まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第26回中国四十九薬師めぐり~第48番「大樹寺」(八頭の有楽椿)

2023年06月30日 | 中国四十九薬師

6月11日、中国四十九薬師めぐりの満願に向けての1日である。順調に行けば午前中には無事満願となるところ。

宿泊した「鳥取グリーンホテルモーリス」にて、和洋とメニューが豊富なバイキング形式の朝食をいただく。8時前に出発。前日と同じく薄曇りである。

これから目指すのは八頭町にある第48番・大樹寺で、鳥取駅前からなら国道29号線を南に走るところだが、逆方向の国道9号線バイパスにて岩美町を目指す。前日訪ねた第47番・東源寺は寺の方が留守で(本堂の中に書き置きがあったが扉が閉まっていて)朱印をいただくことができず、まずはこちらに出向くことにした。

岩井温泉に到着。前日に続いて「ゆかむり温泉」にも惹かれるが、まずは寺である。境内に入るとクルマが停まっており、これなら在宅されているだろう。本堂の前でお勤めとして、庫裏を訪ねる。そしてインターフォンを鳴らすが、応答がない。あれ・・・またお留守か。前日ならまだしも、ここで朱印がいただけないとなるとこの日の満願が危うい。

さてどうしたものかとしばらく立っていると、寺に女性がやって来た。地元の方がお参りに来たのかなと見ていると庫裡のほうに来た。ちょうどお出かけか散歩から戻って来たタイミングで、無事に朱印をいただく。

ホッとして、改めて大樹寺を目指す。国道9号線から県道31号線に入る。カーナビの画面で、途中クネクネした区間があるのが気になるが、古来の但馬方面からの山陰道の一部で、矢印の先に「鳥取、国府」の文字があるのを頼りに進む。

・・・案の定、細道が続く。「県道」というより「険道」区間で、途中離合に苦戦した区間もあった。とはいえ、その筋の人からみれば何でもない区間なのだろうな・・。

十王峠を越え、国府に入ると道幅が広がる。殿ダムの人造湖も見える。

八頭町に入り、大樹寺への案内板が出た。最後は少し坂を上り、広い墓地と堂々としたお堂に出る。

正面に大木が伸びている。この木があるから大樹寺という名なのかなと思った。この木は有楽椿というそうで、樹齢400年ほどと推定される。有楽椿とは茶人大名の織田有楽斎が茶花として愛好したことからつけられた名前である。もっとも、大樹寺という名前はこの椿から取られたものではなく、大樹とは中国でいうところの将軍、為政者の意味だという。

大樹寺は記録が失われて創建時期などは不明という。戦国時代、秀吉の鳥取城攻めの前段で若桜城を攻め落としたが、その時に大樹寺も兵火に遭ったのではないかとされている。江戸時代に曹洞宗の寺院として再興し、有楽椿もその時に移されたものだろう。

本堂の扉が開いており、中でのお勤めとする。羅漢像のほかに、八頭高校書道部の一筆も掲げられている。こちらにも椿が描かれている。

本堂に隣接して納経所があり、無事に朱印をいただく。

さて、これで残すは第49番・森福寺である。このまま郡家方面に向かい、国道29号線に出る。因美線の東郡家駅近くだが、ちょうど若桜鉄道の「隼」ラッピング車両が通過していった・・・。

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