九州行きの帰りはまだまだ長い。島原から島原鉄道で諫早まで来た後、西九州新幹線に乗り継げば20分で武雄温泉に着くのだが、わざわざ2時間かけて大村線経由で移動する。
これから乗車するのは特急「ふたつ星4047」。以前、武雄温泉からの午前便に諫早まで乗車したことがある。オリジナル弁当や有明海の車窓、佐賀海苔の試食体験などを楽しんだ。その時は諫早から大村線の普通列車に乗り継いだのだが、大村湾の景色を前に車内で爆睡・・今回、海側の席を確保できたこともあり、九州一周のコマも先に進めておこう。
諫早到着後、すぐに発車。3号車から乗車し、ラウンジの2号車を通り抜ける。午後便の車内イベントは嬉野茶の飲み比べ体験。また事前予約で長崎スフレをいただけるとある。午後のティータイムを楽しむといったところだろう。私としては先ほど諫早駅のコンビニで「飲み鉄」用の仕入れを行ったので、自席で楽しむとしよう。
1号車に到達。車内のインテリアには木材が多く使われているが、濃い色合いの3号車、そして明るい色合いの1号車と違いがあるが、個人的には1号車のほうが好みかな。ただ、この日は気温も高かったとはいえ、1号車に来ると蒸し暑く感じる。ところどころで窓も開け放たれている。空調の調子が悪いのかな。
次の岩松を過ぎると早速大村湾の景色に出会う。ちょうど対岸は「ふたつ星4047」が先ほど走って来た長崎線の線路が通っているところである。
大村に到着。ただ列車としては通過扱いの運転停車である。その代わりに停車したのは西九州新幹線との乗り継ぎ駅である新大村。
中央のカウンター席にもちょっと座ってみる。海側は4席とも埋まっていたが、山側は空席である。窓は足元まで広く設けられていて、開放感を楽しめる。ちょうど大村車両基地にて「かもめ」が停まっており、西九州新幹線の高架橋が嬉野温泉に向かうのを見送る。
松原を過ぎると、いよいよ午後便の車窓のメイン、大村湾が線路のすぐ横に広がる。ちょうど西日が当たり、また空調が効いていないので暑く感じるのだが・・。
16時20分、千綿に到着。ここも「日本一海に近い駅」にノミネートできる駅の一つである。10分間停車ということで乗客も一斉にホームに出て記念撮影だ。
千綿は由緒ありげな木造駅舎である。ただ駅舎じたいは1993年落成とのことで、大村線開業当時の駅舎を再現したものだという。
車内に戻り、より近いところから穏やかな大村湾の車窓を楽しむ。客室乗務員が発車を告げる鐘を鳴らして回る。
この先、彼杵、川棚を経て小串郷まで、天候にも恵まれて大村湾の景色を存分に楽しむことができた。
ハウステンボスに到着。指定席の座席検索では結構埋まっていたにもかかわらず車内はガラガラだったが、ここから乗車する客もそれなりにいた。
そして、次の早岐に到着。ここで、佐世保から来た17時12分発の特急「みどり48号」博多行きが先に発車する。ハウステンボスからの乗客のほとんど、そしてここまでの乗客の何人かも「みどり48号」に乗り換えた。「ふたつ星4047」はこの先有田、武雄温泉と停車するが、日曜の夕方となればその先に向かい帰宅するだけだから、ここでの乗り換えというのは選択肢としてありだろう。
早岐からは佐世保線に入り、後は武雄温泉まで淡々と走る。沿線の札所もすでに訪ねており、あとは流すだけである。
終点・武雄温泉に到着。これで、武雄温泉~諫早間に限るが、「ふたつ星4047」の午前便・午後便の両方に乗車できた。九州八十八ヶ所百八霊場めぐり、九州一周の中でさまざまな列車に乗ることができたのも思い出である。
いったん改札の外に出て、改めて新幹線・在来線の乗り継ぎホームに上がり、18時15分発「リレーかもめ50号」に乗車。そして博多からは19時30分発「のぞみ270号」に乗り継ぎ、今回の九州八十八ヶ所百八霊場めぐりを終えた。
次回は長崎市街編。九州八十八ヶ所百八霊場めぐりもいよいよ西の端に到達することに・・・。