9日の土曜日、デジカメを買い換えた。前のカメラの調子が悪くなったこともあるが、それだけではなく性能の面でよりよいものにそろそろ換えようと思っていたこともあった。あれこれ店で物色したあげく、オリンパスのSP-510UZを購入。前のカメラもオリンパス製なので、その意味では使いやすそう。オリンパスといえば浅田真央選手が「リンダリンダ・・・」とCMしているμ750が売れ筋のようだが、このSPも一眼レフカメラのような面構えで、さまざまな撮影モードがあり、何よりも10倍ズームというのが気に入った。あとはこれを使う人の腕次第だ・・・。
さて、カメラを試すというわけでもないが、天候も回復するようだしということで朝から出かける。行き先は、品川から「赤い電車」京浜急行に乗って三浦半島へ。「三浦半島1DAYきっぷ」というのが品川から1900円。これで、金沢文庫以南の京浜急行の鉄道、バスが乗り放題というもの。品川を出た快速特急の三崎口行きは、「快速」の名にふさわしく激しくぶっ飛ばす。速度計だけ見ればJRの東海道線の列車と変わらないのかもしれないが、沿線の建物の密集具合がそう感じさせるのか、スピード感あふれる走り。この走りに魅せられる京急ファンが多いのもうなずける。
横浜からは山あいの住宅地と切り通しの中を走り、終点・三崎口の一つ手前の三浦海岸で下車。ここから京浜急行バスで向かうは剣崎。三浦海岸駅から商店街を抜けると、穏やかな海にでる。夏ならば海水浴で賑わうのだろうが、今のこの時期は砂浜を散歩する人の姿がちらほら見えるくらいだ。
15分ほどでこの剣崎着。案内に従って、剣崎灯台を目指して歩く。少しずつ雲が晴れて、青空ものぞくようになった。
さて、辺りを見渡すと冬なのに一面の緑。丘陵の向こうまで続いている。これ、みんな大根畑なんですな。
「三浦大根」というのもブランドのようで、ちょうど今は収穫の時期。土の間からすらっと伸びる青首大根。あちこちにトラックが停まっており、今収穫されたばかりの大根が次々と積まれていた。
また、潮風にあてて即席の漬物(というより切り干し大根かな?)をつくるのか、ガードレールに大根を干す光景もあちらこちらで見られる。
そんな畑の中を歩き、剣崎灯台に出る。対岸の房総半島にある野島崎灯台とともに、東京湾の入口を見守る灯台である。ちょうど対岸の房総半島の姿も見える。
灯台の下に広がる海岸へ。穏やかな砂浜があるかと思えば、長年の浸食で出来上がった岩場もなかなかの見ごたえ。釣り客の姿も見える中で、カップルでこっそり楽しむ光景も見られる。三浦半島、湘南海岸という中で、この剣崎、ちょっとした穴場だろう。
バスの時間が空いているので、私も岩場に腰掛けて、じっくりと波の音を聴く。東京湾といえば汚れた海の代名詞のように言われることがあるが、さすがに三浦半島の先端まで来ると、自然の風景もきちんと残されている。
実は、剣崎を訪れたのは2回目。前回はある人に案内される形でやってきた。ちょうど、こんな感じの季節であり、天候だったかな。岩場に腰掛けながら、いろんなことを考えていた。
再びバスに乗り、三崎港を目指す。ローカルバスが通るのはアップダウンのある丘陵地帯で、見渡す限りの大根畑である。こんなに大規模な耕作が行われているんだなと改めて認識。
三崎港に着く。ちょうどお昼時。そして、三崎港といえば「まぐろ」である。町内にはいたるところにまぐろ料理の店が並ぶし、店先にまぐろのカブトがでんと置かれている店もあった。
特に三崎港産直センター「うらり」には、これでもかというくらいのまぐろの切り身が並ぶ。まぐろ漁の規制の動きもある中、そんなこと関係ないやというくらいの元気さがある。
普通の刺身なら全国のスーパーにも並んでいるので珍しくないが、産直(うーん、産地の海は世界各地に広がっていて、そこから冷凍されて三崎港にあがるから、産直なんだろうな)というだけあって、ボリュームの割に値段が安い。また、カマだの目玉(DHAがたっぷりあるとか)だのスペアリブだの、珍しい部位も豊富。正直、いろんなものを買って帰りたかったのだが、今の住まいでは調理ができないので断念。真空詰めされた大和煮や、まぐろの酒盗(これが日本酒によく合うんだ)くらいを購入。
その分を昼食でということで、「うらり」にほど近い「立花」という料理屋へ。こちらで、まぐろのカマと三浦大根の煮付けと、冬なのでネギマ鍋をメインにしたセット料理を注文。どうせなら刺身とか海鮮丼とか、新鮮な料理を食べればよいのだろうが、ネギマ鍋なんてのもいよいよ普段食べる機会ないしな・・・。ネギマ鍋、大根の煮付け、いずれもダシがよくしみこんでおり、実に美味い。
東京からも近く、新鮮な海の幸が堪能できる三崎港。行楽客の人気があるのがうなずける思いがした・・・・。(続く)