まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

DD14「小出銀嶺」号乗車

2008年03月29日 | 旅行記C・関東甲信越

上越線が全線開通して77周年ということで、イベント列車「信濃川」「小出銀嶺」号の運転、長岡車両センターの見学会というのが行われるという。そのうち、高崎から長岡までの「小出銀嶺」号乗車のツアーに参加した。

P3296814雲もほとんどない好天の高崎駅ホーム。普段は「SLばんえつ物語」号で使われている12系客車が停まっている。これをまず牽引するのは、昭和37年製造という電気機関車EF60。大勢のファンが機関車に群がっている。

P3296808機関車も連結され、客車の扉が開く。いかにも「その筋」という客の姿が目立つ。何せ、「この列車に乗ること」がツアーそのものなのだから・・・。改装されたとはいえ、昔ながらの客車列車に乗って上越線を北上するのが楽しみである。

P329682410時ちょうど、大勢の客に見送られて発車。1ボックスあたり2~3人という乗車率。発車後、乗車記念品と弁当が配られる。右に赤城山、左に榛名山がくっきりと姿を見せる。沿線には大勢のギャラリーがカメラの放列をなしている。やはり機関車が牽引する客車列車というのは多くの人の注目するところなのだろう。

渋川着。ここで定期列車をやり過ごすために30分以上停車する。ただしドア扱いはしないので外には出られない。

イベント用客車ということで展望車両のほかに売店スペースもあるのだが、弁当や記念グッズは混雑を避けるために「くじびきによる整理券方式」を取っていた。「榛名山」「谷川岳」「清水トンネル」などの組に分かれ、車内放送で順番に呼び出される。サボやキーホルダーといったところがオリジナル商品。

東京では桜が満開を迎えているが、上州の山のほうではまだ見所はこれからといったところ。利根川沿いをさかのぼり、水上着。

P3296827ここで、EF60からこの「小出銀嶺」号の目玉ともいえるDD14の重連に機関車を付け替える。高崎を出て初めての停車で、乗客が一斉にホームに出る。反対側ホームにも駆け出す。

P3296839このDD14、主に除雪作業を目的として製造されたものという。除雪用のロータリーヘッドをつけた格好というのをこれまでにも見たことがあるかもしれない。ただこれに客車を牽引させる、それも重連で・・・というのはこれまでに全くといっていいほどなかったとかで、それで珍しい走行ということで大勢のファンが集まったという次第。

P3296844こうして見ると、見慣れたデザインとは異なる、外国の鉄道写真に出てきそうな面構えである。ただこの機関車も現役で活躍するのは上越線や只見線、米坂線など、新潟近辺の豪雪路線というが、最近では自動車型のラッセル車で除雪することが多く、出番も現象しているとか。それにしても思い切ったイベントを考えたものだ。

水上を発車。清水トンネルをくぐり、三国峠を越える。電車と比べてゆっくりしたスピードであるが、昔の客車の旅はこんな感じだったんだろうな。やはり列車での三国峠越えとなると皆の頭に浮かぶのは川端康成の小説のあの書き出し・・・

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」

P3296857・・・まさにその通り。車内から一斉に歓声が上がる。3月末とはいえまだ越後は雪国で、どんよりしたスキー客の姿も多い。越後湯沢の手前のカーブが撮影名所とかで、雪原の中に大勢のカメラの放列。やはり注目度が高いのだろうな。魚沼の里は一大イベントである。その一方で、少し離れたところからスナイパーのようにカメラを構える人もいて、オリジナルの一枚を狙おうとしている。

P3296873次の長時間停車は、列車名でもある小出。ここでは撮影タイムのほかに、魚沼市観光協会による地元産品の販売や、鉄道写真の展示で乗客を出迎えてくれる。今日列車を牽引しているDD14が除雪で活躍している写真も多く、やはり以前にこういう写真展か何かで見たことがあったのだろう。

小出からは信濃川沿いに走る。少しずつ雪も減ってきた。高崎を出てから、途中の停車時間を含めて5時間近い列車の旅もそろそろ終了である。14時48分、長岡駅着。ここでは回送までのしばらくの間、最後の撮影タイムである。

P3296887上越線全線開通77周年のイベントは、翌30日の長岡車両センターの見学会までとなっており、長岡に宿泊する人も多い(宿泊と見学会までセットのプランもあった)が、私はこのまま新幹線でとんぼ帰り。5時間近くかけて走った高崎までの道を、わずか1時間で走る。東京まででも2時間かからない。やはり速いな。再び戻った東京は、相変わらずの晴天であった。

なかなか面白い経験でしたね。

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看板倒れ?? BB打線

2008年03月27日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

多国籍の強力打線を組んでいるはずのオリックス・バファローズの打線が振るわない。

27日の楽天戦も2対0の完封負け。好投の金子を見殺しにした。これで前日の永井、この日の岩隈と、絶対に負けてはならない楽天相手に2日連続名をなさしめたことになる。

チーム自体は開幕から3勝3敗と、勝率だけ見ればまずまずだが、内容がよくないなあ。敗れた3試合はいずれも零封だし、勝った3試合も多国籍打線が爆発したわけではないので。結局打線は看板倒れかな。

外国籍の3人もトウが立ったとか、日本に長いのですっかり研究されつくしたとか(まあ濱中は前のチームがあのチームだから実力以上にチヤホヤされていたのであって所詮実力はそんなもんかという納得はするが)、そうなると明るい材料は少ない。このうち誰かが本塁打でも打てばチームの雰囲気も変わる・・・という期待はまだあるが、果たしてどうだろうか。

BB打線が終わってみれば「バッド・ボーイズ打線」だの「バカ・ボケ打線」になりませんように・・・。

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ビビンバの会

2008年03月26日 | ブログ

・・・などという言葉を目にした時、てっきり韓国焼肉料理の愛好者の集まりか、韓流スターファンの会かなと思ったのだが、これは政治家の集まりなのだそうだ。

2月に韓国を訪問した超党派の議員団で、その面々というのが自民党の加藤元幹事長、山崎元副総裁、民主党の仙谷、枝野の元政調会長、社民党の辻元議員たちというもの。政界再編をにらみ、自民党のリベラル派として知られる加藤氏としては今のうちに気脈を通しておこうということらしい。で、韓国を訪問したことと、ごちゃまぜの会ということから「ビビンバの会」と呼ぶらしいが・・・。

それにしても、何をしたいのだろうか。

国会が空転している中で、テレビのワイドショー番組になると張り切って怪気炎を上げる与野党の議員とか、こういう国会の外で呉越同舟を図る動きが目立つが、結局は政局がらみの駆け引きであったり、テレビで自分の顔を売るのが目的だったりするのだろう。今回の加藤・山崎氏の動きも、現在の主流派からは外れている二人が、現在ふらついている福田政権に対して「俺たちの存在を忘れるなよ」という示威行動の一つなのだろうか(示威になっているかは別として)。

それでもこういう集まりって、よろしくないですなあ。本当に国民の利益を考えているのか。

せいぜい、ビビンバを食べるだけの会にしてくださいな。

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春場所は横綱相星決戦、朝青龍が雪辱

2008年03月24日 | ブログ

2場所続いての千秋楽横綱相星決戦となった大相撲の優勝争い、今場所は朝青龍が白鵬を破り、先場所の雪辱を果たした。場所中に指摘のあったように、白鵬の足の調子が万全ではなかったともいう。

朝青龍の喜びぶりというのは「ここまで感情を露わにする力士というのも見たことないな」と思わせるもので、「大阪好きやで!毎度おおきに!!」というインタビューは、「この横綱しか言えないだろうな」というもの。それにしても高砂部屋の力士と大阪場所というのは相性が良いようで、朝青龍しかり、師匠の高砂親方、そして「大阪太郎」と言われた昭和の横綱・朝潮太郎・・・。いやいや、その朝潮の師匠には、双葉山に張り手を食らわせた暴れん坊・前田山がいる。大阪場所でなくても、高見山、富士桜、小錦、水戸泉など個性派力士が多く、相撲の名門・出羽海部屋が巨人軍のような伝統と統制を重視したカラー(最近はそうでもないが)に対し、どこか破天荒なところがある阪神タイガースのノリが高砂部屋にあるように思う。

朝青龍の土俵の態度についていろいろ批判的な意見もあるだろうが、もうこの横綱はこういうカラーで最後まで行ってほしいと思う。相撲道の伝統だ、礼儀だ、様式美が崩れるという「ご意見番」の声はあるが、ではその伝統の名の下に若い力士に行われたことは何なのか、稽古の名の下で力士を再起不能(時には有望な力士の芽を奪ったり)、果ては死に至らしめたことはどう説明するのか。

それにしても相変わらずの大関陣の不甲斐なさで、今場所は琴欧洲が途中休場、残りの3大関も8勝止まり。三役も目立った活躍がなく、平幕中位~下位で大勝する力士が目立つ程度(この力士たちも上位に上がれば大負けで定着しない)。朝青龍憎しと思っても通用するのが白鵬だけではね。また来場所も両横綱の相星決戦だろうな・・・・。

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歯舞「諸島」?「群島」?

2008年03月21日 | ブログ

ハボマイ・シコタン・クナシリ・エトロフ・・・という4点セットで学校で習う北方領土。ネット記事によれば、国土地理院がこのほど「歯舞諸島」の名称を「歯舞群島」と変更したという。

何でも、これまで国土地理院発行の地図や教育現場などでは「歯舞諸島」という表記だったのだが、このほど地元・根室市や北方領土返還運動に携わる北海道の団体からの要望を受けて、彼らが普段使用している「群島」に改めたのだとか。根室市では「現場で混乱している」「名称の統一で返還運動を盛り上げたい」ということで要望書を提出したそうだが・・・。

ただ、この期に及んで「諸島」から「群島」と言われてもね・・・。だいたい、この二つは用語としてどう違うのだろうか。実体を指すものとして大して違いがあるわけでもないのだし、そもそも、「諸島」と「群島」の違いで何か混乱が生じているとでもいうのか。先日根室を訪れた時も、「群島」という表記は見かけなかったけどなあ・・・。

仮に「群島」と表記されていたとして私が気づかなかったということは、一般人が気づかない程度の差でしかないということで、国土地理院に要望書を提出して、地図帳から何から変えさせるほどのことではないのではないか。何か裏がありそうな話だ。

根室市の要望ももっともなのかもしれないが、島の呼び方以前に、現在「北方領土」というものに対する世間(特に、北海道人が本州人をあえて区別していうところの「内地人」たち)の関心というのはいかばかりだろうか。日本の都道府県を地図上で正確に指すことのできない人が3分の1以上を占める国民、ましてや北方領土の島々の名前を言われても「何それ、生まれてこのかたエトロフちゅうのは食べたことないわ」というくらいの国民である(これはオーバーかな?)。本気で返還運動を行うのであれば、歯舞諸島の呼称変更以前にもっと先に国民に啓蒙しなければならないこと、関係機関に真剣に働きかけねばならないことがあるのではないだろうか・・・・?

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パ・リーグ開幕戦、オリックス白星発進

2008年03月20日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

早いもので今年のプロ野球のパ・リーグが開幕した。札幌では日本ハム対ロッテ、福岡ではソフトバンク対楽天、そして「西武ドーム」に名称を戻し、所沢移転30周年を期に球団名を変更した埼玉西武ライオンズとオリックス・バファローズの試合がそれぞれ行われた。

P3206687穏やかな日が続いていた関東地方だが、開幕戦のこの日は冷たい雨、おまけに風も強く気温もほとんど上がらない。でもまあ、こうして予定通り試合が行われるのがドーム球場で、雨にも関わらず大勢のファンで賑わった。

レフトスタンドにも関西からの応援団を含め、おそらく関西方面から観戦に来た人も多いだろう、大勢のバファローズファンが詰め掛けた。ただ・・・屋根はついているものの埼玉の自然をモロに堪能できるこのドーム、この日は寒さに震え上がるばかり。ビールよりも熱燗、焼酎の湯割りなどがよく売れていた。またレフトスタンドでも、入場券を提示すれば進呈されるライオンズの「ヒートアップマフラー」をひざ掛け代わりに使う人が結構いたりする。

P3206726さて開幕戦ともなるといろんなイベントが行われるのが常で、試合前のブラスバンドの演奏やらダンスやらが行われることが多い。ただこの日はあっさりしたもので、松崎しげるによる国歌独唱や、上田清司・埼玉県知事による「埼玉西武ライオンズサポート宣言」という挨拶&始球式が目立ったところ。あと、ライオンズ側の選手紹介が「ライオンズびいきの文化放送」の元アナウンサー・戸谷真人だった。その中にあって、所沢移転30周年ということで、根本監督に始まる歴代の監督、名選手たちの懐かし映像が流れるのは面白い。また1982年以降の日本シリーズ制覇のチャンピオンフラッグのレプリカがバックネット裏最上部に飾られているのは、「常勝軍団」としての歴史を改めて若い選手たちに認識させようとしているのか。

P4221667また変わったといえばグラウンドの人工芝が天然に近いものになったり、バックスクリーンが超大型のものに切り替わったこと。それぞれ、前年との比較をすれば雰囲気ががらりと変わったように感じられる。

P3206716さて肝心の試合。西武・涌井、オリックス・金子という、いずれも初の開幕投手。期待としては、リーグ屈指の好投手・涌井を、ラロッカ、ローズ、カブレラ、濱中ら「多国籍打線」がどう打ち崩すかというものだが・・・。

ところが涌井である。そう簡単には点を取らせないし、打順一回りまでは打球が外野にも飛ばないという有様。ところが金子も力のある投球を繰り広げ、4連続を含め西武打線から三振の山を築く。それほど三振の取れる投手というイメージがなかっただけに、こちらもうなるばかりだ。

P32067313回、トップに返って坂口がチーム初安打で出塁、続く迎が倒れたものの、ラロッカが右中間にタイムリー2塁打。涌井から先制点を奪う。ただ涌井が許した大きな当たりはこのくらいで、以降は「多国籍打線」を力で抑え込む。一方の金子も力投を続け、G・G佐藤に一発を浴びたものの、ピンチらしいピンチもなく7回まで10奪三振。

完全な投手戦の明暗を分けたのが終盤。7回裏、先頭ボカチカを四球で出した金子だが、続く細川の投前バントをうまく捌いて併殺打に切って取った。その直後の8回表、今度は涌井が先頭の日高を歩かせ(代走・森山)、続く坂口の投前バントを捌いて2塁に送球したまではよかったが、送球が少しそれ結局オールセーフ。続く迎がきっちり送り2・3塁とした後で、ラロッカの犠牲フライ。2対1と勝ち越し、これが決勝打となった。

P32067448回は菊地原、9回は加藤と磐石の投手リレーでそのまま逃げ切り、2対1でオリックスが開幕戦をものにした。お立ち台は金子だったが、先発投手の台所が苦しい中、今年はローテーションの柱としてやってくれそうな(少し前まではひ弱なイメージだったのだが・・・)感じがした。ただ次に続く投手となると・・・・誰?

一方の「多国籍打線」だが、結局は3安打(坂口、迎、ラロッカ)。ローズは3四球を選んだものの、カブレラ、濱中は涌井に完全に力負け。それらが火を噴くのはまだまだ先のことかな・・・・。

まずは白星発進ということで、これからの熱戦にも期待しよう。

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浦和レッズ、オジェック監督を解任

2008年03月17日 | ブログ

普段はサッカーの試合など観ないのだが(スポーツのニュースで勝敗結果や、J1、J2の昇格・降格の結果を知るくらいのものだが)、さすがにウーンとうなるような記事だったので。

Jリーグ開幕2試合にして、浦和レッズのオジェック監督を解任、かつて横浜フリューゲルスなどで監督を務めたエンゲルス・コーチを昇格させるということが発表された。

開幕2試合目での解任。プロ野球でいえばペナントで10試合を戦ったところでの「休養」ではなく「解任」である。ましてや、昨年は就任1年目にしてリーグ戦2位、その後のACLではチームをアジア一に導いた監督なのだが、ここで解任を決断するのがサッカーらしいところだ。もっとも報道によれば選手は昨年から同監督に不満を持っていたというが、前々からそういうことがあったのならシーズン前にでも手を打つとか、何か方法はあったはずだ。

サッカーの門外漢である私がオジェック監督の解任の是非についてとやかく言うことはできないが、改めて感じるのがサッカーの監督の回転の速さである。プロ野球なら年度ごとの各チームの順位変遷の表にあわせて、比較的ゆったりとしたサイクルで監督の変遷が書かれている。シーズン途中での交代(休養後の代理監督を含める)はもちろんあるが、大抵は2~3年周期である。ところがJリーグでは1年で監督が変わるのは珍しくなく、シーズン途中での交代も当たり前。外国人がなったかと思えば日本人に変わっていたり、昨年まであるチームで指揮を執っていた人が次の年には別のチームに行っていたり、とにかくめまぐるしい。現役時代の名プレーヤーが必ずしも監督になれるわけでもないので、正直顔と名前が覚えられない。

でもまあ、こういう「即座に結果を求める」のが欧州流の考え方なんだろうな・・・・。

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小田急MSE「メトロはこね」

2008年03月16日 | 旅行記C・関東甲信越

3月15日のダイヤ改正。先の「銀河」廃止の記事で、「消える列車があれば、新しく誕生する列車がある」と書いたのだが、その一つが小田急・東京メトロ千代田線直通のロマンスカーである。

新しい「MSE(マルチ・スーパー・エクスプレス)」は「青いロマンスカー」というキャッチコピーであり、日本の地下鉄で全席指定の特急列車が走るのは初めてということで話題になっている。平日は通勤ライナーとして、土日は都心から箱根への観光の足となる。通勤で普段利用している地下鉄千代田線を特急が走るというのも妙な感じだ。実は小田急のロマンスカーというのにはこれまで乗ったことがなかったのだが、いい機会だろうからと出かけることにした。

P315659815日の朝9時から行われた1番列車の出発式には用事があって見に行くことができなかった(報道では、1番列車の指定席は発売開始からわずか5分で完売したとか)が、初日とはいえ14時43分に北千住を発車する第2便「メトロはこね23号」は、15日当日でも空席があった。1番列車と2番列車でこうも差が出るものか。私も通路側ながら特急券を購入することができ、一度帰宅して再び北千住駅に現れる。

P3156588いつもは朝の通勤で大混雑する北千住駅ホームだが、土曜の昼間にも関わらず「その筋」の人たち、子ども連れなどで混雑している。普通に地下鉄を利用して北千住に降り立った人たちが「何の騒ぎ?」といぶかるような表情をした後「箱根に行く特急が今日から走るんだっけ?」と妙に納得したように過ぎていく。

綾瀬方から入線してきたブルーの車体。最後部に陣取っていたのだがこの人ごみである。まあ車両の表情は到着後に眺めるとして、とにかく乗り込むことにする。

P3156592木目調の暖かな感じの内装に、背もたれの高いシート。観光列車らしく、日本語、英語のほかに、繁体字中国語、ハングルによる案内字幕が流れる。ちなみに中国語では「浪漫特快箱根列車」。中央特快は通勤列車の語感だが、浪漫特快とは旅情をそそる字面である。

北千住を発車し、地下区間を走る。特急とはいっても地下鉄内で先行列車を追い越すわけではなく、スピードは通常の地下鉄並み。その地下鉄の中であるが車内販売のワゴンがあり、ビールを注文。地下鉄の中でビールを飲むなんてのは初めてのことだ。途中、大手町、霞ヶ関、表参道と停車するが、ここからの乗車も結構あり、ほぼ満席となった。

P3156604代々木上原で乗務員の交代のため運転停車し(この駅にもすごい数の「その筋」の人たちがホームに群がっていた)、いよいよ小田急線へ。複々線の中を快走する。小田急はいろんな種類の特急型車両を走らせており、それらとすれ違うのも楽しみだ。

北千住から1時間、町田で半数以上の客が下車し、車内は一気にガラガラとなった。どうやら箱根まで行こうという客よりは、新型車両の初日に乗ってみたかった客のほうが多かったようだ。まあ、箱根湯本着が17時前とあらばそういうものか。

P3156608町田からはノンストップで小田原着。快適だった時間もあっという間だ。ここで、10両編成のうち後部4両が切り離される。実は私が乗っていたのも小田原までの車両だったので、ここで下車する。下車客が一斉にホーム最後部まで行き、先ほど北千住駅でできなかった車両撮影会となる。

なかなか面白い一時を過ごした後、この日はもう少し西を目指してJRに乗り換えることにした・・・・。

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急行「銀河」を出迎え

2008年03月15日 | まち歩き

昨夜は寝台急行「銀河」の最終運行ということで、雨の東京駅ホームで見送った見物客が2000人いたとかで、新聞やテレビで報道されていた。「さようなら『銀河』鉄道」とかね。夜行急行というものにピッタリだった名前だったのだが・・・・。

そして明けた15日朝。

P3156537朝6時20分、東京駅の10番ホームにはすでに大勢の「その筋」の人であふれかえっていた。2000人とまではいかないだろうが、最後の運行となる「銀河」を出迎えようという人たち。危険行為に及ぶのを防ぐために大勢の警備員も配置されており、ものものしい。

P3156539すぐ隣が東北・上越新幹線のホームだが、こちらからのアングルから狙おうという人たちもいる。うーん、考えたものだな。

P3156540定刻では6時42分着だが、おそらく途中駅での撮影攻めにあったからか、3分ほど遅れて入線。その瞬間を捉えようとものすごい数のカメラが向けられる。

P3156553そして到着。最後の一夜を過ごした乗客がドアから降りると、そこにも無数のカメラである。よくスキャンダルの渦中の芸能人がカメラに囲まれるなんてことがあるが、今日に限ってはこの「銀河」の乗客もそんな立場である。

P3156574この後、品川への回送のための機関車入れ換えまでの間が撮影会。特にヘッドマークのあたりはカメラの放列で、何とかマークを収めるのに精一杯。歓声と怒号が飛び交う現場である。

P3156559方向幕を「回送」にするまでの一時、こんな字幕もしばらく表示されていた。こちらの列車も同じく廃止となっており、偶然か、それとも車掌の粋なサービスか。

こうして20分ほどの停車の後、静かに品川に向けて回送されていった・・・・。

さて、消え行く列車もあれば、新しく誕生する列車もある。今度はそのことを書いてみよう。

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中田翔 開幕2軍決定

2008年03月13日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

早いものでパ・リーグの開幕まで1週間。今年はまずパの開幕カードが行われるがその一方ではメジャーのレッドソックスとアスレチックスが来日しての開幕戦が行われ、パの公式戦が大リーグの裏試合になるという有様。うーん、これはあかんやろ。

大リーグのチームが来日するたびにいつも思うのだが、日本の対戦相手がいつも巨人と阪神だけというのはいかがなものだろうか。まあ伝統と人気のあるチームなのかもしれないが、やはりここは前年の日本一のチームが相手をするとかいうことがあってもよいのではないだろうか。日本のプロ野球は巨人と阪神だけではないんですから。

それはさておき、パの開幕投手もそろそろ決まる時期で、日本ハム・ダルビッシュ、ロッテ・小林宏、ソフトバンク・杉内、楽天・岩隈、西武・西口、そしてオリックスが金子というのが有力なところ。バファローズファンとしては、金子がようやく開幕投手の座を勝ち取るところまで来たのは感心するところ。球団統合の1期生が投げるごとに評価を上げているのは頼もしいところだ。この投手にはまず10勝はしてもらわないとね。

一方で、怪物ルーキーとして話題の日本ハム・中田翔の開幕2軍が決まったという。長打力もまだまだこれからだし、堅守がチームカラーの日本ハムにおいて守備力の弱さはなかなか評価されないというのがその理由という。梨田監督が就任したからには「新生いてまえ打線」をつくるのかと思いきや、やはり長打力だけでは今のペナントは勝ち取れないという冷静な見方である。

まあ、高校卒業の野手で開幕からバリバリに活躍した選手といえば、過去のプロ野球でも豊田泰光、中西太、榎本喜八、張本勲、清原和博という、それこそ錚々たるメンバー。投手ならまだ開幕1軍で活躍するケースは結構あるが、それだけ野手というのは難しいのだろう。それでもそう遠くないうちの1軍入り、スタメン出場というのはあるはず。小粒な打線の中でも小谷野、金子洋平、鵜久森らとともに長打力がアップすれば、「新生ビッグバン打線」の誕生ということかな(やはり「いてまえ」は「近鉄固有のもの」としてその名をとどめてほしいので)・・・。

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やはり空席はいかんでしょう

2008年03月12日 | ブログ

今国会で与野党がもめているものの一つに、日本銀行の総裁人事というのがある。衆参両院の同意を得て内閣が任命することになっているのだが、その国会が「ねじれ」のために物事がスムーズに運ばないものだから、こういうところにも影響が出てくる。両院の同意を得ないといけないというのは、結構厳しい条件ですな。それだけしっかりした人材を選定しなければならないからだといえば聞こえはいいが。

与党が提示した武藤副総裁の昇格案に対して「財政と金融の分離」を理由に反対する野党。予算案の審議には応じないのに、この総裁人事だけはさっさと参議院本会議を開催してあっさり否決するというスピードである。やはりこういう動きを見ていると、政争の具にしているなという気がする。ならば野党は誰か候補者を立てるのかというとそうではない。

ただ、「誰が投げても一緒や」という近鉄応援団の野次のようにいかないのが国家機関のトップである。ただでさえ日本が世界経済の土俵から押し出されようとしているのに、中央銀行のトップが空席というのは、これでは外国から舐められることにしかならない。プロ野球の監督のように外国人を連れてくるわけにはいかないし・・・。あ、そういうのも面白いかもしれないね。

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寝台急行「銀河」廃止

2008年03月11日 | ブログ

いよいよ今月15日に迫ったJRダイヤ改正であるが、今回の改正で話題となっているのが寝台特急の廃止、減便。その中でも東京~大阪の寝台急行「銀河」の廃止は、伝統ある列車ということもありマスコミでもかなり取り上げられているようである。

何でも運転最終日となる14日の便は、1ヶ月前の発売開始からわずか30秒で全席売り切れたとか。やはり人間「これが最後」というのには弱いところがある。ただ中には客車の設備を盗み出すという不心得者もいるようで・・・・。

20052_001「銀河」といえば私はこれまで2回乗車したことがあり、1回目は大阪での学生時代に、就職の面接を受けるためにあえて「銀河」に乗車。朝の新幹線で行っても十分間に合う時間だったのだが、それまで東京にはほとんど行ったことがなかったので、あえて旅気分というか、「夜行列車で上京」という気分を味わいたかったのだろう。そしてもう1回も大阪勤務時代。旅行サークルの集会で日光に行くというのだが、東京地区の会員との合流が朝の東武浅草駅だったので前日に「銀河」で発ち、浅草で朝風呂を楽しんだものだ(まさかその時は、転勤で東京に来るとは思ってもいなかった)。

20052_004まあそういうわけでバリバリのビジネスマンとして「銀河」を利用したわけではないのだが、主要都市を結ぶ交通機関として、新幹線、飛行機、夜行バス、「青春18」発売時期の快速・鈍行列車にも押された挙句の廃止はやはり残念である。現代のニーズに合っていなかったのは確かだが、こういう選択肢を残しておいてもよかったのではと思う。やはり「設備」だろうな・・・。同じ料金でも「サンライズ瀬戸・出雲」並みの居住性があればもう少し需要もあっただろうにと思う。

一方で、夜行寝台列車の廃止により空く「筋」を貨物列車に充てようという動きもある。確かに両拠点間の発着時刻を見れば、貨物輸送にとっても絶好の時間帯。モーダルシフトの掛け声の中で注目を受けている貨物列車にとって、夜の幹線は格好の仕事場である。どうしても「ブルトレ廃止」に世間の関心が向けられる中、鉄道の果たすこうした公共的役割ももっと評価すべきことであろう。

14日の最終便の東京発車は23時。ホームは殺人的な混雑になるんだろうな。うーん、乗らないのにさすがにそこまでお付き合いする時間もないので、15日の朝、大阪から到着した列車を見に行くことにしようか・・・・(朝起きられればの話)。

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不味い!

2008年03月10日 | ブログ

食に関するエッセイというのは数多く出ているが、その多くが美味礼賛が中心である中、その名もズバリ『不味い!』である。(小泉武夫著、新潮文庫版)

この著者、小泉武夫氏は「農学博士。専攻は醸造学、発酵学、食文化論。学術調査を兼ねて辺境を旅し、世界中の珍味、奇食に挑戦している『食の冒険家』でもある」というのがプロフィール。食に関するエッセイも数多く出版している。

さてこの『不味い!』、著者がこれまでに出会ったありとあらゆる不味いものを集めた一冊である。とはいっても単に「あの店のあの料理が不味かった」という不満を並べ立てるのではなく、その「不味さ」というものの原因を分析しようというものである。「さまざまな不味さとの対決を通して、一体、その本質はどこに宿っているのか、また原因や要因は何なのかを知ることにより、美味さとは何であるかを知る」(本書「はじめに」より)のがこの書のテーマとか。

「不味さ」の要因。それは食材の側、作り手の側、どこかに原因があるという。例えば食材の側なら、農薬を多量に使用したり、多量の餌でやたら太らせた養殖モノなどが挙げられるし、作り手の側なら化学調味料での不味い味付けや、「食べる客」のことを考えない作り手のプロ意識のなさ・・・など。またこのほかにも、外国などで現地人は普通に食べているが、遺伝子的に日本人の口には合わない料理というのも紹介されている。

単に「不味い」と嘆くのではなく、その裏では現代日本人の食に対する考え方(製造者、料理人、消費者ともに)に対する警鐘も込められている。ここでは世間を騒がせた食品偽装に関することは触れられていないが、この書物を読むとそんな一部メーカーの食品偽装など軽い問題で、世の中にはもっと深刻な食物危機が進んでいることがうかがえる。その意味ではなかなか示唆に富む一冊であった。

ただこれを読むときの注意が一つ。食事しながら読まないほうがよろしい・・・・。

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車石海岸と東根室駅

2008年03月05日 | 旅行記A・北海道

北方四島交流センター「ニ・ホ・ロ」を出て、また強風に吹き飛ばされそうになりながらクルマに戻る。それでも少しずつ雲が晴れてきたようで、早朝に根室に向かった時の天候を思えば少しは柔らかくなったコンディション。

根室が発祥という回転すしの「花まる」で昼食とした後、市街地をさらに西に抜ける。温根沼というスポットに出るが、するとどうだろう、海上の彼方まで氷に覆われている。これでは当然船も出られず、陸に上がったままだ。流氷?まさかね。

P2246320春国岱に近いネイチャーセンターに立ち寄る。春国岱のあたりは野鳥の観察スポットとして有名なそうで、自然に関する展示がいろいろとある。ガラス越しに根室湾の風景も見えるのだが、係の人によれば、2~3日前までは海岸線がすぐそこだったらしいがこの1~2日で一気に凍結してしまったとのこと。おまけにこの強風では野鳥も身をすくめて出てこないだろうとのことだ。北国の春はいまだ遠い。

本当はもう少し遠くに出ようと思ったのだがここで折り返し、半島を横切って今度は太平洋岸の花咲漁港に出る。「花咲ガニ」「花咲線」の花咲である。ここの灯台の下に、天然記念物にも指定されている車石というのがあるそうだ。

P2246329灯台の駐車場には人の姿もなく、またも横殴りの強風である。このまま吹き飛ばされて海に落ちても誰も気づかないだろうなというくらいのものだ。それでも遊歩道の階段を下り、車石と対峙する。長い風雪の成果、車輪型というのか、扇形というのか、細かく刻み込まれた岩である。それにパウダースノーが乗っかっているところは、何だか甘党の好みそうな食物に見えないこともない。

P2246331この車石が対峙するのは太平洋。荒波が容赦なく襲いかかってくる。こちらも写真だけ撮って早々にクルマに戻る。気候的に実に厳しい時期に来てしまったものである。

ただこの車石海岸は根室市街のはずれという位置で、納沙布岬ほどの寂しさはない。クルマを走らせるとすぐに郊外の町並みに出会う。その中をしばらく走り、カーナビの指示で住宅地に踏み入れると、その間に立つのが日本最東端の駅・東根室である。

P2246342列車の終点は根室駅なので、どうしてもそちらが日本最東端と思いがちだが、花咲線の線路は東側から回り込むルートとなっており、その東側にあるのが東根室駅である。ホームは1本きりで駅舎もないが、「日本最東端の駅」の碑は誇らしげに立っている。ものの本の写真などでは原野の中にぽつんと立つ駅であるかのように見えたものだが、改めて訪ねてみると少なくとも駅の東側は完全な住宅地だ。それとも、これより東の岬を訪ねた後だけにそう見えるのか。

このあたりでそろそろレンタカーの返却時間が近づき、根室駅に戻る。風はきつかったが猛吹雪で立ち往生することなくてよかった。

P2246344列車の時間までに駅前の観光センターの土産物コーナーを物色していたら、海産物やお菓子に混じって、ロシアのポップスを納めたCDやら、サハリン政府が発行した千島列島の地形図なんてのも売られていた。ロシアのポップスといやあt.a.t.uってことになるのだろうが(ってあの二人は今どうしているのやら)、それはともかく、千島列島の地形図というのが面白そうだったのでこちらを買い求める。で、中を見ると、サハリン州政府が作成するのだから、自国の領土として北方四島も当然描かれている。また地名表示や解説はロシア語および英語である。どちらで書かれていても意味がさっぱりわからないのだが・・・。これって、日本に旅行で訪れた西洋人が、意味はわからないが漢字をプリントしたTシャツなどを面白がって購入していくのと同じ発想か。

夕方の列車に乗り、釧路に戻ることにする。北の大地にもそろそろ日が暮れようとしている。JR線の乗りつぶしとしてはすでに完了している区間だが、それには関係なくまた訪れてみたいところである・・・・。

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北方四島交流センター「ニ・ホ・ロ」

2008年03月03日 | 旅行記A・北海道

納沙布岬訪問後、荒涼としたオホーツク海沿いに走り、ようやく集落に出会ったかと思えばそこは根室港。千島列島での漁業の中心地であり、雪の積もる道路沿いにはかつてこの港が栄えていた時代の面影を残す建物もちらほら見える。

そんな港町を走り抜け、高台にあがってたどり着いたのが北方四島交流センター「ニ・ホ・ロ」。駐車場から入口まで少し歩くのだが、根室市街地に戻っても海からの強風に吹き飛ばされそうだ。最後は風に背を向けてバックしながらたどり着くという有様。それでも受付の女性は珍しがる様子もなく、ごく普通に「いらっしゃいませ」と受け入れてくれる。根室の人にとって、このくらいの風はごく当たり前のことなのだろうか。

P2246315さてこの「ニ・ホ・ロ」、建てられたのは近年のことであろう(十数年前に根室を訪ねたときはこのような施設などなかったはずなので)。何でもニ=日本、ロ=ロシアで、その間を取り持つのがホ=北海道という、日本とロシアの友好関係を考える拠点というのか、施設である。入館無料で、外務省発行の「われらの北方領土」のような資料をいただけるとともに、北方領土に関する展示も充実している。

P2246308そうした展示の見学と、冷えきった身体を暖めることもあり、じっくりと展示資料を見て回る。日本語・英語・ロシア語での展示であり、わかりもしないのにロシア語版のパンフレットを取ったり、3つのいずれかの言語を選んで視聴する映像コーナーで、わざとロシア語を選択して、キリル文字とか「なんとかスキー、なんとかかんとかスカヤノフ」とかいうナレーションの映像を眺めたりする。ロシア語の世界などというのには普段接することがないだけに、何だか新鮮なものに聞こえた。

P2246313北方領土に近い地、ましてやその資料館ともなれば「返せ北方領土」という主張に凝り固まった表現がなされると思いきや、この「ニ・ホ・ロ」は、「北方四島交流センター」という正式名称にもあるように、ロシアとの現実的な「交流」というものを前面に押し出している印象を受けた。結論としては「北方領土は日本固有の領土であるので、返還を求める」ということはあるものの、何はさておき「返せ!」と声高に叫ぶのではなく、両国の友好とか飛躍的な進展とか、まずは現実として両国の相互理解、交流というものを前面に押し出している。映像ライブラリーでは北方四島でのロシア人の生活ぶりや、日本とロシアの子どもたちの交流の様子などが流されている。近くて遠い隣国ロシアの姿を少しでも身近なものに感じてもらおうという姿勢が伝わってくる。

併設の「北方資料館」では日本の千島列島の探検・開発史や、北方領土をめぐる日露両国の交渉の歴史が紹介されている。ただ全体として、ロシアを仇敵とばかり見なすのではなく、まずは友好関係、経済・文化交流を柱として、しかる後に最終的に領土問題を解決する・・・とアピールする姿勢が強い。納沙布岬の先端で心の声を叫ぶ人がいる一方で、経済はジリノフスキーもといジリ貧で、支庁の吸収合併も取りざたされている根室にあっては、ロシアと接する港を抱えるのであれば、彼の国と交流しなければ生活が立ち行かないという現実もあるのは確かだ。東京の外務省の机上論理よりも、もっと地に足をつけたことを考えているのかな。本当の根室の人たちの声というのは、果たしてどちらなのだろうか。

P2246310ちょうどこの記事を書いている日は、ロシアの大統領選挙の結果、メドベージェフ氏が7割以上の得票で次期大統領に当選、その一方でプーチン大統領が首相に転じて「院政」を敷くという局面であった。小泉内閣発足、鈴木宗男議員の失脚以来停滞しきっている日露関係だが、大統領選挙以後のロシアに対して日本はどのように向き合っていくのか。「アメリカ大統領選挙の民主党候補のオバマ氏」にあやかって福井の小浜が盛り上がるのは勝手だが、日本をスルーして中国との関係を強化しようとするアメリカ民主党の動向よりも、資源外交、東アジアの安定に向けて対ロシア外交というのをもっと重要させる必要があるだろう。その時に北方領土問題を現実としてどのように解決していくのか。

なかなか充実した展示を眺めた後、レンタカーの返却までまだまだ時間があるので、もう少し走らせることにする。風は依然として強いが空は晴れてきたし、雪道の運転も少しずつ慣れてきた・・・・。

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