頼もしい「元エース」が帰ってきてくれた。オリックス・バファローズ、平野佳寿、背番号16。横浜ベイスターズ相手に、先週の巨人戦に続いての勝利を今度は完封で飾るという好投を見せ、先発陣がピリッとしない中で今後への大きな期待となりそうだ。
今季3戦目の観戦となる神戸。朝は雨が降っていたものの昼から天気が回復し、さわやかな風と日差しにつつまれたスカイマークスタジアムに現れる。この日は大学時代からのお付き合いのMさんとご一緒する。
この日は「ファンクラブデー」ということで、ファンクラブ会員であれば指定席(フィールドシート除く)・自由席が半額。私も普段1席4000円のライブシートを2000円で購入。絶好の観戦位置に行くことができた。フェンスが低いため障害となるものがなく、実に見やすい「ライブ」シートである。これが京セラドームなら高いフェンスがかえってストレスに感じるところだろうが・・・。
交流戦は今季初めての観戦で、普段お目にかかれないセ・リーグのチームとファンを観るのも楽しみ(私が普段セ・リーグの試合を見ないからなのだが)。行列にはこういう出で立ちの方々を見つけた。現在の田代監督代行、かつての「大洋ホエールズ」の主砲である。「大洋」というチーム名も懐かしいな・・・。
試合前には「応援への感謝の気持ちを込めて」ということで「選手からファンへの花束贈呈」というのもあったり、抽選で選ばれた子どもが球場DJを務めたり(ちゃんと、「いちばん、せんたーふぃーるだー、ともたかー・さかぐち」などと、英語にフリガナを振ったような読み方をしてましたぞ)、ファン参加のイベントもあり。
ライブシートということで試合前のボール投げ入れにも参加してみたが、惜しいのもあったが結局キャッチできず。なかなか、難しいわな。
試合はオリックス・平野佳、横浜が小林の先発。1回裏、四死球とラロッカの安打で1死満塁のチャンスを作り、ここで5番に入っている大村が内野安打を放ち、1点先制。しかし北川が併殺打でチャンスをつぶす。満塁で攻めて1点。立ち上がり不安定だった小林を攻略できず、ちょいと嫌な感じ。
一方の平野は、スタメン復帰(これでナマでは見納めになるかもしれない)の仁志に内野安打を許すなどの場面もあったが、ストレート、スライダーともにキレがよく、横浜打線になかなか的を絞らせない。中盤までの安打はすべて内野安打で、打球が外野に飛ぶシーンもほとんどない投球。Mさんと「どこまで行くんやろか」という話になる。
小林も初回のピンチをしのいでからは少しずつ安定感を出し始め、オリックス打線もなかなか打ち崩せない。4回に山崎浩がライト前にポトリと落とすタイムリーを放ち2対0とするも、今日は投手戦で早いペースで試合が進む。
私が観戦すると大体打撃戦か、最後までもつれる試合になることが多いのだが、「せっかくいい席に座っとるんやから、もう少し長いこと楽しませてくれや」というのはMさんの感想。私も同感です。
試合途中では最年長勝利投手の横浜・工藤も投球練習を始める。打線が追いつく、小林がKOされるということを想定しての動きだが、この投手もなかなか持ちこたえている。
追加点は6回。ラロッカがセンター前にポテンヒット。続く大村、初球にバントを試みるがファール。「バントなんて慣れないことはさせないほうが・・・」「ヒットを打つことしかできない選手なんやから」とこぼすと、ベンチもそう思ったかどうかはわからないが続くボールをバスター。高めのボール球を強引に引っ張ったのがライト線へ。ラロッカが懸命に走って3対0となる。本当、ヒットを打つことしかできない野手だが、現在のこのチームにあっては非常に重要なキーマンである(この日結局4安打2打点)。
こうなれば平野がどこまで持つか。味方の攻撃が2アウトになるとベンチ前に出てきてウォームアップするが、「よしもう1回」「このまま完投、いや完封」と期待が高まる。
ピンチらしいピンチは9回表。下園、内川に安打が出て、1死一・二塁で打者は4番・村田。一発出れば同点という、横浜としては絶好のチャンス。ここで打球は高々とレフトに上がり、一瞬ヒヤッとしたがレフト高波(途中出場)が悠々と追いついて2死。最後は佐伯を空振りの三振に切って取り、スタンドからは大きな拍手が起こった。
平野の完封は1年10ヶ月ぶりということだが、淡々としているように見えて結構厳しいボールもあり、観ていてうならせるものがあった。前日の金子、この日の平野、合併球団発足後1年目と2年目のドラフト1位が厳しい台所事情の中でいい働きを見せてくれている。
スカイマークは環境もいいし、観戦しやすい。また機会があればライブシートで観てみたい。神戸での観戦が何年ぶりかというMさんもご満悦のようであった。それにしても、なぜこの球場から撤退してしまう方向なのかと改めて思う。土日のデーゲーム限定でもいいから何とか神戸開催を存続してほしい。ファンの多くもそう思っているのではないだろうか。
・・・一方の横浜といえば、TBSの「朝ズバッ!」でも司会のみのもんたが入れ込んでいる球団。結局土日でのこのカードは連敗ということになる。ただ、前日は吉村が9回に満塁本塁打、この日は敗れたものの先発小林は結局8回を投げ切って3失点の好投という材料がある。
月曜の放送で、このおっちゃんがどのような「負け惜しみ」を言うか、スポーツコーナーが楽しみである・・・・。