まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

青春18きっぷで夏の海へ

2011年07月31日 | 旅行記E・関西

7月最終日、この夏初めての青春18きっぷ投入。

さてここでまた悩むのがその行き先。この日は夕方に「混戦BB会」の会合があるため、しかるべき時間には大阪に戻っておく必要がある。それを見越してのプランニングということだが、はてここで「どこに行こうか?」というので迷いが生じる。夏ということもあり「海を見たい」というので、その日帰りが可能なプラン、目的地を考えていたのだがどれもそれぞれ特徴あり、悩ましいところ。

そこで出番となるのが、昨年の青春18きっぷ旅行でも使った「サイコロ」。こう来ると某番組のパクリのような気がしないでもないが、本家のように行動、交通手段まで決められてしまうのではなく、目的地を決めるだけである。そう難しく考えるほどのものでもない。

ということでサイコロの出目により「候補」として挙げたのは以下の6方向。

1・・・・南紀白浜。白浜温泉に紀伊水道の眺め、とれとれ市場。場合によっては湯浅の街歩き、紀州鉄道乗車も含まれる。

2・・・・赤穂、日生。赤穂線といえば姫路・相生~岡山を乗りとおすバイパス路線としての利用が多かったが、瀬戸内に面したこれらの港を訪ね歩くのも面白いかと。

3・・・・宮津・天橋立。福知山線~北近畿タンゴ鉄道で日本海へ。天橋立からさらに伊根、あるいは舞鶴に一度引き返すのもありかな。

4・・・・美浜。敦賀から小浜線にて。美浜駅から少しバスかタクシー利用で海沿いのレストランあり。三方五湖もありかな。小浜まで出て近江今津までバスで抜けることになりそう。

5・・・・鳥羽。参宮線が開通100周年ということもあり、あえて近鉄で行かずにJRで行ってみようか。ただ鳥羽でゆっくり過ごすのであれば帰りは近鉄特急に乗る必要がある。

6・・・・琵琶湖。まあこれも「海」の一つと考えていいだろうか。長浜に行くか、まだ行ったことのない竹生島に渡るのも一つの手。

とまあ、こういう6方向を定めて、どこに行くかはサイコロ次第。どのプランにも対応できるよう、31日は早起きする。

そして運命の一投。さて、その結果は・・・・・?

コメント (2)

生レバと岩ガキ

2011年07月30日 | ブログ

夏の疲れが出やすくなるこの頃。私も仕事の疲れ(結構ストレスが来てます)からかしんどさを感じるところ。

こういう時は食事のほうで何か美味いものを、ということで仕事の帰りにどこかに立ち寄る。最近は乗り換えの関係で西九条も帰宅までの「関所」の一つになっており、有名スポットではないが下町風情のあるこのエリアにはそこそこリーズナブルに楽しめる居酒屋もある。

その中の一つが「大黒」。とにかくここは魚が売り物である。普通「その日のおすすめ」というのは黒板なりホワイトボードなりにちょこちょこっと書いてあるものだが、こちらはホワイトボードにびっしり。卓上メニューも片面にびっしりと「その日のおすすめ」が書かれている。逆に居酒屋の定番メニューというのは裏面に書いてある程度。だから行くたびに出てくるものが違ってくるし、仕入れの状況によってはあっという間に売り切れとなる。確かJRの尼崎駅横にも同じようなつくりの、同じ「大黒」という名前の店があったがチェーン店なのかな。

夏の夕方、まだ日は高い早い土曜日の時間帯であるがこの日は会社に顔を出していたこともあり、帰宅前に立ち寄る。ところがもう店内はびっしり満員。何とか隅のほうの席に座らせてもらう。それにしてもびっしりのメニューで迷う。まあ、調理法は刺身か焼くか揚げるかがほとんどで、「○○のナントカ風」というように凝った調理をしないのが素材勝負の表れ。

そんな中で見つけたのが栄養価満点の2品。

2011072318420000_2まずは夏の定番、岩ガキ。いつだったか、夏の日本海を訪れた折に「カキって夏でも食べられるの?」と最初はビビったのだが、身の大きさと独特の甘味がピタリときて、それ以来、居酒屋に置いてあれば必ずといっていいほど注文する品物である(結構売り切れになっていることが多いのだが)。この日は岩ガキにしてはやや小ぶりであったが、美味かった。

2011072318480000_2そしてもう一品、これも居酒屋に置いてあれば必ずといっていいほど注文するのだが、牛の生レバー。このところ牛肉というのが御難続きで、今年もユッケを食べて食中毒になったことで牛肉の衛生管理が問題となったり、福島原発事故の影響で牛肉からセシウムが検出されて出荷停止措置が取られたりという中での生肉。いやこれも肝臓に効くなあと満足して口に入れる。生レバを食べる際のタレの味もよろしい。この2品を味わっただけでも私的には満足。

さて、これで夏を乗り切れるかな。・・・かといって食べ過ぎ、栄養の取り過ぎもよくないんだけどなあ・・・。

コメント (2)

運転適性診断

2011年07月29日 | ブログ
私の勤務先企業、仕事にはクルマの運転が必須である。私も事務方ながら移動にクルマを用いるし、いわば公道を利用して仕事をさせていただいているというところである。

さて、そのために社内規定で3年に一度、運転適性診断というものの受験が義務づけられている。まあこの結果によって運転をさせないということではなく、それぞれの性格とか、動体視力、反射神経などを測定し、その結果を見て各自が運転に当たって注意すべき点、あるいは優れている点を洗いだし、注意と指導につなげようというものである。

というわけで、大阪は谷町四丁目駅近くの自動車事故対策センターに現れる。

検査の内容は運転席を模したコントローラーに座り、画面に現れる3つの色に反応してボタンを押すとか、微妙なハンドル裁きで障害物を避けるとか、結構いろいろある。

後は、瞬間的に変化する数字や移動するマークの位置を瞬時にを読み取り動体視力をチェックしたり、運転シュミレーターで道路(幹線道路、狭い商店街、高速道路)を走ったり。一時間半ほどかかる。

以前は後から診断結果が送られてきたものだが、最近は進んでいるのか、診断が終わるとすぐに会社用と個人用の結果が出てきた。その内容は、動作の正確さは安定した点数だったが、反射神経や注意力、それに動体視力がやや下がっていた。

うーん、アラウンド・フォーティーともなれば衰えてくるのかな。

またドライブシュミレーターの動かし方で性格もわかるというもので、私の場合は割り込んでこられたり、信号が目の前で赤になったり、あるいは渋滞にはまったりするとカッとなって運転が荒くなる恐れありとか、気持ちの変動が激しいとか、もう少し弱者への思いやりがあったほうがいいとか、まあいろいろ書かれましたな。

だからといって運転させないというのではなく、要はこういう傾向があるから自分の運転に生かしなさいということ。はい、気をつけます。

健康診断で自分の健康状態を知り自己管理に役立てるように、運転適性診断は運転時の注意ポイントを知り、事故を起こさないようにリスクを下げる効果が期待できる。別に仕事関係に限らず、もっと一般の方が受けるようになればよいと思うのだがどうだろうか?

コメント

国民栄誉賞

2011年07月26日 | ブログ

これはもらったほうがいいのかどうなのか。

先の女子サッカーのワールドカップで優勝した日本女子代表「なでしこジャパン」(この、なんとかジャパンという呼び方、個人的には好きにはなれないのだが、まだ監督の名前を冠したものよりはましかな)。彼女らの活躍に対して、国民栄誉賞の授与を検討しているという。

「なでしこリーグ」といえば、日本女子サッカーのトップリーグということになるが、その実は結構運営に苦慮しているという。ただその中で伊賀とか、岡山は湯郷温泉とか、いかにもローカル的な球団があるのも確かで、鉄道のローカル線好き、あるいはプロ野球のBCリーグのようなローカル球場での試合というのを好む向きからすれば、ローカル球団ならばこそ地元密着、地域貢献で頑張っている印象があり、応援したくなる。澤選手らプロ契約の多い神戸よりは、岡山湯郷で温泉旅館の仲居さんをやりながらサッカーに打ち込んでいるというほうが好みかな・・・?

さてそれはさておき、国民栄誉賞。私がこの言葉を初めて記憶にとどめたのが、1984年のロス五輪で柔道の金メダルに輝いた山下泰裕選手のこと。今にして思えばあの金メダルも決勝で当たったラシュワン選手が「スポーツマンシップに則り」試合をしてくれたおかげで獲れたようなものだが(本物の柔術ならば故障した相手の弱点を攻撃するのが常道)、「国民栄誉章ってそんなにすごいんや」と子ども心に思ったのを覚えている。

その当時であれば、王貞治、古賀正男、植村直巳、長谷川一夫に次いで5人目だったはず。ただ子どもでもわかる王貞治ならともかく、あとの3人は「誰それ?」という感覚だった。まあ大人になれば彼らの業績もものすごいものがあるなとは思うが、長谷川一夫は私の親・・・では足りないな祖父母の世代ならスターだったのだろうが、その後はピンと来なかったなあ・・・。

それもさておくとして、その後いろんな方が国民栄誉賞を授与されたが、その時になって初めて「この人もそうなんや」と思ったこともしばしば。この賞はスポーツ、役者、音楽の世界で授与されているが、特に作曲家先生ともなれば「そんな人いたっけ?」という方もいらっしゃる。

まあ一方で、阪急ブレーブス、元・世界の盗塁王の福本豊のエピソードが面白い。国民栄誉賞の話が出た時に「そんなんもろうたら立ち小便できんようになる」というのは、けだし名言である。別に国民栄誉賞をもらったからといって立ち小便くらいいいかなとは思うが、そういう中央が「くださる」賞というものに反発を感じてのことだっただろうというのは、関西人らしいなと思うのである。

ただでさえ「政治色が強い」と言われる国民栄誉賞。いくら現内閣が人気がないからといって、彼女らに賞を与えればそれで問題解決・・・と思っているようでは情けない話。それよりも、シーズン中、あるいはシーズン後問わず、トップアスリートらしいパフォーマンスを披露してくれるように、年間を通したバックアップが必要である。

まあ、まずは観戦に訪れることかな・・・・?

コメント

住吉大社・鯨まつり

2011年07月24日 | まち歩き

Dscn9647古くから海の守り神として信仰を集める大阪・住吉大社。今年は住吉大社が鎮座して1800年という特別な年ということで、夏の祭りも盛大に執り行われるという。

Dscn9606そんな中、「24日、57年ぶりに鯨まつりが復活」というニュースを見る。これは堺の伝統行事で、古くは鎌倉時代、堺の浜に現れた鯨を漁師たちが追いかけたがとり逃がし、その漁師たちを慰めるための祭りということで行われたそうだが、前回は1954年(昭和29年)に行われたのが最後という。今年は住吉大社鎮座1800年ということもあるし、東日本大震災での津波で多くの被害を受けた地域の復興を祈念してということもあって、地元の人が復活させたのだとか。

関西と鯨の関わりというのも古くからのものがあるし、現在でも鯨の食文化が残っている。何でもこの祭りでは鯨の山車が練り歩くとかで、24日は堺から運んできた山車を住吉大社に奉納するという。どのようなものか見に行くことにした。

Dscn9595住吉大社へは阪堺電車で行くのがお似合いである。天王寺駅前から乗車したが2つ目の松虫で途中下車。次の電車が東京都電塗装の車両ということで、これを見てみたかった。東京都交通局と南海電鉄がコラボ企画を行っており、そのグループ会社である阪堺電車、それと東京都電がお互いの塗装を「相互乗り入れ」するということをやっている。黄色の電車も青空に映えていいものである。さすがに昭和初期の車両は冷房装置がないためか出番はなかったが、この車両も昭和32年製造。沿線の風情と合わせてノスタルジックな感じである。

Dscn9600住吉公園に到着。住吉大社まではごく近い。

Dscn9603そしてやってきた大社には、法被姿の男性たちが黒い物体を囲んでいる。これが鯨の山車で、頭のほうと尾のほうの2両連結のような形。頭のほうには人が入るという。中でポンプを操作して鯨の潮吹きを見せるのだとか。

Dscn9613笛、太鼓の音がなる中、いよいよ山車が担ぎ上げられる。鯨が住吉大社を参拝するというところで、まず鳥居をくぐる。長さは12メートルほどだが、頭と尾の2両連結の動きは鯨が泳いでいるかのような動きを見せる。

Dscn9617時には口を大きく開けてみたり、水を出して潮を吹いてみたり。そのたびに多くの見物客のカメラが向けられ、歓声が上がる。

Dscn9622そして見せ場となるのが、社殿へと続く反橋。あの太鼓橋を渡るわけだが、まずは階段の上りで苦労する。角度が急で前と後でなかなか呼吸が合わず、周りからは担ぎ方とか角度とか、あれこれ指示が飛ぶ。なかなか難しいものだ。

Dscn9630それでも少しずつ階段を上っていき、ようやく鯨が反橋を渡るの図。鯨が生き生きとした感じに見える。

Dscn9635そして橋を渡っていよいよ社殿へと入るわけだが、ここでも一苦労。山車の幅が結構ギリギリで設計されているためか、慎重なかじ取りが求められる。途中「バキッ」という嫌な音もする。胸ひれのところが柱にでも当たったようだが、何とか少しずつ前に進む。

Dscn9638ようやく社殿へ鯨の頭が覗き込む。こうしてみると結構ユーモラスな感じで、「神社参りもなかなかしんどいもんやなあ」と鯨がボヤいているようにも見える。

Dscn9642第三本宮。ここで一旦小休止となり、見物客からは大きな拍手が送られる。この猛暑の中、担ぎ手も50人くらいいただろうが結構体力を使ったことであろう。

Dscn9649再び担ぎ上げられて、奥の第一本宮へ向かう。ここからは平坦な道のりということで担ぎ手にも再び勢いが出て、鯨も元気を取り戻したようだ。

Dscn9653鳥居をくぐって20分ほどで第一本宮に到着。ここで台座に据えられて無事に到着となった。

Dscn9664ここで鯨の奉納式ということで祝詞が上げられ、祭りの代表者らによる玉串奉納、そして見物客を含めて皆で二礼二拍手一拝。この鯨の山車、8月1日の住吉祭では今度はここから担ぎ出され、堺の出島まで練り歩くそうだ。それもまた面白い光景になりそうだ。

Dscn9661法被姿の男性たちの横には浴衣姿の女性たちも。私は住吉大社を後にしていたが、実はこの後で「くじら音頭」というものを披露したとか。

Dscn9674さてこの後、再び阪堺電車で天王寺に戻り、地下街にて昼食を兼ねての暑気払い。冷たいビールのあてには鯨の刺身・・・。たまたまメニューにあったので迷わず注文した(関西ならば「おばけ」という皮鯨も酒のあてにはもってこい)。まあこの鯨自体は調査捕鯨の払い下げ品ということになり、昨今の捕鯨事情やシー・シェパード等の反捕鯨団体のやり口に思いを致す。その一方で、古くから伝わる「鯨まつり」は捕鯨文化だけではなく、日本の食文化、生物への信仰文化という意味も含めて今後受け継いでいく必要もあるだろう。

いいじゃないですか、こういう素朴な祭り・・・・。

コメント (2)

伏木見物

2011年07月22日 | 旅行記D・東海北陸

氷見線というローカル線は面白い。

起点の高岡を出発するとまずは地方都市の町中、住宅街を抜け、しばらく走ると沿岸部の工業地帯にさしかかる。貨物の専用線もありコンテナの姿も見られる。そして越中の国府のあった伏木の狭い路地裏のようなところを抜け、富山の絶景の海が広がる雨晴海岸に出る。そして終点の氷見はブリをはじめとした魚介類の豊富なところで、氷見うどんと合わせたグルメを楽しめる・・・。

全線は短い距離ながらこういう起承転結、変化に富んでおり、手軽にかつ濃くローカル線の風情を味わえる路線である。今回の海の日の連休では乗車することはなかったものの、雨晴海岸を行く気動車の風情に十分満足した。

Dscn9289さてその後で向かったのは越中の国府のあった伏木。射水川の河口に面しており、都からの陸路、射水川の水運、そして能登との海路の拠点という、交通の要衝であったところである。改めて地形を見てみると、伏木に古代の国府が置かれたのもうなずける話である。

Dscn9310源義経と弁慶の奥州への逃避行の時のエピソードに「勧進帳」というのがあるが、歌舞伎その他では石川県の安宅の関が舞台となっている。ただ、この伏木には射水川に「如意の渡し」というのがあり、ここを渡ろうとした時に川の渡し守が一行を見咎め、その時に弁慶の機転と忠誠心で難を逃れた・・・というのが元々のストーリーだったという。

如意の渡し。もう4年前になるのか、このブログでもおなじみの大和人さんと富山のいろんな乗り物を巡る旅を行ったことがあるが、その一つに「如意の渡し」があった。その時は東側から小型の、それこそ渡し船という感じの船で渡った。そして降り立ったところに義経と弁慶の像があったのを見たものである。

Dscn9312ただその時、川には橋を架ける工事が行われていた。「何か景観を損ねるなあ」と思っていたのだが、ものの見事にその橋は架かり、射水川の東と西、伏木の港と平野部の工場地帯をバイパス的に結ぶ、産業道路としての役割を担うようになった。その裏で如意の渡しは廃止されたのだが、仮に地元の人たちが歩いて、あるいは自転車で移動するような時はかなり大回りを強いられることになったのだろう。

Dscn9283この後向かったのは高岡市万葉歴史館。ここ越中には大伴家持が国司として赴任していた。越中の国司というのが当時の政界にあってどの程度のキャリアになるのかはさておき、家持としては、都にいただけでは決して触れることのなかった地方の「鄙」に接し、この地の春夏秋冬の豊かな自然の景色に触れ、歌人としても大いに制作意欲にかられたことであろう。

「馬なめていざ打ち行かな渋渓の 清き磯みに寄する波見に」

これは雨晴海岸をうたったもの。何だか地方勤務のほうがリラックスでき、のびのびと自分の能力を伸ばせる、活かせるような気がするのだが、それは現代も昔も同じようなものなのだろうか・・・?

歴史館では大伴家持と越中の自然文化について映像や文物で紹介されており、歌好きにはなかなか居心地がよいところ。そこを後にして再び伏木の中心部に出る。

Dscn9290今回訪れたのは北前船の廻船業で栄えた旧秋元家住宅。現在は伏木北前船資料館として公開されている。かつて一度訪れたことがあるが、その時に「横綱の千代の富士はこの秋元家とつながりがある」というような話を聞いたことがある。千代の富士(九重親方)の本名は秋元貢、北海道の松前の出身である。そして松前といえば北前船の最北の寄港地であり、おそらくそういう海運つながりで広がったものであろう。

Dscn9294さて屋敷の中は船舶会社の広告であった「引き札」も数多く展示されており、当時の盛況ぶりがうかがえる。

Dscn9298北前船は明治になって衰退したが、その中にあって伏木の数々の廻船問屋の力により、伏木の港を近代的なものにして、現在の国際港としても機能を発揮している伏木港の基礎をつくったといえる。

Dscn9305この秋元家はちょっと高台に建てられているのだが、その蔵の最上階に「望楼」が設けられている。現在でこそ二階建て以上の建物が当たり前となり、遠くに水平線を望むくらいであるが、当時であれば港への船の出入りも手に取るようにわかることだっただろう。

Dscn9304結構、ここまで登るのには急な梯子段を上がらなければならず、私の体格では結構ミシミシ言うのが緊張ものだったが、景色はいいし、暑い中でも涼しげな風が吹き込んでくるのは気持ちいい。

Dscn9306そんな伏木は日本海側の港として、特にロシアとの交易拠点になっている。夏季限定とはいえウラジオストクへの旅客船が出ていたり、街にもロシア語の看板も見られる。高校でも市民向けにロシア語講座なんてのもやっているようだ。今でこそ中国語やハングルというのは国内でも浸透してきていろいろなところで見かけるが、ロシア語となるとなかなか見られるものではない。あのキリル文字の珍しさを合わせて新鮮な出会いを感じる。それだけに伏木というのは異国情緒あふれる街と言ってもいいだろう。

本来ならばもっと滞在してあちこち見て回るのがよかったのだろうが、野球場への移動もあるので今回はここまで。また氷見線で旅ができる日を楽しみにしつつ、伏木を後にするのであった・・・・。

コメント

雨晴海岸

2011年07月21日 | 旅行記D・東海北陸

先の週末から海の日の連休はプロ野球BCリーグの試合観戦に北陸を訪れたが、その合間にはその土地の何かを少しでも見物しようということで動いた。

Dscn926917日、富山駅前のホテルをクルマで出発。今回宿泊した「コンフォートホテル和休」は畳敷きの部屋、インテリアにも「和」を前面に出した造りでなかなかよかったところで、次回に富山に宿泊することがあればぜひお世話になりたいところであるが、17日は小矢部での試合観戦の前に、午前中は回り道をしようと出かける。

Dscn9272やってきたのは雨晴海岸。その昔源義経の一行が京から奥州に逃れる途中、この地にやってきた折に雨に遭ったのだが、海岸に立つ岩場で雨宿りをしたところ急に空が晴れ渡り、その後の旅も順調に続けられた・・・という言い伝えのあるところである。

Dscn9271今でも海岸から海を隔てて対面に屏風のようにそびえる立山連峰の姿が絵になる撮影スポットである。せっかく時間があるのだからと訪れることにする。ただ、夏のもやった気候のせいか、あまりにも天気が良すぎるのか、残念ながら海岸べりで立山を望むことはできなかった。それどころか、この富山の海、ベタベタである。冬場なら北西の風にあおられて常に高波が舞うところであろうが、この時期、風もほとんどなく海面もごくごく静か。湖にでも来たかのようである。

Dscn9275雨晴海岸には何回か訪れているが、この日も携帯電話で列車の時刻表を調べ。それに合わせて少しずつポイントをずらしながら手持ちの酔っ払いデジカメで列車の姿を追う。とてもその筋の人たちには及ぶべくもない素人アングルなのだが、個人的にはいろいろといい写真が撮れたのではないかと、誰も言わないのをいいことに自分でひとりごちてみる。

Dscn9279それにしても、絶景の中を淡々と走り抜ける2両の気動車。実際は路線経営も火の車であるかとは思うが、やはり鉄道がなければ伏木とか氷見、そしてこの雨晴海岸を訪れようかという観光客も減る一方であろう(自分もまさにその一人)。そんな沿線の知名度とイメージをアップさせるためにも、鉄道にはもっともっと頑張ってほしい、あきらめないでほしいと思うことである・・・・。

コメント

加賀温泉で野球観戦~BCリーグ・石川対信濃

2011年07月19日 | プロ野球(独立リーグほか)

Dscn946817日は小矢部での富山対石川の試合観戦後、富山に宿泊。そして18日の朝、前日の観戦記をブログにアップした後にホテルをチェックアウト。今度は安宅の関跡に立ち寄った後、やってきたのは加賀温泉。この日は加賀市中央公園野球場での石川ミリオンスターズ対信濃グランセローズの一戦である。

球場入りまで少し時間があるので、通り道にある片山津温泉に立ち寄る。観光案内板にはこのもう少し先に「北前船の里」というスポットがあるとかで、もう少し時間があればそちらにも行きたかったが、まあそれはいずれの日への楽しみにしておく。せっかく加賀温泉郷に来たのだから、どこかに入浴しておこう。

Dscn9467 やってきたのは片山津温泉の公衆浴場である「総湯」。500円でシャンプーやボディーソープも備え付けてある「高等浴場」を選択。ちょうど客は私だけで小ぢんまりした浴室は貸切状態。ホテルの朝風呂を省略したこともありちょうどよい。深い浴槽、結構熱い。水道の蛇口からホースが出ていたのでこれはうめてもいいのだろうと判断し、水を注ぎこむ。心なしか入れるようになったので湯につかる。体にカーッとくる感じだ。飲用もできるということでコップで飲んでみたが、塩辛く感じる。この温泉の成分はナトリウムを含んだ塩化泉という。

短時間の入浴であったが初めての片山津温泉(加賀温泉郷自体が初めての訪問である)体験ということにして、コンビニで昼食やペットボトルなど買い求め、野球場へ。

Dscn9490前日の小矢部と比べてグラウンド、スタンドともに広いが、ナイター設備はない。雲が広がり時折ポツポツと雨も降る天候。風がほとんどなくムシムシする。直射日光が当たるのもかなわないが、こういう蒸し暑さもジワジワと身体に影響してくるような気がする。汗のかき方も嫌な感じだ。

Dscn9483スコアボード。得点は電光掲示であるが選手名のところはポジションだけで名前が表示されない。まあ、手書き式だから新しく作るのも手間だろう。地元の人なら石川が誰、信濃が誰ということもよくご存知のところ、場内アナウンスだと正確に聴き取れないことがあるので、年に1、2試合しか訪れない者としてはやはり選手名鑑は必需品である。

Dscn9530さてBCリーグの試合、特にローカル球場で目立つのは地元の少年野球のチーム。この日は4チームの子どもたちが保護者に連れられてスタンドにやってきたが、いずれも「こんちわー」と周りに挨拶したり、また別のチームがやってきた時はお互いに「こんちわー」とやっている。少年たちにとっては地元の「プロのお兄ちゃん」たちの活躍を見ながら自分たちも勉強する機会である。私の周りに座ったチームの少年たちはミリオンスターズのイヤーブックを手にしており、「この選手知ってる」「オレと同じ背番号だよ」などと言い合っている。

石川といえば結構試合イベントをやるチームだが(いつぞや、「石川はイベントが多いからいつも試合時間が長いんだよ」という、他チームのファンの会話を聞いたことがあるが)、この日はボールボーイも務める片山津の少年野球チームのみんなが試合前にグラウンドで君が代を歌ったり、1回の守備につく際に選手がサインボールを投げ入れたりというくらいで試合開始となる。それにしても、サインボールってなかなかキャッチできるものではない。

Dscn9525さて石川の先発は山崎。初回、信濃の先頭・脇田がいきなり二塁強襲の内野安打を放つと、続くフミヒサにはセンターの頭上を越える二塁打を打たれ、いきなり無死二・三塁のピンチを迎える。ここで3番・今村がセンターへのタイムリーでいきなり先制。

Dscn9496そして今季からコーチ兼任の肩書が取れて選手一本の登録となった元・オリックスの竜太郎がライト前にタイムリー。さすが、BCリーグではモノが違うというところを見せてくれる。この時、一塁走者の今村が三塁を欲張ってタッチアウト。

Dscn9500それでも信濃の攻撃は止まらず、5番・原も二塁打を放ち3点目。6番・ペレスも続く。石川がドミニカ出身で前日も出場していたモタ、ルーゴなら、信濃はペレス、そして9番にはヘルナンデスというベネズエラ出身者が加入している。独立リーグも韓国、ドミニカ、ベネズエラなど国籍も多様で、昨年途中に群馬からオリックスに加入してパワーを披露したカラバイヨのこともあるし、彼らにとっても自分たちの夢をつかむ舞台となっている。まあ、BCにあっては「地域貢献」が最大のテーマなのだが、彼ら外国出身者にそのあたりのところはどのくらい浸透しているのかな。

山崎は後続を何とか抑えたが、初回先頭打者からいきなり6連打で3失点。これは結構重い失点になるだろう。

Dscn9540さてその裏の石川の攻撃。信濃の先発が左腕の三宅ということで、前日と比べて右打者を中心に据えて打順を大幅に組み替えてきた。先頭の佐竹がさっそくレフト前に運び、地元ファンも早くも反撃ムードに期待が高まる。続く戸田がきっちり送り、3番・謝敷(しゃしき)が四球でチャンスを広げる。

Rscn9524_24番・敬洋は浅いフライで犠飛にはならなかったが、前日の2番からこの日5番に入った楠本がヤッターマンのテーマ曲に後押しされてタイムリー。1点を返す。

Dscn9522ここで続くのはドミニカ出身のルーゴ。少年野球の子どもたちも中南米出身の選手を見ることはなかなかないとあって食い入るように見ているし、「LUUUU! LUGO!」というプラカードをかかげるファンの人も。私もこういうパワーヒッターは好きなので期待して見る。しかし三宅の前にあえなく凡退し、反撃は1点どまり。

2回以降は山崎も立ち直ったようで、ランナーは許すものの後続をきっちり抑えていく。「やればできるやないか!」少々お酒の入ったお父さんの声援も響く。

Dscn95343回裏。「一発狙っていけ!」「大きいのなくてもいいよ~」と相反する声援が飛ぶ中で打席に向かう謝敷。軽く振り抜いた打球は一直線でライトスタンドへ。2対3と追い上げる。これには大きな歓声が沸いたが、実はこの前に、四球で出塁した戸田が盗塁失敗ということがあった。結果オーライなのだろうが、それだけに余計にもったいない気もするし、森慎二監督(元西武の抑え)としても「得点は入ったがその前がよくない」ということになるのだろうか。気のせいか謝敷にも笑顔がなかったような。

Dscn95424回裏、先頭の楠本がセンターへのヒット。ここで登場はルーゴ。鋭いスイングで豪快な打球が飛ぶがいずれもファウル。それでも「こいつは何かやってくれるんではないか」という、やはり外国人打者には期待したくなる何かがある。ここで捕えた一球は見事三塁線を破り、チャンスを広げる二塁打となった。

Dscn9554ここで信濃は先発の三宅をあきらめ、長身の飯田に交代。ところが続く笹沢(前日の試合で自打球を当てながらも気力で全力疾走した石川の捕手)がタイムリー。2者が還って4対3と石川が逆転に成功する。

Dscn9536大いに沸く石川のファンたち。・・・・と、中盤までは立ち直った山崎と少しずつ目覚めた打線の力で逆転したが、その後はパタリと打線が動かなくなる。まるで、この日ほとんど風がなく、バックスクリーンで垂れ下がったままの旗のように。

Dscn95576回表。2回以降立ち直ったことで勝利投手の権利も得た山崎に代わって登板したのは、何と前日の小矢部での試合にも先発し、序盤と中盤でガラリと異なる投球を見せたモタ。これは調整登板なのか、それとも中継ぎ投手そのものがいないためなのか。この日はまず6回をぴしゃりと抑える。「Animo!」「Vamos!」という掛け声が飛ぶ。

それはそうと、モタ投手、この日は45番をつけていたが、確か前日は「背番号19」で投げていたはず。あれ?これはどういうことだろうか。公式HPでは背番号45となっており、それなら前日はユニフォームを忘れたのか、あるいは日曜バージョン版はまだ用意されておらずに他の選手のを借りざるをえなかったのか。

6回裏、打席にはルーゴ。ところが2ストライクの後、微妙なところに見えたがストライクと判定されて三振。ここで「チョットハズレテマセンカ?」という意味のことを言ったのか、他にどういうことを口にしたのかはわからないが、ルーゴが球審の森山審判に何か話しかけたところ、「退場!」をコールされた。

Dscn9560アナウンスで「審判に対する侮辱行為のため退場とします」と毅然と言い放った森山審判。これには「(ルーゴは)日本語がわからないのにどこが侮辱なの?」「審判、お前が退場じゃ!」などとヤジが。それに対して「ヤジった観客が退場だ!」と言わんばかりにスタンドをにらみつける森山審判。

Dscn9562イニング終了後は森監督も説明を求めるといった感じで歩み寄り、その間に別の審判が割って入るという一幕も。ルーゴが何と言ったかはもちろんわからないが、やはり子どもたちへの悪影響を考慮してか、特にこのリーグは審判への侮辱行為、あるいは他の選手に対する挑発行為には毅然とした態度で臨むという姿勢がある(かつて新潟の主力を張っていたが、試合中の非紳士的行為が子どもたちにも悪影響を与えると問題視されて、事実上BCリーグから永久追放となったNという選手もいる)。

Dscn9568いずれにしても退場となったルーゴに代わって三塁には遠山がつく。続く7回、ヘルナンデスの鋭い打球がその遠山の横を襲い、二塁打。その後二死三塁となり、3番・今村の放った三塁へのゴロを今度は遠山がはじくタイムリーエラー。これで4対4の同点となる。続く竜太郎もセンターオーバーの二塁打(あれは普通に守っていれば捕れたのではないかというファンの声)を放ち、4対5と信濃再逆転。この日もモタが持たなかった。

Dscn95789回には石川4人目の佐藤から信濃打線が一死一・三塁のチャンスを作り、途中出場の村田がスクイズ。大きなダメ押し点となった。

Dscn9584最終回。5回以降信濃の飯田、中村の継投の前にパーフェクトに抑えられた石川打線。この回抑えの杉山から先頭の楠本が猛打賞となる二塁打を放つ。久しぶりの出塁に沸く三塁側の石川ファン。しかし後続が続かずあっさりとゲームセット。結局4対6、地元石川にとっては苦しい連敗ということになった。

Dscn9586今回の2試合の観戦は石川にとっては連敗という結果(石川の皆さんスンマセン)であったが、富山、石川と地元の人たちの「県民球団にかける熱い想い」というのを感じることができ、訪れてよかったなと思う。楽しみな選手も出てきたことだし、また北陸、今度は上信越方面にも旅行を兼ねて観戦に訪れたいところである。

さてこの後は高速道路へ。加賀から越前は順調に進んだが、若狭へと抜けるあたりから雨が降り出し、滋賀県に入ると先が見通せないくらいの大雨。おまけにこの後は彦根から栗東まで延々と渋滞・・・・。クルマで出かけるのも、なかなか楽なものではないなと思った次第。

コメント

日名田快投で倶利伽羅対戦は富山勝利~BCリーグ観戦

2011年07月18日 | プロ野球(独立リーグほか)

源平合戦の名場面?の一つに、倶利伽羅峠の戦いというのがある。木曽から旗上げをした源義仲が北陸から京の都を目指す中で平氏の軍勢と相見えたが、義仲の牛の角に松明をつけて山道を下らせる作戦が功を奏して平氏勢を谷に追い落として打ち破ったという一戦である。

Dscn9313その倶利伽羅峠にちかい小矢部市。小矢部インターの近くの丘陵にある小矢部野球場に現れる。17日、BCリーグの富山サンダーバーズ対石川ミリオンスターズの試合である。スタンドも小ぶりな、いかにもローカル球場といった感じの球場で、扉を一つ開ければすぐにベンチともつながっているという造り。

Dscn9315それにしても暑い。午前中は伏木を回っていたのだが、道路際の温度計が早くも30度を指していた。入場の際には選手からカチワリ氷をもらったり、係の人がうちわを配ったりのサービス。さらにうれしかったのが、スタンドが小ぶりということで一塁側スタンドの一部にはテントが貼られていたこと。特に指定席エリアというわけではなくありがたく入る。少なくとも直射日光は避けられるし、テントのないところではシートが焼けるような熱さだったから(何も敷かずに座ろうとした人が熱さに悲鳴を上げて飛び上がったくらい)、このあたりの気配りには感心した。

Dscn9390「富山はサービスがええのう。石川の社長も見習ったら・・・」てなことを石川のファンと富山のファンがやり取りしていたが、三塁側にはテントがない。もちろん一塁側にもテントのないエリアがあり、そうしたところがそれぞれの応援団エリアとなる。

Dscn9323周囲は緑に覆われているし、山に近いせいか時折吹き抜ける風は涼しい。鉄道のローカル線と同じように、こうした自然を感じられるのもローカル球場を訪れる楽しみの一つである。ただ、暑い・・・・。2リットルのペットボトルのお茶、塩飴を持参しての持久戦である。場内アナウンスでもしきりに熱中症防止を訴えていた。

Dscn9404富山にはチアリーダーを入れているようで、リーダーは大学生くらいかな、小学生も交えた女の子が試合前、5回裏にはダンスを披露したり、途中ではスタンドで応援を送ったりと、暑い中で試合に華をそえる。

Dscn9424さて試合、富山の先発は、監督・選手らによる投票で前期の投手部門MVPに選ばれた新加入の日名田、そして石川の先発はドミニカ出身のモタ。日名田は小柄ながらキレのいいボールを投げる感じで、日本ハムの武田久を彷彿させる。一方のモタは長身を生かした剛速球を投げてくる。

Dscn9350序盤はこの二人が見事な投手戦。ストレートが決まって見逃し三振というのは見ていて気持ちいい。日名田も危なげない制球で石川の打者を次々に打ち取るし、モタの速球の前に、富山の打者が腰を引いたボールもストライクになったり、思わずバットを止めても捕手・笹沢のアピールでスイングと判定されたり。

Dscn9369もっとも、この判定に対しては富山ファンからはヤジが飛ぶし、交代の時には富山・横田監督も主審に抗議していた。

Dscn9380試合が動いたのは4回裏。先頭の西川が左中間へ二塁打。これがこの試合両チーム通しての初安打。この後一死一・三塁となり四番・島袋がライトの頭上を破る二塁打で1点先制。さて中盤になって試合展開が一気に変わるか。

Dscn93575回表、日名田が先頭の笹沢に内野安打を許す。この笹沢、2回の1打席目で自打球を当てるアクシデント。しばらく起き上がれず肩を担がれて一度ベンチに下がったが、しばらくして足を引きずりながら登場。ショートへのゴロを打ったが、足を引きずりながらも一塁へ全力疾走。このプレーには富山ファンからも大きな拍手が送られた。一方の富山も攻守交替の時にはチームとして全力疾走を実践しており、こうした懸命なプレーも地元の人たちの応援にもつながっていると思う。

Dscn9386さて5回に笹沢が安打を放ったところで代走が送られ、送りバントで一死二塁と石川が同点のチャンス。ここで代打にドミニカ出身のルーゴが登場。試合前も鋭い当たりを放っており、私の後ろに座っていた少年野球の子どもたちも「外人や」「すげースイングするなあ」と。しかしこのピンチも日名田が二ゴロに打ち取る。子どもたちも「たいしたことないや」と現金な反応。

Dscn9391ピンチの後にチャンスというが、続く5回裏。先頭の池田がライト線への二塁打。先ほどの回からモタの投球も全体的に高めに行くようになり、ストライクとボールもはっきりするようになってきた。犠打で一死三塁となり、8番・大陽(登場曲が「太陽にほえろ」のテーマ曲)がセンター前ヒットを放ち追加点。

Dscn9397続く9番・近藤(前・明石レッドソルジャーズ、この試合も再三好守を見せる)がライト前ヒットで続き、1番・西川がスクイズ。ボールは浮いたがうまく野手の間に落ち、自らも一塁に転がり込むが間一髪アウト。

Rscn9401続く七條がレフト前ヒット。これでこの回3点目となり、4対0と富山リード。一塁側スタンドは大いに沸く。序盤好投のモタも4回以降は別人となってしまいあえなくKO。

4点のリードをもらった日名田だが、6回以降も落ち着いた投球。各打者の結果をメモにつけているのだが、ほとんどが内野ゴロ、あとは見逃し三振ということで外野にはほとんど打球が届かない。それだけ制球がいいということで、初めて見た投手だが野手との一体感があるような投球で、前期優勝しなかったチーム(上信越地区とあわせると通算5位)ながらMVPに選ばれたのもうなづける。

Dscn9411ただ7回、石川の4番・敬洋、5番・途中出場の深澤に連打を許し、佐竹にこの試合初めての四球(死球は初回に一つあり)を与えて一死満塁。ここで先ほどのルーゴに打席が回る。本塁打で一気に同点ということで、終盤の大きな山場を迎える。

Dscn9417今度は強い当たりが三遊間を襲う。サードの上田がよく飛び込み一塁でアウト。この間に1点入り、4対1。まあこの展開で1点は仕方ないだろう。次の座親をきっちりと抑えてよく1点でしのいだ日名田。8回も死球を与えるがショート近藤の好プレーで併殺に打ち取り、石川の反撃ムードを断つ。

Dscn9426 9回も危なげない投球で3人で片付け、見事3安打での完投勝ち。前期からの通算7勝目となった。試合後の横田監督のインタビューも「今日は日名田に尽きるでしょう」と一言だけである。

Dscn9435その好投を見せた日名田であるが、北日本新聞で見たコメントでは7回のピンチに触れており、連打の後の四球を反省点にしていたようである。勝利は勝利であるが、BCリーグにあっては技術的には育成、修行の場であり、仮にNPBを目指しているのであれば「こんなことでは」と自分に厳しくあるのだろう。また次に北陸を訪れることがあれば見てみたい投手ではある。

Dscn9440さて試合後、小矢部インターから高速で富山市内に戻る。夕食ということで、駅前の「ヤットルゾー五條」へ。この店は以前にこのブログでおなじみの大和人さんとも訪れたことがあり、北陸の味覚を堪能することができる。この日は岩ガキ、ほたるいかの沖漬、ふくらぎや飛魚の刺身など楽しむ。

Dscn9442前回にはかきの昆布焼きという、昆布をよく消費する富山らしい一品を味わったが、さすがにかきは冬のものということで、代わりに勧められたほたるいかの昆布焼きというのを味わう。小さなコンロから立ち上る昆布の香りが何ともいえず、富山の名酒・立山ともよく合う。

午前中は観光、日中に野球見物、そして夜は日本海の海の幸・・・・こういう北陸の楽しみ方もありかと思うのである。営業戦略として何とか他県・地域からも観客を呼べるような工夫があってもいいと個人的には思っているのだが、どうだろうか。

今日18日、この記事を書き終えた後ホテルを出発して、今度は石川県は加賀に向かうことに・・・・。

コメント

北陸道杉津パーキング~恋人の聖地

2011年07月17日 | プロ野球(独立リーグほか)

16日、夕方に大阪を出発する。この連休で北陸は富山、石川にてプロ野球BCリーグの観戦に出かけることにしたのだが、日中は大阪にていろいろと予定が入り込み、職場にも少し顔を出すことになったことから、当初の目論見では朝から出発しようというのが、結局は16時半頃に職場を出発するということになった。

阪神高速~近畿道~第二京阪~名神~北陸と高速道路を乗り継ぐ。先月で「地方区間の上限1000円」の施策は終了したが、それでもETCには土日割引の適用もあり、タリフで出かける、あるいは鉄道で出かけるよりは金銭的なメリットが続いているのは確かだ。夕方ということでさほどの混雑なく進む。そういえば、昨年に「青春18」乗り継ぎで福井までBCリーグの試合を見に行こうと計画したものの朝寝坊してしまい、仕方なくクルマで追いかけたが途中で逆転したということもあったなと思い出す。新快速も足が速いが、高速道路も活用すれば結構速い移動手段である。

北陸道を走り、敦賀を過ぎると若狭から越前への山越えが待っている。その途中にあるのが杉津(すいづ)パーキングエリア。この北陸道、北陸トンネル開通前の国鉄北陸本線のルートにもなっていたところで、杉津には駅も設けられた。さぞかし、当時の汽車旅の人たちもその景色にうなったことであろう。

迷いなくここで一旦休憩とする。これまで何回か杉津パーキングエリアでは休憩したことがあるが、夕方の時間帯は初めて。今回大阪を夕方に出発することになったが、これは逆にプラスになったのではないかなと一人ほくそ笑む。

Dscn9249ちょうど、日没の時間帯だったんですな・・・・。

Dscn9254やはり夕陽のスポットはカップルがよく似合う。

Dscn9263ここ杉津パーキングエリアは「恋人の聖地」の一つに認定されている。何というのかな、恋人同士で眺めるのは朝日ではなく夕陽ということになる。これからの夜を迎えてムードが最も高まる時間帯ということかな。二人の愛が永遠にロックされてつながっているようにということで、カギを売っているのがここの名物。

Dscn9256私自身もここの夕陽を見るのは初めて。いや~、実に堪能させてもらいました。

Dscn9267この日の宿泊は富山まで走り、駅前の「コンフォートホテル 和休」に投宿。ここはかつてはごく普通のビジネスホテルだったのが、内装を全面的に「和」「日本人」のコンセプトでまとめ、何と全室が和室タイプということでリニューアルした。靴もホテルの玄関というか「土間」で脱ぎ、明日の朝食は囲炉裏のスペースで提供するともある。こういうの、結構好みである。しっかり大浴場もついている。

これまで富山には何度も宿泊したことがあるが、「常宿」というよりは、その度に別のホテルに泊まっていた。この「和休」もたまたまネットで見つけたものであるが、大胆に和風のホテルに変えてしまうところがすごい。今回は明日まで連泊するが、また次回も利用したくなる感じである。

Dscn9268到着も遅くなったため、この日は「部屋飲み」とする。それでも、小矢部川のサービスエリアでにて、富山を代表する弁当の「ますの寿し(富山駅の「源」のものではないが)」、ホタルイカの沖漬、蒲鉾の昆布巻を揃える。「銀嶺立山」を空けるうちに結構時間がかかり本格的なことになったかなと思う。とりあえず、富山まで遠征してきた甲斐があった。

さて明日は(というか日付変わったので今日)小矢部での試合。最高気温もやけに高いらしいから暑さ対策は万全に・・・・。

コメント

BCリーグ観戦北陸遠征

2011年07月16日 | プロ野球(独立リーグほか)

この連休は北陸遠征。ただ、今日の日中は大阪で所用があるために、夕方にクルマで出発することになる。

目的は、夏ということでプロ野球BCリーグの観戦である。各地で高校野球の予選が盛んな中、地域密着のリーグの試合をローカル球場で見るのもよいものである。

今日は移動日ということにして(残念ながら到着は深夜になり、日本海の魚で一杯やるというのはお預けになりそうだが)。

今回は、17日は小矢部市での富山サンダーバーズ対石川ミリオンスターズ、18日が加賀市の石川ミリオンスターズ対信濃グランセローズを観戦予定。また球場までの移動ではどこかに立ち寄ろう。暑い時期、海を眺めるのもいいかな・・・。

コメント

相双連合と近鉄復刻ユニ

2011年07月14日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

野球好きといっても普段は高校野球にはさほど興味を持っていないのだが(やたら「青春」とか「感動」という言葉を押し売りする報道がいやなのかもしれない)、各地で甲子園に向けた予選が始まると、夏本番が近付いたなと実感させられる。

さて、そんな私も「おっ」と思ったのが、福島の「相双連合」というチーム。福島原発の避難区域にある双葉翔陽、富岡、相馬農業の3高が特別に連合チームの結成を認められ出場したものだ。結成してまだ間もないことであるし、避難生活にあって十分な練習はできなかったことだろう。喜多方高校との初戦は7回まで8対0、ノーヒットに抑えられる展開も、最後で富岡の選手がレフトスタンドに本塁打を放ち、1点を返した。結局そのまま試合には敗れたが、最後まで全力でプレーした選手たち、そして懸命に声援を送った各校の生徒や地元の人たちの姿にはさわやかなものを感じた。ひたむきな選手の姿に元気づけられた人も多かったのではないだろうか。

いや~、こういうところにスポーツ、ひいては野球という競技の素晴らしさ、面白さというものが感じられる。いつぞやのNPBのキャッチフレーズに「野球力」というのがあったが、こういうところにもその「野球力」は息づいていると思う。

さて、そんなニュースに接しつつ帰宅し、ようやく楽しみにしていたあるものを受け取ることができた。

それは、近鉄バファローズの復刻ユニフォーム。

今年のオリックス・バファローズは「黄金の70年代」ということで阪急ブレーブス、そして近鉄バファローズの歴史を回顧しようというイベントをやっており、5月の阪急に続いてこの夏はいよいよ近鉄バファローズの登場である。

Dscn924370年代の前半は白地に紺色で「Buffaloes」のロゴというシンプルなデザインだったのが、後半は「これぞ近鉄の象徴」とも言える赤いラグランのユニフォーム。これで75年の後期優勝、そして79、80年のリーグ連覇、89年のミラクル優勝という、今はなき球団の「一番よかった時代」を演出したのがこのユニフォームである。

実は少し前に、プロ仕様の限定レプリカ版を購入していた。ただこれはユニフォームではなく私が悪いのだが、最大のOサイズでピチピチということがあった。まあそれは保存版とするか、私がダイエットして着られるようになればいいということにしておいて・・・。結局廉価版ではあるが今の私でちゃんと着られるサイズということで、今度は背番号なしで注文したものである。

一つ残念だったのが、左袖のマークが岡本太郎デザインの猛牛マークそのままではなく、一時期導入していた、猛牛マークと炎を組み合わせた形の独特のもの。これはあえてレア度を追求したのか、あるいは猛牛マークを使用することに何らかの制約があったのか。同じように残念に思っている方もいらっしゃるのではないだろうか。

8月にはこのユニフォーム着用での試合が予定されており、今からが楽しみである。またユニフォームの他にさまざまなグッズも発売されるということで、いくつか買い揃えようと思っている。

ここに来てやや停滞気味のバファローズであるが、「いてまえ魂」注入で夏の山場を乗り切ってもらいたいものである・・・・。

コメント

夏本番鉄道の旅は・・・。

2011年07月13日 | ブログ
仕事の関係でクルマで移動する際はだいたいFM802をつけているのだが、いろいろと夏らしいナンバーがかかるようになり、ふとこのまま海のほうにドライブでもしたくなる。ちなみに職場は海に近いといえば近いのだが、大阪湾ではちょっと違うような気がする。


さて夏といえば青春18の季節。いつも、海の日がらみの連休にはまだ有効期間でないのが残念だが、今年はどう使おうか、またしても楽しみである。


8月の終わりには新幹線利用にて「混戦BB会」として初の宿泊込みの旅行が計画されているが、会社の夏休みがまだ確定していないので日程をどうするかは未定。おそらく、未乗車の九州と東北の新幹線乗りつぶしはお預けにするとして、山陰や瀬戸内の海なんぞ眺めて魚を喰らうというのが飲み鉄の夏旅ということになるだろうか。


いやまだ検討の時間はある。どこをどうするか、時刻表を眺めて案を作って最後はサイコロで決めるとか。仕事で忙殺の中、そういうことで気分転換を図ってます・・・。

コメント

桂三枝、「6代桂文枝」を襲名

2011年07月12日 | ブログ

上方落語の名跡四天王といえば、春団治、松鶴、米朝、そして文枝ということになるが、このたび、文枝の筆頭弟子である桂三枝がその名跡を継ぎ、「6代桂文枝」を襲名するという。

上方落語の大看板が復活ということになり、上方落語がより一層盛り上がるということになるようだ。

ただ、祝賀モードに水を差すつもりはないのだが、個人的には「三枝はそれこそ"初代三枝"でええんとちゃうの?」という気がしないでもない。落語にあっては古典よりも創作落語で独自の境地を開き、数々のテレビ番組でタレントとしても人気を博しているのはこの人ならではのことだろう。天満の繁盛亭の創設にも力を尽くした。まあ、本人が名誉あることとして受けたことなのだから、それはおめでたい話であるし、上方落語の隆盛というものも期待したいところである。

落語とか歌舞伎のような「伝統芸能」は由緒ある名跡を代々受け継ぎ、名跡とともに芸も受け継がれていくものであるが、ただどうだろう、観客は果たして「名跡」を楽しみたくて寄席や劇場に行くのかなという気がする。やはりそのパーソナリティや、その演じ手にしかできない持ち味の芸を楽しみたいのが本当のところで、それは別に「名跡」にこだわることでもないと思う。どうしても先代、先々代と比べてしまうのもどうかと思うが、一つの名前や業績が時代を超えて受け継がれるということも、芸能には必要な要素なんだろうな。

ストーリー性や人情の機微を演出してうならせる要素のある東京落語と比べ、とにかく「明るい笑い」を目指し、理屈抜きのばかばかしさで笑えるのが上方落語(というのが私の印象)。そこに創作性を織り交ぜた三枝改め文枝の芸に期待したい。

・・・・というが、実は私、まだ三枝の落語をナマで聴いたことがない。いずれそういう機会があればと楽しみである・・・・。

コメント

夏空のスイング

2011年07月10日 | ブログ

今日は私の上司、そして取引先の人2名を交えてのゴルフ。別に接待込みというものではなく、プライベートでのプレーである。

その場所となったのが、奈良は柳生地区にある大和高原CC。

2011071008550000_3このコースは知る人ぞ知る、とにかくフェアウェイが横に広い。他の難コースに比べれば、フェアウェイだけで2ホール分あろうかというところ。その分OBなどというものはほとんど発生しない・・・はず。

しかしそこは面白いもので、広いだけにドライバーなんぞ振り回す時には逆に力が入り、やらかしてしまうんですな。・・・かと言って難コースでナイスショットを放つだけの腕はありませんが。

そのためかスコアは思ったほどのものにはならなかったが、もうクラブのせいにはできず、これは稽古が足りないということか。夏場の打ち込みが必要なようだ。

それにしても暑かった。早朝からのスループレーで、水と塩飴で熱中症対策しつつの我慢。ホールアウト後に昼食となったが、どれだけ生ビールを飲みたかったことか。こういう時、クルマでの移動が残念に思う。

であれば、帰宅して飲めばいいようなのだが、実は今、ゴルフウェアより暑苦しい格好で移動中。

会社の関係者のお父様が昨日亡くなられ、今夜はお通夜。それに参列である。まさか、酒を飲んでいくわけにはいかない。

今日も忙しい一日になります。

コメント