まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第26回中国四十九薬師めぐり~東浜駅と浦富海岸

2023年06月28日 | 中国四十九薬師

中国四十九薬師めぐりは第47番・東源寺まで回り、朱印がいただけなかったので翌日にもう一度訪ねるとして、この後は宿泊地の鳥取駅前に戻る。その前に「山陰ジオパーク」に属する浦富海岸に立ち寄ろうと、岩井温泉からそのまま北上して山を一つ越える。

目指すのは山陰線の東浜駅。山陰線で鳥取県の東端の駅で、隣の居組駅は兵庫県に入る。東浜に停車する列車は兵庫県の浜坂発着だが、JR西日本の福知山と山陰の支社の境界にあたる、つまりは近畿と中国地方の境界に位置することから、災害時の列車運行情報が出る際には「豊岡~東浜間運転見合わせ」「鳥取~東浜間運転見合わせ」といった具合に表示される。実際は「豊岡~鳥取間運転見合わせ」で、現地に行けばそうした案内になるのだが、地域単位、支社単位の視点だとこうした発表になることがある。

これまで山陰線の列車で通ったことはあるが、駅そのものを目的として、また外から出かけるのは初めてである。北近畿と山陰の境界駅はどんなところか。確か駅から近いところに海岸があったはずだ。

駅前の集落をたどり、駅舎に到着。すると何とも開放的な新しい建物が現れた。

もちろん無人駅なのだが、待合室はガラス張り、そして改札口のゲートの天井は鏡張りになっている。ここに立つと集落の向こうに海岸線を見ることができる。天井を鏡張りにしたのは周囲の景色と一体になれる感じを出すためだとか。

また、緑色に塗られた丸型ポストが建つ。この緑色といえば・・。

JR西日本がクルーズ列車「トワイライトエクスプレス瑞風」の運転を開始したのは2017年のこと。そのコースに浦富海岸が含まれることとなり、東浜駅が「瑞風」の立ち寄り駅となった。これに合わせて駅舎も建て替えられ、「瑞風」カラーのポストも置かれた。なお、この駅舎をデザインしたのは、「瑞風」を担当したインテリアデザイナーの浦一也氏。

駅から民宿、民家を抜けたすぐのところに砂浜が広がっている。東浜海水浴場で、浦富海岸の中でも水質が優れているという。こちらの海岸も「瑞風」の運転に合わせて遊歩道が整備されるとともに、海の見えるレストランも地元の人たちによって新たに開業している。また大波等で海岸がえぐられ、だんだん後退するのを防ぐために、壁となる「サンドパック」を設置する工事が進められている。砂浜もところどころ固められているのがわかる。

空には薄雲が張っていて青空は望めないが、風も心地よい。他に人もおらず、しばし一人波と対峙する。もう少し季節が進むと多くの人たちで賑わうことだろう。浦富海岸、山陰ジオパークといえばゴツゴツした岩や複雑な海岸線をイメージするのだが、こうした白砂もあるとは知らなかった。よく、「瑞風」をここに停めようと目をつけたものである。

駅を後にして、国道178号線に出る。次に立ち寄ったのは浦富海岸で、こちらも海水浴場である。この辺りから西が「山陰松島」と称される島や奇岩が続く一帯である。

この日は移動の関係で海沿いの道をレンタカーで走っただけだが、できることならこの景色は遊覧船に乗って海から眺めたほうが迫力あるし、「ジオパーク」を感じることができただろう。札所めぐりの一部は次回にまわして、今回は浦富海岸あたりに1泊しながらジオパーク見学というプランも考えたこともあったが・・。

このまま国道9号線バイパスまで出て鳥取市街に戻る。この日の宿泊は駅前の「鳥取グリーンホテルモーリス」。以前にも泊まったことがあり、(大浴場は天然温泉ではないが)居心地がよいところ。広めのシングルルームにてゆったり過ごす・・・。

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