7月7日、早朝、広島から呉に移動して松山への「シーパセオ」に乗船し、JR松山駅前で温泉、そして生ビールをあおり、予讃線~瀬戸大橋線と乗り継いだ。広島から岡山に向かうのに、わざわざ瀬戸内海を渡って四国の鉄道も楽しむという、なんとも欲張りな一日である。
瀬戸大橋を渡る。広島から松山にかけての区間とはまた違った島々の景色である。
児島に到着。ここからは時間つぶしを兼ねて鈍行に乗り換えてもよかったが(次の岡山行きは新型227系だった)、そのまま特急で乗り通す。松山から3時間弱の鉄道旅で岡山に到着。
さて、向かいの津山線ホームにはキハ47の旧国鉄急行色「ノスタルジー号」編成が停まっている。16時27分発の津山行きに充てられる。実をいうと、今回乗り鉄で岡山に行くに当たり、広島から山陽線で倉敷、以後、伯備線~姫新線~津山線をたどることも考えていた。中国地方のローカル線をたどるのもこのご時世貴重な体験である。
さて、目指す髙島屋岡山店のビアガーデンの開店は17時である。少し時間があるのでとりあえず駅前に出る。路面電車の乗り入れ工事のため、駅前のシンボルだった桃太郎像も一時撤去されている。どこに行ったのやら。
・・さて、私が岡山に来るといえば・・・あのミシュラン居酒屋「鳥好」だろう。今回あえてその手前にある髙島屋のビアガーデンを予約したのだが、やはり現地に来るとのぞきたくなる。「鳥好」は16時開店。ただし、これまでの経験上、16時開店に並んだものの予約客の多さでかろうじてテーブル相席で座れたとか、ふらりと訪ねて満席だったこともある。
申し訳ないが、ここで連絡して髙島屋のビアガーデンは取り消し。まあ、昼の松山で大ジョッキをあおったり、実は「しおかぜ20号」の車内でもささやかな飲み鉄をしていたので、飲み放題の元を取らなければ・・となってしまうビアガーデンは別に今日でなくてもよいかなと。それよりも岡山の人気店「鳥好」を選択した形だが、この店もこれまで何回訪ねたことやら・・。
早い時間からカウンターはもとよりテーブルも埋まり、座敷には予約のグループが次々やって来る。
とはいえ、注文するものはだいたいパターン化されている。とり酢に始まり、刺身盛り合わせ、煮込み、焼き鳥串盛り合わせ・・。回によってはそこにしゃこ酢やままかり酢が入ることもある。
この日は変わったところで石もち唐揚げをいただく。イシモチとは標準名ではテンジクダイだが、広島の中でも備後ではテベラと呼ばれる。カウンターに座った初老の男性が「イシモチって何ね?」と若い店員に訪ねたが、店員も「何ね?」と訊かれて戸惑う様子。そこで「テベラですよ」と助け舟を出すと、男性はうなずく様子。備前と備後、それほど文化圏としては変わらないと思うのだが・・(むしろ、同じ広島県にあって安芸と備後というのは似て非なるところがあり・・)。
そして、私が「鳥好」に来た時の締めは「のりくらっち」。今回ここに新たにイカの塩辛をセットする。これで味わいの幅が格段に広がった。この塩辛、クラッカーによし、チーズによし。そして複合するとなおよし。さすが塩辛、ご飯はもとよりじゃがバターにも相対するだけのことはある。次回の「鳥好」での一献の抑えは新たに強力な一枚を加えたこのカルテットに尽きるだろう・・・。
・・ビアガーデンはまた来ることもあるだろう。という一方で、「岡山は鳥好に限る」は今後も続くのだろう。
この後は岡山駅に戻り、新幹線で広島へ。この距離・時間だし、「のぞみ」利用でもわざわざ指定席にこだわらず、自由席の通路側で十分だ。
・・・さてこの日(7月7日)は、「七夕決戦」となる東京都知事選挙の投開票日だった。自宅に戻った直後に20時を迎え、現職の小池知事の当選確実が報じられた。その後、前の安芸高田市長だった石丸氏が2位に入ったことで世の注目を受けるようになったのは皆さんご存知のとおりである。これは都市部における既存政党への批判の受け皿になったと言われている。
その一方、先般九州八十八ヶ所百八霊場めぐりで訪ねていた鹿児島の知事選挙も同日に投開票が行われ、こちらも20時の時点で現職の塩田知事の当選確実が報じられた。鹿児島では他に2名の女性候補が立候補し、「鹿児島県初の女性知事を」と訴えていたが、やはり壁は高かったようである。うーん、地方においては依然この構図は変わらないのだろう・・。
そして2024年は世界的に見て「選挙の年」である。台湾の総統選挙に始まり、ロシアではプーチン大統領が予定通りの圧勝、その一方でフランスの下院選挙では極右政党が第1回投票で最多の得票を集めたとか、イギリスでは政権交代、イランでは航空事故で亡くなった後の大統領選挙で改革派が勝利。日本では上記の都知事選の後は、自民党総裁、民主党代表の選挙(この結果が日本に及ぼす影響はほとんどないだろうが)、そしてアメリカ大統領選挙である。
その大統領選挙で、遊説中に銃撃を受けたものの右耳の負傷だけでカムバックしたトランプ前大統領の立ち居振る舞いがアメリカの象徴として人気である。あ、やはり現代の社会が求めているのは「こういうリーダー」なのだなと、改めて感じる次第である・・・。
(そりゃそうと、今の与野党問わず、トランプ氏に対して正面切って話ができる「政治屋」っているのかな・・・。同じ利権にまみれるなら、もっと堂々と大胆にやれや!・・と言いたくなるくらい、日本の「政治屋」はみみっちい!!!)