まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第10回九州八十八ヶ所百八霊場めぐり~帰りは日豊海岸を北上

2023年06月08日 | 九州八十八ヶ所百八霊場

5月6日~7日に訪ねた九州八十八ヶ所百八霊場めぐりの大分~延岡シリーズの記事も長くなったが、ようやく帰途に就く。

行き帰りで変化をつけるため、延岡からは国道388号線を経由する。日豊海岸沿いに走るルートで「日豊リアスライン」の愛称もある。この地域は典型的なリアス式海岸で、地図を見ても半島と湾が入り組んでおり、複雑な海岸線となっているのがわかる。佐伯までの区間、東九州道も国道10号線よりはこちらの国道388号線に近いルートをたどっている。

雨が降り続いて景色もあまりよろしくないが、どこかで海を見よう。そこで「道の駅北浦」に立ち寄る。下阿蘇ビーチリゾート「浜木綿村」の中にある。

早速海岸に出る。天気がよければ海岸線も美しく、夏などは海水浴客で賑わうのだろうが、やはり雨なのは残念だ。正面に見えるのは島浦島。

ここ北浦は、かつて揚げ浜式の製塩がさかんだったそうだ。今でも昔ながらの製法で塩が作られており、「月の塩」というブランドで販売されている。「美味しい塩ができるのは満月の時」ということからつけられた名前だという。ためしに1袋購入。

国道388号線は北浦からはしばらく内陸部に入るが、できるだけ海沿いに走ろうと、北浦インターからいったん東九州道に入る。佐伯~延岡間の無料区間で、陣ヶ峰トンネルを抜けて宮崎県から大分県に入る。次の蒲江波当津インターで下車し、大分県側の日豊海岸に向かう。

波当津海岸、名護屋湾などの入り組んだ海岸に沿う。対岸に陸地が見えるが、そちらに着くまでに海岸沿いにぐるりと回り込む必要がある。

蒲江の中心部を抜け、「道の駅かまえ」にも立ち寄る。蒲江という地名だが、「時刻表2万キロ」などの鉄道紀行ものの第一人者・宮脇俊三の作品の一つに「日本探見二泊三日」というのがあり、1990年に蒲江を訪ねている。この時たどったルートが変わっており、東京を始発の新幹線で出発し、岡山から特急「南風」で土佐くろしお鉄道の当時の終点だった中村まで行き、バスで宿毛に着く。この日は宿毛で1泊し、翌朝のフェリーで豊後水道を横断して佐伯に渡り、バスでようやく蒲江に着いた。

九州八十八ヶ所百八霊場めぐりはこの先宮崎県に向かうが、九州へのアクセスにいったん四国を経由して豊後水道を渡るのも面白そうだ。

・・・これを受けて時刻表でシミュレーションしようとしたのだが、何と宿毛〜佐伯のフェリーは「運航休止中」とあった。理由は「燃料費高騰のため」とあるが、運航を中止したのは2018年10月のことで、現在のウクライナ情勢等による物価高騰よりも前からである。何なら、燃料費は2018年当時よりも高騰しているのではないだろうか。宮脇俊三の紀行文の時もガラガラとの記述だし、以前からずっと採算が取れなかったようだ。この航路が再開する可能性はほぼゼロだろう・・。

この先、畑野浦というところで深い入江沿いを走る。地図で見るとカエデの葉のように海岸線が入り組んでいる。ここで日豊海岸とはお別れし、佐伯の市街地に向かう。

さて、佐伯といえばかなり前の記事になったが、7日の朝に訪ねた第30番・大日寺の朱印をいただいていない。そのため、いったん延岡まで行って、その帰りにもう一度チャレンジしようというものである。

今度は境内の修行大師像の前で手だけ合わせ、納経所のインターフォンを鳴らす。ほどなく寺の方が出て来られ、無事に納経帳を預かってくれた。朝に来た時留守だったのでは?ということは口にしない。そして無事に朱印もいただき、これで大分県はコンプリートとなった。

佐伯中心部から少しはずれた上岡駅周辺に駐車場完備の大型店舗が並び、東九州道の佐伯インターは通過して国道10号線でレンタカーを借りた大分駅まで戻る。途中の国道10号線は臼杵や津久見を経由せず、内陸の豊後大野からのルートと合流する。さすがに大分市街が近づくと交通量も増えたが、目立った渋滞もなく無事に日産レンタカー大分駅前店に到着した。

当初の計画では大分駅に戻った後、駅前のどこかの居酒屋で大分県コンプリートの一献をしてから日豊線の特急に乗るつもりだったが、ずっと雨模様だし、明日(5月8日)からは仕事である(大型連休期間中も結構出社していたのだが・・)。ここは早い便で広島に戻ることにしよう。

乗ったのは17時44分発の「ソニック50号」。「白いかもめ」編成である。大分始発ということで乗った時は空席が目立ったが、延岡、宮崎方面からの「にちりん12号」が到着すると多くの客が乗り込んできた。指定席は満席とのアナウンスがあり、自由席もほぼ埋まった状態で発車。もっとも、次の別府で下車する客もそれなりにあり、自由席にも空席が出た。

大分での一献はなかったが、代わりに購入したのが「豊後水道味めぐり」。メインは6貫入りの押し寿司。焼き鯖、コハダ、海老、鯛、バッテラ、そしてサーモンが並ぶ。これに天ぷらや、製造元の「鮨由」の焼き印が入った卵焼きなどがつく。値段は結構するが、これも車窓のお供ということで・・。

別府の次の中津までの間で暗くなり、小倉に到着。新幹線で広島に戻る。これで、大型連休の旅を終えることができた・・・。

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