まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

最後の国鉄特急色「やくも」に乗りに出かける

2024年06月12日 | 旅行記F・中国

6月14日、381系「やくも」が運行最終日を迎える。旧国鉄特急型からの車両の置き換えがこれまで進められてきた中、この「やくも」でいよいよ最後となる(厳密には、国鉄末期に製造された気動車特急はまだ存在するのだが)。

運行終了が近づくと多くの人が名残惜しんで駆け付けるのは世の常で「葬式鉄」と揶揄されるのだが、沿線にも多くの「撮り鉄」が訪れているそうだ。人の土地に勝手に侵入する輩がいる一方、地元の有志が撮影スポットを整備して受け入れているという話もある。伯備線が廃線になるわけではなく、特急「やくも」も乗り心地よい新型車両に置き換わるのだが、かつての国鉄を代表するあの「型式」が引退するのは鉄道の歴史の区切りの一つと言えるだろう。

かくいう私、「葬式鉄」は早めに済ませておこうとこの4月の末に、観光列車「あめつち」の木次線乗り入れとセットで出雲市~岡山まで旧国鉄特急色の編成に乗った。これで満足したはずだったのだが、いざ6月を迎えて「最後にもう1回」となった。

6月9日、岡山11時13分発の「やくも9号」で終点出雲市まで行くことにする。最終日の14日は金曜日のため、9日の日曜日がラストチャンスという方も多いだろう。

実はこの日、マツダスタジアムで行われるカープ対マリーンズの試合を観戦すべくチケットを手にしていた。広島でパ・リーグのチームを観たかったし、マリーンズファンの熱狂的な応援風景を観たいというのもあった(今季は「ネタフリ教」なるものが新たに「布教」されている)。ただ、まあ前週にバファローズ戦を観ることができたし、「ネタフリ教」は関西でお目にかかるかなとして、「やくも9号」を優先してチケットは流通サイトに出品した。

そして迎えた9日だが、予報通り広島の朝は本降りの雨。新幹線で出発してすぐ右手にマツダスタジアムがあるが、試合はどうだろうか。チケットは出品してすぐに買い手がつきコンビニで発券完了の連絡もいただいたが、もし中止になったらその方はさぞ残念だろうな・・。

岡山に到着。いったん改札の外に出る。駅前広場には桃太郎像とともにシンボルだった「ピーコック噴水」というのがあったが、路面電車の駅前乗り入れ事業にともない撤去されている。

駅ビル「さんすて」にある書店に向かうと、「ありがとう やくも」のポスターが貼られている。381系の走行シーンを収めたDVD、ブルーレイの告知である。

ホームに下りると、出雲市からの「やくも8号」が間もなく到着という。旧国鉄特急色381系使用で、岡山で折り返し「やくも9号」となる。

ホームに多くの人がカメラやスマホを手にし、「黄色の点字ブロックまでさがってください」のアナウンスも流れる中、「やくも8号」が到着。特に怒号が飛び交うわけではなく、皆さん静かに撮影する。

しばらく停車した後、折り返し作業のためいったん引き込み線に下がる。

岡山駅の4番ホームが結構先まで伸びており、こちらも近いとこから「やくも」を見ることができるとあって、ギャラリーがぞろぞろ移動してくる。

さて出雲市までの3時間の「呑み鉄」の準備をして、「やくも9号」が発車する2番ホームに向かう。やはり、列車は「乗ってなんぼ」である。ホームに停まっていた三原行きの発車後、メロディとともにゆっくりと入線する・・・。

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2 コメント

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マルテンサイト千年ものづくりイノベーション (サムライグローバル鉄の道)
2024-08-16 23:18:15
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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社会実装ナノテクノロジー (東京鉄道ファン )
2024-08-17 14:23:07
「材料物理数学再武装」といえばプロテリアル(旧日立金属)製高性能冷間ダイス鋼SLD-MAGICの発明者の方の大学の講義資料の名称ですね。番外編の経済学の国富論における、価格決定メカニズム(市場原理)の話面白かった。学校卒業して以来ようやく微積分のありがたさに気づくことができたのはこのあたりの情報収集によるものだ。ようはトレードオフ関係にある比例と反比例の曲線を関数接合論で繋げて、微分してゼロなところが最高峰なので全体最適だとする話だった。同氏はマテリアルズ・インフォマティクスにも造詣が深く、AIテクノロジーに対する数学的な基礎を学ぶ上で貴重な情報だと思います。それと摩擦プラズマにより発生するエキソエレクトロンが促進するトライボ化学反応において社会実装上極めて有効と思われるCCSCモデルというものも脚光を浴びつつありますね。
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