まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

BCリーグ観戦記・栃木対群馬@栃木県営~首位攻防にふさわしい熱戦

2019年08月22日 | プロ野球(独立リーグほか)

8月12日、猛暑の中でのBCリーグの観戦はいよいよ試合開始である。栃木は西岡が3番、飯原が5番に座る。一方の群馬は井野口が3番、ジョニーが6番に入る。群馬の強力打線が威力を発揮するのか、栃木の地元パワーがそれを上回るのかが楽しみである。

栃木先発は、元ソフトバンクの育成選手で今季から加入の齋藤。左腕からスリークォーター気味に投げる。まずは群馬先頭でNPBへの期待もある青木を打ち取るが、続く大堀、井野口に連打を許す。

一死1・3塁となって群馬4番の速水がライトに犠牲フライを放つ。これで群馬が1点先制する。

一方の群馬先発は同じ左腕の南。小柄ながら小気味のいい投球を見せる。栃木は2番の青木が内野安打で出塁し、早速西岡に打順が回る。スイッチヒッターなので右打席だ。しかし惜しくも三塁ゴロ。後続も倒れて無得点である。

栃木は2回も2四球とバントで二死2・3塁とチャンスを作るも得点に至らない。

続く3回裏、一死から青木が二塁打で出塁。そして西岡に回るが空振り三振に倒れる。ただここで4番のルーカスがセンター前に弾き返し、1対1の同点となる。ルーカスは送球の間に2塁を狙うがタッチアウト。それでも同点となり試合も盛り上がる。

3回裏を終わった時点で約10分の給水タイムが入る。選手の熱中症予防のための取り組みで、観客に向けても水分補給を呼びかけるアナウンスが流れる。この日の宇都宮は猛暑日になったようで、スタンドにいるとたまに涼しい風も吹き抜けるが暑いのは暑い。私もいったん球場の外に出て、普段買うことのないかき氷を注文する。かき氷には体温を下げる効果があり、熱中症の防止にもなるそうで、たまにはこうした食べ物も食わず嫌いすることなくいただかなければなと思う(ビールでは体温は下がりません)。

4回表、群馬はジョニーにレフトへの大きな当たりの二塁打が出る。その後、李のヒットで二死1・3塁と勝ち越しのチャンスだが齋藤がしのぐ。

5回表、群馬先頭の青木が内野安打で出塁し、続く大堀のバントは齋藤が二塁へ送球するも間に合わず野選となる。井野口は空振り三振だが、次の速水にレフト前のヒットが出る。これで2対1と群馬が勝ち越し、さらに返球が悪送球となる間にもう1点が入る。3対1とここで群馬がリードする。

次の富田のところで齋藤は降板し、右腕の前田につなぐ。一死1・3塁のところで打席にはジョニー。ここで栃木ファンのオッサンから「4・6・3!!」という声援が飛ぶ。これは4-6-3のゲッツーでチェンジという願いなのだが、そのジョニー、注文通りに4-6-3のゲッツーに倒れる。これには三塁側スタンドからオッサンに「予言通りや」との大きな拍手が起こる。

試合中盤の休憩直後の6回表、群馬は一死2塁から笠井がバントを決める。これを前田が一塁に悪送球して、ランナーが生還する。4対1、栃木の守備の乱れに乗じたものだが群馬がリードして終盤に向かう。

7回表には群馬が井野口のヒットをきっかけに、富田のタイムリーで5対1と点差を広げる。このまま群馬が楽勝なのかなと思わせる。

7回裏、栃木のラッキー7には黄色のジェット風船が飛ぶ。この風船もスポンサーからの提供によるもので、GOLD LUSHの面々が7回表の前からスタンドに出向いて観客一人一人に無料で配って回っていた。普段ジェット風船は飛ばさないが、独立リーグなら話は別だ。球団歌『金色の勇者』が流れるのに続いて風船が宇都宮の青空に舞う。

7回は文字通りラッキー7だったようで、栃木は連打で二死1・3塁のチャンスを作り、1番内山のヒットで5対2と追い上げる。続く途中出場の松井にもヒットが出て二死満塁。ここで西岡を迎える。ホームランバッターではないが、ここで本塁打なら6対5と一気に試合がひっくり返るチャンスである。コールも「ホームラン、ホームラン、西岡!」と送られる。

しかし期待の西岡は1塁ゴロに倒れ、結局無得点。これで勝負は決まったかと思えた。7回裏を終えたところでまたも給水タイムとなる。

5対2で群馬が3点リードのまま9回裏を迎え、マウンドには群馬3人目の田代が上がる。先頭の途中出場の山﨑がレフトへの二塁打を放つ。一死後、内山の四球で1・2塁として、打席には代打の申。ここで申がレフト越えの二塁打を放ち、5対4と追い上げる。さらに申が生還すれば同点となる場面で、三塁側スタンドも大いに盛り上がる。

そして迎えるは、というか、こういうところで打順が回ってくるのが西岡。2塁走者が還れば同点というチャンスだったが、力のないレフトフライに倒れる。結局この日の西岡は無安打に終わったのが残念である。

さらに同点のチャンスはタイムリーも放っているルーカスに託されたが、センターフライに倒れて試合終了。5対4、群馬が辛うじて逃げ切った形である。それでもこの首位攻防戦の結果、群馬が栃木を上回ってBCリーグ後期東地区の首位に立った。終わってみれば群馬12安打、栃木10安打という乱打戦であった。

試合終了後、栃木が敗戦だったにも関わらずグラウンドにはお立ち台のボードが運ばれてきた。この試合のMVPのスポンサー表彰ということで、まあ、敗戦だったから敢闘賞といっていいだろう。9回に代打で2点二塁打を放った申と、先発で5回途中降板の齋藤の二人が受賞した。

試合終了後はBCリーグ恒例のお見送り。ただここが他と違っていたのは、単に「応援ありがとうございました」とお辞儀をするのではなく、参加者全員とハイタッチをするもの。混乱を避けるためか西岡や寺内監督の姿はなかったが、他の選手やさらにはGOLD LUSHの面々が一列に並ぶ。そしてこれも恒例なのか、ハイタッチと同時に花の種の袋を配るサービス。ただハイタッチが終わると選手たちも急いで球場に引き上げてしまい、サインを・・というわけにはいかなかったのが残念である。岡田コーチのごとくは両手を前に出してきっぱりと拒否していた。

この試合唯一いただいたのが先発の齋藤のもの。将来NPBへの復帰はあるのだろうか。

そろそろ宇都宮市街に戻ろうと思う。やはり栃木もクルマ社会なのか、西川田の駅に向かって歩く人の姿はまばらだ。

サインの件はおいておくとして、この日観戦した印象として、球団もファンも盛り上がろうとあれこれ行われているのが見てとれて、地域にもすっかり根付いているように思えた。この日の観客数は1800人を超えていて、BCリーグの試合としても結構多かった。

また機会があれば他の関東北信越のチームの主催試合も観たいものである・・・。

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BCリーグ観戦記・栃木対群馬@栃木県営~魅力ある顔ぶれ

2019年08月21日 | プロ野球(独立リーグほか)

夏の旅は初めての栃木での野球観戦も実現した。栃木ゴールデンブレーブス対群馬ダイヤモンドペガサスという「北関東対決」。

前日の8月11日の試合を終えた時点で、BCリーグ東地区後期の順位は、栃木が14勝6敗4分で首位、そしてゲーム差なしの2位で群馬が15勝7敗2分と続く。さらに3位の新潟アルビレックスも1.5ゲーム差で追いかけている。残りが12~13試合だからまだわからない。

さて、栃木県営球場最寄りの東武宇都宮線西川田駅から歩く。周りは住宅街で、その中の国体通りを歩く。1980年に栃木県で国体が開かれるのに合わせて整備された総合運動公園の一角に球場がある。

駅から15分ほどで到着。入場口に行列ができていて、11時15分からファンクラブ会員の先行入場がはじまった。

一般客は11時30分入場で、それまでにグッズ販売のワゴンや飲食の屋台など見る。宇都宮駅前ですでに仕入れてはいたが、屋台でオススメだというチャーハンと唐揚げを購入。宇都宮だから何でも餃子・・というわけではなく、当然他の旨いものはあるのだが、このチャーハンはなかなかいけた。

入場口ではチアガールの皆さんのお出迎えもあり、ホームである三塁側に陣取る。この球場は屋根つきの2階席もあるが、グラウンドに近くフェンスも気にならない目線の高さなので、暑い中そのまま1階席に座る。先に入場した人たちは2階席下の日陰の席に固まっている。応援団の数も多く気合が入っている。グラウンドでは試合前の練習をしているがスタンドではトランペットの練習が広げられる。聞くともなく聞いていると、滋賀ユナイテッドの選手応援歌も流している。この試合の前週に栃木は滋賀まで遠征しており、その時にネタを仕入れたのかな。

グラウンドでは群馬の打撃練習中。チームを率いるのは平野謙監督。2016年の就任から3年、6期連続の地区優勝、2回の独立リーグ日本一と立派な成績を残している。今季も前期を制覇している。

そしてグラウンドには昨年滋賀でプレーしていたジョニー・セリスの姿も見える。富山、福井、滋賀、そして群馬と長年BCリーグでプレーしており、日本語もペラペラ。そういえば昨年まではカラバイヨ(バファローズにもいた)がプレーしていたが、その後継とも言える。また、2007年のBCリーグ発足以来、富山~群馬で10年以上プレーを続ける井野口祐介もコーチ兼任で健在。

一方の栃木。監督は昨年まで巨人にいた寺内崇幸監督で、コーチにはこれも昨年までロッテの岡田幸文、そして選手兼任で元ヤクルトの飯原誉士がいる。3人とも栃木県出身というのも地域密着にプラスだろう。

その一方でNPBのスター選手を招聘するのも栃木は積極的で、昨年は村田修一も在籍して球団の人気向上につなげた。

そして今季、そのポジションにいるのがあの西岡剛である。昨年でタイガースを自由契約になり、NPB復帰を模索して今季は栃木でプレー。残念ながら7月末の移籍期限までに声はかからなかったが、どこかのインタビュー記事によれば野球そのものをまだまだ辞めるつもりはないそうで、この日も若い選手に交じって熱心に体を動かしたり、群馬の高橋雅裕コーチと談笑したり、明るくグラウンドに立っている。ネットの書き込みでは、「西岡がNPBに復帰できないのは本人の素行のせいだ」というものがあるが、昨年の村田修一にも同じようなものがあったと思う。ただ、少なくとも球場で姿を見せる限り、いち野球ファンとしてフェンス越しにその姿を見る限りでは、「そんなに素行が悪いの?」と疑問視する。若手の選手に交じって、声もかけながらアップをしている姿はごくごく自然だと見受けるが。

試合前のイベントも華やかだ。まずは栃木の球団歌『金色(こんじき)の勇者』を唄う、Lovin&S(ラヴィンズ)が登場。栃木県出身・在住の姉妹のユニットだそうだ。栃木のユニットといえばU字工事を連想してしまうのだが、こうしたご当地アイドルもちゃんといる。

そして登場するのは、栃木のチアパフォーマンスチーム、GOLD LUSH。野球に限らず、地域のスポーツやイベントにも数多く出演するほか、ダンススクールも手がけるとか。BsGirlsの栃木版といえば失礼だろうが、この日球場に来ていた男性客の中には「推し」の子目当てもいるように見えた。なおGOLD LUSHの面々は試合中もパフォーマンスを見せたりスタンドにも顔を出したり、試合を盛り上げてくれた。なおこの日はイベントで、メンバーが「チームblack」と「チームwhite」に分かれて、どちらのチームのパフォーマンスが優れているかファン投票で選ぶというのが行われていた。私としては優劣はつけられず、どちらもgood!!

さらに、日本で唯一のプロのアイスホッケーチームの栃木日光アイスバックスの選手もPRで登場し、始球式も行った。栃木は地味にバスケットボールやアイスホッケーのチームが存在感を出していて、ある種独特のスポーツ文化を形成しているように思う。

まだ試合前だが、夏休み期間中ということもあるがグラウンドにいろんな顔ぶれが出るだけで栃木満喫気分である。BCリーグの地域貢献、地域の盛り上げというポリシーの一端を感じることができる。試合開始前に三塁側スタンドに多くの人が集まってきたのは、選手が守備位置に着く際にTシャツが入ったケースを投げ入れるのだという。GOLD LUSHの面々も投げ入れをしたが、残念ながら私が陣取っていたところまでは届かず・・・。

例によって記事が長くなったので、そうそうたる面々が揃った肝心の試合の様子は次の記事にする。その試合も、首位攻防戦らしく熱かった・・・。

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BCリーグ観戦記・滋賀対信濃@守山(拙攻戦は土壇場でドロー)

2019年06月17日 | プロ野球(独立リーグほか)

野球独立リーグのBCリーグの前期も大詰めになってきた。今季から茨城が新規加入して6球団で争う東地区は、6月16日終了時点で強豪・群馬優勝マジックを2としているが、ここまで新潟と接戦である。一方5球団で争う西地区は、当初は富山が優勝争いをリードしていたが信濃が追い抜き、21勝13敗1分で首位。富山は2位で17勝12敗3分の2位である。ちなみに関西唯一のBCリーグ球団である滋賀は開幕当初は健闘していたが10勝19敗4分で4位。

6月17日の月曜日。この日はたまたま土日出勤分の振替ということで元から休日に割り当てていて、当初は札所めぐりのつづきでもやろうかと思っていた。しかし、前週の雨天中止分とかで、この日の12時試合開始で、守山市民球場で滋賀対福井戦が組まれることになった。まあ、リーグ全体の当初の公式戦日程では、前期は6月16日に全日程終了だったが、やはり中止分の振替が何試合かが17日以降に組み込まれ、地区優勝争いもそこまでもつれることになったわけだ。

BCリーグは前期は滋賀対巨人3軍、富山対福井という2試合の観戦だったが、もう1~2試合は行ってもよかったかなと思う。それが急遽17日に組まれ、それも信濃にとっては優勝に向けて大切な試合(前期最終戦)である。札所めぐりは別の日でも全然問題ないので、この日は守山に行くことにした。

しかし、12時開始とはねえ・・・。試合開始1時間半前に開場だと踏んで、逆算して大阪駅朝9時の新快速に乗る。ちょうど朝のラッシュが落ち着いた時間帯で、大阪からでも座って行けた。この時間の電車に乗ることがめったにないので逆に新鮮である。週末のモヤッとした天候から一転、夏の日差しである。関西はまだ梅雨入りしていないのだが。

守山に到着。市民球場には2年前に一度、滋賀対巨人3軍戦で訪ねたことがある。その時は行きは駅から歩き、途中で中山道の守山宿の跡を見てから着いた。巨人戦ということで超満員、立ち見もたくさん出ていた。帰りは選手移動用のバスを使っての送迎サービスを利用した。ただ今回は普通に路線バスで行くことにする。守山駅からだと立命館守山高校・中学校行きのバスに乗り、市民ホール前下車である。

守山はホタルの町というのをアピールしており、球場のある運動公園はホタルの生息地でもある。その公園の中を抜けると球場の外野フェンスに出る。外野はフェンスがあるだけだからグラウンドの様子は丸見えだ。ということはタダで観戦しようと思えばできるということか?

かくいう私もファンクラブ特典でついてきたチケットで入場。スタンドには1人、もう1人いるというところ。平日、月曜日の12時試合開始である。果たして何人の観客が来るのやら。

グラウンドでは信濃の練習中。ネット裏で打撃練習を見守るのは今季から就任の柳澤裕一監督。巨人、オリックス、中日で控えながら合計13年間捕手としてプレーし、引退後は昨年まで3年間楽天のコーチを務めていた。松本市出身で、長野県出身者が信濃の監督になるのは初めてだという。

ノックバットを振るのは南渕時高コーチ。ロッテなどで小柄ながら内野手として活躍。

滋賀の選手たちも試合前のアップに登場。白の練習用Tシャツが涼しげだ。

平日の試合ということで特にイベントもなく(スタジアムDJ、ウグイス嬢が今後のイベントの告知やら、昨年までのグッズのアウトレット販売の告知はあったが)、直前に両チームの選手がライン上に整列して国歌斉唱、試合前の一礼、滋賀の成本監督と信濃の柳澤監督とのメンバー表交換という一連の流れがあって12時に試合開始。

滋賀の先発はセンテノ。見覚えあるなと思って検索すると、昨年は群馬に在籍して12勝を挙げ、チームのリーグ制覇に貢献。見覚えあるなというのは香川とのグランドチャンピオンシップの第1戦で、2人目として登板し香川の反撃を封じた試合だった。今季は滋賀に途中入団となったがここまでまだ勝ち星に恵まれていない。まずは初回、力のあるボールで信濃の攻撃を3人で抑える。

一方の信濃の先発は2年目のギジェン。昨年は9勝を挙げたが今季はまだ2勝止まり。こちらも左腕から140キロ台後半のストレートを投げ込んでくる。これに対して滋賀先頭の茨木がセンター返しのヒットで出塁するが、二塁への盗塁失敗でチャンスをつぶす。

先制は信濃。2回一死から佐野が二塁打でチャンスを作り、7番・松井が三塁・纐纈(こうけつ)のグラブをはじくヒットを放ち、1点先制。

その裏、滋賀は先頭の纐纈がセンターに抜ける当たりを放つが、二塁・山本が飛びつく好プレーが出る。その後ジャクソンのヒットと前本の四球で一死1・2塁とチャンスを作るが、青木が一塁へのライナー。ランナーが戻れず併殺となる。

この後は両チームともランナーを出すが得点に結びつかない。3回表には二死1塁とするがランナーの田島が盗塁失敗。

3回裏は滋賀が小見山のヒット、大前送りバント、茨木のヒットで一死1・3塁として、さらに茨木が2塁への盗塁成功。湯井が四球を選んで一死満塁と一打逆転のチャンスを作る。ここで主軸のジェウディーに回るが、6-4-3の併殺で無得点。

4回表は信濃の4番・ペレス(愛媛から移籍)が10球以上ファウルで粘った末に四球を選ぶが、続く佐野が6-4-3の併殺。

4回裏は纐纈がヒット、ジャクソンが四球とするが、前本が送れず最後は空振り三振。続く青木も5-4-3とこの日2本目の併殺。

5回表は信濃が松井、赤羽の連打、安野が四球で無死満塁と追加点のチャンス。この回、先発センテノの制球にも乱れが見られる。左打者の内角を突こうとするが、突きすぎてボールになってしまう。最後は田島に四球を与えて押し出しで2対0と信濃のリードが広がる。ただ満塁というのが逆に幸いしたか、次の山本の当たりは三塁ゴロ。本塁ー一塁と転送され、5-2-3の併殺でこのピンチを1失点で切り抜ける。

5回裏はギジェンが緩急をうまく使って2三振を奪うなど三人で抑え、これでハーフタイム。改めてスタンドを見渡すが、この日の観客は30人いるかいないかという程度。このうち滋賀の応援団「近江豪勝連合」のメンバーが2人、信濃からの応援団とファン合計5人が含まれるが、その気になれば手で実数を数えられるくらいだ。両チームの選手、監督よりファンの数が少ないという、プロの興行としては笑えない状況である。通常、BCリーグの各試合では試合途中で観客数が発表されるのだが、この試合ではそれがなかった(帰宅後に見たリーグの公式ホームページにも記載なし)。いくら平日の昼間、中止試合の振替試合といってもねえ・・・。

さて6回もセンテノが続投。一死からペレスのゴロを二塁・ジェウディーがトンネル、続く佐野にもヒットが出て一死1・2塁とするが何とか後続を抑える。

6回裏、こちらも続投のギジェンから湯井、ジェウディーの連打で無死1・3塁とチャンスを作るも、纐纈が空振り三振、スタートを切っていたジェウディーも二塁で封殺で三振ゲッツー。続くジャクソンも凡退してまたも無得点。

7回表、滋賀は2人目の上原が登板。一死1塁から田島を1-6-3の併殺に打ち取る。

8回裏、信濃は2人目の平尾が登板。四球をきっかけに二死3塁とするが、代打・田村が空振り三振でまたまた無得点。

9回表、滋賀は4人目で抑えのタバーレスが登板。しかしヒットと四球で二死1・2塁となった後で、安野への投球がパスボール気味となり、捕手・小見山が一瞬ボールを見失う。この隙にランナーがそれぞれ次の塁へ走ったが、ボールを見つけた小見山が2塁へ送球し、1塁走者の松井を封殺。両チームともにドタバタのまま、それでも試合は2対0というロースコアで9回の裏に入った。

信濃とすればこの回を抑えると前期優勝がグッと近くなる。というより、同日に行われている富山の結果次第では優勝なのではないかと思う。マウンドを託されたのは抑えの保田。まずは先頭の纐纈を空振り三振に抑える。

ところが続くジャクソンがライトへの大きな当たりを放つ。ライトの頭上を越える二塁打となり、さらに前本も四球を選ぶ。これで同点のランナーが出た。

次の途中出場の川上のレフトへの当たりそこないの打球がヒットになり、一死満塁。ここで迎えるのは小見山。

一打同点だが一打で併殺もありうる場面、左中間へのいい当たりが出た。タイムリー二塁打となって最終回で2対2の同点。滋賀ベンチは大喜びだ。

さらに2・3塁となり一打サヨナラの場面だったが、後は大前、茨木が凡退して2対2のまま。なお、リーグの規定では、延長の場合試合時間が3時間10分を超えると新たなイニングに入らないとあり、この試合では9回裏終了時点で3時間10分を超えたので延長には入らないとのこと。そのため9回終了で2対2、引き分けとなった。スコアだけ見れば2対2の接戦だったが、内容は上に長々と書いてきたように併殺あり、盗塁失敗あり、チャンスでの凡打ありというもので、併殺や盗塁失敗を伴わない純粋な「三者凡退」は1回表、5回裏、7回裏、8回表だけだった。

帰りの監督・選手のお見送りも客のほうの人数が少ないからあっさりしたもので(いや、コアなファンからすれば選手一人ひとりと握手でもサインでも記念撮影でもし放題だったと思うが)、私もそのまま戻る。予定していたバスには時間があるので、帰りは歩くことにした。駅まで30分あまりという距離だが、途中、守山高校の近くには江戸時代にひかれた水路が残っており、ちょうどあじさいも見ごろだった。ホタルが生息することにもあるように、守山は「水の町」とも言える一面を感じられた。

・・・さてこの試合と、同じ17日に行われた他の試合の結果、両地区の前期優勝の行方はどうなったか。

東地区は群馬が2位の新潟に1.5ゲーム差としてマジック1。ともに残り2試合だが、なんとそのうち1試合が両チームの直接対戦で、19日以降に組まれる。ひょっとしたらこれが優勝決定戦を兼ねるかもしれない。

一方の西地区は信濃がこの試合の引き分けで21勝13敗2分で前期を終了。2位の富山はこの日勝利して18勝12敗3分として残り3試合だが、優勝マジック3が点灯した。富山が残り3試合で1敗でもすれば信濃が優勝だが、逆に2勝1分、もしくは3勝0敗なら最終の勝率で富山が上回り、逆転優勝となる。こちらも混沌としてきた。

で、滋賀はといえば残り2試合、このまま4位で終わりそうだが、その対戦相手はいずれも富山である。17日の試合もそうだが、何だか最後になって前期優勝のカギを握る存在になってきた。まあ、この辺りのところが球場で話題になることもなかったが、はたしてこの後どうなることやら・・・。

(追記)

記事を投稿した後で、実は西地区は3位の石川にも「勝率1位」の可能性があることに気付いた。19勝13敗2分で残り2試合は福井、富山戦。これに全勝すれば21勝13敗2分で、信濃と勝率で並ぶ。しかしリーグの規定で、勝率が同じ場合は今期の対戦成績で優勝を決めるそうで、対戦成績は信濃の5勝3敗。そのため信濃が優勝となる。

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BCリーグ観戦記・富山対福井@ボールパーク高岡(こどもの日に熱戦を)

2019年05月28日 | プロ野球(独立リーグほか)

5月5日のこどもの日、11時すぎに西高岡駅に降り立つ。目指すボールパーク高岡へは金沢方面に向かって線路際の道を歩く。10分ほどで高岡西部総合公園に着く。

いわゆる平成の大合併で新たな高岡市が発足して10周年を記念して総合公園の整備が進み、2015年に完成した。そのメインが高岡西部球場、通称ボールパーク高岡である。

富山サンダーバーズの主催試合を観戦するのも久しぶりだが、これまで富山アルペンスタジアム、県営富山球場、そして小矢部の球場を訪ねたことがある。富山の球場といえばNPBの公式戦も開催されるアルペンスタジアムが有名で、当初はサンダーバーズの試合もアルペンスタジアムが県内でもメインだった印象があるが、現在はボールパーク高岡での開催が多いという。高岡市には従来からの小矢部川沿いの城光寺野球場があるが、今は高岡の球場といえばこのボールパーク高岡がメインである。アルペンスタジアムはやはり使用料がかかるのかな。一方のボールパーク高岡はBCリーグだけでなく高校野球でも積極的に使われており、それに見合った規模と、駅からのアクセスの良さ?もプラスに働いているのかなと思う。ともかく、私の球場めぐりの一つに記録される。

一塁側に高い防球ネットが張られているのは、その後方(画像でいえば右側)に北陸本線もとい、あいの風とやま鉄道の線路が走っているからである。開場当初は列車が走る時間に合わせて一時プレーを中断する措置も取られていたそうだが、防球ネットの設置で、さすがにこれを越える当たりは出ないだろうということである。

13時の試合開始で、開門が11時半。駅に着いたのが11時10分だったからちょうどよいタイミングである。マスコットのライティーもお出迎えである。また入口前にはサンダーバーズのグッズ売り場もある。選手個人のグッズもある中で、目立つのはやはり今季から指揮を執る元巨人~日本ハムの二岡智宏監督のもの。

「あいの風 IR1日フリーきっぷ」の提示で、当日入場券1500円が割引で1200円となった。もっとも、この特典を受ける客が年間何人いるのやらというところだが。

開門となる。この球場ではホームのサンダーバーズが三塁側ということで、三塁ベンチ上の座席に陣取る。ネット裏にはかろうじて屋根がかかっている座席があるのだが、一・三塁の内野席もフェンスが低くて見やすい。最近できた球場ということでそのあたりは観客目線で建てられたのかなと思う。ファンもそれぞれお目当ての席に座る。座席から外野を見ると砺波平野が広がり、遥か向こうには立山に続く山々が見える。いい球場だなと思う。まずは甲子園球場と同じ黒土を使っているというグラウンドを見ながら、高岡駅で仕入れたあれやこれやでの昼食とする。青空の球場のスタンドで飲むビールはまた格別だ。

グラウンドではちょうど対戦相手・福井ミラクルエレファンツの打撃練習中。打撃投手を務めるのは田中雅彦監督。昨年は前期地区優勝を果たしただけでなく、NPBに育成ながら2名の選手を輩出した。ただ今季はその反動か選手の入れ替えも多く、この試合までは低迷中。

この試合はBCリーグの村山代表も訪ねた模様である。

そして富山のウォームアップから守備練習となる。ノックバットを振るのはサンダーバーズ出身の大士(永森)コーチ。

その中で元気のよい声を出す選手が目につく。登録名がつよし(藤原)というが、明石高校からアメリカの独立リーグなどを経て富山に入団して2年目の選手である。

スタメン発表。この日はこどもの日ということでスコアボードの選手名も全てひらがな書きである。これはこれで一々選手名鑑と見比べて確認することになる。

試合前に監督、コーチ、選手が登場。ここで二岡監督も登場する。攻撃中は一塁のコーチボックスにも立つ。

富山先発は阿部。いきなり初回、先頭の澤端にレフトへの二塁打を許し、続く工藤の外野フライの間に三塁に進む。3番の石井が一塁への内野安打を放ち福井が1点先制。

その後二死としたが、荒道の打席で頭部への死球を与える。スタンドもざわつく。荒道は大事を取っていったんベンチに下がり、「臨時代走」として前打者の清田がベースに立つが、この投球で阿部は危険球退場となる。初回から荒れそうな予感である。

緊急登板となったのは吉田。続く須藤にタイムリーを許して2対0とまずは福井リード。

福井の先発は望月。初回、富山は二死一・二塁のチャンスを作るが無得点。しかし2回、先頭の金子が四球で出ると、マクシーがレフトに二塁打を放つ。これで2対1と追い上げる。

ここで迎えるのは元気のよいつよし。望月のボークで無死三塁となったところでレフトへ犠牲フライを放つ。2対2の同点だ。

この後中盤までは両チームともランナーを出すが得点には至らない。特に富山の打者にはフライでのアウトが目立った。望月がそういう投球をしたということだろう。

2対2の均衡が崩れたのは7回裏。この回表に富山の3人目・ラミレスが福井を三者凡退に退けた後で、福井はこの回から2人目・元バファローズの塚田が登板。先頭・榎本の四球をきっかけに河本の二塁打で二死二・三塁のチャンスを作り、金子がレフトへのヒットを放つ。3対2、終盤に来て富山が逆転である。スタンドも大いに盛り上がる。

終盤の逆転で富山に流れが行ったようで、8回はラミレス、そして9回はブラウンが登板して福井の攻撃を抑える。そのまま3対2で富山が勝利。序盤はどこまで荒れるのかと思った展開だったが、中盤以降はまあ締まった試合だと言える。

ヒーローインタビューは勝利投手となったラミレスと、決勝タイムリーの金子が登場。またこの後の記事では緊急登板の吉田のコメントも出ており、いつでも登板できるよう心の準備をしていたという頼もしい言葉もあった。

試合後は恒例のお見送り。この試合は936名という入り。連休中だからもう少し、せめて4ケタはほしいなと思ったが、これが現状なのかなと思う。大型連休の後半も各地で試合が行われたが、一番の入りとなったのが5月3日に栃木市営で行われた栃木対群馬の2415人。栃木では翌日も2000人超えの観客があったが、その他といえば1000人に満たない試合がほとんど。大型連休は全国の行楽地で混雑や渋滞が見られたと報道されたが、独立リーグにあってはその辺りは無縁なのかな。

大士コーチや何人かのサインをいただいたが、観客のお目当てだったであろう二岡監督はこの日姿を見せなかった。この試合がそうなのか、あるいは普段から出てこないのかは知らないが、ちょっと期待していただけに残念である。ただいつまでも待っていても仕方ないので、そろそろ駅に戻る。

このまま西高岡駅に着き、金沢まで移動する。この日は金沢でちょっと夕食でもと思い遅い時間のサンダーバード号の指定券を持っていたが、もうこのまま大阪に戻ることにする。幸い先行のサンダーバード号の自由席も空いており、そのまま大阪まで、隣に誰か座ることもなく戻る。あっけなかったと言えばあっけなかったが、昼間の球場は暑かった。翌日6日は連休最後ということで休養に充てる予定だったが、その前に少しでも早く帰ろうとなった。北陸にはまた来ればよいと思う。

当初、大型連休を利用して関東の球場などを巡ってみようと思っていたが、それは今季の夏休みに向けて考えることにする。ちょうどお盆の期間中、ナイターを含めて開催が予定されている。これらを回るプランをJRの時刻表をいじりながらあれこれ考えるのも楽しい。もちろん宿泊も絡むことなのでそれをどこにするかは思案する必要があるが、こうした楽しみもまた追いかけたいものである・・・。

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観戦記・BCリーグ滋賀対巨人3軍@皇子山(ユナイテッド、ホーム開幕戦勝利)

2019年04月13日 | プロ野球(独立リーグほか)

4月に入り、BCリーグも開幕。今年はどのくらい観戦できるものか、日程表をチェックすることである。

その中で唯一関西に本拠地を置く滋賀ユナイテッドBC。今季は冠スポンサーにオセアングループがついたことで、球団名も「オセアン滋賀ユナイテッドBC」となった。このオセアン、確かバファローズの2軍本拠地の舞洲スタジアムのネーミングライツも持っていて、「オセアンバファローズスタジアム舞洲」と名乗っている。オセアンってどんな会社やねんと調べてみると、横浜に本社を持つ大洋建設を中心としたホールディングスで、建設の他にリフォーム、不動産、介護サービスなどを手掛けているとのこと。横浜で大洋といえばホエールズを連想してしまうが、社会貢献活動の一環として次世代の育成支援というのを掲げていて、その対象にスポーツを挙げている。なるほど、NPBの2軍や、独立リーグというのはその趣旨に合っているのかもしれない。

滋賀のホーム開幕シリーズはいきなり巨人3軍との2連戦。当初は2戦目にあたる13日の守山での観戦を計画していたが、その前日12日は大津の皇子山で行われる。滋賀を本拠地とするといいながら皇子山での試合は初年度(2017年度)の開幕戦のみで、アクセスもいいのにもったいないと思うのだが使用料その他のことがあるのだろう。皇子山球場の中には入ったことがないので、これは行ってみようと思う。

17時試合開始、平日ではあるが会社の振替休日をここに持って来て観戦が可能となった。ということで朝から別のお出かけと組み合わせたのだが、そのことは後の記事にて。

開門はファンクラブ会員が15時、一般観客が15時半だが、いくら巨人戦といってもこの時間から大勢の客が来るものでもない。防球ネットを気にせず全体を見ようと席を選ぶと、ちょうど応援団の上の当たりに落ち着いた。ちょうど応援団や常連のファンにとっても開幕戦ということで、スタンドのあちこちで挨拶を交わす光景が見られる。私のところにも「応援よろしくお願いします」と選手の応援歌詞の紙を配りに来てくれる。面白いのが応援団監修による選手名鑑で、例えばこの日先発の高井ジュリアンについては「『柔』のエース、低めのコントロールとゾーンの出し入れでゴロの山を築く。選手タイプ:金子弌大(千尋)」とある。他の選手もNPBの選手になぞらえており、選手の多くが新加入だけにそういう見方も面白いと思う。

スタンドの周りにも桜が咲いているし、京阪石山坂本線のミニ電車がコトコト走るのも見える。三塁側スタンドの上段からは建物の向こうに琵琶湖も水面も見える。ドーム球場では見られない景色である(試合中に「京阪狙え、◯◯!」というコールがあったのも屋外球場ならではである)。

スタメン発表の後は開幕セレモニー。越・大津市長や鈴木球団社長、そしてこの試合のスポンサーであるスズキ自販滋賀の方からの挨拶がある。

そして滋賀の選手紹介。昨年途中の監督代行から成本年秀監督が昇格、コーチには昨年まで愛媛のコーチだった萩原淳が就任。一方の巨人3軍は井上真二監督、昨年は栃木でプレーした村田修一コーチ、先日タレントのベッキーさんと結婚した片岡治大コーチなどの顔が並ぶ。

17時、まだ日が差す中での試合開始。スタンドの観客もまばらだが、ネット裏にはスズキ自販滋賀のブルゾンを着た人が陣取り、三塁側の最上段ではジャイアンツのハッピ、ユニフォーム、ハチマキに身を固めた巨漢の男性が一人で応援。それに対してこちらからは「太鼓くらい貸したろか~」「おっさんの声が近所迷惑や言うとるぞ~」などと半分茶化す声も聞こえる。

ます初回、先頭のドラフト2位高卒ルーキー・増田陸から始まる打線を三者凡退に打ち取る。

巨人の先発はこれもドラフト6位高卒ルーキーの戸郷。初回、井川、纐纈(こうけつ)のヒットでチャンスを作るも得点には至らない。

試合が動いたのは3回表。巨人先頭の比嘉がエラーで出塁し、二塁へ盗塁する。続く増田陸、黒田は高井が2者連続で見逃し三振としたが、笠井がライト前に運ぶ。これで巨人1点先制。

その裏、先頭の湯井がヒットで出塁し、井川がきっちり送る。二死後、纐纈が左中間を破る当たりを放つ。湯井が生還して1対1の同点。纐纈も三塁まで到達したが、この際の外野からの返球が逸れてベンチに入った様子だった。これで審判もホームベースを指す仕草をしたため、そのままホームインした。エラー絡みだが結果的に「ランニングホームラン」となり、2対1と滋賀が逆転。

4回から巨人はドラフト4位ルーキーの横川が登板。そう、根尾(中日)や藤原(ロッテ)らと並ぶ昨年の大阪桐蔭の春夏連覇のメンバーである。滋賀出身だそうで、その意味では凱旋登板ということかな。一塁側からも拍手が送られていた。中盤の3イニングを投げて被安打1(そのランナーも牽制で刺す)、与死球1、無失点と好投した。

滋賀先発の高井もランナーを出すものの失点は3回の1点のみ。応援団監修の選手名鑑のように「ゴロの山を築く」とまでは行かなかったが、7回まで投げて被安打4、奪三振6、与四球1、失点1とNPB相手に立派な成績。

滋賀は8回に2人目のパクが登板し、三者三振に打ち取る。そして9回には抑えのタバーレスが2三振、最後の打者も遊ゴロに抑えて試合終了。2対1、先週の福井での開幕戦に続いて連勝スタートとなった。一昨年、昨年と1勝を挙げるのがやっとだったという印象だが、今年は何かが違うぞと思わせる。

ヒーローインタビューは7回好投の高井と、決勝につながる三塁打を含む3安打を放った4番・纐纈の2人が登場。今季はこの2人がチームの軸になりそうだ。

試合後は恒例のお見送りということで、納経帳に朱印・・もとい選手名鑑にサインをいただく。

17時からの試合、観衆は875人と発表された。2時間半ほどで終わったので時刻は20時前。すぐ近くの湖西線大津京駅に戻る。駅前で飲んでもいいくらいの時間だが、先ほど球場ではかなり冷えたのでそのまま列車に乗る。1駅山科まで出て新快速にて大阪に戻った。

今季のBCリーグは新たに茨城球団も加わり合計11球団となった。まだ行ったことのない球場もたくさんあるので、そうしたところも楽しみにしたいものだ・・・。

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10連休、どう回ろうか

2019年03月06日 | プロ野球(独立リーグほか)
3月に入り、連日どこかの大学での合同企業説明会や大型イベント、さらには自社での会社説明会と、相変わらずの売り手市場の中、一人でも多くの学生にエントリーしていただくために走り回っている。

そんな求人活動だが、今年は天皇陛下退位~新天皇即位ということで、4月27日から改元の5月1日を経て6日までいわゆる「10連休」である。この期間をどう使うか、企業によってさまざまな判断があるようだ。大学も休みなのだからとこの期間中に事実上の選考を行うところもある一方で、活動を停止する企業も多い。幸い私の勤務先企業は後者を取るようだが、それは「大型連休中に採用活動やるような企業は、入社後はその期間中でも平気で休日出勤させる企業なのだろう」と、学生が変に解釈しないかという恐れからでもある。

では大型連休はどうするか。昨年、一昨年は四国八十八所の札所めぐりだったが、これはもう結願している。

一方で、東に目を向けるということで、BCリーグの観戦はどうかな。青春18きっぷの時期ではないが、関東甲信越、北陸を回るのも良さそうで、今季から茨城の新球団も登場する。

今季の公式戦日程がリーグのウェブサイトに掲載されたようなので、観戦とプラスアルファの楽しみができないか、いろいろ検討しよう。問題は宿が取れるかどうかだが・・・。
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カラバイヨが引退

2019年02月26日 | プロ野球(独立リーグほか)
プロ野球独立リーグのBCリーグの群馬ダイヤモンドペガサスに所属するカラバイヨが引退を発表したという。すでに現在はアメリカにあるトヨタのディーラーとして働いているのだとか。

残念だけど年齢のこともあり、メジャーやNPBでの活躍も望めないし、群馬としても若返りを図るということだろうか。ともかく、お疲れさまでした。

カラバイヨといえばバファローズファンとしてもインパクトあった外国人選手で、高知、群馬での活躍が認められ、2010年、長打力不足にあえいでいたバファローズに加入すると、デビュー戦初打席でホームランを放つ(その試合、ナマで観戦していた)。ただその後は故障もあり翌年末で戦力外に。ただ、BCリーグ・群馬に復帰すると打点、本塁打でのタイトルも獲得したし、BCリーグ三冠王やMVPにも輝いた。

それを受けて2015年、外国人打者の不振もあって長打力不足にあえぐバファローズと再契約をして、一時は4番を張った。この頃になるとインタビューにも日本語ペラペラで対応するというのも話題となったが、年齢的なものもあったのだろう戦力外となった。

そしてまた群馬に選手兼コーチで復帰したのだが、選手としては格の違いを見せつけた。2018年は本塁打王、打点王にも輝き、それぞれ2位のベテラン・井野口との大砲2門でBCリーグを制覇した。四国アイランドリーグの年間チャンピオンの香川オリーブガイナーズとの独立リーグチャンピオンシップにも出場し、私も四国八十八所めぐりの道中でその姿を目にすることができた。その試合では本塁打、打点をあげることはなかったが、結果として現役最後の姿を目にしたわけで、改めて惜しいと思った。

引退後の進路としてバファローズやダイヤモンドペガサスに携わることなくアメリカに渡ったのは残念だが、就職先がトヨタのカーディーラーというのが面白い。日本語を操れるというのが日本のクルマの販売にも貢献することだろう。ただそれでも、またいつか日本の野球場での姿を見てみたいと思う。

ともかくも、お疲れさまでした・・・。
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BCリーグ観戦記~滋賀対栃木@湖東(試合編 滋賀の勝利を初めて見る)

2018年09月08日 | プロ野球(独立リーグほか)
9月2日、BCリーグ湖東スタジアムでの滋賀ユナイテッド対栃木ゴールデンブレーブスの試合は、今季で引退の村田修一選手の勇姿を観ようと大勢のファンが見守る中で開始。

滋賀の先発は今季途中で信濃グランセローズから移籍の高井。昨年は12勝を挙げて信濃のBCリーグチャンピオン、さらには四国アイランドリーグとの独立リーグチャンピオンシップ制覇にも貢献し、BCリーグ投手部門のMVPにも輝いた。

1回表、まずは二死一塁の場面で4番の村田を迎える。スタンドから大きな拍手が起こり、多くのカメラやスマホが打席に集中する。その中での打球はセンターフライ。まず序盤を無得点で切り抜ける。

一方の栃木の先発はウーゴ。ブラジル出身でスワローズにも在籍していたし、ブラジル代表でWBCに出場したこともある左腕投手だ。こちらも序盤はNPB在籍の格の違いを見せつける形で、3回までに5三振を奪う。

滋賀の高井も毎回ランナーを出すが、栃木のランナーの盗塁失敗二つにも助けられて5回まで無得点に抑える。スピードガン表示がないので球速はわからないが、結構力強い投球をする印象だ。村田にも真っ向勝負で凡退に退ける。

1時間20分で5回裏まで終了という早い展開。5回終了後には球団スタッフによる滋賀ユナイテッドの球団歌の生声も披露される。

試合が動いたのは6回裏。二死二塁の場面で、滋賀の5番・前本がセンターへのタイムリーを放つ。ようやく均衡が破れて1対0と滋賀が先制する。

さらに、続く田中の代打には桑田が登場(あの桑田真澄氏の長男)。ストレートを振り抜いた当たりはライトへ、そしてフェンスを越える。代打ホームランが出てこれで3対0と大きくリードする。昨年のチーム発足以降、滋賀の試合の生観戦は7試合目だが、こういう形でリードする展開は初めてである。これ以降で滋賀の追加点の場面もあったが栃木も継投でしのぐ。

8回表、村田に4打席目が回る。ここまで無安打だったがさすがはベテラン。レフトへのヒットを放つ。プロ通算「2000本安打」には届かないが、先ほどのホームラン競争とは違い、終盤に相手を追いかける場面でのチャンスメークはさすがだと思う。後続がなく8回も無得点だったのは残念である。これで村田の滋賀での出番も最後になるのだろうか。

球場からのその思いが伝わったのか、9回表、先頭の橋爪がこの試合4本目のヒットで出塁する。続くルーカス、新山が連続ヒットを放ち、無死満塁のピンチを迎える。ここまで何度もピンチを迎えながらもしのいできた高井もここで降板。抑えのロレンゾが登板する。

ロレンゾに対して栃木も攻め立てる。谷津がレフト前に流して1点を返してなおも無死満塁。続く野崎のセカンドへの当たりを滋賀の北本がナイスキャッチ。飛び出していた二塁ランナーも戻れず、一気に二死一・三塁と変わった。

あと一人だが、打席の松井が出塁すればその次は村田である。ここで何とロレンゾが暴投で三塁ランナーが戻り、3対2、なおも二死三塁となる。スタンドも、「村田の打席がもう一度見られるかな」という期待感が広がる。

ただここはロレンゾが松井を空振り三振に切って試合終了。3対2で滋賀が勝利した。私が観戦して滋賀が勝ったのも初めてで、これはこれでうれしいところだ。

ヒーローインタビューも初めて見る。呼ばれたのは8回0/3を投げて勝ち投手の高井と、貴重な本塁打を放った桑田。こちらも賞品の近江米がプレゼントされた。

試合後は監督、選手のお見送り。この日は勝ったのでサインをいただくことにする。成本監督代行やホームラン競争に出たジョニー、先制打の前本、本塁打の桑田といったところのサインをいただく。勝ち投手の高井はクールダウンでもしていたのか残念ながら出てこなかった。

公園の一角では滋賀、栃木の両応援団による「二次会」が行われていたが、NPBのそれとは違って一緒に盛り上がる一般のファンはそう多くない。

それよりも人垣ができていたのは三塁側の出口。選手はここから出てくるので「出待ち」の人たちである。いつものBCリーグの試合ならこうした人垣はできない。やはり村田がお目当てのようだ。その村田は正面下でTシャツ購入の抽選に当たった人たちへのサイン会を行っているところだった。試合が早く終わり、幸いコミュニティバスまで時間があるので私も待ってみることにする。

栃木の選手たちも出て来て公園入口のバスまで歩いて行くが、、ユニフォームと顔が一致しない、そもそも対戦相手としてもなじみがないということもあり声をかける人はほとんどいない。その中で辻監督が出てきたり、元スワローズの飯原兼任コーチが引き上げて来た時はサインや記念撮影を求めるファンがちらほらといた。せっかくなので私も一筆いただく。

そして最後の方で村田が登場。滋賀の鈴木球団社長自らがバスまでエスコートし、警備員も一緒についてくる。混乱を避けるためかやはりサインは行わず、その代わり列を作っていた人一人一人と握手をし出す。私もその中で握手だけしてもらった。村田が移動するとそれに合わせて周りの人垣ごと移動していく。やはり元NPB、2000本安打近くまで行った選手の人気、オーラというものは違うように思う。今季でのNPBへの復帰はならず、一部には本人の性格や素行に問題があるかのような声もあるようだが、BCリーグに来て本人が得たものもいろいろあったのではないかと思う。何ならここで指導者としての経験も一緒に積んで、そうした形でのNPB復帰を目指してもいいのではないかとも思う。

試合は滋賀の勝利だったが、やはり「村田修一デー」のような一日だった・・・。
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BCリーグ観戦記~滋賀対栃木@湖東(試合前編 本日は村田修一デー)

2018年09月06日 | プロ野球(独立リーグほか)
9月2日、西国三十三所めぐりの観音正寺参詣後、八日市駅に向かう。ここから11時20分発の東近江市のコミュニティバス湖東線に乗るが、バスを待つ間にも湖東スタジアムに向かうらしい人の姿も見える。旅行のキャリーバッグを持っている人もいる。栃木ゴールデンブレーブスは前日丹南(越前市)で福井ミラクルエレファンツと対戦し8対1で敗れたものの、栃木の1点は村田修一のホームランによるものだった。栃木ファン、村田ファンの中には泊りがけで丹南と湖東の観戦という人もいるのだろう。

時間となり、コミュニティバスの小型車両が到着する。定員26人という表記があるが本当に26人乗れるのかという車両で、バス停前にいた人、駅の待合室にいた人で満員となる。「湖東スタジアムへはこれでいいですか?」と訊ねる客も多く、乗客のほとんどがスタジアム行きの客のようだ。運転手も「湖東スタジアムへ行かれる方は湖東支所で降りてください」と放送する。13時試合開始の1時間少し前に着くから手頃な便だと思うが、これが「村田修一のいない栃木戦」だったらバスが満員になるくらいの客は来るだろうか。

バスは東近江市役所や滋賀学園前を通り、愛知川を渡る。湖東支所までは20分ほどで到着した。果たしてほぼ全ての客が降りる。スタジアムは5分ほど歩いたところにあるひばり公園の中にある。コミュニティバスはこの近くを循環するルートとなっており、帰りはひばり公園の前から乗ることができる。

公園の入口が駐車場で、栃木のチームバスも停車している。金色のボディが目立つが、年に一度のこととは言えはるばる栃木からバスで遠征とは大変だ。

スタジアムは公園の奥にある。入口で入場券を買って中に入ると、スタンドはBCリーグ、また滋賀ユナイテッドの試合にしてはすでに結構な入りで、スタンドの中央部もそこそこ埋まっている。この後からも観客が増え、中央のオレンジのシートは9割以上埋まった。やはり多くが村田の姿を観よういう人たちだろう。ジャイアンツやベイスターズの帽子やタオルをまとった人もちらほらと見える。

グラウンドでは栃木の選手が練習中で、ベンチには早くもユニフォームに着替えた村田の姿も見える。

滋賀もこれをビジネスチャンス?と捉えていて、この試合はさまざまなイベントを仕掛けてきた。村田引退を受けて栃木が作成した「男・村田修一FINAL ROAD記念Tシャツ」を販売し、購入した人のなかから抽選で3名に村田との写真撮影やサインがいただけるという。また試合前には村田と滋賀の4番・ジョニーによるホームラン競争が行われる。これは見ものだ。

スタメン発表。村田は4番・DHでの先発出場である。

その後にホームラン競争。進行は吉本の「滋賀県住みます芸人」のファミリーレストランのコンビが務めるが、本番前に「素人がホームランを打つのがどれだけ難しいか」ということを実演する。トスを上げてもらってバットに当てるが、内野フライかボテボテのピッチャーゴロ。

そして村田、ジョニーの登場。日本語もペラペラなジョニーが「(10スイング中)8本は打ちたいですね」と大きく出れば、一方の村田は「こういうのってあまり得意じゃないんで・・・1本打てたらいいと思います」とえらい謙虚に答える。

ジャンケンで先攻はジョニー。BCリーグ3球団で通算59本塁打のパワーを見せたいところで、惜しい当たりも結構あったのだが外野のフェンスを越えたのは結局1本だけ。「力入っちゃったネ」と苦笑いだ。

そして後攻の村田。スタンドから大きな拍手があり、客席の最前列にはカメラやスマホを持った人たちがその姿を捉えようと集まってくる。こちらはNPB通算360本塁打の実力者、スイングにも余裕が見える。そのうち、カチンという当たりとともにレフトスタンドの奥の森の中に打球が吸い込まれる。そして2本目はいったんファウルの判定だったが、栃木ベンチからの抗議?によりホームランに認定。その後ももう1本放ち、合計3本。そのたびにスタンドから大きな拍手が起こる。結果は3対1で村田の勝ちとなり、賞品として近江米がプレゼントされた。村田にとっては最初で最後となる滋賀での試合だけに、花を持たせたわけではないだろうがいい思い出になったかな。

この後は両チームの選手たちが登場する。滋賀は途中休養の松本匡史監督に代わり、マリーンズの抑え、コーチだった成本年秀コーチが監督代行を務める。一方の栃木は元ホークスの辻武史監督。他にコーチ兼任選手で元スワローズの飯原もいる。

13時に試合開始。こちらのほうは終盤までもつれる展開に・・・。
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村田修一、NPB復帰かなわず引退へ

2018年08月01日 | プロ野球(独立リーグほか)
7月31日がNPBの新選手獲得、トレードの期限となり、各球団の陣容はこれで固まった。同時に、育成選手からの支配下登録も終了である。

独立リーグに目を向けると、福井ミラクルエレファンツの岩本輝(元阪神)が7月に急遽オリックス・バファローズに入団。早速中継ぎで登板となる。7月31日はリードされた場面で登板して1回無失点。その直後に逆転して勝ち投手の権利を得たが、終盤に再逆転されてチャンスを逃したのは残念だった。ただ、リリーフ陣に疲れが見えて登録抹消が出る中で、岩本にとってはチャンスだろう。これからも頑張ってほしい。

一方で、昨年限りでジャイアンツを自由契約となり、今季は栃木ゴールデンブレーブスでプレーしていた村田修一が、7月31日の期限になってもNPB球団からオファーがなかったことを受けて、今季限りの「引退」を表明した。正確には、来季また再挑戦するかはわからないにしても、今季でオファーがないのに来季ならあるという可能性はほぼゼロだろう。

ずっとセ・リーグでプレーしていたので球場での生のプレーを観る機会はほとんどなかったが、一発を打てる実力はある選手。今季の栃木での成績は評価が分かれるところだが、やはりプロの目から見ると獲得するには足りなかったということなのだろう。若手を起用するとか、ポジションが限られているとか、(一部記事では)性格に難ありとかも絡んでのことである。

打撃がそこそこ期待できるならバファローズも獲得を検討してはどうかと個人的には思ったが、故障で欠いているとは言え中島や小谷野がいるのなら完全にかぶってしまうなと。

NPB復帰はかなわなかったが、今季は最後まで栃木でプレーするという。それならば、9月の初めに組まれている福井、滋賀の遠征には来るのだろうか。BCリーグでも地区が異なるため相手の本拠地への遠征は1試合ずつしかない。別に村田修一のファンというわけではないが、これはどちらかの試合には行きたいものだ。

これからの試合の中で、村田も自分の今後の進路を考えるだろうし、NPB経験者である他球団の監督やコーチからもアドバイスがあるかもしれない。指導者のキャリアを積むということなら独立リーグもやりがいがあると思うし、体が動くなら兼任プレイヤーという方法もある。独立リーグからNPBにコーチとして復帰した例もたくさんあるし、そうした経験を積んだ後なら、古巣ベイスターズの監督の声もあるのではないだろうか?(さすがに持ち上げ過ぎか)

「男」村田のこれからが問われる夏から秋になると思う・・・。
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BCリーグ観戦記~福井対滋賀@敦賀(投手戦が延長戦に・・)

2018年07月03日 | プロ野球(独立リーグほか)
7月1日の敦賀での試合は「敦賀市の日」としての開催である。福井ミラクルエレファンツは福井をメインとしつつも、他に三国、丹南、敦賀、美浜、おおいと県内で幅広く試合を開催している。

12時に一般客の開門時間となりスタンドに入る。バックネット後方は屋根のあるスペースで、そこから埋まるかたちである。暑いのだがやはりネットが邪魔なので、一塁側の上段に陣取る。陽射しをモロに受けるが、この日は風が強い。スタンドの応援席の後部に福井の旗があるがずっとバタバタ言っていて、下手すればポールが折れてしまうのではとヒヤヒヤする。この日の観戦は、真夏の暑い部屋で扇風機の強風をガンガン回しているような環境。冷凍のペットボトルの麦茶もすぐに溶けそうだ。

福井を今季から率いるのは元ロッテ~ヤクルトの田中雅彦監督。本職は捕手だが内野もこなしていた。昨年から福井でコーチを務めたが今季は監督に昇格。まだ36歳と若く、試合前には自らノックを行い、試合中は三塁のコーチボックスに入る。そんな中で前期優勝は立派である。

試合前には地元中学のブラスバンド演奏や、福井国体のPRのダンス披露、そして敦賀市長の挨拶がある。

さて福井の先発は神戸(かんべ)。手持ちの選手名鑑に名前がないので途中加入かと検索すると、6月にオリックス・バファローズから派遣されてきたとある。おまけに、私も初めて見る投手ではない。今年の4月に舞洲で2軍戦を観た時に登板し、愛媛マンダリンパイレーツ相手に150キロ超の速球と110キロ台の変化球で苦もなく三者凡退に打ち取っていた。立正大学から育成ドラフトで入団して2年目。バファローズ1軍で中継ぎで連日登場の黒木のチームメイトである。本指名と育成の差は何だったのかは素人の私にはわからないが、2軍戦でもそれほど出番がないことから、このたびBCリーグへの派遣となったようだ。

バファローズは何やかんやで福井とご縁があるようで、かつては左腕の前田がBC初のドラフト本指名で入団しているし、その後も若手投手を派遣している。昨年でバファローズを戦力外となった塚田も今季は福井の投手として再出発だ。

バファローズの投手が出るのなら、滋賀相手といえども福井を応援しよう。

その立ち上がり、いきなり三振2つを獲るなど上々。ここまでリーグワーストの成績の滋賀打線は手が出ないだろうと思わせる。

一方滋賀の先発は長身のエース格の鈴木。1週間前に観戦した試合でも先発したが、中盤でリードを守りきれなかった。神戸に刺激されたか、四球は出すものの先週と比べて力強い投球を見せる。

4回裏終了までで両チーム無得点。神戸は被安打1、奪三振4、無四球。鈴木は被安打1、奪三振6、四球4。ただ、四球のランナーも盗塁失敗や牽制でおびきだしてアウトになっている。神戸がバファローズの投手ということを踏まえると、鈴木の頑張りが目につく。

この試合の最初のチャンスは5回裏。先頭の須藤がレフトへのフライが風に戻される形のヒットで出塁し、その後に木内のヒットで一死1・3塁とする。ここで1番松本を迎えるが空振り三振。続く小野瀬も凡退で無得点。

直後の6回表は2四球で滋賀がチャンスを作るが後続が凡退。この先、神戸、鈴木がどこまで投げ続けるか。

7回裏、福井は先頭の石井がヒットで出塁。終盤なので続く須藤が送りバント。これを鈴木がはじいてしまい、無死1・2塁となる。福井はチャンスを広げようと次の寺田がバントしたが、フライ。滋賀の捕手の寺田が気迫のダイビングでキャッチする。その後も続かず無得点。試合は福井が押しているように見えるが得点が・・。

そして8回裏。先頭の小野瀬が四球で出たところで鈴木が降板する。代わって出たのは左のアンダースローの長岡。先日、武蔵ヒートベアーズから移籍の投手で、ある筋に固定ファンが付きそうな投げ方である。続く左打ちの片山を三振に仕留めてお役御免。続いてパクが登板。

この場面で小野瀬が盗塁に成功し、打席の右打ちの清田(せいた)が右中間への当たりを放つ。終盤で福井に待望の先制点が入る。一塁側スタンドにイッチョライ節(福井音頭)の声が響く。8回裏ということもあってこれが決勝打ではないだろうか。

9回表のマウンドには引き続き神戸が向かう。バファローズに一回り大きくなって戻って来るにはここは完封してほしいところ。神戸も簡単に二死をとり、あと一人で試合終了というところで迎えるのは杉本。この当たりはレフトへ。少し前進していたレフトの頭上を越す二塁打となる。滋賀はこれで一打同点のチャンスとなり、4番のジョニーが登場。先ほどの打席は落ちる球を効果的に使って空振りの三振に打ち取っている。

ところがその初球、高めのストレートを振り抜いた当たりはライトの頭上を越える。9回二死から1対1の同点。三塁側の近江豪勝連合の面々は大喜びだ。神戸は何とか後続も打ち取るが苦笑いでの降板である。

9回裏、福井もランナーを出すが得点ならず、延長戦となる。BCリーグの規定では延長は最大で11回までで、3時間10分を過ぎると新しい回には入らない。また、照明がない球場などでは状況によって打ち切るそうだが、敦賀の場合は一応照明はあるし、ここまで速い展開なので最大11回まで行うことはできる。

10回表は、元阪神の岩本が登板。こちらも元NPBらしく滋賀打線をあっさりと抑える。10回裏は8回途中から続投のパクが抑え、11回に入る。神戸-鈴木の投げ合いの試合も継投試合になる。11回表は福井が3人目の左腕・日下部。ヒットと四球で一死1・2塁として、前の打席で同点2塁打のジョニーを迎えるが、4-6-3のダブルプレーで切り抜ける。これで滋賀の勝ちはなくなり、後期初勝利とはいかなかった。

最終回となる11回裏、滋賀は4人目に先発要員のロレンゾを持って来る。先頭の木下が四球で出るが、続く須藤のバントは二塁封殺。最後は途中出場の山根のところで3-6-1のダブルプレーで試合終了。11回まで戦って1対1の引き分けである。

試合時間は3時間19分ということで、野球の試合とすればそんなものだろう。引き分けということでお互いにお辞儀をして終りである。ただ試合直後、私は球場前に停めていたスポーツサイクルにすぐさままたがっていた。独立リーグの試合なら、終了後のホームチームの選手たちの「お見送り」が楽しみの一時で、選手や監督、コーチのサインもいただける時間なのだが、この日は1分1秒を争う勢いで自転車に乗った。

実は帰りに予約していたのが敦賀16時42分発の特急サンダーバード32号である。試合終了が16時20分で、球場から敦賀駅までは4キロあまり。もし試合が9回で終了していれば、「お見送り」の時間も過ごした後でも間に合う時間だっただろうが、まさかの延長11回である。ただ、急いでペダルを踏めば間に合うかもしれない。そういう思いで球場を後にした。結構ペダルが重く感じるが、何とか少しずつでも駅の方面に向けて走る。

・・・その結果は、確かに球場から20分で駅前まで戻ってきた。ただ、道路から駅を見る方向にちょうど特急車両が停まっていて、そろそろと出発するタイミングだった。もう3分あれば間に合ったと思うが、これは失敗。それなら、試合終了後に「お見送り」の時間を過ごせばよかったかなと思う。

この次は17時56分発のサンダーバード36号。JRの規則では、指定席を買っていた特急に乗り遅れた場合、後続の特急の自由席なら追加料金なしで乗ることができる。しかし、ここはあえてサンダーバード36号の指定席をもう一度お金を出して購入した。敦賀から自由席に座ることなどできないだろうし、無理に自転車を飛ばして乗り遅れた自分へのペナルティでもある。そもそも、野球の試合というのは長引くものだから、最初からサンダーバード36号の指定席を押さえておけばよかったのだ。

列車までの待ち時間は敦賀駅構内の待合室で過ごす。17時30分になると、待合室内でFBC福井放送を流しているテレビから「笑点」のテーマ曲が流れてきた。ああ、もうそういう時間なのか・・・と、前半部分だけテレビのほうに体を向ける。まさかこの放送の翌日、長くこの番組に登場していた桂歌丸さんがお亡くなりになるとは・・・。

帰りの特急は運よく1列の2席とも空いており、実質2人分のスペースを使いながら大阪まで乗ることができた。昼間は(自転車の)飲酒運転につながる恐れがあるとしてビールは飲まなかったが、敦賀駅内のコンビニで買ったものをしっかりといただく。今年も猛暑になる見込みの7月の初日、まず景気づけということで敦賀での1日を楽しんだ次第である。

BCリーグの後期も始まったところで、この先暑い中で観戦の機会はあるかどうか。また、四国アイランドリーグとの独立リーグチャンピオンシップにそれぞれどのチームが進出するのかも気になる。またこれからが楽しみだ・・・、
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BCリーグ観戦記・滋賀対富山@甲賀市民(滋賀に住みます芸人の応援もむなしく、2018年後期も大丈夫かいな・・)

2018年06月26日 | プロ野球(独立リーグほか)
西国三十三所の31番・長命寺で滋賀ユナイテッドの必勝を願い、近江八幡から八日市と近江鉄道を乗り継ぎ、水口城南から甲賀市民スタジアムに到着する。6月24日の試合が後期のホーム初戦となるが、前期の初めのほうに同スタジアムに来た時と比べると周りも静かだし、受付周辺も閑散とした感じである。やはり成績が成績だからだろうか。

スタンドに入る。階段を上がったすぐのところ、三塁側スタンドの外野寄りの一角は私設応援団「近江豪勝連合」の面々が1ブロックまるまるを使って陣取っている。私はそれよりホーム寄りに座るからいいのだが、あの一角は他を寄せ付けない雰囲気がある。後から来た人も常連さんらしい方ばかり。グラウンドでの練習を見つつ、飲み食いしながら時間が過ぎるのを待つが客足は悪い。そんな中でも対戦相手の富山GRNサンダーバーズのファンらしい人が滋賀の応援団と挨拶を交わしながら一塁側に向かう。お互い「常連さん」なのだろう。

たかが年に2回目の私は常連さんでも何でもなく、一般のおっさんとしてグラウンドの練習を見る。ちょうど富山の練習中。今季から富山を率いるのは、かつてはヤクルトでスライダーを武器に活躍した伊藤智仁。また、野手コーチでノックバットを振るのは、富山OBでもある大士(永森)。

そんな中で滋賀の選手たちもアップを開始する。一際大きな声を出しているのが、チームの4番であり野手コーチも兼ねるベネズエラ出身のジョニー。昨年までは富山に在籍していたこともあり、あちらのファンからの声援にも日本語できちんと応えている。

試合前のイベント。この日は、吉本興業が全国47都道府県で展開する「住みます芸人」の滋賀県担当ということで、ファミリーレストランというコンビが登場。初めて聞く名前だが、滋賀県を舞台に地道に活動しているそうで、毎週土曜日昼にFM滋賀で放送の「GO UNITED!」という滋賀ユナイテッドの応援番組も持っているそうだ。大阪府民なのでオンエアを聴く機会はないのだが、そういう応援はプラスだろう。試合前、そして試合中にユナイテッドの選手に登場してもらってインタビューなど行い、何とかスタンドを盛り上げようとしていた。なおこの日のイベント司会や、場内放送はFM滋賀のベテランの女性DJが務めるということで、こちらもなかなかキレがあってよかった。ただ悲しいのはスタンドの反応が今一つ、全体に観客が少なくて・・・。

滋賀のメンバー紹介が一人ずつ行われ、好々爺という感じの松本匡史監督も登場する。前期あれだけボロボロだったのに、サングラスの向こうの表情は穏やかに見える。なお、当初は不在だった投手コーチには前期途中から元ロッテの成本年秀氏が就いている。

始球式もファミリーレストランの2人が務める。それぞれがマウンドに立って何かボケようとするが、お互いに「時間あらへんで!」ということでそれも不発。何か投げて、本人たちが勝手にガッツポーズを決めているが、スタンドからの拍手はまばら。お仕事なのはわかるが、もう少し何とかならないものかなと思う。

さて試合。滋賀の先発は193cmと長身の鈴木。富山先頭の河本の当たりは三塁線へ。抜ければ長打コースだがこれが三塁塁審に当たり内野に戻る。結果はシングルヒット。しかし次の榎本のところで鈴木が一塁牽制球でアウトにする。まずは0点でしのぐ。

一方の滋賀の攻撃。富山の先発はラミレス。上半身の力で強い球を投げるタイプに見える。先頭の湯井がこちらは三塁線を破る二塁打で出塁。続く山川のバントはフライになって失敗したが、3番・杉本がヒットで一死一・三塁とする。続く4番・ジョニーのところで杉本が盗塁を決めて二・三塁とチャンスを広げると、ジョニーも期待に応えてライトへのタイムリー。2人が生還して2対0とする。ここまでいい形で、これは長命寺のご利益が出るかなと期待する。

しかし、次の前本の当たりを富山のセンター・マクシーがスライディングキャッチすると、完全にセーフと思って飛び出して二塁まで行っていたジョニーが一塁に戻れず併殺となる。ジョニーは「捕っていない」という感じでアピールし、審判団も一度は集まるが判定はそのまま。あのくらいなら、スタンドから見ていてもわかる。これがケチのつき始めの判断ミスだったように感じる。

3回までは滋賀のほうが押す展開だった。鈴木が富山打線に対して2回、3回は三者凡退とする。滋賀の打線も2回は二死二塁、3回は二死満塁とチャンスを作るが、最後でそれぞれ次の打者が空振り三振に倒れる。ラミレスの投球がピンチに強いものだと言われればそれまでという感じである。

4回表、富山は2四球と1安打で一死満塁と逆転のチャンスを作る。迎えた5番・長尾のところでランナーが飛び出すが、滋賀の守備陣はこれに翻弄される。どこに投げてアウトにすればよいか判断ができず、結局オールセーフとなる。こんな守備をしていたのでは先がおぼつかない。そんな中で長尾に押し出しとなる死球を与え、2対1と詰め寄られる。ここは何とか後続を退けて追加点を許さなかったのがせめてもの救い。

続く5回表、富山は先頭の林崎のヒットを足掛かりとして、河本のタイムリーで1点挙げて2対2の同点とする。続く榎本もレフトへのタイムリーを放ち、3対2と逆転に成功する。

さらに6回表、富山は先頭の長尾が四球で出塁。この回から登板の高橋だが、続く金子のところでボークを取られ、その後2四球で二死満塁とされる。そこで先ほどと同じく河本のタイムリー、榎本のタイムリーで合計3点。6対2と引き離す。これで試合は完全に富山ペースになる。

滋賀の打線も何とか追いつこうとはするのだが、4回以降は富山の継投の前に早いカウントからあっさりと打ってしまうか、空振り三振ということでピタリと当たりが止まってしまう。一方で富山打線も7回以降も得点圏にランナーを進めるが得点できない。

そして9回裏、滋賀の応援団が必死で声援を送るも、富山の抑え・菅谷の前に無得点。結局6対2で富山の勝利。これで富山は後期開幕2連勝、一方の滋賀は後期開幕2連敗である。前期から通算すると滋賀の成績は5勝30敗1分で、その5勝にホームでの勝利はない。そんな有り様だが、試合後に観客を見送る滋賀の選手からそれほど悔しさのようなものが伝わってこないのはどういうことだろうか。どうせ勝たれへんさかい・・・という気持ちはないだろうか。

なおこの日の観客は192人(4月に観戦に来た時は361人だったから半減である)。日曜日の試合でこの入りでは、この先観客動員も大丈夫なのかと思う・・。

さて、列車の時間が合えば水口城南から貴生川まで近江鉄道に乗ろうかと思ったがタイミングが良くなく、そのまま貴生川駅まで歩く。やはり20分ほどかかった。こちらも草津線の草津行きが出たばかりで、次は17時06分発の京都行きとある。ただ、ホームで待つのも暑いし、乗り降り自由の「関西1DAYパス」を持っている。一旦柘植方面まで移動し、列車の中で涼んで行き違いとなるところで京都行きに乗り移ることにしよう。

ということで貴生川16時46分発の柘植行きに乗る。京都行きと行き違いになるのは甲賀駅だが、そこだと柘植行きの到着と同時に発車してしまうので、一つ前の寺庄で下車することにした。

ただここで待てよと。このまま柘植まで行って、関西線に乗り換えるとどうなるか。検索すると、17時05分に柘植に着いた後で、17時12分発の加茂行きに乗り換えることができる。後は加茂で大和路快速に乗り換えると19時すぎに天王寺に着く。貴生川から京都行きに乗り、途中で新快速に乗り換えて大阪を経由するのとそれほど時間が変わらない。ICカードだと柘植から加茂の区間に乗れないが、1DAYパスならではのルート。先ほど近江八幡から近江鉄道に乗ったのと合わせて、一筆書きのルートができ上がる。

これは面白いとしてそのまま柘植まで乗り続けた。ホームの「忍者、伊賀上野へは1番線へ」という乗り換え案内に忍者が登場する。やって来た気動車はキハ120の2両編成。いずれもオールロングシートで、それぞれの車両にポツポツと乗っている程度。混雑する新快速を避けてこうして移動するのも面白いものだ。山がちな区間だが、往年の幹線らしいゆったりした路線である。

伊賀上野を経由し、笠置では渓谷も見て加茂に到着。ここで18時07分発の大和路快速に乗り継ぐが、ホームの電光掲示板に「お知らせ」として、「芦屋駅での線路内人立ち入りのため、JR神戸線・京都線の列車に遅れや運休があります」との表示があった。もし貴生川から草津回りで帰路に着いていたら影響があったかどうか(このトラブルはそれほど大きな影響はなく、すぐに運転は再開された模様)。

さて、BCリーグ観戦だが夏に向けてどうするか。行ければせめて北陸方面にも行ってみたいところではあるが・・・。
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観戦記 オリックス・バファローズ(2軍)対愛媛マンダリンパイレーツ@舞洲(交流戦はNPBの意地で・・・)

2018年04月22日 | プロ野球(独立リーグほか)
5月の連休に四国八十八所めぐりのうち、愛媛県で残っている4つの札所(60番横峰寺、63番吉祥寺、64番前神寺、65番三角寺)を回るプランを立てていた。伊予西条をベースキャンプにして前の3つを回り、往路または復路のいずれかで四国中央市(伊予三島、川之江)にある三角寺に行こうというものである。

そんな中、3月に四国アイランドリーグの公式戦日程が発表されたのを受けて計画を見直すことにした。4月30日に、川之江の球場で愛媛マンダリンパイレーツ対高知ファイティングドッグスの試合が行われるとある。私の四国八十八所めぐりの中のミッションに「アイランドリーグ観戦」を入れており、愛媛については昨年観戦してクリアしているのだが、日程が近い中、ごくたまにしか開催されない川之江での試合というのをぜひ観たいなと思う。そのため、八十八所めぐりのスケジュールを一部変更する形にして、4月の29日、30日にも四国を訪ねることにした。アイランドリーグの日程で八十八所めぐりのコースを変えてしまうとはね・・・。

さて、先日アイランドリーグのホームページを見て驚いた。4月22日に、愛媛マンダリンパイレーツがオリックス・バファローズ2軍との交流戦(練習試合扱い)を行うと紹介されていた。場所は舞洲のバファローズスタジアム。北神戸から昨年2軍の本拠地が舞洲に移転したが、訪れたことがない。バファローズの2軍の試合を観るのも兼ねて行ってみることにする。気になるのは、2軍の日程は福岡でのホークス戦(ウエスタンリーグ公式戦)になっていること。バファローズはどのようなメンバーが出るのだろうか。

舞洲には西九条駅から大阪シティバスに乗ってアクセスする。舞洲にはスポーツ施設やバーベキュー施設などがあり、若い人のバス利用も多い。バスにはバファローズの帽子をかぶった人もおり、その人に合わせるように舞洲東で下車する。ここから歩いて舞洲バファローズスタジアムに到着である。22日は交流戦・練習試合の扱いということもあり入場は無料。それはよいとして、愛媛の移動費用などがどうなるのかが気になる。この日はアイランドリーグとホークス3軍の試合が組まれていることもあり、試合にあぶれた愛媛が大阪まで対戦相手を求めて遠征したようにも見えるし・・。

この日は川之江での観戦前の「予習」という気持ちも込めて、バファローズファンながら愛媛マンダリンパイレーツ目線で観てもいいかなと思う。スタンドのところどころには同じような、いやパイレーツ目当てで訪れた人の姿も見える。

愛媛の打撃練習も終わり、バファローズの選手もアップに出てくる。選手を見て納得した。100番台の背番号をつけた育成選手が多い。2軍の「主力」は福岡に行って、残った育成選手たちがこの日の対戦相手を務めるというものである。まあ、アイランドリーグやBCリーグがNPBの球団と対戦する時、ホークスやジャイアンツは「3軍」である。バファローズには3軍はないので、育成選手が中心の起用ということか。その中にあって、背番号24の宮崎、背番号99の杉本といった1軍経験ありの選手の姿もある。これらの選手が3軍扱い?とも取れるし、独立リーグのチームに胸を出すにあたりこうした選手も入れておく(九州に遠征した2軍の留守番役の選手とも言える)のも相手への配慮かリスペクトかとも取れる。

練習試合ということで試合前のイベントもなく、試合開始である。バファローズの先発はドラフト4位の高卒ルーキーの本田。140キロ台後半の直球を軸に、2回を完ぺきに抑える。パイレーツもペレス、ヘイドーンという、リーグでは打撃部門の上位にランクされる外国人打者を擁するがまずは速球に押される。高卒でドラフト本指名にかかるだけのことはあるなと感じさせる。

一方のパイレーツは大卒で今季新入団の竹本が先発。こちらのストレートは130キロ台後半。独立リーグならまずまずの球速を持つと言えるが、やはりNPBの140キロ台後半を投げる投手(しかも1軍未経験)と比べると力が落ちるように見える。2番の佐野にヒットを許し、迎えるは宮崎。振り抜いた当たりはレフトへ飛ぶ。開始早々にバファローズが1点先制。うーん、やはり独立リーグと、2.5軍とは言えNPBのチームとの差なのかな。

2回裏には竹本が連続で歩かせる。得点は許さなかったものの、四球、特にストレートの四球というのはいただけないようにも思う。

3回からバファローズは吉田凌が登板。2015年夏の甲子園、東海大相模で小笠原(現・中日ドラゴンズ)との左右の両エースで優勝した投手で、その年のドラフトでバファローズから指名を受けた選手だが、現在はこの位置である。今季ドラゴンズで開幕投手を務めるまでになった小笠原との差は・・・というところだが。

その吉田に対して、パイレーツ先頭の7番・真山がチーム初安打となるレフトへの二塁打を放つ。これにネット裏から大きな拍手を送る女性ファンもいる。続く大本のバントをキャッチャーのフェリペが三塁に送球するがセーフ。チャンスが広がったところで中川が一・二塁間を破るヒットを打ち、1対1の同点に追いつく。

1番に戻って太田が右中間への大きな当たり。2人が生還し3対1となり、自らも三塁まで行く。続くペレスはレフトへの当たり。これが犠牲フライとなって太田が生還、4対1とパイレーツがリードを奪う。その後追加点はなかったがさらに四球や三振振り逃げで吉田にプレッシャーをかける。

3回裏、バファローズの先頭は宮崎。振り抜いた当たりはレフトフェンスを越える本塁打。4対2と追い上げる。宮崎は4回裏の次の打席でもレフトへの犠牲フライを打ち、3打席で3打点と気を吐く。今季はインフルエンザでチームを離れたというくらいしかニュースになることもなく、1軍からもまだ声がかからない。本人の心中はいかがなものかと察してしまう。

3回に4点を取られた吉田も4回、5回はランナーを出しても併殺で切り抜ける。一方のパイレーツも4回まで投げた竹本に替わり、5回からは左腕の樽見が登板。ランナーを出すものの、ショート真山の好プレーもあり得点を許さない。前半を終えて4対3とパイレーツがリードを保つ。

6回表、バファローズは3人目の東。今季神戸弘陵高校から育成ドラフトで入団した右腕。140キロ前半を出すが、堀尾、途中出場の近藤が振り抜いてそれぞれレフト前、センター前に落とすヒットを放つ。真山がバントで送り、大本がセンター前に放つ。これで6対3とリードを広げる。2.5軍相手とはいえ堂々とした攻撃である。

7回表、バファローズは4人目の神戸。こちらは昨季の育成ドラフトでの入団。バックスクリーンの球速表示で150キロ超を記録する。これにはスタンドもどよめき、パイレーツの打者も腰が引けた空振りとなる。独立リーグの投手は130キロ台後半、たまに140キロが出るか出ないかというところでの150キロ超である。かと思えば、次の打者へは全て110キロ台のカーブでタイミングを狂わせて空振り三振を取ったりする。このあたりは育成とはいえNPBの投手としての意地だろうか。

NPBの意地が見えたのは8回裏。パイレーツは7回から田邊が登板しているが、2安打と四球で満塁のピンチを迎える。ここで打席にはここまで3打点の宮崎。

思い切って振った当たりは、「まさか、まさか・・」という雰囲気の中、レフトフェンスの向こうに吸い込まれる。何と逆転満塁本塁打。7対6と一気に試合がひっくり返る。これが1軍の試合ならば・・・というところだが、2軍戦とはいえ7打点とはなかなかできることではない。

続く杉本も長打力がある打者。思い切って引っ張り、これもレフトフェンスを越える。8対6と突き放す。ここまでパイレーツも健闘したが、やはりNPBの地力だろう。

9回表、バファローズは鈴木優が登板。都立高校の星と呼ばれた投手である。こちらも最速153キロの速球でパイレーツの攻撃を3人で片づける。8対6、試合終了・・・というところだが、パイレーツの選手たちが走って守備位置につく。この日は練習試合で、点数に関係なく9回裏まで行うとのことである。パイレーツの選手も終盤は代打や守備固めの登場でガラリと替わっており、こちらはせっかくのNPB球団との試合なのでベンチ入りの選手を使い切ってしまおうというところ。一方のバファローズは野手の控えを置かない最小限のメンバーのようで、全員がフル出場と対照的である。これも練習試合ならではのこと。

9回裏はパイレーツでセットアッパーを務める片山が登板。そのまま3人で抑え、9回裏まで行ってバファローズが8対6でパイレーツに勝利した。最後はNPB球団の意地としての逆転勝ちだが、途中までの経過を見ると、2.5軍相手なら独立リーグのチームも互角に渡り合えることが見て取れた。この試合でパイレーツの選手がNPB入りに向けてアピールすることができただろうか・・?

さてこれで、次の四国での観戦に向けた「予習」になったかなと思う。4月30日は札所めぐりの後の金剛杖を手に球場に向かえればいいかなと楽しみにしている・・・。
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BCリーグ観戦記・滋賀対福島@甲賀(球場も試合も寒かった・・)

2018年04月08日 | プロ野球(独立リーグほか)
今季も独立リーグの試合観戦を何試合か行うことにする。四国アイランドリーグについては八十八所めぐりとの組み合わせで、現在回っている愛媛、そしてその後に入る香川での観戦をもくろんでいる。

一方でBCリーグだが、4月7日に開幕。その中で関西の球団である滋賀ユナイテッドの試合観戦に出かけることにする。8日の甲賀市民スタジアムでの第2戦、対戦相手は福島ホープスである。滋賀対福島、リーグの西の端と東の端という観戦は初めてだ。

昨季新加入した滋賀の試合には3試合訪ねているが、いずれも敗戦。まずは初勝利の場面を見ることができるだろうか。

ということで、東海道線と草津線を乗り継いで貴生川駅に現れる。駅から球場までは歩いて20分あまりだが、7日と8日は開幕シリーズということで、球団が無料送迎バスを出すという。普段は選手の移動用で使っている観光バスタイプの車両で、せっかくなのでこれに乗る。ホームページでは10時45分から30分おきの運転とあったが、何人か乗っているからか、前倒しで11時に出発。5分ほどで球場横の道路に横付けされた。このサービスもこのシリーズ限定だと思うが、滋賀球団の球場はいずれも駅から離れているところなので、せめて土日は運転してもいいのではないかと思う。

さて今季、滋賀ユナイテッドのファンクラブ「BLACKS」に入会することにした。これまでBCリーグでの試合は特定の球団は応援せず、球場めぐりの旅を兼ねて地元の雰囲気を味わうのを楽しんでいたし、これからもそうするつもりなのだが、やはりBCリーグ唯一の関西のチームとして応援したいところである。最もライトな会員で年会費3000円だが、入場券が2枚ついてくるのと、チケットホルダーがもらえる。当日券は1500円だから、2試合観れば元が取れる。球場入口で申し込みを行い、いただいたチケットを早速使う。ファンクラブ会員は通常より早く入場することができる。

グラウンドでは福島の選手が打撃練習中である。三塁側のファウルグラウンドで野手相手にノックをしているのが、福島の岩村明憲監督。言わずと知れた元スワローズ、メジャーリーガーの好打者である。福島球団初年度から選手兼任監督としてチームを率いてきたが、選手としては昨年で引退。今季は監督一本で臨む。

一方の滋賀は、今季は松本匡史監督が指揮を執る。元ジャイアンツの盗塁王で「青い稲妻」の愛称がある。ジャイアンツやイーグルスでの2軍監督やコーチの経験があるが、BCリーグ、それも滋賀の監督になるとは驚いた。出身が兵庫(尼崎出身、報徳学園)ということで関西に縁のある人だが、どういう経緯でオファーを出したのだろうか。

監督はいいとして、コーチはどうなっているか。昨季は上園啓史監督、桜井広大コーチという元タイガースのコンビで投手、野手を見ていたが、今季は投手コーチという肩書はいない。そして野手コーチは、選手兼任でジョニー・セリスが務める。BCリーグで福井、富山とプレーしており、7年目の今季、滋賀に移籍。打線の中軸として期待されるが、コーチの指導としては未知数である。他に誰かコーチを引き受けるNPB出身者はいなかったのか、オファーを断られたのかはわからないが、大丈夫かな。試合前のアップではジョークを交えて一番声が出ていたが・・・。

試合前には、「滋賀球団公式アイドル」の紹介や、甲賀市長による始球式が行われる。それにしてもこの日は4月とは思えない寒さ。一応上に羽織ってはいるが、じっとしていると結構きつい。そんな中アイドルの女の子は脚を出してもっと寒いのではないかなと思う。

さて試合開始。滋賀の先発はチーム最年少の17歳の寺内(近江高校中退)。立ち上がりボールが先行し、3番のボウカー(元ジャイアンツ、イーグルス)には四球を許したが、バックの好守もあり無失点。

一方の福島の先発は高橋元気。3番の田中が二塁打、4番のジョニーが四球で出るが、続く北本を空振り三振に取る。続く2回は両チームとも三者凡退で、まずは締まった展開である。

三塁側スタンドには滋賀の私設応援団「近江豪勝連合」の面々が陣取る。昨年の途中から結成されたところだが、選手ごとのオリジナルの応援歌も出来ているし、トランペット、太鼓も充実している。先ほどの球団公式アイドルのお二人もスティックを持って応援に加わる。

3回は福島が二死満塁、滋賀が二死一・二塁とチャンスを作るが、それぞれの4番が凡退して無得点。特に滋賀の寺内が落ち着いた投球に見えた。

試合が動いたのは4回裏。北本、杉本の連打で無死一・二塁。迎えるのは桑田(桑田真澄さんの息子)。ここでチャンスコールなのだが、「止めたろか」というもの。「琵琶湖の水止めたろか 滋賀県ナメたら止めたろか 俺らの水止めたろか 止めたろか 止めたろか 琵琶湖の水止めたろか」とあり、チャンスの場面で『止める』とは歌詞としてどうかなという気がする。また、琵琶湖の水の恩恵を受けている大阪人としては複雑な気分。「滋賀をナメたらあかん」ということなのだろうが、福島の選手に向けて言ってもなあ・・。

そのチャンスコールのためか、桑田の当たりは一塁ゴロ。ボウカーが捕って二塁へ送球し、一塁走者はアウト。そして再び一塁に送球したところ、ボールが逸れた。その間に二塁走者がホームインして滋賀が1点先制。スタンドではバンザイが起こる。

これで滋賀有利となったが、直後の5回表。先頭の久岐がチーム初安打を放つ。続く吉田のバントが一塁エラーとなり、1番・岡下がレフトへの同点タイムリーを放つ。次の岸本の当たりは二塁ゴロで、二塁はアウトとなったが一塁への送球が一塁走者の岡下に当たってしまう。その間に二塁走者がホームイン。

これで流れが福島に傾き、ボウカー四球の後、高橋祥のセンター前ヒットで3対1。続く奈良のところで二塁への牽制球が悪送球となりホームインを許す。これで4対1。寺内としては前半が良かっただけに、守備の乱れ、さらには自身の牽制悪送球で急にバタバタと崩れたのがもったいなかった。

滋賀打線も、福島の高橋元気の前にランナーは出すが後1本が出ない。ランナーを置いたところで三振という結果が続く。

7回表。滋賀の投手は6回から登板の大高。そこから岡下のヒット、岸本の二塁打で5対1。その後もヒットと四球で一死満塁で高橋に交代。ただ福島の攻撃は止まらず、高橋恒の犠牲フライ、福士の2点二塁打、吉田のタイムリー、打者一巡後の岸本の2点タイムリーでさらに6点を挙げる。これで11対1。何とも一方的な試合になった。

7回裏、滋賀は北本のタイムリーで1点を返す。ただ反撃の勢いもなく、スタンドも寒いということでこの回で席を立つ人も見られた。

福島は9回表にも途中出場の野原、そして高橋祥のタイムリー、奈良の犠牲フライで3点を追加。14対2とした。

そして9回裏。滋賀は福島3人目の笠原から最後に田中のヒット、ジョニーの二塁打、北本の四球で無死満塁とする。試合の大勢は決まっていてもここで意地を見せたいところ。しかし後続が三者続けて凡退し、無得点。ヒットの数は福島13本、滋賀9本だったが14対2という大差。ヒット以上に四死球が福島10個、滋賀6個というのもあったし、チャンス時の後1本と、守備の乱れが点につながったところで差が出た形になった。

まだまだ公式戦は始まったばかり、これから巻き返しのチャンスはあると思うので、がんばってほしいところだ。

試合終了後、松本監督のサインをいただいて帰りもバスに乗り込む。今季の滋賀は甲賀、守山、湖東の3球場に絞って試合を行うという。またチャンスを見つけて観戦である・・・。
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BCリーグ&四国アイランドリーグ公式戦日程発表

2018年03月10日 | プロ野球(独立リーグほか)
NPBのオープン戦がいろいろ行われる中で、もう一つのプロ野球である独立リーグの日程が発表された。BCリーグが4月7日~9月9日(前後期続けて)、そして四国アイランドリーグは3月31日~6月3日(前期)、7月28日~9月17日(後期)である。

BCリーグについては、例によって関西に近い、日帰りでも行けるところを中心に観戦を考えている。となると、滋賀、福井、石川南部までが範囲になる。特に滋賀については関西の球団でもあり、今季は頑張りを期待したい。また、BCリーグといえば前巨人の村田修一選手が栃木に入団したが、栃木球団が滋賀に遠征に来るのはシーズンの最終盤。もし村田が今季中にNPBに復帰するなら7月末までに決まる必要があり、滋賀でその姿を見ることになるのかならないのかは微妙なところだろう。

さて、四国である。現在、四国八十八所めぐりは今治を過ぎ、伊予西条に差し掛かっている。これまで、札所めぐりと合わせた試合観戦を徳島、高知、愛媛各県で1試合ずつ行って来たが、残る香川、あるいはその前の愛媛東部での開催日程が気になっていた。6~7月がインターバルで公式戦がないことも考え、野球日程から札所めぐりのスケジュールを組んでしまおうというものである。愛媛東部は次回、あるいはその次でクリアする見込みで、GWの辺り、また香川は夏休み期間かなと思う。ただ、高松にはまだたどり着かないだろうから、香川西部がベストとなる。いつもは盆の時季をずらして夏休みを取っていたが、試合日程によってはど真ん中に休みを持ってきてもよい。

そして日程表を見ると・・・試合が見つかった。夏休みは丸亀にベースキャンプを置いて、札所と球場めぐりである。一方悩みどころはGWで、他の予定との組み合わせをどうしようか考える必要が出てきた。また次の四国めぐりの記事は、こうしたところから書き始めることになるだろう。

いずれにしても、これだけは言える。その日だけは天気が持ってくれますように・・・。
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