS ONE&ONE」には、

この黒いアコギを抱えて登場するつもり。


「純アコ」から始まって「エレエコ」を経て、また「純アコ」へ。

アタシのアコギの旅はまだ当分・・・・続くと思うのだけれども

次はコレでやってみるよ。



聴きに来てくらっさい!
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