まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

関西私鉄サイコロしりとりの旅2014夏・1‐1

2014年07月30日 | 鉄道企画もの

早いもので7月も終わり。この3連戦は、神戸でオリックス・バファローズ、甲子園で阪神、そして大正ドームで巨人・・・と、関西で3カードが行われるという珍しいことに。

通勤で大阪環状線の西半分に乗るのだが、帰宅途中に阪神の限定の緑のユニフォーム姿の人に混じり、「ABE 10」というシャツ姿の人もいて、一瞬「??」と思った。何だか複雑な気分。

さて、それはさておくとして、夏と言えば「カード1枚、夏三日」というキャッチコピーに引かれてまたまたやります「関西私鉄サイコロしりとりの旅」。昨年夏から始めたこのラリーも、通算16日目である。大阪阿部野橋を出発地として、渡辺橋を目指すこれまでの15日で回ったのは73駅。乗り換え回数や、実際に所定運賃を払ったらいくらになるかというのはもう数えていない。「スルッとKANSAI 3dayチケット」がなければやってられないということだけは確かである。

前回、5月の連休中での最後は京福電車の四条大宮。新撰組の屯所跡でのサイコロで出たのは、近鉄京都線の山田川だった。日も暮れそうなので繰り越しにしたところである。その時の記録はこちら

さて、夏の1回目となる山田川へは、自宅のある藤井寺から趣向を変えて橿原神宮前回りで行くことにする。例によって朝の列車で出発する。この時間はまだ急行もなく、橿原神宮前まで各駅に停車する。駅に停まり扉が開くとセミの鳴き声もする。また、暑くなりそうだ。ただ電車に乗っていれば冷房の風に当たることができ、自宅でエアコンをつけて電気代を食うことを思えば、もちろんチケット代はかかるが車内で過ごすというのもある意味経済的である。クルマではないから運転せずともよく、読書しようが居眠りしようが自由である。

Dscn8342 橿原神宮前では京都行き特急のビスタカーが停まっているのを見る。せっかくなのだからと、特急券を追加購入して大和西大寺まで2階席に座る。

Dscn8340 しまかぜやアーバンライナー、伊勢志摩ライナーなど特徴のある特急が揃う近鉄にあって、ビスタカーというのは一時代前のものかもしれない。それでも「2階建て」というのは当時斬新なもので、私の小学校の修学旅行は鳥羽から賢島だったのだが、「ビスタカーに乗る」というのが目玉だったのを憶えている。全てのクラスに2階建てのどちらかが当たるよう、行きと帰りで乗る号車が替わっていた。

橿原神宮前から大和西大寺までは20分あまり。目的地の山田川は各駅停車しか停まらないため、ここでしばらく待つことに。それにしても難波、三宮、京都、奈良、橿原神宮前と各方面への列車がひっきりなしに発着する大和西大寺。その気になれば一日この駅のホームにいても、飽きることはないだろう。車両も近鉄の特急に各種通勤型、それに阪神の車両も加わる。

Dscn8345 その合間を縫うようにやってきた各駅停車に乗る。高の原で奈良県から京都府に入り、その次が山田川。対面ホームがある駅で、駅舎には構内踏切を渡る。駅の前後は直線区間で、いろんな車両がやってくるから撮り鉄にとってはこの駅のホームはなかなかいいポジションではないのかなと思う。

Dscn8346 で、山田川ではどうするか。特に下調べはしていないが、とりあえず改札を出る。駅前には平和堂のアル・プラザがあるが、さすがに朝の8時過ぎとあっては開店していない。駅名標の横に見どころがいくつか書いてあったので、そちらに向かうことにする。

Dscn8350 駅前にあるのはその名も「山田川」。川沿いに沿って少し歩くと、藤原百川公の墓というのに出会う。墓と言うことで盛り土が2つあるのだが、その脇には子ども用の滑り台もあり、ちょっとした公園である。

Dscn8349 藤原百川といえば奈良時代末期の政治家。当時の称徳天皇が弓削道鏡に皇位を継がせようとして、宇佐神宮のご託宣を聞くために和気清麻呂を遣わせた時、その企てを防ごうと清麻呂に働きかけたのが百川である。称徳天皇が亡くなると光仁天皇を擁立し、母親が渡来人であった山部親王を皇太子に立てた。奈良から平安の橋渡し役であり、一時は弓削道鏡に奪われた実権を藤原氏の元に引き戻す役目を果たした人物である。

歴史書ではこの辺りに領地を得て葬られたとあるが、ここが墓だと一応認定されたのは明治になり、平安遷都1100年を祝うイベントに合わせてのことという。ただその文献も怪しいもので、今となっては本当に墓なのか、定かではないそうだ。

Dscn8352 そこからもう少し歩くと、相楽神社に出会う。相楽郡だから「そうらくじんじゃ」と読むのかと思ったが、「さがながじんじゃ」と読む。「さがら」のほうに近い。元々は単に八幡宮と呼ばれていたそうで、仲哀天皇、応神天皇、神功皇后を祀る。

Dscn8354 本殿は室町時代初期の建造とされ、国の重要文化財である。その隣の末社の若宮神社も、室町時代後期の建造で京都府の重要文化財。いずれもこの地域の産土神として長く信仰を集めた歴史がある。予備知識なく訪れた駅の近くでこうした由緒あるスポットに出会うのも、このサイコロの旅の面白さである。

次に訪れる駅は、この相楽神社の境内でのサイコロで決める。駅前で訪れたのが神社仏閣なら、間違いなくそこでサイコロアプリを作動させている。

次の選択肢は、山田川の「わ」。おっと、ゴールが見えてきた。「わ」で始まる駅は残り3つ。

1・2.若江岩田(近鉄奈良線)・・・まだまだ、続く。

3・4.和歌山大学前(南海本線)・・・和歌山市、和歌山港に続く「和歌山三部作」。

5・6.渡辺橋(京阪中之島線)・・・これが出ればこの企画の「ゴール」。

さてどれが出るか。5か6で企画終了である。3か4なら和歌山まで延々と移動だし、同じ外すなら若江岩田かなと。

そこで出たのは・・・・「4」。やっぱりな。こういう時はもっとも遠距離を行くことになる。神様のいたずら、もといおぼし召しで、まあ和歌山。これが和歌山県訪問も最後かなという気もするが、ぼちぼちと行くことにしよう・・・・。

 

 
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バファローズ3連敗首位陥落と豪栄道大関昇進

2014年07月28日 | プロ野球(バファローズ・NPB)
昨日はこの夏初の「関西私鉄サイコロしりとりの旅」を決行。野球や相撲の結果が気になるところだが、帰宅してニュースをチェック。

まずはバファローズ。う~ん、これは福岡の「鷹の祭典」の雰囲気に呑まれてしまったか。

金子が先発を回避する中で、優勝のカギを握ると踏んでいるディクソンが立つ。7勝7敗だし、千秋楽に勝ち越しをかける一番・・・のようなもので、この投手が最後勝ち越して終わるか、負け越しで終わるかが明暗を分けるのではということ。そこで惜しくも大隣に復活勝利を与えたのは残念である。1.5差か・・・。来月半ばの直接対決までの間、これ以上離されているようではもう厳しいのではないかと思う。

さて一方で驚いたのが、豪栄道の大関昇進が決定的となったことである。終盤の黒星で大関昇進の目安である33勝には届かなくなり、先場所は8勝止まりだったから正直「ない」と思っていた。場所前もさほど話題にならず、場所の前半は大砂嵐の連続金星が一番の人気だったし。

それが、千秋楽になり急に「琴奨菊に勝って12勝になれば、優勝に準ずる成績でもあり、大関に推挙する」というのが決まった。

ニュースの前ふりで、「お互い相撲人生をかける一番となりました」とあり、えらい大袈裟やなと思ったのだが、そういうことだったのか。まあ、直前の成績だけでなく、関脇で連続して安定した成績を残していたことも大きかったが、ここ一番のプレッシャーに弱い面もあるのであまり早くから大関、大関と言わなかったのも味方したのだろう。そこは本人が一番自覚しているようで、大関になるからには克服して、その上を目指してほしい。

大阪出身の大関も前の山以来というし、そもそも歴代大阪出身の関取じたいがあまり多くない(最近は勢もいるが)。横綱はいるのかな?それだけに、期待したい。

やはり、ここ一番か。バファローズも森脇監督が言うように精神的な面でまだまだ克服するところがあると思う。今季はいい具合で来ている。ホント、後もう少し。パーツを一つ見つけてはめ込めば完成というところまで来ている。まだまだ熱戦が続く中、頑張りましょう・・・。

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夏の青春18・サイコロの旅1-4

2014年07月27日 | 旅行記G・四国

1時間あまりの滞在で日和佐を後にする。晴れてきてもう一度薬王寺に行くか、大浜海岸に行ってもよかったが、また天気が急変するかもしれないし、暑いのもあってもういいかなと。

Dscn8129 写真は日和佐で行き違いとなる牟岐行だが、反対にやってきた徳島行も同じ形式。中は転換式クロスシートを備え、気動車とは思えない装いである。トライアスロンに参加したのか、自転車を持ち込む人もいる。この車両も先の大雨に遭ったのか、窓ガラスも洗車したばかりのように濡れている。

外は明るいのだが、また大きな雨粒が落ちてきて窓ガラスを叩く。実に変わりやすい天気だ。やはり、あのまま日和佐にいたらもう一度雨に濡れたかもしれない。

Dscn8133 田井ノ浜に再び到着する。ここで下車する人はおらず、海水浴帰りと思われる高校生グループが5人ほど乗ってきた。うーん、私も最初から海水浴目当てならそれなりの格好をしてきたのだが、遠目にきれいな海岸を見ただけでよしとするか。

Dscn8139 駅ごとに少しずつ乗客も増え、お遍路の姿も見える。時間帯からして途中の札所を回る「区切り打ち」の帰りのようである。四国内、関西あたりなら区切り打ちもまだ余裕があるだろうが、遠方からとなると四国への往復の交通費もばかにならないだろう。

徳島に戻ってきた。もう後は大阪に戻るだけだが、ここでどうするか。往路と同じく南海フェリーに乗るという手もあるし、徳島と大阪を直接結ぶ高速バスも便利である。値段ではフェリー、時間なら高速バスというところで、最後にもう一度サイコロに委ねる。バスは定員予約制だが、どこかの便に空席はあるものとして。

1、2、3・・・南海フェリー~和歌山市~和歌山阪和線

4、5、6・・・JR高速バスでJR難波

・・・徳島駅内での選択は「6」。ということで駅を出たところにあるJRバスの乗車券売場に向かう。JR難波までは2時間半の行程で、それまでの間に食事もしたいし、18時45分発の便を購入。この時間でも窓側の席を取ることができたので、比較的空いているのかな。

Dscn8148 徳島ラーメンは昼食でいただいたので、夜はそれなりのものを。駅前の筋をちょっと入ったところに「安兵衛」と「味祭」という2つの店がある。実はこれは姉妹店というか、安兵衛が地元のおっちゃんで賑わう大衆酒場、味祭は徳島の地産地消を売りにした郷土料理店で、観光客も入りやすいところ。いずれも入ったことのある店だが、今回は味祭のほうにする。

Dscn8146 鳴門わかめ、鳴門金時の天ぷら、それに阿波尾鶏の串焼きなどいただく。結構歯ごたえがあり、ジワッと来るのが特徴である。ちょうどテレビでは相撲中継をやっており、熱戦が繰り広げられている。今場所は若い力の活躍もあって盛り上がりを見せている。相撲人気もだいぶ戻ってきたのかな。

Dscn8147 締めはそば米汁。これは徳島でも今回行かなかった祖谷地方の郷土料理である。祖谷といえば祖谷そばが有名であるが、そばの実を粉にするのではなく、粒のまま茹でて乾燥させたものをそば米という。これを野菜や鶏肉などと一緒に煮て雑炊のようにしたのがそば米汁。昔の平家の落人が都を懐かしんで作ったものと言われている。カロリーはそれなりにあるが、他の栄養価も高いので普段の食事に取り入れるのも良いかもしれない。十六穀米を食べるような感覚だろうか。

Dscn8151 18時45分発の大阪行きに乗車。よく確認しなかったのだが、大阪にはまずJR難波のOCATに到着して、その後で大阪駅に向かう。JR難波に行くとは知らずに大阪駅まで購入したが、これなら途中で下車すれば少しでも早く帰宅できる。鉄道旅行といえば「列車に座っているだけ」というイメージも強いが、やはり疲労はそれなりに来るものである。後は帰るだけなのだから、早く終わるに越したことはない。

Dscn8150 バスは半分ほどの乗車率。結婚披露宴の帰りとおぼしき女性の3人組のドレス姿が目を引く。彼女たちが横に3人並んだのが最大で、ほとんどは一人利用のようである。私の隣も空席で、ゆったりと座ることにする。まだ日の残る徳島駅前を出発。そろそろ、徳島港では南海フェリーが出航準備をしているところか。

Dscn8157 吉野川を渡り、松茂、高速鳴門と停車して鳴門大橋を渡る。長かった1日が終わろうとしているところで、徳島県を出てほっとしたのか、後は眠っていた。気づいたら高速舞子で、「阪神高速神戸線が渋滞とのことですので、迂回ルートを走ります」という案内が入った。その後は一旦北上の後、六甲山トンネル、ハーバーハイウェイ、そして阪神高速湾岸線から大阪港線、環状線をぐるりと回り、OCATに到着。乗り換えなしで大阪市内というのもよかったし、道中もゆっくりできた。都市間高速バスというのも、なかなか貴重な選択肢である。

・・・というわけで、今年春の「サイコロ」に続いて結局四国を訪れた青春18紀行。今度は北か、東に向かう選択肢が当たってもいいのかなと思う。西と比べれば北や東のほうはまだまだ訪れたことのないスポットもあるし、どうだろう、チケットをやりくりしてもう一度くらいチャレンジできるか。その一方で、従来の「関西私鉄サイコロしりとり」も継続中である。こうして出られることの楽しさを、改めてありがたいことだと思うばかりである・・・。

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夏の青春18・サイコロの旅1-3

2014年07月26日 | 旅行記G・四国

Dscn8106 徳島駅ホームに戻り、これから乗るのは11時39分発の海部行き。ワンマン1両の気動車であるが、ホームの1ヶ所に長い列ができている。私の感覚だと、後ろ乗り前降りのワンマン運転でも始発では全てのドアを開けるところ、こちらでは頑として後ろの扉からしか乗れないようにしている。

中はロングシートとクロスシートが互い違いに並ぶ造り。席も一杯となり立ち客も多く出る。まずは徳島市街を走り、郊外に向かう。「この列車は田井ノ浜にも停車します」ということで車内放送も流れるし、途中駅のホームにも停車列車の貼り紙がある。停車するといっても全ての列車ではなく、日中時間帯の特急1本、普通3本である。

途中の駅では少しずつ下車するが、ガラガラというところまでは行かない。中田からは左手に遊歩道が伸びる。かつて走っていた国鉄小松島線の跡である。そもそも牟岐線は徳島から小松島を目指した路線で、大正時代に開通。阿南方面は昭和の戦前で、終点の海部に到達したのは昭和48年のことである。小松島も古くから港町として栄えたところで、かつては大阪からのフェリーも出ていた。

Dscn8107 屋根に高いアンテナが伸びる光景を見ると阿南に到着する。徳島というところは民放が1局しかなく、関西に近い阿南あたりでは関西のテレビを受信したいがためにアンテナを伸ばしているという。地デジ化された今ではどうなのだろうか。県が主導となってケーブルテレビの受信を進め、関西のテレビもケーブルで映るようだが(徳島で宿泊したホテルでは、そのような方法で関西の番組をやっていたのを見た)、あれは山間部の話だったかな。

桑野ではお遍路姿の客が乗り、次の新野で下車する。桑野は四国八十八ヶ所の21番・太龍寺の最寄(といっても、バスに乗って、さらにロープウェーに乗って・・・というからかなりの難所)、新野は22番・平等寺の最寄である(こちらは駅から2キロほど)。四国八十八ヶ所めぐりもいろいろな流儀があるようで、途中区切りながらでも歩きをベースとしたり、公共交通機関やクルマ、あるいはバスツアーで回ったり。「水曜どうでしょう」の企画のように結構無茶ぶりをしながら行くのも笑いを誘うものだが、人それぞれだろう。私も四国・・・はしんどいので、まずは関西一円に広がる西国三十三ヶ所を、公共交通機関をベースに回ってみようかなと思案しているところである。

それはともかく、この列車でどこまで行くか。徳島一の美しい砂浜であり、期間限定でしか列車が停まらない田井ノ浜がどんなところかも見てみたい。日和佐はかつて宿泊もしたことがあるが、八十八ヶ所のつまみ食いで薬王寺にまた行こうか。果ては終点の海部まで行ってそのまま折り返すか。ここはサイコロに頼らず、自分の勘で決めることにする。まず田井ノ浜に停車するので、その様子を見てからにしよう。

Dscn8111 Dscn8112 由岐を過ぎてしばらく走ると減速し、ホーム1本きりの田井ノ浜に停車する。駅名標のほかに「田井ノ浜臨時駅」の横断幕が掲げられている。駅舎?と監視所を兼ねた建物があり、その向こうには砂浜が広がる。大勢の海水浴客がいるが、この列車から降りたのは親子連れ一組だけ。やはりほとんどはクルマで来るのだろう。私も降りてよかったのだが、やはりどうも場違いかなと思う。全然海水浴仕様になっていない変なおっさんが女性の水着の写真でも盗撮に来たのかと怪しまれかねない。ということでここは見送り。終点の海部までも乗車済だし、10分で折り返すのもどうかと思うので、結局は見どころのある日和佐に降りる。

Dscn8120 日和佐。駅そのものは無人でひっそりとしているが、国道に面しては道の駅が賑わっている。道の駅が町の玄関口で、ついでに鉄道の駅もあるといった感じである。23番・薬王寺の次は室戸岬の先端にある最御崎寺までは80キロあまり。長い区間である。途中に牟岐や宍喰といった町はあるが、特に歩き遍路にとってはここが室戸岬に向けて最後の充電ポイントというところであろう。歩き遍路の方のブログをいろいろと見ると、この区間をどう克服するかの苦心がうかがえる。

Dscn8119 この日はそうした遍路の他にアスリートの姿も目立つ。日和佐うみがめトライアスロンというのが行われていて、ウミガメの産卵で有名な大浜海岸(普段は遊泳禁止)の1.5キロの遠泳、40キロの自転車、そして10キロのラン。まさに鉄人レースである。私にはとてもできるものではない。「飲む打つ買う」のトライアスロンなら・・・という御仁は結構いるかもしれないが、これが人によっては「薬を飲む、注射を打つ、医療器具を買う」になったりするからややこしい。

Dscn8121 いやいや、「飲む打つ買う」などと言ってはいけない。薬王寺の山門に入るが、ここに来て突然パラリと雨が落ちてきた。実は傘を持ってきていなかったのだがまあ大丈夫かと。厄年の数だけ1円玉を石段に落として「厄落とし」というのがあり、さすがにその歳の数の1円玉がなかったのであるだけのものを落としながら石段を上る。

Dscn8122Dscn8124 そして本堂、大師堂にお参り。するとどうだろう。雷が鳴り、外は地面を叩きつけるほどの雨となった。うーん、いらんことを考えていたからお大師の怒りを買ったのかな。お遍路は全天候対応の装備をしているから大雨の中でも出ていくが、この雨では身動きが取れず、しばし雨宿り。瑜祇塔まで上がることはあきらめた。もう少し雨のタイミングが早ければ、駅前のコンビニで傘を買ってから来たところであるが、もう遅い。

ただ、しばらく待っても止む気配がなく、まあ濡れても仕方ないかと小走りに境内を後にする。とりあえず駅まで退避しよう・・・と思って仁王門を出て駐車場のほうをふと見ると、「薬王寺温泉」の文字。これはいい。濡れた体をリセットするのにちょうどいい。何せサイコロの旅には「温泉」の選択肢もあるから、タオルに着替え一式はバッグにある(それなら、なぜ傘を入れなかったのかということは置いといて)。

トライアスロン終了後の人たちも多く、ロッカーが満員ということでしばらく待った後に入浴。腕に書かれたナンバーをボディソープで落とす光景も見られた。

Dscn8127 ここで人心地つき、着替えでさっぱりした気分である。外の様子を見ると明るい。先ほどまで本当に雨が降ったのかというくらいに雲も取れ、青空が広がっている。やはりお大師様とサイコロの神のいたずらだったのだろう。まあでも温泉に入れたし、よしとする。もし田井ノ浜の海水浴場に行っていたら、それこそ退避場所もなくずぶ濡れになったことだろう。

今回はここで折り返しとして、徳島行きに乗り込む・・・。

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夏の青春18・サイコロの旅1-2

2014年07月24日 | 旅行記G・四国

Dscn8054 2014夏の青春18きっぷで行く日帰りサイコロの旅。山陽、阪和、福知山、関西、東海道、北陸の6つの選択肢から選んだのは阪和線。まずは関空快速と普通の乗り継ぎで和歌山に到着する。

ここからどうするか。隣のホームには和歌山カラーに塗られたとは言えまだまだ現役の117系が停車している。乗りたいな、と思う。この御坊行きに乗車するというのも選択肢に入れようか。

和歌山でのこの日2投目。ここから目的地別に6つのプランを立てているのだが、そのいくつかは途中までは同じ交通機関を利用するものである。ならば、ここでは最終目的地を決めずに、「どの線に乗るか」というのを決めることにしよう。

1・2・3・・・とりあえず御坊行きに乗り、御坊からは後続の紀伊田辺行きに乗車。

4・5・・・四国に行こう!南海フェリー乗船で徳島。

6・・・和歌山線で内陸に入り五條へ。

・・・紀伊半島を海岸沿いに南下するか、紀伊水道で四国に渡るか。果ては和歌山線の五條というのもあるが、さらにそこからどこに行くのか。

Dscn8055 そして出たのは・・・「5」。阪和線で和歌山まで来たが、ここから進路を西に取ることに。次の乗車は和歌山から紀勢線の端を走る和歌山市行きである。ホームに向かうと桜井線との共通運用で万葉の世界の塗装がなされている。この区間に乗るのも久しぶりである。

Dscn8058 市街地北部をゴトゴトと走り、和歌山市に到着。南海との共用駅である。「関西私鉄サイコロしりとりの旅」で何度もやってきた和歌山市駅。青春18でやってくると妙な感じがする。ホームには特急サザンも停車しており、このまま指定席を取ってなんばに北上しようかという気にもなる。

Dscn8060 徳島へのフェリーに乗るには、ここから一駅先の和歌山港まで乗ることになる。しばらく時間があるので、青春18を南海の係員に提示していったん外に出る。朝8時前のこととて駅前も閑散としているが、振り返ると「和歌山タカシマヤ 8月31日閉店」のポスターが目立つ。百貨店業界の再編や店舗統合・閉鎖の話題も最近目にするが、こちらの高島屋も閉店か。JRの和歌山駅には近鉄百貨店が隣接しているが、あちらは大丈夫だろうか。地方都市、郊外においては流通ということになると駅と隣接した百貨店というのは前時代的で、クルマで行けるスーパーとかショッピングモールに集約されるのかな。和歌山といえばオークワにマツゲン・・・。

Dscn8064 8時09分、土曜休日ダイヤでは和歌山港への始発列車となるサザンに乗車。一駅なのでもちろん自由席車に乗車する。和歌山港には50人ほどがやってきたようで、そのほとんどが8時30分発の徳島行きフェリーに乗り継ぐ。フェリーかつらぎはすでに乗船を開始しており、クルマ利用の客も含めて賑わっている。関西から四国を結ぶルートとしてすっかり定着しているし、「鉄道連絡船」の風情を残している。

Dscn8089 船内は座席、桟敷とも結構埋まっており、2時間の晴天の船旅ということもあってデッキに出る。潮風に吹かれるのもいいものである。サイコロの旅の種明かしをするようだが、36のパターンの中ではこの南海フェリーの他に、伊勢湾フェリー、高松神戸のジャンボフェリー、小豆島フェリーといったものも含まれており、夏の海を楽しもうという思いがあった。紀伊半島をめぐる鈍行列車もいいが、こうした船の旅も好きである。

Dscn8084 Dscn8096 天気もいいし、乗船客も満員というほどでもないのでデッキのベンチに横になってみる。こうして青空を見上げるというのも、普段の生活ではあまりないのではないかと思う。ただそれでも暑いのは暑い。少し横になっただけで我慢できず、結局はデッキでも屋根のある方に退避する。ここでも十分くつろくことができる。友ヶ島から淡路島に続く島並み、南には半島の名勝を望む。

Dscn8099 船上でのゆったりした時間を過ごし、10時30分に徳島港に到着する。とりあえず連絡バスで駅に向かう。乗り継いだ客でバスも満員である。15分ほどで駅に到着する。昼前となり、こちらの暑さも本格的である。こういう時は外を歩き回るより、空調の効いた列車の中で過ごすのがいいかもしれない。

Dscn8101 先に書いた36パターンのプランのうち、南海フェリーで徳島に上陸した後のプランというのは、「鳴門線を往復した後、高徳線で高松。高松からジャンボフェリーで神戸へ」と、「徳島線で穴吹に向かい、脇町のうだつの街並みをちょっと見物してから阿波池田(実際は佃)に出て土讃線に乗り、瀬戸大橋を渡り岡山経由で帰阪」という2種類だった。要は高徳線に乗るか徳島線に乗るか。

Dscn8104 ただ、駅前の徳島ラーメン「麺王」で早めの昼食とする中で時刻表を見るに、「牟岐線もいいかな」という考えが浮かぶ。終点の海部まで(その先の甲浦までとなると帰りがしんどい)行くか、牟岐か日和佐で折り返すか。この日は田井ノ浜の臨時駅にも停車するのでそちらの海を見るのもいいかなとも思う。それは時刻表で決めるとして、現地であるが牟岐線乗車も選択肢に入れる。

ということで、徳島からの次の列車は・・・

1・2・・・まずは鳴門線に乗車し、その後で高徳線で高松。

3・4・・・徳島線で穴吹、阿波池田。

5・6・・・牟岐線でどこかの駅。

そして出た目は・・・またしても「5」。おおっと、当初予定していなかった行き先が出た。いったいこの先、どこまで流されるのだろうか・・・・。

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夏の青春18・サイコロの旅

2014年07月23日 | ブログ

夏の青春18きっぷのシーズンが開幕した。消費税率アップのため11,850円ということで、1枚あたりにすると2,370円。これまでと比べて1枚70円アップである。これを大きいと見るか、いやいや、どうせ元は取るのだから一緒と見るか・・・。

この夏は久しぶりに泊りがけでの使用をする予定であるが、その前に日帰りでのお出かけをすることにしよう。例によってサイコロで行き先を決めることにして、朝の天王寺駅に現れる。

天王寺もしくは大阪から各方面に向けて出発するのだが、

1.山陽本線・姫路乗り継ぎで岡山

2.阪和線で和歌山

3.福知山線で福知山

4.関西線で亀山

5.東海道本線・米原乗り継ぎで岐阜

6.湖西線・北陸本線で福井

まずはどの方面に向けて出発するかを決め、到達した駅から目的地を決定する。一応デスクプランでは目的地からそれぞれ6コース、合計36コースを立てている。観光を楽しむコース、食を楽しむコース、温泉コース、夜までひたすら乗りまくるコース、往復型、循環型、いろいろある。ただ現地に行けばまた考えが変わるかもしれない。前回春に1日やった結果は、岡山~宇野~高松というコースになった。

そして出た目は・・・・「2」の阪和線である。今回は南を目指す。バッグには読みかけの中上健次の著作と南海ホークス関連の書籍を入れていたから、ひょっとしたら彼が描いた紀州の世界が呼び寄せたのかな、と一瞬思う。

Dscn8052 5時57分の関空快速に乗る。これで日根野まで行き、和歌山行きの普通に乗り継ぐことにする。この時間は阪和線の行き止まりホームから出発である。今は南へ向かう特急や快速の多くは大和路線側のホームに発着するが、やはり行き止まりホームからのほうが「これから出発だ」という気分が高まる。早朝の時間であるが、関空から旅立つのか大きなキャリーバッグを座席横に置く客もいれば、大阪市内で一夜を明かして疲れた表情の乗客もいる。そして、「どこに行くのかわからない」客もいる・・・。

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スタメンハイタッチイベントに参加~オリックス対日本ハム

2014年07月22日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

オリックス・バファローズの観戦記録を書くのも1ヶ月以上ぶりである。

Dscn8165 実は21日の対日本ハム戦、ライトスタンド下にて「Bsサマーコンパ」という、まあ合コンである。それに参加しようと応募していた。ただこちらは男女25名ずつの抽選ということで、残念ながら落選。

そしてもう一つ、ファンクラブデーということで、会員限定にて試合前の選手サイン会、さらには試合前にグラウンドに出て選手とハイタッチというイベントがそれぞれ30名、20名の事前応募で行われた。今季、会員対象のイベントということでは選手撮影会に当選し、貴重な1枚を撮っていただいたのだが、二度はあるまいと思いつつ応募してみる。

Dscn7843 すると、何と選手ハイタッチのほうの当選通知が送られてきた。合コンは外れたけど、これは外れたほうがよかったというものだ。ということもあり、今回はファンクラブの特典でついてきた指定席引換券を行使して、普段は内野上段の自由席から観るところを一気にS指定に収まる。

球宴から中1日での試合。昔は球宴休みというのはもう少し長かったような気がするが、どうだろうか。出場した選手は、先発型投手はローテーションのやりくりでまだ調整できるが、中継ぎ・抑え投手、それに野手はほとんど休む間もなくという日程である。

Dscn8169 さすが指定席、選手の動きも近いところで観ることができるが、バファローズ選手がグラウンドに姿を現して間もなく、イベント参加のための集合時間となる。

Dscn8182 集まったのは20人。スタッフに関係者通路を引率されてやってきたのはインタビュールーム。試合後の監督インタビューなどはこの部屋で行われるのだろう。「さらに、ひとつになろう」の背景パネルがデンと構えている。参加者一同「おおっ」と歓声が上がる。この部屋までは写真撮影も可能である。

Dscn8186 スタッフからイベントの注意事項の説明があり、「それでは、背の低い順に並びましょう」となる。お互い顔を見合わせ、参加者の中では私が一番大柄ということで一番後ろとなる。段々と低い方から高い方へタッチをしていくという流れである。

時間となり、そのままの順番でグラウンドに出る。そこはこれから試合が始まる熱気の集まった空間である。撮影できないのは残念だが、しっかりと目に焼き付ける。グラウンドの端に並んで待機する。真横にはマスコットのバファローブル。手を振ると応えてくれるとともに、右の人差し指を口元に持ってきて「静かに」のジェスチャーをする。

ちょうど試合前の両軍監督によるメンバー表交換が行われたところで、その後は合唱団とブラスバンドによる国歌斉唱。それが終わるとすぐにスタメンキッズとともにイベント組もベンチ前へ出る。

これまで、試合が終わった後のイベントでグラウンドに足を踏み入れたことはあるが、こうした大観衆、選手たちが見守る中で出るのは初めてのこと。かえって緊張してスタンドの方が見えなくなる。順番に整列し、外側にはBsGirlsの皆さんも整列。

そしてスタメン登場。この日は外野が坂口、駿太、糸井。内野はヘルマン、安達、原、T-岡田、バッテリーはディクソン、伊藤。彼らが次々にやってきて、20人のファンとタッチする。その間、1分くらいだっただろうか。時間にすればあっという間の出来事で、すぐにベンチ裏に戻る。

自然と「テンション上がりますね」「ペーニャがこっちに来なかったのは残念でしたが」などと一緒に参加した人たちと言葉を交わす。何だか今日はこれに参加したことで一日の行事が済んだような気持ちになった。

Dscn8192 それでも試合はちゃんと観る。飲み物を購入して気分を落ち着かせてから席に戻る。

Dscn8222 先発のディクソンは序盤からランナーを背負う苦しい投球。4回に大引と谷口に連続タイムリーで3失点するが、何とか5回をまとめる。

Dscn8251 打線は3回に糸井の先制タイムリー。4回には原が4年ぶりの本塁打で追いすがる。5回は坂口、ペーニャのタイムリーで見事に逆転。5対3となる。

Dscn8290 Dscn8315 6回からは岸田、馬原、佐藤達、平野佳という強力リリーフ陣(本当は、球宴にも出場した彼らに休みがあってほしかったのだが)が登場して、そのまま逃げ切り。2位ソフトバンクも勝利したため、また辛うじて首位死守ということになった。

Dscn8331 試合後のインタビューは人選が難しかったのかなかなか選手が出てこなかったが、先発ディクソン、そして4年ぶり本塁打の原の2人が登場。ディクソンはこれで7勝7敗。千秋楽に勝ち越しをかける・・・のは冗談として、金子、西という2枚看板がいる中で、3番手のこの人が通算で勝ち越せるかどうかというのは、優勝のカギを握っているように思う。

これから夏も本格化。それに連れてペナントレース争いもますます激しいものになるだろう・・・。

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近鉄・阪神・山陽横断ツアー~姫路城へ

2014年07月20日 | まち歩き

Dscn8029 5時間半近くの乗車の後、ツアー参加者の行動はそれぞれ。すぐに山陽電車に乗って引き返す人、「帰りはJRにしようか」と言う人、そしてせっかくなので周りをぶらつこうという人である。イベント参加の特典で、姫路城にある大河ドラマの展示館の入場料の割引券というのがついていたが、大河ドラマはいいとしてせっかくなので姫路城に行ってみる。これで、奈良の興福寺・東大寺という世界遺産~甲子園という日本の野球文化遺産~そして日本で最初に世界遺産に認定された姫路城・・・と、文化遺産ラインが完成する。

5年前、姫路城が現在の形に築かれて400周年を迎えたのを機に始められた大天守の大規模な改修工事。大天守が工事用のフェンスにすっぽりと覆われ、屋根の高さから工事の様子が窺えるという、その時ならではの見ものもあったのだが、今年の5月に久しぶりに大天守の姿が披露された。

その様子が「白過ぎ城」ということで一部話題になったそうだ。ただ元々「白鷺城」と呼ばれていたのは漆喰の白さから来ているもので、普段見慣れていたのは経年によるカビや汚れでそれなりに色のついた姿だという。前回の大改修が50年あまり前のことというが、その時の映像でも真っ白な姿を捉えている。

Dscn8030 商店街を抜ける。軍師官兵衛にちなんだグッズや土産物を売る店があったり、大河ドラマ館の周りにも官兵衛見物客を当て込んだ店が並ぶ。やはり姫路は官兵衛に姫路城で賑やかなことである。

Dscn8032 Dscn8038 その城郭に入る。大天守はまだ改修中のため内部に入ることはできないが、とりあえず、行けるところまで行ってみよう。現在は西の丸から化粧櫓の中を歩き、大天守の下まで行くことになる。蒸し暑く感じるがテクテクと歩くことにする。

Dscn8041 ここから先は柵に行く手を阻まれて進むことはできない。内部の公開が再開されるのは来年の3月末の予定であるが、またその後も大勢の観光客で賑わうことだろう。その時を楽しみにする。

Dscn8045 その代わりといっては失礼だが、りの一櫓にて官兵衛やその家臣団ゆかりの武具が展示されているのを見る。

結構歩き回ったようにも思うが、図面を見ると敷地の半分くらいのものである。改めてこの城のスケールの大きさを感じる。また来てみたいと思う。

さて少し早い時間であるが夕方の食事ということにする。姫路のB級グルメとして有名なのが姫路おでん。生姜醤油で食べるのが特徴ということであるが、甘辛く煮た「関東煮き」の味を調整するためだとか、風味をつけるためだとか、ルーツはいろいろあるという。醤油といえば近くの龍野という名産地があるし、姫路の辺りでは生姜も栽培されていたということもあって、地元の食材を生かしたということもあるだろう。

Dscn8050 特に専門店を下調べしたわけではなく、商店街にあった昔風情の居酒屋に「おでん」の文字もあったのでそこに入る。いくつか料理をいただき、締め代わりにおでんを注文。夏におでんというのもどうかと思うが、リーズナブルだし、栄養のバランスも取れるし、アテにもごはんのおかずにもなる。食べ比べをしていないので相対評価はできないが、味はまずまずのものだった。

行きに奈良にJRで向かったこともあり、帰りも目先を変える意味でJRで帰る。新快速は確かに早い。ただあまりに機能的過ぎるように見えることもある。やはり半日私鉄に揺られたからだろうか。明石、姫路、この辺りは往路と復路で目先を変えて、また訪れてみたいものである・・・・。

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近鉄・阪神・山陽横断ツアー~山陽DJ車掌と官兵衛くん

2014年07月19日 | 鉄道企画もの

「本日は山陽電車にご乗車いただきまして、ありがとうございます!私は、山陽電車が誇る『ななつ星』車掌、橋本と申します!橋本の橋は、明石海峡大橋の橋。橋本の本は、姫路城本丸の本です!それでは、山陽姫路に向けまして、出発~進行!!」

Dscn7984 高速神戸で受け持ちが阪神から山陽に交代。待ってましたとばかりの登場である。これまでの近鉄、阪神の車掌はどちらかと言えば淡々とアナウンスをする感じだったが、区間最長となる山陽は入り方が違う。それにしても「ななつ星」とは、ミシュランの三つ星と九州の豪華寝台列車の愛称を掛け合わせてうまく言ったものである。

神戸高速の地下区間を過ぎ、東須磨では須磨車庫、月見山の須磨離宮、そして須磨海浜公園など、沿線の観光案内を巧みに織り交ぜる。通りのよい声、大正ドームのスタジアムDJに据えてもおかしくないだろう。

Dscn7991 「間もなく右手に、五色塚古墳が見えてまいります」と車窓案内も入る。霞ヶ丘駅の手前である。出発直後の「点呼」で、このツアーの参加客の多くが近鉄沿線から来ていることはわかっているが、普段なかなか山陽電車まで足を運ぶことはないだろう。DJ車掌を起用して沿線の観光案内に熱心なのも、山陽電車のPRの一環である。おそらく今回の企画も、大河ドラマの軍師官兵衛とタイアップした姫路への観光誘致の一つで、山陽側が熱心にしかけたのだろう。

Dscn7996 明石海峡大橋のたもとの舞子公園にさしかかる。ここで列車は徐行を始める。橋を少しでもじっくり見てもらおう、写真も撮ってもらおうということである。私も「関西私鉄サイコロしりとりの旅」などでこの区間も何回か通っているが、走行中の橋の撮影は難しい。こういうサービスも面白い。

Dscn8002 明石市内にさしかかり、人丸前でも徐行して「子午線」上の通過の案内もある。私も山陽電車にそんなになじみがあるわけではないが、見物スポットは結構あるものだ。

Dscn8007 明石に到着。「本日は、姫路のキャラクター『かんべえくん』が皆様をお出迎えです!」と案内。ここで2回目の長時間停車となる。一般の列車が発着するホームで一般客もいるため、3ドアのうち真ん中の扉だけを開け、ドアのところに係員が立つことで誤乗を防ぐ。

Dscn8015 そして出迎えたのはゆるキャラのかんべえくん。赤い甲冑に身を固め、ぐるりと囲まれて記念撮影に応える。姫路のキャラクターであるが、イベント列車が明石に停車するということでここまで出張である。軍師をここまでキャラクター化してしまってもいいのかなという気がするのだが、面白い。

Dscn8014 Dscn8012 さらにイベント列車の停車中に、山陽電車の「軍師官兵衛ラッピング車両」がやってくる。明石駅には大勢のファンがカメラを構えており、イベント列車にラッピング列車、いろいろと撮影に余念がない。そこにやってきた岡田准一さん演じる官兵衛の車両。そういえば今夜の大河は、見どころの一つである「本能寺の変」である。このイベント列車、ドラマの放送回も読んでこの日に設定したのだろうか。

さて30分ほど停車。今度は普通のホームということで自動販売機で飲み物を購入することはできたのだが、改札内に売店はない。何かちょっと買いたいのだが・・・というところで、「煙草をお吸いの方は係員に申し出て改札の外の喫煙コーナーをご利用ください」と言っていたのを思い出す。煙草は吸わないのだがちょっとそんな感じで改札の外に出る。ずっと乗車もいいが、たまには外の空気も吸わないと。

ついでなので駅の正面にも回ってみる。駅前は再開発のようでフェンスが覆っている。後でホームから改めて見ると駅前のビル群の取り壊し工事の最中だった。明石の駅前に「道場」という居酒屋があり、西のほうに行った帰りに明石で途中下車して訪れたことが何度かあるのだが、その店も取り壊しのようである。果たして駅前はどのような姿に生まれ変わるのだろうか。

Dscn8017 明石では「5番線」への入線体験というイベントがある。発車時刻となり一旦姫路方面に走るがすぐに停車し、今度は神戸方面に動く。明石の神戸方面のホームに入って停車し、さらに動いて上り線と下り線の間の線に入る。ここが5番線というところで、明石までの運転列車の入れ替えなどで使う線。「もちろん、普段お客様は『絶対に』入ることはできません」ということだが、写真ではなかなかその雰囲気は伝えられないかな・・・。もちろん、これも定期列車を通すための調整である。

明石を過ぎると後は姫路に向けて走り出す。直線区間も多く、JRの新快速にはかなわないもののなかなかの走りを見せるところである。

「さて皆さんお待ちかね、参りましょ~!官兵衛~クイズ!!」というDJ車掌の音頭で始まったのは山陽イベントのクイズ大会。問題は黒田官兵衛に関するもの。最初に全員が起立しての○×クイズで、○なら挙手、×ならそのまま。間違ったら着席するというもの。

「各車両3名の方に、『日本で一番乗り心地の悪い乗り物と言われている』カーレーターに乗ってお越しください!須磨浦山上遊園のペア入場券を差し上げます!!」というのが賞品。それはさておき、「日本で一番乗り心地の悪い」という乗り物が気になる。知っているらしい人からは笑いが起こる。それを放送で堂々と言ってしまう山陽のセンスもなかなかのものだ。

第1問は「官兵衛くんの兜の色は青である」という問題で、さすがにこれは全員正解だったが、次の問題でほとんどの乗客が座ってしまった。「いきなりマニアックな問題になってしまいましたねえ」と、近鉄お笑い系助役と阪神女性助役もびっくり。

Dscn8024 そして第3問を終えたところで残りが1人となり、まず入場券をゲット。「予定では12問用意してたんですけど、まさかこんな展開になるとは」ということで、「じゃあ、敗者復活ということでもう一度じゃんけん大会をやりま~す!」となった。他の号車も同じような展開で、6問を終えたところで全ての車両で当選者が決まったようである。大河を毎回真剣に見ているなら答えられたのかもしれないが、なかなか難しかったようである。こちらでも参加賞ということで特急電車のクリアファイルをいただく。さらに子どもの参加者にはオリジナルの文房具セットのプレゼントもあった。

高砂では車掌が「高砂や~この浦船に帆をあげて~」の一節をうなったり、官兵衛ゆかりの地として姫路の妻鹿を紹介する。そろそろ旅も終盤である。

Dscn8027 15時10分すぎ、奈良を出発して5時間20分で山陽姫路に到着。これだけの時間をロングシート車で過ごすのは最初どうかと思ったが、休憩時間も多かったし、車窓見学で立つこともあった。さらにはスタッフの人たちの盛り上げもよく、思ったより時間の経過が早く感じた。途中で眠くなることもなかったし。

Dscn8028 ホームでは先回りしていたかんべえくんが再びのお出迎え。さらには「姫路お城の女王」も観光PRでグッズやパンフレットの配布に登場である。やはり、今回のイベント列車は姫路メインであった。

今回のように鉄道と歴史を組み合わせたイベントというのもなかなかよく、また開催してほしいものである。今度はこれに阪急が加わるというのも面白いと思うのだが、どうだろうか。

さてここからどうするか・・・と聞くまでもなく、やはりここは世界遺産である姫路城に行くことに・・・・。

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近鉄・阪神・山陽横断ツアー~六甲おろしに晴れたる青空

2014年07月18日 | 鉄道企画もの

近鉄・阪神・山陽横断ツアーも阪神区間・尼崎にさしかかる。次の見どころは尼崎車庫へのピットインと洗車体験。外は雨もやんできて、ホームには大勢のファンが撮影に押しかけている。

Dscn7943 Dscn7945 仕事の関係で阪神尼崎は利用することも多く、三宮、姫路方面の線路のさらに外側に引き込み線があるのは知っている。そこに入り、車庫への線路に入る。こうした角度で尼崎のホームを見上げるのはもちろん初めてである。

Dscn7951 屋根のある車庫まで入る。両側には検査用の道具というのかいろんなものが転がっている。こういうのを見るのもなかなかできるものではない。技術的なことがわからないので、整備関係のものだな、と一括りに認識する。

「これから洗車体験です」というアナウンスが入る。注意事項として「絶対に窓は開けないでください」と言われる。考えるまでもなく当たり前のことだが、そこは何をしでかすかわからないのが鉄道ファンの「その筋」の人。あるいは子どもが面白がって窓を開けるかもしれない。ここでクギを差しておく必要があるのだろう。

Dscn7954 ピットを出て、ゆっくりと三宮方面に動き出す。車庫に勤めるのか、あるいは研修中か、若々しい社員たちが手を振って列車を見送ってくれる。

Dscn7955 そして次の瞬間、窓に大量の水滴。ただし窓に当たっていたのは2~3秒くらいか。洗車機といってもガソリンスタンドやコイン洗車場にあるような小ぶりなもので、列車は一瞬で通過する。ただその水圧は相当なものだろう。他の客が阪神の女性助役に洗車の頻度はどのくらいか訊いている。ほぼ毎日行われているとのことで、洗車といっても特別なものではなく、人間で言えば仕事や学校から帰って手洗い、洗顔をするような日常的なものか。

Dscn7960 しばらく引き込み線で退避し、定期の列車が一通り出てから本線に戻る。と、前方に阪神の車両が留置されているのだが、その間に茶色の塗装の車両を見かける。一瞬、近鉄奈良線の100周年記念塗装の近鉄車両かと思ったがどうも様子が違う。

Rscn7964 ガタゴトと本線に戻る時に、車両の間に再びその車両を見るが、はっきりと「Hankyu」のロゴが見て取れる。これはどういうことか。他の乗客も「あれ、阪急ちゃうん?」「ホンマや」「何で阪急こんなとこ来とんねん?」といぶがしげである。

この日のツアーから帰宅後にネットで調べたところでは、この阪急車両は神戸高速経由で尼崎車庫まで回送されてきたものである。能勢電鉄に譲渡するに当たって一部改造が必要らしいが、阪急の正雀工場が満杯ということで、阪神の車両メンテナンスで作業を行うことになったとか。神戸高速の高速神戸や新開地では阪急と阪神の車両が同じホームに並ぶし、これを媒介として両社の車両が乗り入れることは可能ではあったが、実際に阪急のマルーン色の車両が、阪神の中でもコテコテのエリアである尼崎に顔を出すのは経営統合前後を通して初めてという。

私が乗っているのは近鉄・阪神・山陽という3社を一気通貫で走る列車であるが、鉄道ファンの注目度とすれば、「阪急の車両が阪神の線路を走る」という史上初の出来事のほうが圧倒的に高かったようで、こちらのほうが新聞記事になったくらいである。ともすれば、阪神、山陽、近鉄に加えて阪急と、アングルとタイミングがよければ4社の車両を1枚の写真に収めることも可能である。別に阪急が貸切列車にぶつけて来たわけではないだろうが、一本取られたなと思う。

昔、かんべむさしというSF作家の作品に「決戦・日本シリーズ」というのがあったのを思い出す。阪急ブレーブスと阪神タイガースが日本シリーズを戦うのだが、「日本シリーズで勝ったほうの電車が、阪急と阪神の接点である今津駅を乗り越えて相手の線路を凱旋走行する」というイベントが某スポーツ新聞により企画される。普段からお互いライバル視する両方の沿線住民やファンはシリーズ前から熱狂し、シリーズは第7戦でも引き分け。そして運命の第8戦は・・・・。

小説では、「どちらも勝ち」となっている。というのが、最後は本の上段と下段が分かれ、それぞれ阪急側、阪神側の勝利という結末が書かれているのだ。さらにその後は・・・というものである。

この「決戦・日本シリーズ」は1974年の作品というから、ちょうど40年前のことである。40年が経過して、その結果は阪急電車が阪神に乗り入れるというものだった。阪急と阪神も同じグループの会社となり、鉄道のカラーは全く異なるが、グループ会社ということでこういう芸当もできるようになった。当時は全く考えられなかったことだろう。いずれ、乗客を乗せたイベント列車でも走る日が来るだろうか。

一方野球のほうでは、阪急ブレーブスという球団はなくなった。阪急だけではなく、近鉄も南海も、私鉄会社の球団としては歴史に幕を下ろしている。ただその中で鉄道球団の老舗的地位を守っているのが阪神である。アンチタイガースとしては面白くないが、それが現実なのだからどうしようもない。

Dscn7973 尼崎を出た列車の停車駅・・・実際にドアを開け、乗客が外に出ることのできる最初の停車駅は甲子園である。この日はタイガースの試合もなく、最も球場寄りのホーム、野球開催時には降車専用となるホームを貸切列車のために使うことができる。ここで30分近く停車する。近鉄奈良を出ておよそ2時間、初めてドアが開くということで乗客もホッとした様子である。トイレにも長い行列ができる。

ここは昼食休憩の位置づけでもある。事前に予約した人には限定の「タイガース弁当」の引き換えがある。これをロングシートで食べる人も多い。私は注文していなかったので、乗車前にコンビニで購入したおにぎりやサンドイッチでの昼食である。

Dscn7969 残念ながら改札の外に出ることができなかった。あげく、普通の梅田、三宮方面のホームに抜けることもできない。まあ混乱を避けるためには致し方ないのだろう。少しでも時間があれば甲子園球場の前まで行って、奈良の寺社群と姫路城という世界遺産の間にあって、「野球文化遺産」とでも言うべき甲子園球場を加えようという気があったのだが。まあ、それは仕方がない。ただ、駅が改装工事中ということもあってか、改札の内側に自動販売機もなく、水分補給をしようという人が難儀そうにしていたのは改善点である。アイスクリームの立ち売りはあったが、水分補給や熱中症予防であればお茶や水のペットボトルこそ売るべきではないかと思う。

Dscn7971 Dscn7972 停車中にはホームに六甲おろしが流れ、また屋外ということでよりよい条件での撮影タイムとなった。

Dscn7979 甲子園を出発すると今度は阪神イベントでのじゃんけん大会。最初は車掌のアナウンスとの勝負で、3回戦からは各車両ごとのスタッフとの対戦。私は1回戦で早々と敗退したが、阪神の女性助役との対戦に見事勝利したのはお父さん。高校野球の臨時輸送用のヘッドマークのレプリカシールに運転手用の時刻表を獲得した。お子さんと一緒の参加で父親の面目躍如とあって、車内からも大きな拍手が起きた。

大石でしばらく退避して何本かの列車をやり過ごし、いよいよ神戸市内に入る・・・・。

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近鉄・阪神・山陽横断ツアー~大阪市内を素通り

2014年07月17日 | 鉄道企画もの

近鉄・阪神・山陽の3社路線を一気通貫で走る(と言いながらも寄り道や長時間停車もあるのだが)横断ツアー。この見どころの一つに、普段の列車利用では入ることのできない車庫に入るというのがある。外に出ることはできず車窓見学ということではあるが、それでも非日常的な体験である。

Dscn7910 まずは東花園。花園ラグビー場への最寄駅であり、現在高架駅化に向けての工事の最中である。それとともに東花園車庫が隣接しており、いったんホームに停まった後、運転手も最前部から最後部に移動して向きを変えて動き出す。高架の線路を横切り、ゆっくりと車庫への引き込み線に入る。

Dscn7916 Rscn7918 ちょうど、近鉄奈良線開業100周年を記念した独特の塗装を施した車両が出線するところである。その前では歓迎の横断幕を掲げた係員たちが手を振って出迎えてくれる。稼動中の車両が多いのか、各線路が列車で埋まっているということはなかったが、引き込み線の中でしばしの時間を過ごすというのも妙な感じである。貴重な経験であるのは間違いないが、一方で「降りることができないのなら、意味ないやん」と冷めた感じもする。他の乗客も車内から少しでもいいポジションで撮影しようとしているのだが、どこか消化不良のような表情に見える。

Dscn7930 まあそんなところで再び東花園まで戻る。ここから先は近鉄のイベントということで、参加者全員がスピードくじを引く。お笑い系助役がくじの入った箱を持って車内を回り、列車全体の車掌の放送を合図に乗客が開封する。1両40人で当たりくじはちょうど1割の4人。特急しまかぜのオリジナルグッズが当たるというものだった。まあ、外れた人たちにも参加賞ということでボールペンが配られる。

そんなイベントの最中に列車は大阪市街に入る。進行左前方にはあべのハルカスの建物も見え、鶴橋に到着・・・して素通りする。そこから地下に入り、大阪上本町。・・・ただこれも一瞬停まってすぐに発車。名古屋へのアーバンライナーもかつては「名阪ノンストップ」を売りにしていて、それでも鶴橋と上本町は停車駅だったが、その2駅も通過する。もちろん初体験だし、貸切列車ならではの面白さを感じる。

Dscn7933 挙句、大阪難波も見事に通過。・・・そして次に停車したのは、桜川。もっとも、ドアを開けるわけではなく、普通の列車運用でも近鉄と阪神の乗務員は桜川で交代する。この停車も乗務員交代のためである。近鉄奈良、東花園、桜川・・・実際の客扱いの列車ではまず設定できない停車駅である。

Dscn7935 この辺りは日常の通勤で乗ることもあり、車窓そのものに新鮮さは感じないのだが、いつも停まる駅を通過するというのは独特の感じがある。西九条も通過し、淀川を渡り尼崎に近づく。次のイベントは尼崎車庫への入線である。阪神尼崎には入らず、その手前から続く引き込み線に直接入るようである。果たして、どのような展開になるのだろうか・・・?

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近鉄・阪神・山陽横断ツアー~近鉄序奏編

2014年07月16日 | 鉄道企画もの

近鉄奈良から山陽姫路までの直通貸切列車の旅。いよいよ、奈良を出発である。

Dscn7885 地下にある近鉄奈良のコンコースには横断ツアーの受付台が出ており、そこで手続きを済ませる。家族連れもいれば、いかにも「その筋」という客もいる。ただ「その筋」にもいろいろあって、ここに集うのはどちらかと言えば「乗り」に重きを置く人が多いのかなと思う。それでも、地上に出ればスナイパーよろしくそこかしこでこの列車に向けて銃口・・・もといカメラレンズを向けている連中が多いだろう。

Dscn7886 受付を済ませてホームに降りる。今回のツアーは阪神の通勤型車両である1000系が充てられるという。山陽電車のキャパからすれば6両編成が限界で、阪神は近鉄と山陽の両方に乗り入れている実績があるのでこうなったわけだ。個人的には近鉄の特急か山陽の直通特急のようなクロスシート車のほうが旅としてはいいと思うが、どうせ車庫の車窓見学などで車内を動く人も多く、それならロングシートのほうがいいのかな。定員が200名、6両のうち1両は係員用だとすれば、5両に200人、1両に40人ということになる。あのロングシート車で40人となると結構埋まっているように思うが、それでも隣との間隔を取ろうと思えば取れるくらいのものである。普通に、日常の通勤電車に乗っているかのようである。 席は指定ではなく、「譲り合っておかけください」と案内にあるものだから、自然と、入線時間よりかなり前にホームに立つ。その光景は、朝夕の通勤ラッシュで座ろう、あわよくば条件のよい席に座ろうと待っている通勤通学客とさほど変わるものではない。他の人も早くから地下ホームに下りて他の電車の写真を撮ったり、子ども対象ではあるが3社の制服を着ての記念撮影会が行われていた。

Dscn7892 そして入線の時間。大和西大寺方面からやってきたのは阪神の1000系。ホームから一斉にカメラが向けられる。もっとも、車両自体は普段から動いているもので珍しいものではない。珍しいものがあるとすれば先頭に掲げられた「近鉄・阪神・山陽横断ツアー」の標識である。

 

Dscn7898 普段の通勤電車に乗るように乗車。ドア横の席に陣取る。全員着席してちょっとゆとりがあるかなというくらい。見た目は、普段の列車と変わることがない。違うのは、ツアー参加者ばかりということで・・・。

 

Dscn7901 近鉄奈良を出発。地上は雨も降る天気である。平城京跡を右手に見るところで停車する。車窓サービスかと思ったが、大和西大寺に入るまでの時間調整である。何せ、密集したダイヤの合間を走る列車である。走行時間より待ち時間が長くなるのは仕方ない。 大和西大寺を過ぎ、生駒を通過して生駒トンネルをくぐる。晴れていれば、トンネルを抜けると大阪平野の景色を楽しめるのだが、あいにくの空模様である。

この列車には乗客対応で各車両に2名の乗務員がいる。私が乗った車両は近鉄のお笑い系と阪神の女性。ただいずれもバッジには「助役」の肩書きがある。こうしたイベントにはお出ましのようで、各社の力の入れ方が伺える。

ここで「点呼」が行われる。割り当てられた車両に正しく乗っているか、景品の配布数のこともあるし、正しく人数を把握するということで。ひょっとしたらドタキャンや乗り遅れがあるかもしれない。「○○駅でお申し込みの何樫様」という形で呼び出すが、それによれば阪神の三宮や甲子園、逆に近鉄の四日市や名古屋という方もいて、改めて乗り鉄の執念というのを感じる。点呼の結果、1名が他の車両に乗っていたようだが、こちらに戻ってきた。お笑い系助役がトランシーバーで「3号車、40名様全員揃いです」とやっている。最後尾の6号車がこの列車の総司令部だ。

Dscn7908 点呼も終わり、列車は最初の見物ポイントである東花園車庫に入るべく、東花園花園駅に停車。一般の利用客がこちらのドアに寄ってくるが、扉は開かない。貸切と気づいて引き下がる。 しばらく停車した後、生駒方面にゴトリと車両が動く。「これから車庫です」という女性助役の案内が聞こえ、引き込み線に進入していく・・・。

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近鉄・阪神・山陽横断ツアー~奈良の寺社めぐり

2014年07月14日 | まち歩き

いつぞやの記事 でも書いたのだが、近鉄の奈良を出発し、普段の相互乗り入れの相手である阪神の路線を通り抜け、最後は山陽電車の姫路に至るという「直通列車」がイベントツアーで実現する。奈良を朝の10時前に出発し、途中、普段は入ることのできない車庫への線路を走ったり、駅での小休止も挟み、山陽姫路に着くのは15時半頃。普通の電車であれば各駅停車ばかりを乗り継いでも早く着くのではないかというほどのものである。

この企画は昨年、山陽姫路から近鉄奈良行きで一度行われており、その時は定員の何倍もの応募があり、結局参加者は抽選で選ばれたという。今回はそこまで行かず、近鉄の駅ポスターで告知を見て何日か後に申し込んだらすんなりとOKだったが、最後は200名の定員はいっぱいでキャンセル待ちとなったそうである。やはり好きな人は多いものである。

考えてみれば、南大阪に住んでいる人間がわざわざ朝から奈良に行って、大阪を素通りして姫路に向かう・・・何だか滑稽な話である。ただ、かつて「山陽姫路から各駅に停車して近鉄名古屋を目指す」ということや、関西私鉄のあちこちの駅をサイコロとしりとりを駆使して回ってみようとか、そういうアホなことに比べれば、将来の関西私鉄の活性化につながるかもしれない3社横断列車というのは価値があるだろう。

さて、出発地となる近鉄奈良には朝の8時半~9時半に集合して受付となる。自宅のある藤井寺からだと阿部野橋~鶴橋と乗り継いで奈良線で行くのが普通であるが、近鉄奈良線はどうせ後で走る線区。なるべくなら「一筆書き」というか、同じルートを少しでも減らすのが面白い。ならば橿原神宮前~大和西大寺と回る手もあるが、これだとあまりにも時間がかかる。そこで思いついたのが、道明寺から近鉄道明寺線で柏原に出て、JRの奈良に向かうもの。JRの奈良から近鉄奈良まで移動するついでに、どうせなら世界遺産見学としよう。終点の山陽姫路には姫路城もある。世界遺産同士を結ぶ横断列車ということであれば、乗り鉄の要素も歴史好きの要素も満たすことができる。

Dscn7846 ということで、JRの各駅停車で奈良に到着。あいにくと小雨がぱらつく。天気予報では午後にかけて雨足が強まるとも言われており、ちょっと心配である。

まだ近鉄奈良に向かうには早いので、このまま三条通を猿沢池方面に向けて歩く。奈良を舞台にした落語に「鹿政談」というのがあるが、そのマクラで奈良の名物の一つに「町の早起き」というのがある。今でも奈良公園を中心に数多くいる鹿だが、奈良では春日大社のお使いとして大切にされている。その昔、鹿を殺したり危害を加えたりすると罰せられたとある。そんな中、朝起きて扉を開けるとたまたま行き倒れになった鹿の死骸が横たわっていたとする。このままだと自分の家に疑いがかけられて罰が及ぶので、こっそりわからないように隣の家に死骸を追いやる。後から起きてきた隣の家で扉を開けると鹿の死骸が横たわっていて・・・(以下繰り返し)ということもあることから、自分の家に鹿の死骸を押しつけられないよう、自然と「町の早起き」が習慣になったとか。

もちろん現代の行政では罰するにしてもちゃんとプロセスを踏むだろうが、三条通ではごく普通の都市の日曜の朝独特の気だるい雰囲気が漂う。奈良の町で飲んだことはないのだが、現代風のチェーン居酒屋も並び、土曜の夜はさぞ賑やかなことだろう。

Dscn7847 朝早い時間のこととて観光客の姿もほとんどない中、猿沢池に着く。写真ではそれほど感じないのかもしれないが、池のほとりに立ってみると、池の水は濁って淀んでいる。ところどころに鯉の死骸が上がっている。う~ん、いかんいかん。鹿だの鯉だの、死骸ということを考えるのはやめておこう。

Dscn7852 興福寺に上がる。五重塔、東金堂を眺め、これからの旅に思いを馳せる。さすがに朝7時半では阿修羅像のある宝物殿は開いていないが、古の建物を見るだけでもありがたいものである。興福寺といえば南円堂が西国三十三ヶ所の札所である。現在、JR西日本が中心となって三十三ヶ所めぐりのスタンプラリーのキャンペーンが行われている。四国八十八ヶ所のお遍路といえばハードだし、西国三十三ヶ所も徒歩だとハードであるが、幸い鉄道・バスの交通手段に恵まれている。今度は、これを公共交通機関で順番に回るということもやってみようか。

Dscn7855 Dscn7881 そして奈良公園。鹿もそろそろ起き出したようで、ぶらぶら歩いたり草をついばんだりする。鹿せんべいの売り人たちもそろそろ店支度で、そちらに向かう鹿もいる。それでも奈良の鹿は人に慣れているのか、あまりにも町に溶け込んだ生活を送っているのか、結構大人しい。同じ世界遺産で鹿もたくさんいるのが安芸の宮島、厳島神社前だが、あちらの鹿はすぐに参拝客、観光客にちょっかいを出してくるように思う。鹿にも地域による特性というのがあるのだろうか。

Dscn7879 東大寺までやってきた。大仏殿は朝7時半から開けているということで、やはり奈良のシンボルといえば・・・ということでお参りする。まずは金剛力士像に挨拶して南大門をくぐり、境内を歩く。朝から蒸し暑さを感じる。雨は降ったりやんだりである。

Dscn7863 朝のこととて、訪れた時には20人ほどがいるに過ぎず、静かな佇まいである。大仏はそんなことは小さいことと言わんばかりにゆったりと安座している。

Dscn7873 何度か拝んでいる大仏だが、美術作品として見れば金剛力士像や阿修羅像、四天王像と比べて単純な姿形に見えたとしても、すべてを受け止めるゆったり感、安心感というのが、奈良の顔として世界にその名をとどろかせている。人がいない分、落ち着いて四方から見上げることができる。

Dscn7882 さすがに二月堂や春日大社方面まで行くだけの時間はなくなったので、近鉄奈良駅に向かう。ここから山陽姫路まではおよそ126km。果たしてどのような列車の旅となることだろうか・・・・。

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2日連続でタフな試合に・・・

2014年07月12日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

次週にはオールスター戦ということでどのチームも連戦が続くNPBプロ野球。オリックス・バファローズも、ソフトバンク、西武、楽天と、福岡~所沢~大阪と移動日なしでの連戦である。先日の台風の影響で試合中止となったチームもある中で、きっちり試合を行うことに。それにしても、タフな試合が続いている。

この西武3連戦、2試合連続で延長12回を戦うことに。しかも、それぞれが9回の攻撃で相手のリリーフエースを打ち崩し、12回までほぼ総力戦になった。第2戦は、「これ以上連投させられない」ということで、それぞれのチームが継投パターンを変えて臨まざるをえなかった。バファローズも、松葉が自己最長の7回まで投げてくれたからよかったようなもので、8回には岸田という選択肢。そして9回はまあ平野佳が予定通り登板も同点に追いつかれ、10回からは中山、最後は比嘉ということになった。馬原、佐藤達はどうにかお休み。このあたり、本当に投手のやりくりが大変だと思うが、中継ぎ~抑えも柔軟に対応できるだけの充実度が出てきたのは大きいと思う。

ただこの試合で気になったのは、糸井の2つのボーンヘッド。一つは二塁ランナーでショートの横を抜ける打球に一度ベースに戻りかけて、その後でどう見ても無理なのに三塁に走ってタッチアウトとなり、チャンスを後退させた。2つ目は12回、敬遠四球で出て、次打者の三振の時に何の気なく塁を離れていてキャッチャーからの送球でアウト。当然「らしからぬ」プレーだが、疲れがたまっているのか、あるいは本当に気が抜けていたのか気になる。

12回裏の守備から交代となったのも、もうこの試合では攻撃がないからだろうが、CS解説の片平晋作氏は「あんなプレーをしているのだから当然でしょ」と切っていた。私もそう思いたい。森脇監督が懲罰的な意味で交代を命じたのなら、非情に徹することのできる面として評価したい(いや、バファローズファン諸氏のブログ等で、森脇采配をホモだの愛人枠だの、わけわからん起用が多いだのと言われているのはわかっているが・・・)。

まあそうは言っても、明日も昼間の試合¥である。今夜は早く風呂に入ってゆっくりと寝てくださいな。先発は、ディクソンがとうとう降格ということで、ゴッドファーザー・マエストリが登場する。ここで好投すれば、これまでの便利屋から抜け出すきっかけになるかもしれない。イタリア育ち、香川仕込みの右腕に期待したいものである・・・・。

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台風襲来

2014年07月10日 | ブログ
沖縄から鹿児島、熊本に上陸した台風8号。本日10日の夕方から夜にかけて近畿に接近という予報で、大阪も暴風雨、場合によっては早めの帰宅命令とか、逆に一晩帰らないほうがいいかとか、気になっていたところである。

ところが、近畿でも和歌山の田辺に上陸して、その後は東日本に抜ける模様である。職場には直接の影響もなく、退社する頃には晴れ間すら出てきた。まあ、やれやれである。

しかし、直接台風の進路ではない周辺地域が豪雨となり、長野では中央本線の橋梁が流された。地元の足もそうだし、私の夏のお出かけコースに含まれるかもしれない区間。復旧には相当の時間がかかりそうである。他の地域も、被害がないこと、あっても最小限であることを願う。

さて、台風並みに荒れたニュースが、ベネッセの個人情報流出事故。2千万件を超えるとなると相当なものである。

ベネッセ(旧福武書店)の代表商品である進研ゼミと言えば、いつの間にか送られてくるDMのイメージが強い。どこから名簿を入手したんか・・・と、今のように個人情報保護が強く言われる前から、この会社の個人情報に対する姿勢はどうなのかと言われていた。そうした商法への報いとも言えるのかな。

かくいう私、結局はDM商法に乗って高校から進研ゼミをやりだして、なんやかんやで他の塾や予備校は行かずに無事に受験できた。大学時代は「ゼミレポーター」というものになり、受験生へのアドバイスやら、冊子にも載せていただいたり、そのご縁で大阪の支社でイベント要員や内勤事務、さらには模試の採点アルバイトもやった。お金も稼がせていただき、いろんな仲間とも知り合えた会社である。私が就職活動をした時には超人気企業(特に女性には)になっており、志望したものの残念ながら入社できなかった。それでも、個人的にはいい会社だなと思っている。

それだけに今回の事故は余計に残念である。原因はまだ特定されていないが、どうも最近はブラック企業的な悪い話や追い出し部屋、業績の落ち込み、直島のプロジェクトも地元にはいい迷惑とか、マイナス面が目立っていたところでの事故だけに、ダメージは相当なものである。

これからの真摯な対応が求められるが、果たしてどうなるだろうか・・・。

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