まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

や、や、山下、き、き、清、 展なんだな。

2007年09月29日 | まち歩き

先日、常磐線の我孫子駅ホームのそば屋「弥生軒」で、ここの名物の「唐揚げそば」を食べていたときのこと。ふとカウンターを見ると、「ぼくがはたらいていた弥生軒のおそばおいしいよ 山下清」というプレートがあり、山下清の手による駅弁の掛け紙が飾られていた。

その後で常磐線の電車に乗ったら、「山下清展」が上野の森美術館で開催中であることの広告が飾られていた。山下清・・・・今はなき芦屋雁之助さんが山下清を演じていた「裸の大将」のドラマの印象が強いな。だから「山下清展」という言葉を読むにしてもつい、ブログのこの記事のタイトルのような言い方になってしまうのである。それと、「ボクは、お、お、おむすびが、好きなんだな」というフレーズは今でも残っているのだ。

さて、上野の森美術館へ。館内は老若男女問わず大勢の鑑賞客が詰め掛けていた。障害を背負った少年時代の貼り絵との出会いから、若いころの「放浪」、そしてその後の数々の作品群や、本人の放浪記や旅で使用したリュックサックなどの携行品、さらには本人出演の記録映画の上映など。

P9293944山下清といえば放浪の中で目にした風景を貼り絵にしたという印象が強く、事実その作品も数多いのだが、静物画や印象派的な作品も残しているのである。その貼り絵にしても、間近で見ればその作業の丁寧さにうなるばかりである。普通にキャンパスなり画用紙なりに筆で描くだけならまだしも、紙をちぎって貼るんだから。それも細かい線の一本一本とか、立体感を出すために重ねて貼るとか。記録映画で本人の作業風景が映し出されていたが、大きな体、太い指なのに、全て手作業であり、「描く」という「造る」という表現が合っているかもしれない。このほか、貼り絵だけではなく、水彩画やフェルトペン画、さらにはキャンパスを超えて陶器の絵付けにも優れた作品を残しているのは、この展示会に来てみて初めて知った。

P9293943ドラマでは、山下清が訪れた町で繰り広げられる人情話の中で、最後には貼り絵だけを残して去っていくのだが、展示会の解説にもあるように、貼り絵というのは放浪した町での滞在中に完成できるほど簡単なものではないとか。ただその目に焼き付けた風景をずっと記憶しており、放浪から帰った後に貼り絵として描き出したということだ。まあだから、ドラマの山下清は、水戸黄門の漫遊記みたいにフィクションとして楽しめばいいのだが、山下清が放浪した時代には「昭和」の自然や人情があったことは確かだ。「ルンペン」という言葉を久しぶりに目にしたが、軒先でそれこそおむすびや少しの金をめぐんでもらいつつ、放浪を続けることができた時代であったということ。平成の現代では同じように放浪することは絶対不可能だろうな・・・・。

作品の技巧のすばらしさもそうだが、山下清の「放浪」というスタイル、そして、ありのままに描く対象となった「昭和」の雰囲気というものに、私たちはいつまでも引かれるのかもしれないな。

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時刻表"旅"検定試験認定証

2007年09月28日 | ブログ

P92839391先日受験した第1回「時刻表"旅"検定」の認定証が送られてきた。記念の第1回で200点満点を取れたのは喜ぶべきことで、受験料のほかに認定証の発行・送付代で800円を別払いしたものの、持っていて記念にはなる。本家・時刻表検定も履歴書には書けない資格であるが、この旅検定はそれ以上に履歴書には書けない・・・・。

さて、仕事以外で今年目標としていたものの一つである、総合旅行業務取扱管理者の試験が、いよいよ来月8日に迫ってきた。2年前に一度不合格になっているだけに、対策は立てているつもりなのだが・・・・なかなか、記憶するというのも大変なものである。旅が好きといっても私が出かけるのはもっぱら国内であり、海外の、特に西洋諸国の話となるとなじみがないもので・・・。でも、それは言い訳にならんわな。今や旅行といえば海外旅行であり、資格としては当然海外旅行のルールや現地地理に精通していないといけない。

まあ、今すぐこの資格を取らないとメシの食い上げになるというものではないが、やはり試験というもの、不合格より合格のほうがいいに決まっている。

さて、これからどこまで追い上げられるかな・・・?

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力士死亡で時津風親方立件へ

2007年09月26日 | ブログ

やっぱり、そうだったのか。

今年の6月に時津風部屋の力士が稽古中に急死した事件で、警察の事情聴取に対し、亡くなった力士への親方、兄弟子らの暴行の事実が発覚し、そのことが原因により死に至ったとして、時津風親方や兄弟子たちが傷害致死の疑いで立件されるという。

一部夕刊紙では「リンチ死」と伝えているが、このことがそれほど大きなショッキングな事件として伝えられないのは、やはり相撲部屋でのシゴキ、兄弟子によるイジメというのは日常茶飯事のことであり、あって当然という雰囲気が一般の社会にあるということだろうか。「相撲界は修業が厳しいからな」「そこから這い上がるハングリー精神がないと一人前になれないよな」という意識が広く浸透しているというのか・・・。

これが相撲の神様である双葉山の開いた道場のなれの果てか。でもまあ、こんなことは時津風部屋だけのことではなく、どうせ他の部屋でもあるんでしょ?

やれ横綱の身勝手な行動だとか、八百長疑惑だとか(そういればこのところ八百長疑惑に関する動きが伝えられないな。もう昔のことになってしまったか)、相撲界にとってマイナスとなる話題が続いているが、この「稽古中のリンチ死」というのはどういうことになるのだろうか。もちろん相撲協会は何も言わないし、ご意見番的位置づけの横綱審議委員会の方たちは何も言わないんですかね。

アンタたち普段エラソーなこと言ってますが、この件についてはどうなんですか、海老沢に石橋に内館さんよ??

スポーツの修業には過酷なものがつきまとうが、他のスポーツで稽古中にリンチで死んだ、なんて話は聞かないでしょ?そりゃ、相撲部屋に入門しようという子どもたちが少なくなるのも仕方ないわ。

朝青龍の処遇など、どっち向いていてもいいから、力士の稽古のあり方とか、師弟関係のあり方というのをもっと真剣に考えるべきではないだろうか。

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茨城交通湊線へ

2007年09月24日 | 旅行記C・関東甲信越

P9243883JR常磐線の勝田駅に降り立つ。行き止まり式の1番ホームに1両の気動車が停まっている。これから乗る茨城交通湊線だ。乗り換え口で土日祝日のみ発売の1日フリーきっぷ(800円)を買い求める。単純に終点の阿字ヶ浦まで往復しても安く上がるという。

この線には昨年の10月に初めて乗りに来たが、その時は旧国鉄のキハ22に乗った。今回もその手の気動車を期待していたが、停まっていたのは同社のオリジナルである3710形というやつ。後で知ったことだが、旧型気動車は輸送力の多い朝の時間帯や、あるいは冷房装置がないので秋から冬場に動かすのだという。

P9243911さてこの湊線も存廃が議論されている。茨城の私鉄といえば、今年の3月に鹿島鉄道が廃線になったのが記憶に新しい。クルマ優位の茨城にあって鉄道を維持するのは難しいことだろうし、茨城交通もバスと鉄道を抱え、不採算部門を整理したいというのも経営の論理というものだろう。ホームには「未来へ走れ おらが湊線」という、「おらが湊鉄道応援団」による幟が立てられている。この応援団は那珂湊の商工会が中心となって活動しているようである。路線図を改めて見ると、全線ひたちなか市を通っているのがわかる。

15人くらいの乗客を乗せて発車。常磐線の線路から分かれ、カーブを曲がったかと思えば次の日工前。陸上自衛隊の駐屯地を過ぎると、刈り取りを終えた水田地帯を走る。このあたりの広々とした景色が、湊線の撮影ポイントである。

P9243886_1P924392015分ほどで、沿線の中心地である那珂湊着。ここでほとんどの乗客が下車。前に来た時は通っただけだったから、今日はここで途中下車する。ちょうど反対方向からも列車がやってきて、駅は一時の賑わい。昔ながらの風情を残す駅として知られる。地方私鉄の旅の面白さである。

P9243918待合スペースの一角に、先の「おらが湊鉄道応援団」のサービスステーションなるカウンターがあった。旧型気動車の写真入りの「応援団員証」をぶらさげた、地元のボランティアらしき男性が、私のような「乗りに来た客」に声をかける。「こうしてあちこちから乗りに来てくださって、ありがたいです」とか、「おかげさまで、新会社をつくろうというメドが立ちそうで、なんとか廃止は避けられるようです」とかで、厳しい状況には変わりないが応援団としての手ごたえも少しずつ感じているようだ。

P9243897P9243905ここで応援団作成のイラストマップをいただき、町の散策。那珂湊は古くから「東廻り航路」の港町として栄えたところで、那珂川、霞ヶ浦、利根川の水運を利用して江戸とのつながりもあったようだ。今でも古い商家や土蔵がところどころに残っており、「まちかど博物館」として訪れる人の目を楽しませる。また、水戸藩主徳川斉昭により設けられた反射炉跡を見たり、町と太平洋を見下ろす高台にあるかつての水戸藩別邸跡に立ったりと、イラストマップに従って町中を歩いて1時間コースである。

P9243910この港町としての活気を感じられるのが、太平洋に面したおさかな市場。水戸をはじめ関東各地から水産物目当てに大勢の観光客が訪れるスポットである。那珂湊の「地物」ばかりではなく、三陸や北海道から送られたものも多いのだが・・・・。観光バスも乗りつけており、ちょうどお昼どきとあって賑わっている。残念ながら自宅で調理ができないので新鮮な魚も目の保養である。

P9243909三陸直送の生ガキが売られており、その場で食べられるとあって早速いただく。何もつけずにそのまま、というのがよい。

それじゃここで昼食にしようということで、市場の中の回転寿司へ。各地からよりすぐりのネタがグルグルと回る。ただし、1皿100円の格安チェーン店のようにはいかず、値段もそれなりのもの。標準は210円、315円だが、高いものでは1皿840円とか、1050円とかもする。うーん、これは目の保養用だな。周りの客も、高級ネタに手を伸ばす人はほとんどいない。私も一番高いので地物のヒラメ。ただ安いものもしっかりしており、旬のサンマ握りとか、初めて見たアン肝の握りとか、いろんなネタを試してみる。

P9243916P9243921腹もできたところで那珂湊の駅に戻り、次の阿字ヶ浦行きが着くまでの間、側線に入れられた、あるいは留め置かれた車両たちを見る。駅舎、構内、車両をひっくるめて、昔ながらの鉄道の風情を改めて感じる。

P9243927やってきた阿字ヶ浦行き。那珂湊の町を抜け、イモ畑が広がり、10分ほどで終点着。こちらも、終着駅らしい風情だ。ここまでやって来たのは汽車旅派ばかりで、折り返しの列車で引き返しそうな感じだったが、実はこの駅から5分ほど歩けば太平洋に出る。かつては上野から直通の海水浴列車も出ていたそうである。駅が広いのもその名残という。

P9243935やってきた太平洋。風も強く、豪快に打ち寄せる波。その中で泳ぐ人の姿もあるが、まばら。外にいる分には涼しく、そろそろ秋の気配である。

そして最後の仕上げは温泉。ということで、海水浴場を見下ろす「のぞみ」という日帰り温泉施設へ。海を見下ろすという各種露天風呂を楽しむ。地下1500メートルを掘り当てたという温泉でゆったりし、夏の疲れを癒すとする。

P9243930茨城交通湊線。全線のキロ程は短いが、風情ある駅舎・車両あり、町並みあり、味・温泉あり・・・となかなか内容の濃い路線である。東京からも日帰りで十分楽しめるので、湊鉄道応援団ではないが、ローカル私鉄めぐりの1ページにおすすめ。

うーん、次こそは寿司の「高級ネタ」に挑戦するか・・・?

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白鵬優勝だけじゃない? 大相撲千秋楽観戦記

2007年09月23日 | ブログ

大相撲九月場所は、横綱白鵬が結びの一番で千代大海を下し、横綱になってはじめての優勝。最後は綱の責任というか、力を出し切っての優勝ということで、きちんと収まるところに収まった感じである。

P9233651千秋楽の取組をナマで観るのは初めてだったが、早朝から両国の国技館に出かける。マス席、イス席とも指定席は前売りで完売しており、当日売りの自由席がお目当て。8時20分からの発売開始で、7時半くらいに国技館前に着いたがすでに長蛇の列。まあ、もし購入できなければ千葉マリンスタジアムのロッテ対オリックスのデーゲームに行くつもりで、バッグの中にはバファローズのユニフォームジャージほか応援道具を仕込んでいたのだが、私の順番で自由席券を購入することができたので、今日は一日国技館と決め込む。

千秋楽は取組の数も少なく、序ノ口の取組開始が9時50分。それまでに相撲博物館の「不知火型展」で、不知火型の土俵入りを行った往年の横綱たちの綱や化粧回しや映像を観ながら時間をつぶし、取組開始に合わせてガラガラの土俵際へ。他に自由席の券を求めて行列していた人たちも、自分の席だけ確保しておいて、ほとんど溜席やマス席に降りてきている。

P9233668千秋楽の取組は、東方・増田、西方・武田という、まだ入門して間もないような若い力士同士の対戦。双方ふんわりと当たって、お互いに前回しの引き合い。頭をつけて何とか前に出ようとしのぎあう。・・・と、なぜ序ノ口の取組をこう取り上げるのかといえば、実はこの後、攻めるものの相手がこらえ、寄り切ろうとすると土俵際でこらえて・・・というのを繰り返した結果、3分以上過ぎて両者の動きが止まったところで、土俵下の審判員から「待て」の声で行司が両者の体を離す。そして呼び出しが出した幕が、「2番後に取り直し」というもの。序ノ口の取組に館内から大きな拍手。それにしても初めて見たぞ。こんな処置。

P9233674で、2番置いて再び両者が立ち合う。またしても同じような展開。今度も1分以上組み合った末、やや身体の大きな西方・武田が寄り切る。後で星を見て、両者ともすでに今場所負け越しており、優勝とか勝ち越しがかかった一番というのではなかったが、将来に向けて目の前の一番を戦うというものがよく伝わった。もちろんこの時間ではテレビの放送もなく、まあスポーツ新聞でも伝えないようなことなので、観戦記として書き記しておく。

また、これも同じように観戦記となるのだが、序二段での話。東方・田元、西方・高橋という取組の後で、この時と同じ若い呼び出しが次の力士を呼ぶ時、「ひが~し~、琴吹雪、に~し~、高橋」とやってしまった。すぐに先輩の呼び出しから「違うぞ」と注意され、もう一度、「ひが~し~、琴吹雪、に~し~、濱湊」と呼び直し。まあ一回ならウッカリということもあるだろうし、近くで見て、呼び出しが別に扇子に力士名を書いているとか、カンペを持っているわけでないことがわかったのでよかったのだが、問題はこの5番くらい後。

P9233678西方に北勝洋と書いて「ほくとなだ」と読む力士を呼び出す際、「に~し~、ほくと~よ~う~」とやってしまった。土俵下の親方から「ほくとなだ、だぞ」と注意されて、あわててもう一度呼び直すのだが、また「ほくと~よ~う~、あ、ほくと~な~だ~」とやってしまった。土俵下に下りた後で先輩の呼び出しからまた注意され、その呼び出しは後の取組の仕切り中に、土俵下の親方一人一人に謝って回っていた。うーん、土俵上の力士も修業中なら、この若い呼び出しも修業中である。失敗にへこたれずにがんばってほしいな。

P9233714P9233718取組が進む中、いつもより早い時間帯に関取衆が場所入りするようで、国技館の入り口に行ってみる。こちらはすでに大勢のファンが花道をつくっており、その間を関取が歩いてくるというものだ。群衆の中に子どものファンがいて、テレビや名鑑で憶えたのだろう、誰か関取が入場してくると、「あ!○○だ!」と、まるで斥候のように声を挙げる。「あの人誰だったっけ・・・」と、力士の名前が出てこない大人が、その子どもの声で「ああ、あの人か」と思い出すというものである。千秋楽ということで、すでに勝ち越している力士はご機嫌よさげで、負け越していても「来場所がんばろう」とサバサバしたような感じ。触ってはいけないのは、7勝7敗で千秋楽を迎えている力士・・・。

P9233738P9233716今場所大いに盛り上げ、敢闘賞を受賞した豪栄道や、優勝争いに最後までからんだ旭天鵬、期待の豊真将、そして7勝7敗で迎えて緊張感いっぱいの高見盛など、結構多くの関取を間近で見ることができた。さすがに横綱・大関は別の出入口から場所入りするようでファンの前に姿は現さなかったが、このオープンさはプロ野球より断然いい。

P9233752P9233760_1館内に戻る。すでに十両の取組まで来ており、あれほどガラガラだった座席も埋まっており、まだ後から観客が次々にやってくる。席に座らず、マス席後ろの通路で立ち見する人が多く、私もこちらに陣取る。千秋楽といえば「協会ご挨拶」に、各段の優勝決定戦。今場所は序二段で決定戦があり、モンゴル出身の保志桜が優勝。横綱・白鵬はじめ、結果として今場所は三段目を除く各段で外国出身力士が優勝しており、改めて彼我の力の差にもどかしさを感じることとなった。

P9233785そして、幕内力士に横綱土俵入り。やはり歓声の大きさも違うし、力士の鍛え上げられた身体つきも全然違う。やはり「メジャー」なんだよな。一日いれば、「メジャー」と「ルーキー」の差というものを思いっきり感じることになる。

P9233806 幕内前半は、星一つ差で白鵬を追っていた旭天鵬が勝ち星を12まで伸ばしたのと、勝ち越しのかかる高見盛の一番で歓声が沸く。その高見盛、垣添に押し込まれたが土俵際、辛うじて身体をかわす。行司軍配はサッと垣添にあがったがすぐ物言いがつき、差し違えで高見盛の勝ち。千秋楽にスレスレの勝利でファンも大喜び。本人も大きく胸を張って引き上げる。やはりこの人、どこに行っても人気があるなあ。

P9233837P9233838テレビ観戦だと仕切りの時間が結構長く感じるが、ナマで観ていると時間が経つのが早い。気がつけばもう時間いっぱいだし、それで取組が終わり、すぐに次の取組で・・・といううちに、「これより三役」。そして、結びの一番、白鵬対千代大海。懸賞が40本くらいかかっており、呼び出しが垂れ幕を持って土俵を一周すると、普通はそのまま花道に消えるのだが、この一番では土俵下に呼び出しが一人待機しており、一周した呼び出しは垂れ幕をその者に渡して、また別の垂れ幕を取りに行って二周目を行っていた。もう、スポンサー名を読み上げるだけで時間いっぱいである。その中に「イチジク浣腸」があったのを見て場内大笑い。国営テレビでは懸賞の場面は画面を「引き」にしたり、音をしぼったりするのでなかなかわからないが・・・・。

旭天鵬が3敗を守ったときは「これで横綱が負ければ決定戦!」と喜んでいた場内も、「千代大海が横綱に勝てるはずがない」という空気で、果たしてあっさりとその通りになったときには白鵬への祝福の中に、「万年大関!!」との野次も飛んでいた。

P9233854で、表彰式。国歌斉唱、賜杯、優勝旗授与の拍手の後、「内閣総理大臣杯が授与されます」のアナウンスで場内がどよめく。時間的に自民党の総裁に福田康夫氏が選ばれた後だが、「誰が渡すの?」「やはり名前は安倍さん?」「安倍ー!最後の仕事で出てこーい!」との声の中、土俵に上がったのはもちろん安倍首相ではなく別人。ただその容貌から、「あれって福田さん?」という声も(実際は大野松茂・内閣官房副長官だったそうだが、改めて見ると後ろ姿は福田さんみたいな感じだな)。ちなみに表彰状の名前は「安倍晋三」となっていた。

P9233860通常テレビではこの後は北の富士と舞の海で場所を振り返るのだが、表彰式はまだまだ続く。帰る人も多いがせっかくなので最後まで見る。それにしてもいろんなところからの表彰があるものだ。トロフィーや楯はまあいいとして、副賞がすごいや。「ガソリン1年分」、「コメ2トン、ちゃんこセット1トン」、「じゃがいも、玉ねぎ4トントラック1台分」、「宮崎牛一頭分」、「四斗樽1個にワンカップ大関1年分」・・・気になるのは、これだけの物量をどこに保管しておくのかということだが(特に4トントラック1台分のじゃがいもと玉ねぎ)。

P9233867この後、三賞(殊勲・安馬、豊ノ島、敢闘・旭天鵬、豪栄道、技能・該当者なし)の表彰。彼らも、今場所の主役である。特に安馬は、これから大関を目指すに当たってのまず第一段階といったところであろう。

P9233873P9233874_1最後は、土俵下で審判を務める親方たちと、今場所前相撲をとった若い力士たちが土俵に上がる。「出世力士手打式」というものらしいが、こういうのがあるとは初めて知った。各力士、親方がお神酒を回し飲みした後で、観客も総立ちでの三本締め。そして、「神送りの儀式」ということで、土俵上で行司を胴上げ。これで「千秋万歳」となった。表彰式で終わるのではなく、こうした「神事」で終わる、というのが相撲の伝統的なところだろう・・。

本場所というもの、テレビではわからないいろんなことが起こっているし、いろんなことが観られる。これからも機会があれば本場所に足を運んでみたいものである。

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豪栄道にあっぱれ!

2007年09月22日 | ブログ

本日は久しぶりに自宅のテレビで相撲観戦。やはり注目は何といっても横綱白鵬に、新入幕の豪栄道の結びの一番である。新入幕力士が横綱と対戦するのもめったにないことだし、この一番の結果が優勝争いを大きく左右するというのも異例のこと。懸賞も何十本と回っていたようだ。普通であれば、14日目ともなれば成績はどうであれ、横綱対大関戦が組まれるのだが、こういう「大抜擢」は観客としても面白い。(もっとも、豪栄道は千秋楽では中入り後最初の一番に登場するのだが・・・・)

立ち合い、豪栄道も低く当たって前まわしを取ろうとしたが、白鵬が辛うじてそれを許さず、そのまま腕をとってのとったり。結果としては横綱が実力の違いを見せつけたことになるが、館内は豪栄道の健闘に大きな拍手を送っていたようだ。何かとゴタゴタ続きの大相撲にあって、新しい力士の活躍をファンが望んでいたことの現われだろう。

ただね・・・14日目を迎えて、2敗が白鵬、3敗が安馬、旭天鵬、豪栄道でしょ・・・?

これってよく見たらモンゴル勢ばかり、そしてまた大関がこれに絡んでいない。魁皇はあっさりと休んでいるし、新大関の琴光喜も早々に優勝争いから脱落してしまったし、千代大海もいつものように中盤で失速するし、琴欧洲にいたっては、白鵬と対戦すらさせてもらえないのだ。ホンマ、朝青龍がいなくなったら大関も優勝争いに加わるかと思いきや、なんら変わりないやないか。この調子なら、2場所の出場停止の後の場所でも、朝青龍が優勝を続けていくぞ。

だから、豪栄道の登場に相撲ファンは余計に沸くことになる。また今場所は目立たないが、豊真将も前頭筆頭で勝ち越し、来場所新三役の可能性もある。こういうひたむきな、真っ向勝負のスタイルの日本人力士もいるのだ。彼らが早く上位をうかがうようになれば面白いのだが・・・・。

さて明日は千秋楽。国技館に行ってみようかな・・・(当日売りの自由席が手に入ればの話)。

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スルッとKANSAIカレンダー

2007年09月18日 | ブログ

先日大阪に帰省した折、「2008スルッとKANSAI電車・バスカレンダー」なるものが発売されていたので、購入。まだ9月ではあるが、もう2008年のカレンダーが売られるとはね・・・。季節が過ぎるのも早いものである。

このカレンダー、例年発売されているようだが購入するのははじめて。ネタバレになるようだが早速開封してみると・・・。

1月・・・京都市営バス

2月・・・叡山電車

3月・・・山陽電鉄

4月・・・京都バス

5月・・・北神急行電鉄&神戸市営地下鉄

6月・・・近畿日本鉄道

7月・・・京阪電鉄

8月・・・阪神電鉄

9月・・・阪急電鉄

10月・・・南海電鉄

11月・・・神戸電鉄

12月・・・大阪市営バス

番外・・・スルッとKANSAI加盟のオールスターキャスト

こうしてパラパラっとめくってみると、関西の私鉄・バスが走る風景の多様性というのが見られて、改めて奥の深さを感じる。まあ関東の私鉄やバスだって多くの路線があり、ご自慢の車両とともにそれらのすばらしい風景を集めれば立派なカレンダーができることは間違いないだろうが、やはり、「私鉄王国・関西」の優位性を感じさせる。

もう一つ関西の私鉄の試み。実は15日~19日の間、京セラドーム大阪で行われるオリックス・バファローズの試合について試験的に、内野自由席の入場料を「OSAKA PiTaPa」で決済するというのが行われた。利用登録を行い、専用の入り口でカードを読み取り機にかざせばゲートが開き、その後で入場券の半券をくれるというもの。今のところ「PiTaPa」独自の試みなのだが、ICカードの利用範囲が広がっている中、これはなかなか面白い試みである。指定席は難しいだろうが、観客の多い自由席であれば入場にかかる手間も多少は省けるだろうし。

ちなみに京セラドーム大阪では、この試みの結果をもとに、来年以降本格導入するか決めるとか。ここにも来るか、キャッシュレスの時代・・・・。

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観戦記・オリックス対ロッテ~京セラドーム大阪

2007年09月17日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

ペナントレースもそろそろ大詰め。オリックス・バファローズのプレーオフ進出はもう数字的に可能性がないといってもいいところだが、最後の試合までちゃんと見ておきたいのがファン心理というものである。

P9163581京セラドーム大阪でのオリックス対ロッテ戦を観戦。・・・といっても、延長戦の末サヨナラ勝ちした17日の試合ではなく、同じく延長戦にもつれ込んだ16日のほうだったが・・・・。ネット裏の上段席での観戦である。この球場の外野席は非常に観にくい(下段席はスコアボードが見えないし、上段席だと外野フェンス際のプレーが全然見えない)という欠点があるので、内野で観戦することになる。

P9163624ここからだと外野席の様子が見て取れるのだが、三塁側下段からレフトスタンドまで「黒一色」。応援席の数や熱気では圧倒的にロッテファンのほうが大きい。かくいう私も、「ロッテファンのファン」のようなところがあるので、これは大いに結構なこと!?

おそらく今シーズン、京セラドームでの観戦はこれで最後であろう。その中で、それにふさわしいような接戦を両チームが見せてくれた。

P9163609P9163615試合のおさらいをすると、先発はオリックス・川越、ロッテ・渡辺俊。2回にロッテが連打で1点先制したかと思えば、そのウラにオリックスも木元の犠牲フライで同点。その後は両投手の好投により、テンポよく試合が進む。

P9163623しかし6回の表。里崎のタイムリーで均衡を破ったその直後、ズレータ。これが左中間へ豪快な一発。これで4対1。いや~久しぶりにナマで「パナマ・ウンガー!!」を見られたのは敵ながらあっぱれ。この日の渡辺の好投からしてここで勝負あったかに見えた。

P9163631ところがオリックスも8回に脅威の粘り。坂口の二塁打で1点返すと、続くラロッカが「お家芸」(?)の死球で出塁。この死球がシーズン最多記録に並ぶというものだった(余談だが、17日の試合でも死球を頂戴し、これでシーズン最多記録更新。本人も喜んでいたとか・・・)が、これでチャンス拡大。そしてローズがきっちり2点タイムリーで同点。続く北川が犠牲フライを放ち、3点差をひっくり返して5対4。よしよし、やればできるやないか!後は9回を加藤大が抑えて・・・。

P9163640・・・と、きっちりといかないのが、下位にいるチームの宿命なのか。先頭の大松に二塁打、続く今江が送って、代打ベニーに力でレフト前に持っていかれて同点。先ほどは大いに歓声のわいた球場が意気消沈。9回ウラはあっさりと三者凡退で、延長戦へ。うーん、私も今シーズン3回目の延長戦を目にすることになる。ただこれまで2回は(ビジターで)延長戦勝ち越しており、それであればサヨナラ勝ちを見られるかなと期待する。

P9163637・・・ただ、その期待もまたしても加藤大が守りきれない。10回にランナー一人置いて、里崎。これも豪快に左中間へ勝ち越し2ラン。あー、これで勝負あったか。・・・あとは小林雅が出てくるだろうが、彼の乱調に期待?するしかないか。

そして10回ウラ。小林雅が、いや、バファローズ打線が期待にこたえてくれた。一死から坂口がヒットで出塁。続いて途中出場の大引は倒れたがローズが四球。続く北川がレフトへのヒットで坂口生還。これで7対6とし、なおも二死一・二塁。ここで二塁ランナーが前田に代わる。前田が帰ればまたしても同点だ。

P9163644続く後藤の当たり。一、二塁間をゴロで抜ける。球場全体から大きな歓声が上がる。三塁コーチの腕が回り、前田が三塁を蹴る。懸命に走るが、ライトのサブローから正確な送球。里崎がガッチリ捕る。そこに前田が滑り込んで・・・・。ボールは落ちない。タッチアウト。これでゲームセットだ・・・。またしても内野からライトスタンドからため息、そしてレフトでは歓声。うーん、私もいろいろ球場で観戦しているが、延長戦で、最後に同点のランナーが本塁で刺されて試合終了、というのは初めて観た。

敗戦は残念だったが、終盤に来ての点の取り合いは見ている分には面白かったかな。この日の最後の粘りが、翌日のサヨナラ勝ちにつながった(もっとも、9回にまた加藤大が打たれての延長戦だったが)と思えばね。

プレーオフ進出は絶望といっても、まだ順位争いは残っている。楽天を下回るようではいけない。残り試合を全力で尽くしてほしいものだ。

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福井鉄道貸切電車の旅・後

2007年09月14日 | 旅行記D・東海北陸

武生新から専用軌道を走ってきた福井鉄道の電車はいよいよ福井の市街地に入る。このように専用軌道から路面に入るというのは、何だか独特の感じがする。ただ、私は路面電車至上主義ではない。

P9093515P9093520乗っていて分かるのだが、交差点にさしかかるたびに信号待ちをするし、道路を曲がるとき(特に左折するとき)などは、普通のクルマ以上に待ち時間を強いられるし、逆に乗っていてイライラすることがある。自動車優先の道路・信号のつくりのところに電車があるということ自体が、共存を難しくしているのだと思う。せめてもっと加減速がよければ、信号待ち一つ分くらいの時間は短縮できるだろうが、そのあたりを克服できなかったのが、ここまでの路面電車の衰退の一因ではないだろうか。

市役所前の電停で向きを変える。ここからJR福井駅前までが引込み線のような形になっているのだ。前を走っていた電車もJR福井駅前まで往復する。両側に商店の並ぶ通りで停車。ここで、もう一人の会員を待つのだが・・・・来ない。「やっぱ○○さんやからなあ、何かやってくれそうやわ」「田原町に先に来ていたりしてな」そんな声が聞こえる。幹事も半ば織り込み済みのような形で、運転手に「出してください」という。

P9093531その後市街地をさらに走り、終点の田原町着。道路から少しだけプイと脇にそれた感じの終着駅だが、実はここは元京福電鉄、現在のえちぜん鉄道との合流駅である。海側から見れば三角ホームに見える。

P9093528 ここで30分ほどの折り返し時間となる。その田原町駅のホームに、先ほど福井駅前で乗るはずだった会員の顔が。「あーやっぱりな」「さすがは伝説の人や」などと面白がる声があちこちで響く・・・。そのときは「何だ」と思ったが、後で聞いたところではどうも列車の運行ダイヤの伝達がうまくいかなかったようで、やれやれ。ともあれ、これで参加予定者が無事に全員揃ったことになる。

さて、折り返しの時間はコンビニで昼食の調達を行い、持参のお菓子類のおすそ分けタイムもあったり(ゲストの私が何も持ってこなかったのは礼儀をわきまえない行為だった)、田原町での撮影タイムだったりであっという間。ごく普通に電車を待つ人たちももの珍しそうにこちらを眺めていた。

P9093533 復路は、事前にKさんから告知のあったビンゴ大会。それぞれがなにがしかの「金券」を持ち寄り、ビンゴを達成した順番に好きなものを取っていくというもの。例えばテレホンカードとか、オレンジカードとか、図書カード、クオカードなど。金額は500円とか1000円だが、めったにないものを収集するという楽しみもある・・・。Kさんが番号カードを引くのだが、カードがよく混ざってなかったようで、「50」の次は「51」、そしてその次は「52」・・・というように、3~4つは番号が続くという何ともいえない展開。一番にビンゴ達成したのは富山のSさん、ついで私ともう一人のゲストの方が同着で、私は「この商品については出品者以外であれば私しか持って帰らないだろう」という一品を獲得した。

ビンゴ大会が進むうちに路面電車区間から別れ、再び専用軌道に入り上下の揺れが激しくなる。おまけに、途中で秋雨前線の影響による、結構大降りの雨。まさしく天候の変化が激しい。それでも電車を乗りとおし、終点・武生新駅の一つ手前の西武生駅に着く頃には雨も上がり、再び夏の日差し。かえって蒸し暑く感じる。何せ、冷房車内と暑い車外の行ったり来たりだし・・・・。

P9093545_1P9093540西武生では車庫線路に引き込み、ここで貸切電車の旅はおしまい。この後は小学生による、構内の電車運転体験のイベントに使われる。それまでの間、全員で記念写真を撮ったり、この電車を囲んでの撮影会となる。この西武生の駅界隈というのも、昔懐かしい風景をモチーフにした鉄道模型のレイアウトに登場しそうな佇まい。車止めの先には福井鉄道本社の建物。このたびのイベントにあたり、Kさんが何度も打ち合わせで通ったところという。いつ頃の建造かわからないが、木造で瓦葺というのが、「地方鉄道」らしい味わいをかもし出している。

そろそろイベント終了の時間となり、西武生から武生新まで普通の電車で移動し、これで無事終了。皆で一度JR武生まで歩いて移動する。ここから関西、東海方面に戻る人と、今夜福井でもう一泊するという人とが別れる。もっとも、福井方面に行く普通列車は1時間くらいないため、多くの人が再び武生新に戻るという。ここで、参加者の多くとはお別れ。残った人たちで敦賀に向かい、今やメチャ混みとなった北陸線・湖西線の新快速に乗り継ぐ・・・。

今回の貸切電車だが、他流試合のサークルに参加して、まあよかったのではないかと思う。「入会を勧誘することはないよ」とはKさんも言っていたが、「いずれ、この男は参加することになる」というのが初めて顔を合わせたときの会長の眼だったしな・・・・。まあいい。私もしばらくすれば何らかの回答は出すよ。

P9093488まあそれはさておくとして、福井鉄道というのも、並行するJR相手に苦戦しつつも健闘しているように思えた。北陸にまだまだ残る私鉄電車。またゆっくりと、訪ねてみたいものである・・・・。

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福井鉄道貸切電車の旅・前

2007年09月13日 | 旅行記D・東海北陸

富山で一泊した翌朝、富山駅のホームに出る。売店で北日本新聞を購入。一面トップは、8日に約3年ぶりに普通区間が全通した高山線の話題。もう3年も経っていたのか・・・。全然マークしていなかったな。もし前日の富山サンダーバーズの試合が中止になっていれば、高山線乗車というのも面白かったと思う。飛騨高山にも久しく行っていないこともあり、また折を見つけて出かけるとするか。ちなみに、富山サンダーバーズ快勝のニュースは、スポーツ面でNPBと同じくらいの大きさで、好投した萩原投手のカラー写真入りで紹介されていた。さすがはオフィシャルスポンサーだ。

P9093476武生に向かう特急「しらさぎ4号」を待つ間、ホームのベンチで北日本新聞を読んでいると、隣のベンチに腰掛けてきたのが、富山在住のSさん。今回の福井鉄道貸切電車のイベントに一緒に参加する方だ。私とは旅行サークルで一緒だったこともあり、今回のイベント開催場所の福井に近いことから、Kさん、Hさんからお誘いを受けたということだ。Sさんとお会いするのは久しぶりであり、「しらさぎ」の車中でも互いの近況やら何やらの話で時間があっという間に過ぎる。金沢からは、前日ここに宿泊したHさんも合流。3人顔を揃えるのもなお久しぶりのことで、話をするうちに目的地の武生は近い。

P9093477_1私を含め3人とも武生の駅で下車するのは初めてなので、集合場所である福井鉄道の武生新駅の場所が一瞬わからなかったが、案内図を見てショッピングモールの向こう側であることがわかり、テクテク歩き出す。日曜の朝、ショッピングモールが開店前とあってやけに静かだ。それにしても、普通なら「新武生」というところだろうが、「武生新」と「新」の字を後に持ってきているのは何かいわくがあるのだろうか。

武生新駅には、今回の幹事役であり、私たちを誘ってくれたKさんの顔が見えた。「よく、昔の顔が揃ったね」と、互いの再会(もっとも、KさんとHさんはLFCで一緒であるが)を喜び合う。ほかにも何人かの参加者が来ているようだが、富山からの列車ダイヤの関係上、やや早く着きすぎたようだ。それぞれぶらぶら過ごすとして、私はホームに入り車両の撮影など。

P9093494P90934951番線には「福鉄」というマークの塗装もなされた、いかにも年代物の車両。福井鉄道といえばクリーム地に青帯を巻いた旧型電車というのがイメージにあったが、最近はそれより前の塗装に戻して、大量輸送にまだまだ現役でがんばっているようだ。ただ、最近になって、元名鉄の車両が移籍してきて様相はガラリと変わったとのこと。

P9093486福井鉄道には路面電車区間があり、そういうところは旧型電車を走らせるよりは、LRT方式で運行したほうが効率がよいのである。本日貸切の800系電車というのも、こっちの路面電車タイプの車両。個人的には巨大な旧型電車のほうが面白そうだったのだが、そういうわけにはいかない。発車まで時間があるので乗り込んでシートのすわり心地だけ楽しむ。

P9093483また、今日は「福井鉄道感謝祭」というのも開かれているようで、地元武生の仁愛大学の学生による「電車カフェ」というのがあった。車両の真ん中にテーブルを置き、メイドならぬ車掌の格好をしたウェイターが注文を取る。アイスコーヒーを楽しみ、しばし涼む。

P9093504そうこうするうちに集合予定時間も近づき、参加者の数も少しずつ増えてきた。誰が誰かわからないので、HさんやKさんに紹介してもらいながらごあいさつする。今回のイベントの主であるLFC会長とも初めてお会いする。今回はLFC会員12名(うち1名は福井駅前からの乗車予定)、ゲストが私、Sさん、そしてKさんの旧知の方1名の計3名、そして、「名鉄友の会」のメンバー4名という、合計19名で2両の電車を借り切る。白地に青と緑の帯を巻いた、フレッシュな感じの車両。このほかにも全面広告の車両もあるが、今の福井鉄道はこのカラー。「FUKUTETSU」のロゴも、名鉄の応用版である。

それぞれがゆったり座り、荷物も座席の上に並べてもまだまだ余裕がある。これくらいゆったりした貸切なら楽しく行けそうだ。

P9093509予定時刻となり発車。車庫のある西武生を過ぎ、武生の町から鯖江の町、そしてコシヒカリの稲穂地帯に出る。発車前に「この車両は揺れるよ」と言われていたが果たしてそうで、特に稲穂地帯に入って直線区間ともなると上下の揺れが激しくなる。こういう郊外を小型車両で走っているのって、富山のLRTもそうだが私にとっては広島勤務時代に慣れ親しんだ広電宮島線を思い出させる。同じように専用軌道から道路上にまたがって運転しているというのもそう思わせる一因だ。

車内放送用のマイクがあるので、これを使ってのKさんの進行で、LFC会長の挨拶、Kさんによる参加者の紹介、そして「名鉄友の会」のメンバーによるこの800系車両の「解説」というのが行われた。うーん、解説の熱意は買うが、正直メカには詳しくないのでちょっと・・・。名鉄にもさほどなじみがあるというわけではないので、意識は車窓のほうに向かってしまう。昔から受け継がれたしっかりした駅舎を持つ駅もあれば、島式ホームしかない駅もある。

P9093513そろそろ福井市街が近づき、交差点で専用軌道はおしまい。ここから路面電車の区間となる・・・。(続く)

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安倍首相、敵前逃亡??

2007年09月12日 | ブログ

本当であれば北陸の旅の続きの記事を書くべきなのだろうが、この日は昼間に急に飛び込んできた「安倍首相辞意表明」のことに触れるしかないだろう。

うーん、このタイミングでの辞意表明というのはまさしく「空気を読めていないKY」というべきだろうか。早くに辞めるのであれば参議院議員選挙直後、もしくは内閣改造前だろうし、もっと長くその職にこだわるのであればイラク特措法問題でボコボコにされるまでやるか、逆に開き直って任期を全うすることだっただろう。やはり、議員経験が短い中、「政治家」としてのキャリアが足りなかったということか。

・・・でも、イラク特措法問題って、ついさっき出てきた問題でしょ?参議院議員選挙の時にこの問題にきちんと触れた候補者はいたのか??年金問題でなく、突然浮上した感のある問題で辞意を表明するのはいかがなものか。結局「何が原因で辞めたのか」が説明できず、ますます政治に空白・混乱をきたすだけで、民主党などは「政権交代にまた一歩近づいた」と喜んでいるのだろうが、国民の生活はまた一歩豊かさから遠のいたとでもいうしかない。

こうなるとイラク特措法も年金問題もどこかにぶっ飛んでしまい、連日「ポスト安倍は誰か」という話題に終始するのだろう。国会も早速空転だし。まあ、麻生幹事長がやるのか、小泉前首相が再登板するのか、週刊誌および夕刊人事で小池百合子がやるのかわからないが・・・。もっとも、小沢一郎だけには首相になってほしくないけどね。

次の首相とかけて、「相手チームの投手が降板したときに藤井寺球場の近鉄バファローズのファンが行っていたコール」と解く・・・ってなもんだ。

そのココロは・・・

「だーれが投げても、いーーっしょ!!だーれが投げても、いーーっしょ!!ソレ南海電車で早よ帰れ!!!」

まあ安倍首相も南海電車なぞ乗ったことないだろうから、せっかくの記念で高野山に行かれて、瞑想にでもふけられたらどうですかな・・・・・。

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観戦記・北信越BCリーグ 富山サンダーバーズ

2007年09月11日 | プロ野球(独立リーグほか)

P9083388_1富山アルペンスタジアムでの富山サンダーバーズ対信濃グランセローズ。北信越BCリーグの生観戦は、7月に上越で行われた新潟対信濃戦があるが、いわゆるメイン球場での観戦は初めて。アルペンスタジアムは全面人工芝の球場ではあるが開放感がある。これまで訪れた「地方球場」では松山坊っちゃんスタジアムと倉敷マスカットスタジアムが「立派な球場やのう」と感心したものだが、その二つとも優劣つけがたい本格的球場である。

入場料1000円でどこの席に座ってもいいということだが、ネット裏の最前列に空席があったので、こちらに陣取る。選手の動きがバッチリと捕えられるポイントで、少し中央寄りにはスピードガンを構えた色黒の男性の姿も見える。NPBのスカウトだろうか。

P9083389ちょうどグラウンドでは打撃練習の後の守備練習の最中で、富山サンダーバーズ率いる鈴木康友監督(元巨人、西武の内野手、名バイプレーヤー)がノックバットを構えての練習中である。

リーグも4分の3を過ぎたところで富山サンダーバーズは2位石川に若干のゲーム差をつけての首位。一方の信濃は勝率5割ラインを行ったり来たりの3位(ということは、リーグの借金のほぼすべてを新潟が背負っている・・・)。試合前、そして試合中のアナウンスでも、「初代チャンピオンに向けて皆さんの熱いご声援をお願いします!!」ということで、スタジアムをチームカラーの緑で染めようとか、優勝を争う石川とのビジター戦でもサンダーバーズのレプリカユニフォーム着用者には入場料割引のサービスを行うとか、NPBにも引けを取らないイベント・特典が用意されているようだ。この後、北信越BCリーグの優勝チームと、四国アイランドリーグの優勝チームとのチャンピオンシップが開かれるということもあり、そりゃ応援のしがいもあるというものだ。試合中のアナウンスでファンからの応援メッセージが紹介されたのだが、その中に「ワタシを四国に連れてって~」というのもあったし。

P9083405ここで富山サンダーバーズのおさらいをしておくと、鈴木康友監督、横田久則(西武・ロッテから台湾でもプレーした)投手コーチのほかに、チームの顔といえるのが「プレーイングコーチ」という肩書きの宮地克彦選手(写真最右)。若手の指導をする一方で、自身もNPBへの返り咲きを目指すということでがんばっている。打率も3割を悠に超えており、やはりレベルの違いかな・・・?また富山の若手選手では本塁打トップ、打率と打点がリーグ2位の4番・野原を筆頭に、打点トップの5番井野口、そして3割打者が前出の宮地のほかに1番の塚本、3番の草島を擁しており、チーム打率も3割を超えるという強力打線でここまで首位できている。一方の信濃は荻原、大村という好打者はいるが、やはり打線が細いという結果が出ている。

P9083394試合前にはチームのマスコット「ライティー」がグラウンドで愛想を振りまいたり、地元の愛好会によるよさこい踊りが披露される中、一塁側スタンドには緑と黄色のいでたちのファンたちの数が少しずつ増えてきた。選手一人一人に登場時のテーマ曲とか、トランペットこそないが、アカペラと太鼓での応援歌があり、大きな声で声援を送る。片や信濃応援団も赤い格好の人たちがそれなりに詰め掛けている。そういえば駐車場に長野や松本ナンバーのクルマも結構停まっていたな。

P9083408さて試合開始。富山の先発は右腕の萩原、信濃は給前。萩原が小柄な体から飄々と投げるのに対し、給前は剛球タイプと見える。

P9083409で、初回の攻防。萩原が信濃打線から2三振を奪ったのに対し、給前はいいボールも来るのだが初回だけで2四球。その後も、萩原がきっちり抑えるのに対し、給前が毎回の四球を出しながらも富山の拙攻に助けられ得点を許さないという接戦。

P9083424 P9083427打率3割が並ぶ草島-野原-井野口-宮地と続く3~6番も、四球は選ぶがヒットが出ない。大声援を送る富山ファンからもため息が出る。スタンドから叱咤の野次が飛ぶが、その昔藤井寺球場でばかり観戦していた私にとっては実にのんびりとした野次に聞こえる。これも地域柄というか、やはり富山の人はそんなえげつないことは言わないのだろう(河内のほうが普通より下品なだけなのかもしれないが・・・)。

P9083428試合が動いたのは4回ウラ。2死から8番廣田が四球を選び、続く9番の大士がセカンド・センター・ライトのちょうど真ん中に落ちるヒットを放つ。信濃の連携プレーが乱れる間に、一塁ランナーの廣田が一気にホームイン。これで先制。続く5回ウラも2安打と四球で満塁のチャンスを迎えるが得点に結びつかず、投手戦である。ちなみに信濃先発の給前はこの回までで被安打5は仕方ないとして、7四球はいただけなかった。

P90834335回ウラ終了後には、「ライティー」と一緒にグラウンドで「YMCA」を踊るというイベント。子どものためのイベントなのだろうが「どなたでも参加できます」とあって、応援団のメンバーも踊ったり、中には子どもを連れているフリをしてグラウンドに入り、もっぱら選手の写真ばかり撮るという客もいたり・・・。

P9083436富山先発の萩原は回を追うごとに調子を上げ、だんだんと打球が前に飛ばなくなってきた。一方、信濃2人目は長身の涌島。ここまでチーム最多の8勝を挙げた先発要員で、信濃ファンからは「贅沢なリレー」という声もあった。投げ下ろす速球で三振を奪い、宮地との勝負でも大きな当たりを許したが、最後は球威が勝ったかスタンドインを許さなかった。

P9083444駄目押し点は8回ウラの富山。8番廣田が二塁打、9番大士の内野ゴロの間にランナー三塁と進み、1番塚本がこの日3本目の安打をヘッドスライディングで決める。これで2対0。クリーンアップの豪快な当たりもよいが、切り込み隊長がバンバン塁に出るのも見ていて面白い。

P9083457こうなると試合の行方は決まったもので、9回も萩原が信濃打線を3人で片付ける。何と2安打完封達成。特に終盤の投球にはうなるものがあり、7回から9回までの9つのアウトのうち、投ゴロが5個(うち1個はバットをへし折った)、二ゴロ2個、一ゴロ1個というもの。試合後のヒーローインタビューで鈴木監督、横田コーチが「投手陣に故障者が多い中、後半になって安定した投球をしてくれている。これまでメンタル面が今ひとつだったが、だんだん成長している」というお褒めの言葉。最後は萩原自身の言葉で締めるところ、思いっきり噛んでいた。このへんはまだ「客の前で話をする」ということに慣れていない、初々しいものだろうな。観客からも温かい笑いが起きていた。

P9083460で、試合後の場外。人だかりができている。毎試合そうなのか、ホームで勝った試合限定なのか、選手が総出でサイン会を行っている。NPBでは絶対にありえない光景だし、北信越BCリーグのサインなぞ現地でなければまず入手できないだろうから、慌てて売店のワゴンで無地のサインボールを買い求め(ペンは選手が用意しているようだ)、人ごみの中へ。鈴木監督に宮地、野原選手は特設ブース(といっても普通の長机だが)で、その他の選手は一列に並んで受け付けるというもの。

P9083463まずは地元記者からインタビュー中の鈴木監督。優勝に向けての一戦で快勝したとあって口も滑らかに、記者の質問に答えながらペンも滑らかにサインする。鈴木監督、先日CDデビューを果たしたとか。富山在住の筋ジストロフィーと長年闘っている男性の作詞に、元アラジン(完全無欠のロックンローラーですな)の高原兄(大阪のバラエティで出ていて、そういえば富山出身だったな)の作曲によるバラード。

P9083462続いて、宮地選手。やはり近くで見ると、プロ野球選手としては小柄なんだけど他の選手と違って一回「できあがっている」というか、NPBに長くいただけに醸し出すものが違うな、という感じ。若い選手のチャレンジの場というリーグだが、こういうベテラン選手と一緒にプレーしたことが、敵味方問わず若い人たちの大きな力になるのだろう。

P9083464このほか、横田コーチ、切り込み隊長の塚本選手などのサインをいただき、私も「にわか富山ファン」になった心持で、アルペンスタジアムを後にする。リーグ戦も終盤、このまま富山が逃げ切るか、そして四国リーグの覇者(今のところ、香川が前後期制覇しそうな勢い)との対戦に打ち勝つか、(オリックス・バファローズのプレーオフ進出の可能性がほぼなくなっただけに)注目したいものである。

帰りも東富山の駅まで歩き(帰宅後にネットで調べたら、富山駅からスタジアムにほど近いところまで路線バスが出ていたらしい・・・本数は別にして)、富山駅まで電車で移動。この日は富山で宿泊。軽く飲みに外に出たが、昨年までにはなかった「サンダーバーズ」の幟やらポスターが店頭に掲げられているのを多く見かける。サッカーJリーグのような規模での「街全体のサポート」というのに比べればごくごく小さなものだろうが、それでも新しい「街のシンボル」が生まれ、少しずつ根を張りつつあるのは確か。この日の観衆は2800人あまり。開幕戦は6000人の客を集めたというから少なくなっているが、四国リーグの平均が1000人台そこそこというし、いや一昔前のパ・リーグの球場なんぞは実際の観客人数はもっと少なかったぞということを思えば、この数はまずまずではないか。

P9083387よく、アメリカの3Aとか、ルーキーリーグの野球の雰囲気がいい、という声を耳にするが、日本の独立リーグだって、それに結構近いものがあるのではないだろうか。大陸に渡る時間もカネもない野球好きとか、日本のプロ野球ってつまらないねという向きも、一度北信越BCリーグや四国アイランドリーグを観戦してみてはいかがだろうか・・・?

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北陸路へ

2007年09月09日 | 旅行記D・東海北陸

「福井鉄道で貸切電車を運転するので、乗りにきませんか」

こんなお誘いを受けた。旅行サークル「LFC」のメンバーKさんならびにHさんのお言葉である。同サークルが今年設立20周年を迎えるということで、その記念イベントとして、福井鉄道に走る元名鉄美濃町線の車両を借り切って、全線走破するというものである。

P9093507_1私は同サークルの会員というわけではないが、お二人とは以前別のサークルでご一緒していた関係があり、列車を借り切るということで大勢の参加者で賑やかに行こうということでのお誘いである。最初は部外者がイベントにおじゃまするのもどうかな・・・という気持ちがあり、返事をしばらく保留していたのだが、たまにはそういう体験もよいかなということで参加することにした。

東京から福井(集合は福井鉄道・武生新駅)に行くとなれば東海道新幹線で米原まで行き、北陸線を北上することになるのだが、どうせなら行き帰りで変化をつけたい。であれば東海道新幹線は帰りに乗ることにして、往路は上越側から入ろうか。新潟県中越沖地震の影響で信越線は全通していないので、北越急行経由とする。

このコースで行くと富山を通ることになるが、ちょうどこの日、「北信越BCリーグ」の富山サンダーバーズの試合が、富山アルペンスタジアムで行われるのを見つけた。北信越BCリーグ観戦と、福井鉄道貸切電車というダブルメインの旅となる。まあ、北信越BCリーグの試合があるから富山に行き、そこから福井まで足を伸ばすというふうにも見える。

P9083371ということで、東京から200系使用の「たにがわ」と「とき」を乗り継いで、いざ北陸に向けて出発。台風は関東から過ぎ去ったものの、まだ秋雨前線も残っているとかで「台風一過」の好天とはならなかった。どんよりした感じのまま、越後湯沢で「はくたか」に乗り換え、北越急行の人となる。沿線は魚沼産コシヒカリの産地で、実りをつけそろそろ収穫期にさしかかった稲穂が車窓を埋め尽くす。黄金色の景色に、秋の訪れが近いことを感じる。ただ、北越急行は上越新幹線と北陸方面のバイパス路線として建設された路線であり、トンネルが多く踏切がない「ミニ新幹線」のようなもの。その線路を「はくたか」は猛スピードでぶっ飛ばす。もう、稲穂か、トンネルしか見えないといった感じで、直江津まであっという間だ。

P9083380富山まで行くのであればこのまま「はくたか」に乗ればいいのだが、直江津からは各駅停車の旅とする。やはり、今は数少なくなった国鉄型車両に乗れるチャンスがあれば乗っておきたいところだ。富山アルペンスタジアムへは、富山の一つ手前の東富山が最寄り駅ということもあり、到着も程よい時間帯だ。で、ホームに降りて富山行きの車両を見ると、寝台電車改造の419系。よしよし、これでゆったりと動くことができる。青春18の客らしい姿も見かけるが全体に乗客もまばらで、ゆったりシートに身を落として日本海に沿って走る。天候がいまひとつで、波も高いせいか海水浴場にも人影はない。そろそろ夏の終わり・・・かなと感じさせる。

P9083382東富山着。北信越BCリーグのHPでは、アルペンスタジアムまで徒歩15分とある。駅から田んぼを挟んだ向こうにスタジアムの建物も見えるが、うーん、15分で歩くというのはちょいと無理ではないか。直線距離ならそんなもんだろうが、駅の出口というのがスタジアムとは反対側にあり、線路の向こうに出るだけでも大回りしないといけないのだ。リーグの関係者は地図の直線距離だけ見て、実際には歩いていないのではないだろうか。まあ、クルマで行くのが前提だと言われればそれまでのこと、東富山駅で降りた人の中に、アルペンスタジアムに行くとおぼしき客の姿はなかった。

P9083386「遠くて近きは男女の仲、近くて遠きは田舎の道、だけど男女の仲も田舎の道もオレにとっては遠いなあ・・・」などと一人ごちながら田んぼの中を歩くこと25分。稲穂の向こうにそびえるアルペンスタジアムにたどり着く。なかなか立派なつくりであり、NPBの公式戦も開催される(96年にはオールスター戦も開かれた)北陸最大のスタジアムだ。晴れていればスタンドから立山連峰が見えるというが、この日は空全体を雲が覆っており、絵になる風景を見ることはできなかった。

さて、初めてのアルペンスタジアムに足を踏み入れることにする・・・・。

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軍事遺産を歩く

2007年09月05日 | ブログ

「近代化遺産」という言葉がある。主に古い校舎、駅、鉄橋、工場、倉庫、住宅、鉱山・・・など、明治以降の日本の近代化に貢献した、あるいは近代化を象徴する建造物であり、最近ではこれらを観光する「ヘリテージング」というものも広まってきている。かくいう私も、こういう近代化遺産を目当てに立ち寄ったり旅行のコースを組んだりすることもあるから、大いに興味ある分野である。

51knr7v10dl_1  ここに『軍事遺産を歩く』(竹内正浩著、ちくま文庫)という一冊の本がある。軍事遺産・・・・砲台、トーチカ、管制塔、掩体壕、軍需工場、要塞跡・・・と何やらものものしいスポットの写真が次々に現れる。

軍事遺産というと平和主義者の方は拒否反応を起こすかもしれないが、日本が近代国家として成長したのに軍事のかかわりが強かったのも事実である。著者が述べていることだが、例えば鉄道が日本中に敷かれたのだって、有事の際の人員・物資の大量輸送という軍事的側面もあったという。

ただ、どうしても平和的な建造物に比べて軍事遺産というのはマイナスイメージがぬぐえないことから、その多くはひっそりと草むらに覆われていたり、今は別の建物に生まれ変わったりしている。この書籍にも多くの軍事遺産スポットが登場するが、観光地として世間でも知られているのはごくわずか。仮にその町に行けたとしても、「あえて、現地のデータは掲載しなかた。危険だからである。それから私有地の立ち入りという問題もある。どうしても見てみたい場合は、文献を探ってみることをおすすめする」(あとがきより)というもので、それだけに著者が入念に歴史を調べ、丹念に「発掘」したという思いが伝わってくる。

戦争の歴史というと、広島や長崎の被爆体験を語り継ごうという動きが強いが、近代国家として、そして軍事国家として「ごく普通に軍隊とともに」生きてきた人たちのありのままの歴史というのが正しく語られていないように思っていた。その中で、これらの物静かな軍事遺産があり、そしてその遺産を歩くという一冊というのは、大いに勉強になるものだ。

私も手近なところから探してみようかな・・・・。

※紀行文の合間にコラムが挿入されているが、その一つに「記憶から記録へ」というのがある。戦争体験を後世に伝えることについて、「その通り!」と感じさせられた・・・。

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辞任とか就任とかいう話題が多いですな

2007年09月04日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

何だかこのところ「辞任」「就任」「疑惑」というのが世間を騒がしていますな。

遠藤農水相が補助金の不正受給で辞任をしたのに続き、神奈川の小林参議院議員が選挙違反の連座で辞任(後任は公明党の松あきら氏)、その一方では民主党の横峯キャディーの愛人疑惑とか、姫井議員の不倫騒動とか、どうしてこう、二大政党がお互いの足元をすくわれるようなことばかりしているのだろうか。

まあ、自民党のほうは「政治とカネ」の問題で議席を減らしたのでいたし方ないが、民主党がいかんわな。こういうことをしていると「結局民主党のあの躍進は何だったのか。所詮は、わけのわからん連中の寄せ集め政党やな」と思わざるを得ない。彼らのほうこそ、偽善者ぶって票を集めて政権をのっとろうとする不逞の輩の集まりではないか??

・・・・それはさておき、夕刊フジの記事にこういうのがあったようだ。

「オリックスの観客動員低迷打開に清原監督、そしてローズ打撃コーチ就任」というもの。その記事では、来季は清原DH、ローズは一塁兼外野手で働いた後に、2年後には揃って監督&打撃コーチで組閣というものだ。

それぐらいのサプライズがないと客が呼べないというものだが、うーん、どうだろうか。

でもまあ、ローズの打撃コーチはありかな。少なくとも、ブライアントの打撃コーチよりはいい指導ができるだろう。ただ、「清原監督」というのはあるのかな。本人にその気があるなら話は別だが、あまり指導者向けではないのではないだろうか。夕刊フジも、そうとでも書かないと読者が乗ってこないからそう書いているのかな? 人気選手を監督に据えれば客が来るという時代でもないと思う。人気選手でも実績を挙げる人物でないと、監督として客は呼べない。

コリンズ監督の続投が決まったようなので次の監督の話はしばらくお預けだが、順当に行けば大石大二郎ヘッドコーチの昇格、でいいのかな。個人的には、中日の監督を努めた背番号17の「あの」サブマリンエースが、このチームに「帰ってくる」日を期待しているのだけど・・・・。

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