まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

西国三十三所 第17回先達研修会

2023年10月31日 | 西国三十三所

このブログでは札所めぐり、乗り鉄、野球観戦といったところを主に書いているのだが、この10月もいろいろなことがありすぎて記事が渋滞しているところである。時系列でもっとも先なのは10月8日~9日に滋賀に出向いた神仏霊場巡拝の道だが、8日の終了時点で止まったままである。そして、前の記事では28日の日本シリーズ第1戦の観戦記が先に来る形となった。

ただ、流れからすれば翌29日に参加した「西国三十三所 第17回先達研修会」について書いたほうがスムーズだろう。

新大阪駅近くの東横インに投宿し、翌朝目が覚めるとラグビーワールドカップの決勝戦をやっていたので途中からながら画面に食い入る。南アフリカ対ニュージーランド。12対11という大接戦で、最後のワンプレーまでわからなかった激戦。意外にも、両国代表の中でも日本のラグビー、リーグワンでプレーしている選手も何人かいるとのこと。また、日本でのラグビー人気も盛り上がることだろう。

朝食サービスを利用。東横インということで主食はおにぎりが中心、おかずもシンプルなのだが、おにぎりは6種の味付けがあり、白ご飯もあった(こちらは出汁茶漬けでの食べ方が推奨されていた)。また、通常の味噌汁に加えて「肉吸い」もある。「肉吸い」は今や広島のセブンイレブンでも購入できる一品となっており、,私もたまにご飯のおともにセブンの肉吸いをいただいている。

「先達研修会」が行われるのは梅田の新阪急ホテル。10時半開始ということもあり、朝食後もしばらく部屋でゆっくりする。

そして梅田に向かう。この日は「先達研修会」だけを目的として、終わればそのまま新大阪に戻って新幹線で広島に帰り、日本シリーズの第2戦をNHKーBSで桟敷観戦する予定だ。なお、先達研修会の案内は8月に来ており、日本シリーズ観戦は後から決まったこと。もし第1戦のチケットが取れていなければ、前日28日はこれも早くから決まっていた広島での大相撲巡業を観戦して、夜は日本シリーズをテレビ桟敷で観戦。29日の早朝に広島から大阪に移動していたところである。

さて新阪急ホテルの紫の間に着くと、すでに多くの先達が待機している。橙色の先達用輪袈裟は必須だが、背中に「南無観世音菩薩」の文字があしらわれた笈摺姿の方も結構多い。この「先達研修会」、私も西国三十三所の先達に補任されてから2回参加したことがあるが、一種の「ファン感謝デー」のようなものという印象がある。また、コロナ禍のために対面、集会形式での開催は2019年以来4年ぶりということで、集まった先達たちも気合いが入っているように見受けられた。

案内があり入場。以前来た時は、向かい合わせのテーブルが何列も並んでいたのだが、今回は10人掛けの円卓である。長机方式、円卓方式どちらが収容人数が多いのかはわからないが・・。

前回2019年の対面、集合形式の研修会以降、私はおかげさまで先達としての2巡を達成して(通算3巡)、「中先達」に昇補されたのだが、周りを見渡すと「大先達」、「特任先達」など、輪袈裟や名札に違いがある方がずらり並ぶ。その筋の方々が円卓を囲み、私などは恐縮するばかりである。

受付で配布された資料の一つに「先達各位構成現況報告」というのがあり、現在有効の先達合計は15493名とある。私が属する中先達はこのうち1224名。次に目指す大先達は1204名とある。もっとも、これらはまだかわいいもので、その先の「特任」がつくレベルとなると人数がぐっと絞られる。面倒なので、何回巡拝を達成したら昇補するのかは書かないが、新たに設けられた階級で、これになるには天文学的な巡拝回数になるなと思っていた「喜達特任大先達」、「真達特任大先達」、「普明特任大先達」、「妙寿特任大先達」についてもしっかり昇補される方がいるのは驚きだ。

「NO SAIGOKU33, NO LIFE」・・・。

ふと、そんな言葉を思い浮かべる。

さて挨拶の後、御法楽として、西国三十三所の勤行次第を元に参加者全員でのお勤めである。その前に札所での作法を掃海した映像が流れ(ロケ地は第15番・今熊野観音寺)、時間が限られるとして開経偈、般若心経、延命十句観音経と進む。

途中で、「西国三十三所巡礼和讃」が詠われる。こういうのがあるとは知らなかった。和讃の譜面も資料についていたが、独特の線や矢印がついたものの読み方がわからない。ただ周りでは当たり前のように節回しをしており、さすがはその筋のプロの集まりである。

続いては特別講演が2つ。まずは、第24番・中山寺の山主・今井浄圓猊下による「西国三十三所巡礼とは何か」というテーマ。資料の中に14ページにわたるレジュメがあり、長いものの読みやすくまとめられている。「普段学生に配っている資料のようで・・」「内容は90分ものですが、今日いただいた時間が30分というので、それに合わせてお話しします」というのは、弘法大師空海の流れを汲む種智院大学の特任教授を務めていて、人前で話す機会が多いこともあるようだ。

冒頭のつかみで、「昨日は阪神タイガースが勝ちまして・・」と話したのに会場から爆笑が起こったが・・・私には笑えなかった。どうやら、私が日本シリーズ第1戦の直前、西宮神社や廣田神社を避けたつもりで中山寺を参詣したことじたい、タイガースを利する行為だったのでは?というのに初めて気づいた(あくまで、個人の感想です)。

講演の内容としては、西国三十三所巡礼の成り立ち、巡礼という行為の定義付けに関するもので、ナントカ特任大先達の方にとっては何を今更という退屈な時間だっただろうが、コンパクトにまとめられていてわかりやすかった。

続いて登壇したのは、日本サンティアゴ友の会理事長の金塚多佳子氏による「サンティアゴ巡礼について」。サンティアゴ巡礼とは、スペイン北部にある聖ヤコブの殉教の地を目指す巡礼で数百年の歴史を有するそうだが、実は2023年、いにしえの巡礼路として西国三十三所とサンティアゴ巡礼が友好提携を結んだ。このことは先日、神仏霊場巡拝の道で観音正寺を訪ねた時に初めて知ったことで、この友好提携には西国三十三所を代表して観音正寺が尽力したという。

パワーポイントを用いての講演だったが、時間が限られていることもあってか早口で、またスライドも文字が多くて追いかけるのが大変。手元資料もないぶん(一応、先ほどの今井猊下のレジュメでは紹介されていたので概略はこれでカバーできたのだが)、年配の方が多いその筋に人たちにはちょっとしんどかったようで、あちこちで私語も起こっていた。

続いては、特任大先達の昇補状の伝達式。特任大先達以上は先達全体でみても上位1~2%しかおらず、昇補は実に晴れ舞台、殿上人といっていいだろう。この日出席の10名ほどの方一人一人に昇補状が手渡され、記念撮影である。

この後は記念品の贈呈。当日の参加状を抽選箱に入れての抽選だが、なかなか当たるものではない。当選した方は舞台にて記念品を受け取るのだが、中にはまだ小学生かという子どもも登壇していた。親御さんにくっついて一緒に朱印を受けたものと思われるが、その歳で先達・・・はたして意味を理解しているのかなと思う。これもある意味、一時世間で取り上げられていた「宗教2世」かな。まあ、悪い意味でないことを願うのだが・・・?

・・・いかんな、どうも。前日の日本シリーズ第1戦からの嫌な心持ちが続いているようで、ボヤきが続いている。真言宗でいうところの「十善戒」に反してばかりだ。

一口法話では、観音正寺の岡村山主が登壇。法話というよりは、西国三十三所とサンティアゴ巡礼が友好提携を結んだことを背景に、日本遺産でもある西国三十三所のよさをSNS等を使ってもっと発信してほしいというものだった。観音正寺ではサンティアゴ巡礼との友好提携に尽力した札所の一つで、先日もスペインを表敬訪問したり、インテックス大阪で開催の「ツーリズムEXPOジャパン」にて西国三十三所のPRを行った様子をSNSで紹介しているのだが、そうしたツールを活用してもっと広めてほしいという。まあ、私にできるのはこのブログに書くことくらいなのだが・・。

続いての事務連絡は、先達会の事務局がある紀三井寺から「西国巡礼 先達心得五箇条」の動画紹介。「喜び」、「知る」、「誘う」、「鑑に」、「輝く」というもので、巡礼できることに感謝し、西国の歴史についても知ってこれを人に伝え、一人でも多く西国巡礼で観音菩薩とのご縁を結ぶことで、自らも良き人生を歩んでほしい・・というもの。

最後は、華厳寺の副住職による締めの挨拶。何だか今回は、これまで参加した先達研修会とは様子が違い(過去参加した時の講演の内容が、人生について考えさせるようなものが続いていたように思うので)、「巡礼とは」とか「先達の心得」という内容が中心だった。それが研修会本来の意義といえばそうなのだが、対面、集会形式が4年ぶりで、その間に新たに先達に補任された方もそれなりにいたことでこうした構成になったのかもしれない。

かくいう私、じゃあ先達としてそれらしい立ち居振る舞いができているのか?と尋ねられれば・・・ごめんなさいするしかないかも。その意味では、これからも都合がつけば研修会に参加して、刺激と教えをいただきたいものである・・。

この後は新阪急ホテルの弁当が出るのだが、今回は辞退してそのまま帰途についた。

さて帰宅後、日本シリーズの第2戦である。宮城の好投、打線の奮起もあり8対0として1勝1敗とタイに持ち込む。

そして場所を甲子園に移した第3戦も大接戦。一時はバファローズがリードを広げたものの、タイガースもしぶとく食い下がる。

そして9回裏・・・・いや、ヒヤヒヤしたぞ!!

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日本シリーズ観戦記・バファローズ対タイガース第1戦(試合内容は最悪だったが・・)

2023年10月31日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

10月28日の日本シリーズ第1戦。やはり注目の1戦ということで、双方のスタンドには多くの有名人(特にタイガースファン)も訪ねたとのこと。早速、レフトスタンドから応援団の大歓声が響く。パ・リーグ各チームとの対戦、相手チームの声援も結構大きいのだがこの球場の特徴で、特にマリーンズファンの熱さはアウェイ冠を感じさせないのだが、やはりタイガースは物量が違う。

公式戦では打順はほぼ固定のタイガースと、その日の状況により打順が入れ替わるバファローズという対照的なオーダー。「全員で勝つ!!」といういつものアナウンスも流れるのだが、この日はいつも以上に気合が入っていたのか、いつもは澄んだ声なのだが「全員で『ガヅ』!!」というダミ声に聞こえた。ちょっと気負っているようにも感じられる。

バファローズ先発の山本、まずはタイガースのカギを握る1・2番を迎える。先頭の近本を打ち取ったが、中野はフルカウントからレフト前ヒットで早くもレフト側が盛り上がる。続く森下のところで中野がスタートを切る。結局森下は見逃し三振、中野もタッチアウトで結果的には三者凡退となったが、今思えば、この試合タイガースとしては山本相手に少ないチャンスで何とか揺さぶろうという意図が最初から出ていたようだ。

さて1回裏。私が観戦した位置からライト側応援団はちょうど斜め下である。普段は内野グラウンド側からの観戦なので、こうした球場の眺めも久しぶりだ。

マウンドにはタイガースの村上。今季が実質デビューの年で10勝。おそらくセ・リーグの新人王に選出されるだろう。ところで、セ・リーグのMVPとなるとどうだろうか。パ・リーグは投手4冠の山本が確実と思うが、セ優勝のタイガースの場合、投打の絶対的な存在というのはいなかったように思う。ある意味、タイガースも「全員で勝つ!」を達成したといえるが、この村上も候補の一人だろう。

バファローズは杉本の故障もあってか、第1戦に池田を抜擢。フルカウントまで粘るもまずは凡退。続く宗、中川も凡退して両先発がまずは上々の立ち上がり。

2回、3回は山本、村上が一人のランナーも出さず、本格的な投手戦の様相を呈してきた。

4回表、先頭の近本がショートへの内野安打で出塁。続く中野の当たりを中川がファンブルして無死一・二塁となる。そうなるとレフト、三塁側からの応援の圧力が強くなる。

この試合両チーム通して初めての得点機。ただ山本が踏ん張り、森下を併殺に打ち取る。そして4番・大山を見逃し三振として、何とかピンチを脱する。

しかし5回表、先頭の佐藤がヒットで出塁。ここで初球から盗塁を仕掛けてきた。この試合のポイントとして複数の評論家が挙げていたのが、この佐藤の盗塁。やはり初回から山本に揺さぶりをかけようという作戦だ。

次のノイジーは倒れたが、タッチアップで一死三塁。ここで、DHでスタメンの渡邉がタイムリーを放ち、タイガースが1点先制。レフトスタンドから六甲おろしが流れる。

続く木浪にもヒットが出て一死一・二塁。ここでいったんマウンドに内野陣が集まる。続く坂本は送りバントを試みるが、フライとなり山本が捕球して二死とする。スタンドで観る分には「バント失敗、これで二死」と思ったのだが、この場面の対応は評論家、ファンの間では賛否あったようだ。フライをあえてとらず三塁なり二塁なりに送球すれば併殺が取れたのではないかというものだ。

ここで先頭の近本に戻り、レフトへのタイムリー。これで2人が生還し、近本は三塁へ。3対0とリードを広げられる。続く中野もヒットで続き、4対0となる。これは苦しい展開だ。

5回裏、先頭の森がライトへの大きな飛球。これがドームのリングに入ったようで、グラウンドルールによりエンタイトルの二塁打となった。ともかくバファローズとしてこの試合初めての出塁で、これから反撃というところだが、続く頓宮が見逃し三振に倒れる。

紅林が四球でつなぎ、ゴンザレスは惜しい当たりも含めてファウルで粘るが凡退。若月も倒れて結局無得点。ここで1点でも2点でも返せれば展開も変わったのかもしれないが、村上の投球がすばらしかったというしかない。

早くも試合は6回表。先頭の大山が四球で出塁。その後ノイジーのヒットなどで二死一・三塁となり、木浪がレフトへのタイムリーを放つ。これで5対0。続く坂本にもヒットが出て6対0・・・。

・・・申し訳ないが、試合途中、イニング途中だったが、「何やねん!」という気持ちで私はここで席を立った。いや、これからチームの逆転を願うのがファンというものだし、現地観戦したくともチケットが入手できなかった方たちには申し訳ない行為なのだが・・・。通路から出口に向かうところで、「バファローズのピッチャー、山本由伸に替わりまして、山田」というアナウンスが聞こえた。

ひょっとしたら山本としては日本最後の登板になるかもしれないこの試合。最後がこんな惨敗でええんか?という思いを持ちながら、ドームを後にした。

結局この第1戦、山本の後を受けて登板した山田も中野のタイムリーで7対0(失点は山本につく)、9回にも1点を許し、8対0でタイガースが圧勝。打線も森の二塁打のほかは野口の1安打のみと、三塁すら踏むことができなかった。まあ、これ以上六甲おろしや、最後の「あと一人」コールを聴くことなくドームを後にしたのは、個人的には精神衛生上よかったかもしれない。

この夜は新大阪に移動し、東横イン新大阪中央口新館にチェックイン。もうスポーツニュースを見ることもなく(見たくもなく)、そのままシャワーを浴びて横になる。

新大阪泊としたのは、翌日新阪急ホテルで行われる「西国三十三所先達研修会」出席のため。これに備えて前日は神仏霊場めぐりもかねて西国24番・中山寺でバファローズの必勝を祈願したのだが、観音様もひどいことをしてくれるものだ・・・。

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日本シリーズ観戦記・バファローズ対タイガース第1戦(試合開始まで独特の雰囲気を楽しむ・・)

2023年10月30日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

10月28日から始まった日本シリーズ。バファローズ対タイガースの「関西対決」、「阪神なんば線シリーズ」ということで、関西マスゴミはさぞ大盛り上がりだろうが(もっともタイガース偏向だろうが)、他の地域はどうだろうか。バファローズファンはともかく、タイガースファンは広島も含めて全国にいるからそれなりに注目されているようだ。

その第1戦を京セラドーム大阪にて観戦したのだが、結果だけ書けば8対0とタイガースの圧勝。その時は怒って「タイガース日本一おめでとう!!」などという記事までアップしたのだが、翌29日の第2戦では逆にバファローズが8対0と快勝。勝ち星も合計スコアも同じという珍しい展開となり、全くの五分である。これで31日からの甲子園での試合となる。もっとも月末月初ということで仕事が忙しい時期と重なっており、テレビ桟敷での観戦も難しそうだが、甲子園でどちらかが3連勝して決まるとは思わず、4日からの第6戦にはもつれると予想される。ただここまで来ればやはりバファローズに日本一になってほしい。

第1戦は結果だけ見れば今季現地観戦では最悪の試合だったが、せっかくの日本シリーズなので改めて観戦記としよう。

28日、広島を朝に出発して大阪入り。試合はナイトゲーム、夕方に京セラドーム大阪に向かうとしてそれまでの時間で神仏霊場めぐりとする。前回のあみだくじで出たのは兵庫2番・西宮神社。近くにある兵庫3番・廣田神社との組み合わせで巡拝するのが適当だが、いずれも「阪神」「タイガース」と関係深いところで、チームも必勝祈願に訪れるところである。普段ならともかく、日本シリーズ初戦のその日にバファローズファンが行くべきところではない。

・・・ということで、西宮神社に行く前段の扱いで、阪急沿線にある兵庫15番・中山寺と兵庫14番・清荒神に参詣してバファローズの必勝を祈願したのだが、結果的には「阪急阪神」に加担してしまったのかなと、今となっては苦笑するしかない。まあ、第2戦で1勝1敗となったからよかったようなものの・・。

清荒神から宝塚に出て、西宮北口、今津と南下して阪神に乗り換える(ここは、かんべむさし「決戦・日本シリーズ」をイメージ)。そして阪神で尼崎まで出て、阪神なんば線に乗り換え。阪神では「阪神なんば線シリーズ」の記念きっぷを主要駅で発売したところ、連日即完売だという。普段、記念きっぷの類を買うことはあまりないのだが、せっかくなので通販にて申し込んだ。

車両の前面にも日本シリーズのヘッドマークが掲げられている。こういうことができるのも鉄道系のチームならではである。

阪神なんば線に入り、前の職場最寄りの出来島を過ぎ、鉄橋の架け替え工事が進む淀川を渡る。いったんドーム前を通過し、近鉄に入って上本町に行く。ハイハイタウンにて昼食兼一献で日本シリーズに向けて景気をつける。その辺りのことは、神仏霊場巡拝の道の記事として改めて書くことにしよう。

ドーム前で下車。日本シリーズは阪神電車にとって特需、ボーナスということで歓迎ムードが高まる。

試合開始までまだまだ時間があるが、早くも両チームのユニフォーム姿の人で賑わっており、記念撮影の光景も見られる。一方で、「チケット譲ってください」と書かれた段ボールやスケッチブックを手にした人もいる。これも日本シリーズならではだろう。

ここで、今回のチケットについて書いておく。私が入場したのは「バファローズ上段内野1塁」。普段なら「上段内野指定席」とか「内野C指定席」として発売されるのだが、「バファローズ」とわざわざ明記したことに特徴がある。バファローズのホームゲームといえ、数の多いタイガースファンが一塁側、ライト側になだれ込むのは必至で(以前、交流戦でこれをやられてうんざりしたこともある)、一塁側、ライト側にあえて「バファローズ」とつけることで一定の歯止めをかけようとしたという。

ファンクラブ会員の先行抽選予約にあたり、この「バファローズ上段内野1塁」を中心に、他は上段中央やバファローズ上段外野などを選択。合わせて、一般枠のローソンチケット、ぴあ、イープラスの抽選予約を申し込む。その結果、当選したのはファンクラブ会員枠のバファローズ上段内野1塁のみ。2年前のスワローズとの日本シリーズでは、コロナ禍のため座席を間引いての発売だったにもかかわらず複数当選して売買サイトで譲渡したこともあったのだが、さすがタイガース相手、エントリー数も圧倒的に多かったようだ。

この数日、ネットニュースで「転売ヤー」という言葉が目立った。急に都合が悪くなって行けなくなったので泣く泣く譲渡するというのではなく、抽選結果が出てすぐに出品されていることから、観戦よりも売買が目当てなのは明らかなようだ。何度か利用している売買サイトでも定価の数倍というのが並ぶが、それでも出品するとすぐに買い手がつくようで、こうしたルートからの入手も困難だったようだ。それでも現地で観戦したい人が、最後のお願いでドーム前での立ちんぼに打って出たようだが、はたして譲ってくれる人はいたのかな・・?

入口前には、山本由伸になりきった男性が登場(体型を見る限り、山本というよりむしろ山岡に近いかなと)。ユーチューバーなのかコスプレなのか知らないが。そこに、北斗の拳のラオウの出で立ちの男性も加わる。

時間となり入場。

先ほど、バファローズ上段「内野」と書いたが、実際に座ったのはこの位置。完全に「外野」上段席である。京セラドーム大阪の場合、内野席の一部はポールを跨いだ外野エリアまで及んでいて、私が当選したのはポールの少し内側だった。もしここまでボールが飛ぶとすれば、それは特大ホームランである。後から来た客に「ここ、内野で合ってるの?」と訊かれるくらいだったが、そこは座席の背もたれの有無の差とご理解いただくところ。この位置でも最前列、かぶりつきというのはこれまでのご利益としてありがたく着席する。

周りを見るとバファローズのユニフォーム姿が多く、その中にタイガーズのユニフォームがちらほらいる程度。この後タイガースが有利な試合展開となっても、こちら側のタイガースファンはごく普通の拍手歓声で、そこはまだ許容できる範囲だった。そこは、チケット販売の戦略がある程度功を奏したといえる。もっとも、甲子園球場での「逆」は成り立たない話で、バファローズファンがもしそのようなことをしようものならたちまち簀巻きにされて武庫川から泥臭い大阪湾に流されることだろう・・。

タイガースの練習が終わり、バファローズ先発の山本が登場する。

恒例の、徐々に距離を伸ばしながらのキャッチボール。ライトフェンス際からホームベースまでの正確な遠投に拍手が起こる。今季オフでのポスティングシステムによるメジャーリーグ移籍が有力視される中、これが日本でのとりあえずの最終登板になるかもしれない。これまで日本シリーズでの勝利がなく、何とか勝って有終の美を飾ってほしいものだ・・。

バファローズの選手たちがウォーミングアップしている中での開幕セレモニー。バットの原料となるアイダモの植樹。

この後で両チームの入場。まずはタイガースの平田ヘッドコーチを先頭に、コーチ陣、控え選手から一人ずつ名前がコールされ、ライン上に並ぶ。そしてスタメン発表となり、それに合わせての入場である。早速レフト側から三塁側にかけて大きな拍手が起こる。

最後に岡田監督が登場。

バファローズも水本ヘッドコーチを先頭にコーチ、選手が入場。こちらの声援も決して負けていない。とりあえずスタメンに頓宮、紅林が戻って来たのはよかった。こちらも最後に中嶋監督が登場。

そして国歌の演奏。いよいよ、決戦の時を迎える。とはいいつつも、日本シリーズにしては試合前のイベントも淡々と過ぎるようで、そこはシンプルでよかった。

バファローズの先発は山本、タイガースの先発は村上。バファローズはここまで故障者も相次いでおり、1番に池田を起用する布陣。これがどう出るか。

さて、第1戦のプレイボールである・・・。

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阪神タイガース、日本一おめでとう!!

2023年10月28日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

第1戦で決まりました。もう関西マスゴミはどんちゃん騒ぎ。

これでええんやろ?関西人。
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決戦・日本シリーズ

2023年10月27日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

さていよいよ10月28日から日本シリーズである。願うはバファローズの連覇!

個人的には今季こそバファローズ対カープの日本シリーズが実現かと願っていたが、相手はリーグを文句なしに制覇したタイガース。「関西対決」ということで(とはいえ、相変わらず関西マスゴミはタイガース一辺倒なのだろうが)やはり注目度は高い。

かつて、当時の阪急ブレーブスと阪神タイガースの日本シリーズを、両私鉄沿線の住民気質を盛り込んで描いた、かんべむさし作「決戦・日本シリーズ」という短編小説があった。当時、阪急と阪神の線路が阪急今津線でつながっていたことが作品の構想になったのだが、作品が出てからおよそ50年の歳月を経て実現することになり、このキーワードも注目された(もっとも、かんべむさし氏は元々野球の熱心なファンではないとして、これに関する取材はお断りされているとか)。

現在は阪神と(あえて言う)近鉄が「阪神なんば線」でつながっており、このシリーズを「阪神なんば線シリーズ」という向きもある。この線は2009年に開通、私も前の大阪の職場では通勤で日々乗っていた路線。開業当時、就任直後のタイガース・真弓監督がCMで「始動!阪神の新戦力!」と言っていたのを思い出す。

・・・それはさておき、シリーズはどうなるか。そりゃ、圧倒して第5戦までに甲子園でバファローズの胴上げが決まるのが理想だが、そうはいかないだろう。結局第7戦まで行くのではないかと予想する。

とはいえ、第1戦を取ったほうが有利。第1戦はバファローズ山本、タイガース村上という予告先発。ただ、山本は絶対的なエースとはいえ、気になるのが日本シリーズでは未勝利というところ。2021年のシリーズでは2試合で好投も勝ちにはつながらず、2022年ではアクシデントもあり途中降板以降、登板の機会すらなかった。これが変なジンクスにならなければ・・・と願う。

ともかく、第1戦の観戦で広島から出かけることに。せっかくなので西国三十三所・神仏霊場めぐりも組み合わせて、必勝、日本一を祈願しよう・・・・。

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大相撲高松場所を観戦~さまざまなイベントと関取の取組を楽しむ

2023年10月27日 | 旅行記G・四国

10月22日の大相撲高松場所。朝からの公開稽古、幕下以下各段の決勝五人抜、取組と進んできた。中でも決勝五人抜は、三段目ではさぬき市出身の大翔宗、幕下では高松市出身の大喜翔が優勝。こういうのも地方巡業ならではである。

この2人はある意味この高松場所の主役でもあったわけだが、香川県出身の力士となると、現役の関取がいないのも事実。調べてみると、現在は三段目でこの日は出場していなかったが、幕内に1場所上がった天風がいるくらい。少し前だと琴勇輝がいたなあ(画像は、以前に神戸~小豆島~高松のジャンボフェリーに乗船した時にあったパネル)。

ただここで思い出したのが、多度津の海岸寺の山門に立つ力士像。観音寺出身の元大関・琴ヶ濱と、丸亀出身の元関脇・大豪である。金剛力士像の代わりということでなかなかの存在感だったのを思い出した。

・・さて高松場所の土俵はしばしイベント、ショータイムである。

まずは髪結実演として、熱海富士が登場。秋場所で優勝争いを繰り広げたことで人気も急上昇という。観客に手を振る余裕も見せ、床山の手さばきに身を委ねている様子である。力士にとって髪結の時間は、リラックスする時間である一方、集中力を高める時間でもあるという解説がある。本場所でも、本割後の優勝決定戦を前にしていったん髷を結い直す場面がテレビに映ることがある。

この髪結の技能も一朝一夕で身につくものではなく、何年もの修行が必要である。

見事に大銀杏が完成して拍手が起こる。さて九州場所は幕内中位に上がるだろう熱海富士、九州はこの先のステップとなるか真価が問われる場所になる。

続いては相撲甚句。土俵に上がるのは幕下以下の力士たちだが、いずれも美声である。巡業先ごとに後半の歌詞も変わるそうだが、土俵で相撲甚句を披露するのは誰でもいいというわけではなく、やはりそちらの素養がある力士たちが、相撲の稽古とはまた別にトレーニングされているのだろうか。

初切。相撲の禁じ手を面白く、わかりやすく説明するものだが、今や巡業においてお客も楽しみにしているショーである。「これがおもろいんや。よう見ときや」という会話も聞こえる。

これも十分計算され、稽古が積まれた一つの儀式である。力士、行司の呼吸が合って繰り広げられる。

なかなかに芸が細かい。

最後はボクシングのような立ち回りがあり、ぶつかり稽古のように投げ飛ばして決着がつく。

続いては綱締めの実演。横綱照ノ富士の登場に大きな拍手が沸く。このところ休場が続いており、この日も申し合い稽古の土俵には姿を見せなかったが、果たして九州場所での復帰はなるのだろうか。何人もの力士が横綱を囲んで綱をつけていく。巡業とはいえ、横綱がいるのといないのとではやはり大きく違うし、巡業だからこそこうした綱締めも間近に見ることができる。

背中の輪が二つの不知火型の完成。さて、この次に横綱になるのは誰か、現在の3大関の中からか、それとも彼らを追い越して出世する力士が誕生するかわからないが、今の顔ぶれだと雲竜型の綱となる可能性が高そうだ。

そして関取の土俵入りである。本場所とは違い、参加している関取の数も限られていることから、十両、幕内が一緒に土俵に上がる。中には笑顔だったり、観客に手を振ったりと余裕がある。

赤ん坊を抱きかかえて土俵を回るのは琴ノ若。昔から、力士に抱かれた赤ん坊は丈夫に育つと言われており、巡業や神事では見られる場面である。ただこういう場合、どうやって力士に頼むのかな。あらかじめ申し込むのか、それともその場でお願いすれば引き受けてくれるものか。

西方力士の土俵入り。こちらでは玉鷲が赤ん坊を抱きかかえての土俵入りだ。

横綱土俵入り。照ノ富士の土俵入りをナマで見るのは初めて。巡業は途中参加で、相撲を取る稽古は休み休みのようだが、繰り返しになるが九州場所での復帰はなるのだろうか。

しばらくの休憩の後、主催者であるあなぶきグループの代表から挨拶があり、いよいよ関取衆の取組である。まず登場するのは鉄道ファンの行司である木村銀治郎。

時折懸賞金の垂れ幕が回るが、本場所と違い途中の仕切りも1~2回で立ち合いとなる。あっさりとした引き技が少ない代わりに、派手な突っ張りや吊り出し、うっちゃりで見せるのも巡業ならではである。

熱戦だった一つが、豪ノ山対宇良という寝屋川出身同士の取組。最後は豪ノ山が寄り切った。

そして、大関経験者同士の正代対朝乃山。三役復帰が待たれるところだ。こちらも一進一退の攻防を見せ、朝乃山が寄り切り。

翔猿は持ち前の素早い動きで錦木の背中に回り込み、送り出し。

最後はこれより三役。撮影した角度のせいで画像では2人しかいないように見えるが、東からは琴ノ若、大栄翔、霧島。そして西からは若元春、豊昇龍、貴景勝である。巡業の場合、興行ということを考えると上位同士の取組となるため、連日同じような顔合わせになっているのではと思う。

三役、大関の取組だが、なぜか周りでは席を立つ人がポツポツ現れる。私が座っているのは会場の入口から奥のほうなのだが、帰りのクルマの渋滞を気にして早めに出口近くに移動しようということのようだ。また、花道や支度部屋近くに行って、推しの力士との写真、あるいはサインを狙っているのかもしれない。

残り2番となり、来年1月に木村庄之助を襲名予定の式守伊之助が登場。軍配差し違えや、土俵からの転落などで何やかんや言われることが多いのだが、ようやく行司の最高位が埋まることになる。

大栄翔と豊昇龍もなかなかの熱戦の末、大関に軍配が上がる。

結びは霧島対貴景勝。貴景勝の当たりを霧島が受け止め、そのまままわしを取っての寄り切り。

最後の弓取式もせっかくなので自席で見るが、半数以上の人が席を立って出口に向かうところだった。

せっかくなのえ帰りは土俵の近くまで行ってみる。そこはスタッフが周りをぐるり囲んでいる。どさくさに紛れて土俵に上がろうとする人が絶対いるだろうから。仮に巡業とはいえ女性が上がるのは厳禁だろう。

ほとんどの観客はクルマで来ており駐車場も混雑しているが、バス停にも長蛇の列ができている。巡業があるからといって臨時便を出すわけでもなく、定期便にぎゅうぎゅうになって何とか積み残しなく発車する。来た時とは別経由の便のようで、瓦町を経て高松駅に戻るのに50分ほどかかった。

香川に来たのだからと駅前のさぬきうどんをいただき、高松17時10分発の「マリンライナー50号」に乗る。この後岡山に出て、また鈍行乗り継ぎである・・・。

さて、大相撲の秋巡業だが、翌23日は徳島で行われ(先ほど帰りのバス停に向かう途中、早くも一行を乗せたバスが通り過ぎて行った)、その後四国、中国を回り、28日は広島での「安芸場所」が東区スポーツセンターで行われる。実はこの「安芸場所」のチケットも早々と買っていたのだが、ほら、28日からバファローズ対タイガースの日本シリーズ・・・。

私の中では当然、日本シリーズの現地観戦>大相撲巡業であり、また同日の第1戦のチケットも抽選で当たったので、自ずと大阪に移動となる。巡業はまたの機会の楽しみとして・・・。

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大相撲高松場所を観戦~まずは鍛錬の光景を

2023年10月25日 | 旅行記G・四国

10月22日、サンメッセ香川で行われた大相撲高松場所の観戦に出向く(巡業で「観戦」という言い回しがふさわしいのかどうかはともかく)。大相撲の地方巡業を観るのは2018年の総社場所以来2回目。総社の時は価格が安いのと、会場全体を見渡せるかなということで2階のアリーナ席で観戦したのだが、力士がすぐ近くにいる1階エリアには立ち入ることができなかった。サインや記念撮影などの「ふれ合い」も巡業ならではの楽しみである。

土俵上では幕下以下力士による申し合いや、関取へのぶつかり稽古が行われている。

今回香川はすべて同じフロアで、力士との距離も近い。準備中の関取とも接することができる。

土俵上では少しずつ白いまわしの関取衆の姿が増え、やがて申し合い稽古が始まる。2人が一番を取り、勝った力士はそのまま残り、負けた力士は土俵の外に下がるのだが、決着がつくと周りを囲んでいた他の力士たちが「次はオレだ」と手を挙げて、さらには勝った力士に飛びついてアピールする。勝った力士はその中で1人を指名して次の一番を取る。勝ち抜き戦で、勝てば勝つほど番数が増える仕組みである。

巡業のようにさまざまな部屋の力士が一同に会するところで番数をこなすことでレベルアップにもつながる。もっとも、故障箇所のケアやリハビリを優先して巡業を欠席する力士も一定数いて、鍛錬の場でもあり調整の期間でもあり、力士それぞれの向き合い方があるようだ。ちなみに、横綱・照ノ富士はこの日の稽古には姿を見せなかったが、プログラムを見ると綱締め実演と土俵入りには名前が出ている。九州場所の出場を目指しつつ、体tと相談しながらというところのようだ。

力士がぶつかり合う音もよく聞こえ、迫力が伝わってくるが、ちょうど周りの力士が壁になって、中で相撲を取っている両者はよく見えない。また、本場所と違ってフロアの客席に段差がないため、これは全体を通してだが、前方の人が邪魔に感じることも多かった。まあ、これは仕方ないかな。

続いてぶつかり稽古。こちらはあらかじめ組まれているのか、1対1で繰り返される。

この中でインパクトがあったのが、大関・霧島。ぶつかり稽古の相手に指名したのは同じモンゴル出身の十両・玉正鳳。胸を出して玉正鳳に何度もぶつからせる。

そのうち、玉正鳳の息が上がり、苦しそうな表情となるが、霧島はそれでもやめさせようとしない。しまいには、まだまだ来い!とばかりに玉正鳳を張る場面もあった。玉正鳳は秋場所、新入幕手前の十両筆頭で臨んだが大きく負け越し。何とか幕内を狙えという霧島からの叱咤激励かな。

他にも三役、大関によるぶつかり稽古が披露され、部屋の枠を超えてこうした取り組みが見られるのも巡業ならではだ。

これで稽古は終了。次は力士への質問コーナーということで翔猿、宇良、湘南乃海の3力士が土俵に上がる。ファンからさまざまな質問が出て、それぞれ持ち前のトーク力での回答に笑いも起こる。

その時間を利用して昼食とする。相撲絵の包み紙の下には特製幕の内弁当。ちなみに、つまみ・持ち帰りになる一品として、徳島のかつ天や小松島のちくわ、小豆島の醤油せんべいなどもあり、四国土産として持ち帰る。それはそうと、弁当の列を中心に午前中は長い列ができていた。

これから取組が始まる。まずは序二段だが、その前に「序二段決勝五人抜」が行われる。東西から5人ずつの力士が登場。巡業や引退相撲といった花相撲ではよく行われるそうだ。てっきり、先鋒~大将の団体戦かと思って観ていたのだが、1人が5連勝すれば優勝だという。それなら、結構決まるのに時間がかかるのでは?と思っていると、序二段では雷部屋の鷹司が優勝。

この後は序二段の取組。

続いて、三段目の「決勝五人抜」。ここで紹介されたのが地元さぬき市出身、追手風部屋の大翔宗。古くから「江戸の大関より土地の三段目」という言葉にあるように、地位や知名度に関係なく、郷土出身の力士には声援が送られる。

この大翔宗、若手なのかなとスマホで検索すると、年齢は30歳を超えた、どちらかといえばベテランである。それで最高位が三段目というのはさておき、ここでは相手を次々と投げ飛ばし、見事五人抜を達成。大きな拍手が送られた。まあ、地元の巡業だから・・・。ちなみに序二段の鷹司は大阪出身とのこと。

三段目の取組にも力が入る。

さらに、幕下の「決勝五人抜」。ここでは高松市出身、追手風部屋の大喜翔が登場。

となると、興行ということでこの力士が勝ち抜くという展開が読める。そこは期待を裏切らず、見事に五人抜きを達成。こちらはまだ23歳、幕下の中位まで行った経験もあり、関取までもう一息である。

続いて幕下の取組だが、その最初に大喜翔が登場し、またも勝利。朝の幕下以下の力士での申し合いやぶつかり稽古にも出ていたようだし、そして決勝五人抜と取組に出て、稽古としても充実した一日になったのではと思う。

幕下となると関取を目指す有望力士も顔を出すようになり、取組にも力が入る。

ここで朝からの稽古、そして関取を目指す力士たちの実戦が終わり、この先は巡業らしいショータイムの一時となる・・・。

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クライマックスシリーズの後は大相撲秋巡業~高松へ

2023年10月24日 | 旅行記G・四国

10月21日、京セラドーム大阪でのクライマックスシリーズ第4戦にてバファローズの勝利、日本シリーズ進出を見届けた後、再び大阪駅まで出て、新快速の網干行きに乗る。そのまま新大阪まで行けば広島行きの最終の「のぞみ」に何とか間に合うタイミングではあったが、あえて在来線に乗る。そして姫路に到着し、この夜は姫路駅南口近辺の「ホテルアルファーワン姫路南口」にて一泊。

すでに23時を回っており、姫路に泊まっても一献はない。・・ただ実は、これを見越したわけではないが、昼間、鈍行乗り継ぎで姫路に着き、大阪への新快速に乗る前に先に済ませていた。

訪ねたのは、南口を出たところにある「大衆串焼き酒場 つぼさか商店」。うどん、定食をメインとしつつも、串焼き(ホルモン焼、焼き鳥)、刺身、一品もの、姫路おでんなどさまざまある。夜は本格的な大衆酒場になるのだろう。

カウンター、テーブルにもメニューは置いているが、渡されたのはQRコードが書かれた紙。これをスマホで読み取り、注文はスマホからという。店員を呼ぶ手間も省けるのだが、スマホには表示されないメニューも多々ある。品切れ、あるいは準備中のメニューを省略する意図があるのかなとも思う。

ホルモン焼を中心にオーダー。1本単位で注文できるのがよい。列車での乗り換え時間を活かしてサクッと立ち寄りでの利用でもよさそうである。

締めはホームの「えきそば」として、新快速で大阪に向かった。

・・ということで、一応姫路でも一献したことにして、後は寝るだけ。ただその前に、大浴場「夢前の湯」に浸かり、興奮の1日を振り返る・・・。

翌22日、姫路駅の新幹線ホームに出て、6時29分発の「みずほ601号」に乗車。これで岡山まで移動する。前日に引き続き「JR秋の乗り放題きっぷ」を活用するなら姫路5時29分発の始発に乗るべきなのだが、さすがに少しだけでもゆっくりしたかった。岡山にはほぼ同時刻に到着する・・・。

さて、前夜ナイトゲーム終了後に姫路に移動したり、また翌朝早々に岡山に移動したり、こういうプランになったのは、22日に高松で開催される「大相撲高松場所」のためである。

コロナ禍明けで大相撲の巡業がふたたび盛んになる中、私も久しぶりにどこかの会場に行ってみようという気になった。西日本を中心に回る秋~冬巡業の日程をチェックしていると、10月22日の高松場所を見つけ、前売りでイス席を確保した。この時はまだプロ野球のペナントレースも中盤で、クライマックスシリーズ、日本シリーズの日程までは気にしていなかったのだが、ここでちょうど同じ週末となった。ということで、大阪、高松の変則連戦という形になった。野球と相撲の組み合わせもぜいたくなものだ。

なお、クライマックスシリーズがデーゲームだったら、試合後に高松まで一気に移動しただろうが(この時は、大阪からの高速バスという手もある)、ナイトゲーム終了後ということで姫路までとした。

岡山からは7時10分発「マリンライナー7号」の普通車指定席に乗る。この時間のマリンライナーに乗る機会もなかなかないが、ちょうど朝日に照らされた瀬戸大橋を渡る。

8時07分、高松到着。巡業の会場である「サンメッセ香川」へはことでんバスで約30分。駅からダッシュすれば8時10分発の便に乗れたかもしれないが、ちょうど出たばかりで次は8時36分発。当日の開場は9時ということで、その直後に到着する計算だ。時間が近づくと巡業観戦とおぼしき客もちらほら現れて発車する。

途中瓦町駅を経由し、南東の方向に走る。30分ほどでサンメッセ香川に到着した。もちろん訪ねるのは初めてのところである。

開場は9時、着いたのは9時10分すぎだったが外は長蛇の列ができている。なかなか入場客を捌けないようである。高松での巡業開催は5年ぶりとのことで、待ちわびていた人も多かったことだろう。結局入場まで30分ほどかかった。

ロビーでは力士との撮影会イベントが行われていたが、そちらも長蛇の列。そちらはパスして、まずは会場に入る。ちょうど、黒まわしの幕下以下の力士に白まわしの関取が交じる頃合いで、関取が幕下以下の力士に稽古をつけている。また壁際では準備運動の最中の関取の姿も見る。

まずは自席に落ち着くことにしよう・・・。

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観戦記・クライマックスシリーズファイナルステージ第4戦・バファローズが日本シリーズ進出!

2023年10月23日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

現在、10月半ばの神仏霊場めぐりの滋賀編を書いている途中だが、やはりここはクライマックスシリーズである。

21日に行われたバファローズ対マリーンズのクライマックスシリーズファイナルステージ第4戦。バファローズが日本シリーズ進出を決めたこの試合を幸運にも京セラドーム大阪で観戦することができた。ということで、先に観戦記を書くことに。

21日朝に広島を出発し、鈍行と新快速を乗り継いで大阪入り。今回は青春18きっぷの秋バージョンといえる「JR秋の乗り放題きっぷ」を使用。遠征費用を抑えつつ、他の楽しみも交えてのことで、そのことはまた書くことにする。

京セラドーム大阪のエントランスに到着。早速壁には、パ・リーグ優勝記念のロゴがあしらわれており、多くの人が記念撮影していた。この後、クライマックスシリーズ優勝は通過点として、反対側の壁に日本シリーズチャンピオンの記念ロゴがあしらわれるのを楽しみにする。

スタンドに入る。ファンクラブの先行販売でチケットは早くに入手したが、その時は座席番号までは指定できなかった。しかしながら発券してみると、希望した内野上段席の中でも最前列という申し分ないところだった。グラウンド、スタンド全体が見渡せるところである。

ちょうど正面がマリーンズ応援席なのだが、クライマックスシリーズにあたり、ビジター応援席はレギュラーシーズンよりもエリアを狭めたように見える。もっともその分、ただでさえ熱心なマリーンズファンがより濃縮された形になり、試合中の応援のボルテージはレギュラーシーズン以上に感じた。

ホームの応援席を増やし、ビジターの応援席を減らす。これも、クライマックスシリーズにおけるホーム開催のアドバンテージといってもいいだろう。

話はそれるが、前日の20日、甲子園球場でタイガース対カープのファイナルステージ第3戦があった。この日、私は休暇で自宅にいたのだが、夕方の広島のローカル情報・ニュース番組にて試合前の甲子園球場からの中継リポートがあった(カメラの前にカープファンに集まってもらって・・・という中でキ〇ガイ・・・もといタイガースファンも割り込んできたのだが・・)。それによると、甲子園球場でのファイナルステージでビジター応援席は約700だったという。レフトスタンドの、ほんのわずかな空間。その中で、いやそれだからこそ熱いカープファンが集まっている!!と盛り上がっていたが、結果はご承知のとおり。

それに比べれば、バファローズ、いやパ・リーグ各球団はビジターにもまだ寛容だと思う。ただこの先、バファローズが日本シリーズに進出してタイガースと対戦するとして、ライト側、一塁側にも黄色い連中が湧いて出るのが間違いないだけに辛いものがある・・・。

さて試合前のビジョンでは、おすすめグルメの一つとして「BEER BAT(ビアバット)」を紹介していた。バットの形に作ったジョッキに注がれた生ビール。バファローズのリーグ優勝記念ロゴもあしらわれているということで、3500円(ここの生ビールは1杯800円)とお高めなのだが、記念グッズの一つということで一杯いただく。

現物がこちら。長さ約60cm、容量はビールの泡込みで500ml。「MADE IN USA」の文字もある。彼の国では結構広まっているグッズなのかな。材質はしっかりしており、応援用のメガホンと同じか、それ以上の硬さに感じる。だから使い捨てではなく普通にジョッキとして使える。この先、自宅での桟敷観戦で使ってみるのもよし、またいわゆる「野球居酒屋」に置いたら面白がられるのではないだろうか。富雄駅前の居酒屋さんあたり、いかがでしょうか・・?

もっとも、いざ「ビアバット」をスタンドで飲むと結構大変だ。バットのグリップを持ってそのまま持ち上げてのどに流し込むとサマになるのだろうが、混雑したところだと周りの人に当たりそうだ。

で、飲んでいる途中。最前列のドリンクホルダーはこの位置なのでちょうど立てかけておくことができた。材質もしっかりしており、後で水道で洗ってそのまま観戦土産に持ち帰る。また家で、これで一献やりながら野球観戦しようか・・。

いつもながら前置きが長くなっているが、スタメン発表。第4戦の先発は今季10勝ながらも故障明けの種市。故障者が多く、レギュラーシーズンに引き続き苦しい台所事情をやり繰りしてきたマリーンズ、第3戦は澤村を先発としたブルペンデーが設けられたほどだ。それでも、投手の小刻みなリレーで勝ち上がっているのは立派である。この日も種市もぶっつけ本番での登板で、また継投策でしのぐことになりそうだ。

バファローズ先発は宮城。打線では紅林が左手首の違和感でベンチ外となり、野口が入る。若月が捕手、森がライトという、日本シリーズも見据えた攻撃型シフトである。

試合前の国歌演奏、メンバー表交換。

さて試合開始。マウンドに上がった宮城は初回、荻野、藤岡、石川慎に対してまず三者凡退の立ち上がり。

1回裏、マリーンズ先発の種市に対し、一死から西野が四球で出塁。そして続く森の一振りはライトへ。下段客席に入る先制の2ランとなった。勝つか引き分けで日本シリーズ進出が決まるバファローズには大きな先制点となった。

この後2回、3回は宮城、種市とも好投を見せる。

4回表、マリーンズは石川慎、茶谷のヒットで二死一・二塁のチャンスを作るが安田が凡退。宮城もここまで時速90km台のスローボールも交えながら安定した投球を続ける中、ほっとしてベンチに引き上げる。

4回裏、マリーンズは種市に替わり、東妻が登板。この試合勝たなければシーズン終了という中だが、故障明けの種市に無理させず、予定通りの継投なのだろう。その東妻に対し、一死から杉本、宗に連続ヒットが出て一・三塁と追加点のチャンス。タオルチャンスとなるが、若月、ゴンザレスが続かず2対0のまま。

5回裏は森が登板。まずは三者凡退として早いテンポで試合が進む。

そして6回表、マリーンズは先頭荻野の二塁打、藤岡の内野ゴロで一死三塁とする。ここでいったん一呼吸を置き、宮城は石川慎、ポランコと打ち取ってベンチに戻る。途中、若月とグータッチし、ベンチ前でナインを迎える。

6回裏、先頭の森がレフトへの二塁打を放つ。続くセデーニョは凡退したが、杉本がレフトへの二塁打を放つ。これで3対0とリードを広げ、短期決戦を得意とする杉本らしさが出る。

7回表、マリーンズのラッキー7。応援エリアが狭められたことで応援旗も密集しており、繰り返しになるが、面積あたりの応援の熱さではバファローズに負けていない。

その7回表は、6回まで無失点の宮城から阿部に交代。バファローズのさまざまな継投パターンの中でこの投手を使ってきた。一死から安田にヒットを許したものの、後続を打ち取って無失点。そして、バファローズのラッキー7だ。

マリーンズのマウンドは森から東條に交代。こちらも前日に続きリリーフ陣を惜しみなく投入する。その東條に対し、一死から野口がヒットで出塁。続く中川がバントを決める。

次の西野のところで代打がコールされ、T-岡田が登場。スタンドからはこの日一番の拍手声援が起こる。ここ一番での代打だが、成績が成績だけに彼の打席がこの後いくつ見られるかというもあるし、かつて成績が上がらなかった時期からずっとチームを支えてきたし、ここ一番で期待を裏切らない「浪速の空砲」で空振り三振をするかと思えば、絶体絶命の場面でミラクルの一発も放つし・・。

この打席、粘った末にレフトへのヒットを放ち、二死一・三塁とチャンスを広げる。あわよくば追加点だったが・・。ここで代走が出て、ベンチからも選手が出てきて万雷の拍手で迎える。結局後続が倒れて追加点はならなかったが、ベテランのここでのヒットはこの先の起用にもつながるだろう。

8回表は山﨑颯が登板。ところが先頭の藤原にライトに運ばれる。これで3対1。マリーンズとしては反撃ののろしである。三塁ベンチでも吉井監督とハイタッチ。しかし山﨑は後続を3人で退け、何とか踏ん張る。

8回裏は元バファローズの澤田が登板。一塁側からも拍手が起こる。マリーンズではセットアッパー、時には益田に代わるクローザーも務め、見事復活している。まずは先頭の杉本を内野ゴロに打ち取るが、この時杉本は途中で走塁をやめて立ち止まり、そのままベンチに下がる。最初の一瞬、早々と走塁をあきらめたのかと思ったが、この時に足首を痛めてしまったようである。

そして9回、中嶋監督が送り出したのは平野。杉本のところにも交代が出た。

ここで先頭のポランコ。振り抜いた打球は見事に右中間へ。さすがはリーグ本塁打王である。これで3対2、試合だけ見ればまったくわからない展開となった。これでマリーンズが同点、いや逆転しようものなら、クライマックスシリーズの行方もわからなくなる。レフトスタンドも完全に息を吹き返した。

それでもここから抑えるのが平野で、代打の切り札・角中、シリーズ好調の安田を退け、迎えるは山口。

最後は三塁へのライナーとなり、試合終了。このシリーズ、接戦が続いたが見事(アドバンテージ込みで)3勝1敗tで日本シリーズ進出を決めた。よかったよかった!

試合終了後、まずはマリーンズの選手たちが挨拶で登場。よく見えなかったが、吉井監督がこのファイナルステージで登板機会がなかった佐々木朗に声をかける場面があったとか。ともかく、レギュラーシーズンのゲーム差を感じさせない接戦を連日繰り広げたマリーンズも大きな拍手である。

この後は中嶋監督のお立ち台。日本シリーズへの期待、そして、タイガースファンの多さに負けないバファローズファンからの応援も期待していた。よし、絶対に全員でタイガースに勝つぞ!!

しばらく間があり、選手、監督、コーチ、スタッフがクライマックスシリーズ制覇記念のTシャツ姿で登場。表彰式である。そういえば、2022年のクライマックスシリーズファイナルステージでホークスを破り日本シリーズ進出を決めた試合後、中嶋監督の胴上げがあったのを思い出す。もっともそれは、ペナントレース優勝が決まったのがビジターということもあり、またその前年は全日程終了後にリーグ優勝が決まったために京セラドーム大阪での夕観客での胴上げがなかったためのことで、今季は堂々と本拠地での優勝を決めただけに、今さらというところだ。

その中、まずはクライマックスシリーズ優勝記念の盾が中嶋監督に贈呈される。

そしてシリーズMVPは杉本と発表されたが・・8回裏の走塁で足を痛めたため表彰式にも出ていない。そこで代わりに前に出たのは石川。森、若月の陰に隠れてどちらかといえば縁の下を支える役割だが、ここはムードメーカーぶりを発揮して、あたかも自分が打って勝ったかのような堂々とした立ち居振る舞いにグラウンド、スタンドからも笑いが起こる。

選手間の投票による優秀選手賞には紅林が(こちらは自分で)受賞。杉本、紅林、シリーズ前の故障は不安材料で、何とか戻ってきてほしいところだ。

最後に記念撮影、そして阿部の発声によるクラッカーの打ち上げ。いや本当によかった。選手、監督、コーチ、ファンの皆さん、改めておめでとうございます!!

これでドームを後にする。このまま大正まで歩き、大阪に出て22時20分発の新快速網干行きに乗る。新快速の車内にもバファローズのユニフォーム姿の人をちょくちょく見たし、私はといえば、先ほど買い求めた「ビアバット」の頭がリュクから顔をのぞかせている。

23時すぎ、姫路で下車し、そのまま「ホテルアルファーワン姫路南口」。「JR秋の乗り放題きっぷ」を有効活用したとも言えるが、大阪の実家に行くわけでもなく、かといって新幹線で広島に戻るわけでもなく(最終の「のぞみ」で広島に戻ることもできた)、中途半端に姫路に泊まった理由はまた後で書くことにする・・・。

・・・後日談。気になっていたタイガースとの日本シリーズのチケットの先行抽選。結論でいえば・・・・28日の第1戦、何とか当選した。バファローズファンクラブの先行抽選予約というのがプラスに働いたと思うが、一方で(勝手な思いだが)各地の札所めぐりのご利益とも思うこともある。ともかく、熱戦期待・・・。

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バファローズ、クライマックスシリーズ制して日本シリーズへ!!

2023年10月21日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

クライマックスシリーズ第4戦、バファローズが接戦の末マリーンズを破り、これで日本シリーズ進出が決定!!

 
選手の皆さん、ファンの皆さん、おめでとうございます。

現地にて観戦したが、やはりこの盛り上がり、最高でしたな。

相手はタイガースということで、どうせ関西シリーズといいつつも関西マスゴミはタイガースびいきばかりなのは明らかだが、逆に、タイガースを倒しての日本一となると最高だ。今から来週末が楽しみ。

で、チケットは・・・。
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神仏霊場巡拝の道~水口で1泊

2023年10月21日 | 神仏霊場巡拝の道

10月8日、神仏霊場巡拝の道の1日目を終え、国道1号線沿いの水口に到着。水口は東海道五十三次の50番目の宿場町であり、江戸時代には加藤氏の水口藩の城下町でもあった。

この日の宿は「ホテルニューミフク」。この「ミフク」という名前だが、水口に美冨久酒造というのがあり、その蔵元の親族筋が経営しているホテルだという。

シングルルームにチェックイン。2017年にリニューアルされたとのことで内装もまだ新しいのだが、ポイントとして大きいのは、トイレ、バスがセパレートされていること。後で、湯船に湯を張って入浴しよう。

夕方になり雨もやんできた。夕食ということで外に出る。ホテルのすぐ近くには、滋賀といえばということで平和堂アル・プラザがある。現代版の東海道五十三次なら、ここが水口のシンボルとして浮世絵に描かれるかもしれない。クルマがひっきりなしに出入りしている。

この日の一献は、その一角にある「酔虎伝」。ホテル周辺には居酒屋があるようなないような感じだったのだが、グルメサイトから予約可能ということでここを選択した。結果的には予約して正解だった。

まずは生ビールにて一人乾杯。よく広島から軽自動車を滋賀まで転がしてきたものである。運転を終えての一献というのは、「呑み鉄」とは違った美味さがある。

料理そのものは一般的なチェーン居酒屋ものだが、大阪発祥ということで関西系のメニューが目立つ。それについてどうこういうこともなく、限定メニューとして「ふくいサーモン」というのがあるので刺身でいただく。サケではなくあくまでニジマスである。まずは越前大野の淡水を利用して卵を孵化させ、幼魚を育てる。その後は若狭湾の養殖場に移して大きく育てるのだという。福井の山と海、水が生み出した一品である。

先ほど、「予約して正解だった」というのは、店内には空席が目立つものの、入口にて「予約なしの客はお断り」というやり取りがあったのを目にしたからである。また、カウンターにいたので厨房で店長らしき方と店員の会話も聞こえる中、どうやらオペレーションがうまく回っていないようだ。客が次から次に来て注文が出てもさばききれないので、一時入店を停めている模様。なかなか大変だ。

何だか手間をかけさせているようで申し訳ないので、最初にいっぺんに注文したものを一通りいただいただけで退散する。その代わり、アル・プラザ内の平和堂にて買い物して帰る。酒のコーナーに行くと美冨久酒造の酒も並んでいたし、魚のコーナーに行けば琵琶湖の鮒ずし、小鮎、えび豆なども総菜として並んでいた。

まあ、これで「滋賀で一献」という形になった。今回の宿泊地を選ぶにあたり、大津、草津、近江八幡などが候補に挙がり、それらのエリアでは近江の郷土料理を売りにした居酒屋もあったのだが、初めての宿泊地として選んだ甲賀・水口。ホテル、酒ともに「美冨久(ミフク)」でまとめることができた。

そしてこの日は、ラグビーワールドカップの予選最終戦となる日本対アルゼンチンの試合があった。酔虎伝を思ったより早く出たので、前半の途中からだが美冨久と鮒ずしを前にしての観戦である。もっとも私の場合、「今日試合があったんや」というレベルで、野球と違って気軽な感じで観ていた。この試合、日本も最後まで健闘したものの力及ばず敗戦。予選リーグでの敗退が決定した。

・・・これは後日談だが、日本が敗退してからというもの、ラグビーワールドカップに関するニュースはほとんど聞かれなくなった。あれだけはしゃいでいたNHKですら、日本敗退後は何もなかったかのような塩対応。で、私もその後は特に気にすることもなかった。

この記事を書くにあたり、その後どこまで進んでいたっけ・・・と見ると、20日~21日にアルゼンチン対ニュージーランド、イングランド対南アフリカという組み合わせの準決勝があり、その次の週末に3位決定戦、そして決勝戦が行われるとある。予選リーグの組み合わせで一部波乱もあったものの、世界ランク通りに沿った順当な組み合わせだという。太平洋の小さな島国も最近はなかなか厳しいようで・・。

湯船に湯を張っての入浴もできたし、翌朝からはどう回ろうか。ふと、少し早めに出て遠くまで足を延ばすことに・・・。

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滋賀2番「田村神社」~神仏霊場巡拝の道・68(福豆で厄落とし)

2023年10月20日 | 神仏霊場巡拝の道

NPBのクライマックスシリーズ・ファイナルステージは第2戦が行われ、バファローズはマリーンズ相手にシーソーゲームの末9回に逆転を許し、敗戦。これでアドバンテージを含めて2勝1敗となったが、このことで、私がチケットを持っている21日の第4戦が行われることが決まった。個人的には大阪に乗り込む楽しみが増えたことである。

一方セ・リーグではタイガースがカープに連勝。これで日本シリーズ進出に王手がかかった。逆に言えば私が望んでいる「バファローズ対カープの日本シリーズ」の可能性が消えかかって・・何とかがんばってほしい。

・・・さて、話は神仏霊場めぐり。いったん岩間寺に立ち寄り、ふたたび新名神高速道路に乗って甲賀土山インターを目指す。現在、大津ジャンクション~城陽ジャンクション間の建設工事中で、東名・名神のダブルネットワークの構築が着々と進んでいる。

雨脚も強い中、甲賀土山インターで下り、国道1号線に出る。1号線といってもこの辺りでは片側一車線である。土山はかつての東海道五十三次の宿場町だったところである。

田村神社に到着。いったん駐車場に車を置いて、改めて国道に面した鳥居前から参道を歩く。

田村神社の「田村」とは、坂上田村麻呂のことである。平安初期、鈴鹿峠に悪鬼が出て旅人を悩ませているとして、嵯峨天皇の勅命を受けた坂上田村麻呂がこれを平定した。田村麻呂が亡くなった後、嵯峨天皇の勅命でこの地に田村麻呂を祀る社を建立した。さらに、この近辺で疫病が流行した際も、嵯峨天皇は田村麻呂の勅命で厄除けの大祈祷が行われた。このことで、交通安全、厄除けの神社として崇敬されている。

まずは拝殿で手を合わせる。扁額にあるのは「大名垂宇宙」。田村麻呂の功績は時空を超えて天地に知れ渡るという意味だという。

本殿はこの先ということで進むとポスターがある。「よし甲賀にいくぞう」と、甲賀忍者のいで立ちで映っているのは吉幾三さん。甲賀市の観光まちづくり協会のPR大使を務めているとのことだ。それにしても、青森、津軽のイメージが強い吉幾三さんが何でまた滋賀、甲賀のPR大使なのだろうか。

本殿に行く前に太鼓橋がある。ここに「厄落とし福豆授与」とある。田村大神が夢の中に現れ、「悪い年に当たっていても、社殿前に流れる御手洗川に節分の豆を自分の年の数だけ流せば、すべての災厄は流れ去る」とのお告げがあったという。このことから、太鼓橋の上から福豆を落とす「厄落とし」が行われるようになった。

ということで、授与所で福豆を買い求める。自分の年の数となると結構な量だが、ここは袋に入ったものを落とすとのこと。後で回収するほうも楽だろう。さて、これで厄落としだ。

本殿にて手を合わせる。鎮座1200年の記念事業として2011年に造営された建物である。毎年2月中旬には厄除大祭が行われるという。

朱印をいただく。

さて時刻は15時すぎだが、この日の神仏霊場めぐりはここまでとする。目的地の石山寺方面は翌9日に向かうとして、国道1号線を草津方面に走る。クルマということで宿泊場所の選択肢は広がり、途中の水口のホテルに向かうことに・・・。

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神仏霊場巡拝の道~西国三十三所第12番・岩間寺へ

2023年10月19日 | 神仏霊場巡拝の道

10月8日、神仏霊場巡拝の道の滋賀県南部シリーズを前に、通り道にある西国三十三所・第12番の岩間寺に向かう。今回は広島から軽自動車を転がしていて、自身初利用となる新名神高速道路の神戸~宝塚北サービスエリア~高槻を経て、大山崎から京滋バイパスに入っている。そうすることになった理由の一つが岩間寺の存在である。

京都と滋賀をまたぐ宇治トンネルを抜け、出たところの笠取インターでようやく高速を出る。ガソリン代は別として、広島五日市から5000円あまりで来ることができたのは、全体で見て多少節約にもなったかな。結局6時間近くかかったが・・。

いったん瀬田川沿いに出て、標識に従ってショートカットする道に出る。しばらく京滋バイパス沿いに走り、住宅地を抜けると見覚えのあるファミリーマートに出る。石山駅からバスで岩間寺を訪ねる際の最寄りの中千町バス停があるところだ。

徒歩だとここから約50分の上り坂だが、今回はクルマのメリットを十分に活かす。それでも最後は急で、ギアをローにする。よくこんなところを歩いて上がったものだと思う。

駐車場に到着。連休ということもあってか、遠方のナンバープレートも見える。入山所に人がいなかったのでそのまま境内を進む。また雨がぱらついてきた。

大銀杏の向こうに本堂が見える。先ほども10台近くクルマが停まっており、参詣者もそこそこ見える。

中に入ってのお勤めである。とそこに、金剛杖を手に、雨除けのポンチョを着た歩き姿の人がやって来た。先ほどクルマで上ってきたのとは逆方向、上醍醐寺方面からのようである。上醍醐寺から岩間寺までは徒歩で3時間ほど、ここに下醍醐寺から上醍醐寺までの1時間が加わるから、徒歩移動だと4時間ほどである。もちろん平坦な道ではなく、いくつもの山越えがあるわけで・・。

ここで西国三十三所先達用の納経軸に重ね印を受ける。

そういえば、4年ぶりに新阪急ホテルでの対面開催となる西国三十三所の先達研修会が10月29日に決まり、申込の通知書が届いた。10月29日といえばちょうど日本シリーズが行われている頃で、ぜひとも京セラドーム大阪での試合観戦と組み合わせたいものである。この記事を書いている時点で先行抽選販売に申し込んでいるのだが、果たして当選できるかどうか・・。

境内の奥にある八大龍王堂、推定樹齢500年以上の日本一長寿桂の木などに手を合わせる。

先ほど境内に入ったところに「雷神爪掘湧泉」の幟が並んでいた。岩間寺は奈良時代、加賀の白山を開いた泰澄が元正天皇の病を治すための勅願寺として開いた寺だが、雷神とも関連している。伽藍を建立した当時、たびたび落ちる雷に困った泰澄は自分の法力で雷を封じ込めた。雷神は泰澄の弟子になりたいといい、泰澄はそれを受け入れる代わりに、岩間寺に参詣する人たちに雷の災いを及ぼさないことを約束させたという。そのことから、岩間寺は「雷除け観音」とも呼ばれている。

これまで訪ねたことがなかったが、境内の下に行くと、水が乏しい寺のために雷神が自らの爪で井戸を掘ったという「雷神爪掘湧泉」がある。そしてその脇に、新たに雷神の像が建てられた。

さてこれで岩間寺を後にして、神仏霊場めぐりでまず向かう滋賀2番・田村神社に行くことにする。

その前に先ほどの坂道を下っていると、金剛杖にポンチョ姿の方が見えた。とりあえずこの先、石山寺を目指すのかな。西国三十三所を「徒歩」で回る方というのは四国八十八ヶ所と比べてごくごく少ないのだが、それだけに強い意志をもってらっしゃるのかなと思う。

瀬田川を渡り、瀬田西インターから名神高速に入り、草津ジャンクションから新名神高速に入る。雨脚が強くなってきた・・・。

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神仏霊場巡拝の道~滋賀へ、山陽道~新名神を軽自動車が駆ける

2023年10月18日 | 神仏霊場巡拝の道

前回9月の神仏霊場めぐりから3週間が経過した10月のスポーツの日の連休。仕事の都合上なかなか3連休といかないのだが、後半の8日、9日に出かけた。

今回の目的地は滋賀14番・石山寺である。もちろんこの石山寺と絡めて他の札所にも行くわけだが、その中に、神仏霊場の札所には含まれていないが、石山寺と同じく西国三十三所の札所の岩間寺(第12番)がある。神仏霊場めぐりは西国三十三所の4巡目も兼ねており、この機会に訪ねるとする。過去3巡も岩間寺と石山寺はセットで参詣している。

ただネックになるのが、岩間寺へのアクセスである。石山駅から京阪バスで中千町まで行き、徒歩約50分、途中からは急な上り坂が続く。1巡目、2巡目と坂を上ったが、結構きつかったのを覚えている。その一方、毎月17日の縁日には石山駅からシャトルバスが出ており、3巡目の時はその日を狙って参詣した(帰りは石山寺に停車したので、一緒に回ることができた)。

そして4巡目にどうするかだが、時間も限られる中、現実的な選択としてクルマで行くことにした。ならば近くでレンタカーを借りて・・とも思ったが、往復の新幹線、そして現地でのレンタカー代と天秤にかけてみて、自宅から軽自動車で直接滋賀まで往復することにした。ルート検索すると5時間ほど、途中で休憩等挟むから6時間くらいかかるが、8日の朝から出て昼過ぎに着き、9日の昼過ぎに滋賀を出発すればそれほど遅くない時間に戻ることにすればそれほど無理なく回ることができる。

滋賀県内の神仏霊場めぐりの札所の地図を見る。石山寺が目的地ということで、瀬田川を挟んだすぐ近くにある建部大社、そして野洲にある御上神社はセットになる。一方、岩間寺に行く前に宇治に立ち寄り、三室戸寺(西国三十三所の札所でもある)や平等院に行く手もある。

そんな中、滋賀県南東の甲賀市にポツンと田村神社がある。公共交通機関なら草津線の貴生川からバスということで、草津線のほかに信楽高原鉄道、近江鉄道との乗り鉄と組み合わせて行くのが面白そうだが、今回滋賀まで軽自動車で行くのに合わせて一緒に訪ねることにした。京滋バイパス~新名神高速道路で甲賀土山インターまで行けばほどなく着くところにあるようだ。

10月8日、朝7時前に自宅を出発。五日市インターから山陽道に入る。すっきり晴れとは行かず、雲が広がる中を東に軽自動車を走らせる。

山がちな区間を何とか乗り切り、岡山インター手前の吉備サービスエリアで休憩。さて気になるのはこの先。

9月5日、山陽道の尼子山トンネル内を走行中のトラックからの出火で大規模な火災が発生し、何十台もの車両が被害を受け、消火まで40時間かかった。その復旧工事のため岡山方面の下り線、播磨ジャンクション~赤穂インターが現在も通行止めとなっており、その影響で国道2号線等が大渋滞しているという。行きはこのまま走るとして、帰りは大渋滞の国道2号線に突っ込むか、迂回ルートとして中国道に乗るか選択する必要があるが、おそらく名神高速に乗っていることから、そのまま中国道で広島まで向かうのがよいのかなと思う。

赤穂インターを過ぎ、千種川を渡ると尼子山トンネルに入る。延長592メートルのうち約400メートルが損傷したという。

トンネルを抜けた下り線には多くの作業車両が停まっている。復旧工事には少なくとも3ヶ月はかかるそうだ。かといって、通れるほうのトンネルを対面通行させるのは物理的に難しいようで、しばらくはこの状況が続く。岡山、広島と大阪を結ぶ高速バスも、迂回を強いられているようだ。そうした便に乗ってみるのも面白いかもしれないが・・。

通行止めは播磨ジャンクション~赤穂インターだが、播磨ジャンクションは播磨道経由で中国道に迂回するところで、大阪、神戸方面からは実質的に手前の龍野西インターで降ろされる形である。そこから先の国道が連日渋滞だとか。

こちらは順調に走り、兵庫県内を抜けて神戸ジャンクションにさしかかる。宝塚、池田方面に向かうのが分岐で、そのまま直進して新名神に入る。2017年から2018年にかけて、神戸~川西~高槻ルートが開通し、中国道の宝塚トンネル近辺の渋滞緩和にもつながった。もっともこのルートは大阪近辺を迂回するため、私はこれまでマイカー、高速バス含めて通ったことがなかった。今回軽自動車で滋賀まで行くことにした理由の一つは、新名神のこの区間を通ってみたかったことにある。やってることが鉄道乗りつぶしのようだが・・。

さすがに開通して間もない区間ということで、トンネルや橋脚も多いがゆったりした構造で、走りやすい。

せっかくなので途中の宝塚北サービスエリアに立ち寄る。上下線集約型で、施設を挟んで上り線、下り線の駐車場がある。「宝塚モダン」をコンセプトとしている。場所でいえばJRの武田尾駅に近いところだが、だからといって外から徒歩で入ることはできないようだ。

ちょうど昼時ということで、フードコートに向かう。いくつか店舗がある中で「和海(なごみ)」という店のラーメンとチャーシュー丼のセットをいただく。武庫川に本店があるそうだ。

販売コーナーでは兵庫県を中心に関西のさまざまな土産物も売られている。クルマということで荷物の量は気にならないので、丹波の新米など含めいくつか買い求める。

この後、川西インターを経て大阪府に入り、箕面ととろみインターというのも過ぎる。「ととろみ」は漢字だと「土々呂美」と書くのだが、ここから箕面有料道路が分岐し、その先は新御堂筋につながっている。大阪の中心部に向かう意外なルートと言える。

茨木市を過ぎて高槻市に入り、トンネルをくぐる。入口の標識を見てアッと声が出たのは神峯山トンネル。神仏霊場めぐりで訪ねた神峯山寺の手前にあるトンネルだ。寺を訪ねる途中、トンネルの京都側出口から伸びる車線を見たのを思い出す。こんなところを通っていたんだなと思う。

高槻ジャンクションで名神高速道路に合流し、しばらくして大山崎ジャンクションから京滋バイパスに入る。ここに来て雨がぱらついてきた。8日についてはあまり芳しくない予報であるが・・・。。

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観戦記・カープ対ベイスターズ@クライマックスシリーズファーストステージ第2戦(カープが終盤勝ち越してファイナルステージ進出!)

2023年10月16日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

10月15日、マツダスタジアムでのクライマックスシリーズ・ファーストステージ第2戦。いよいよ試合開始である。

まずマウンドに上がるのはカープ先発の森下。まずは林、楠本、大田と三者凡退に打ち取る。

そしてカープの攻撃となると大歓声である。「こちら側」に身を置くのは初めてのことだが、前日のサヨナラ勝ちの雰囲気をそのまま持ってきているかのように感じる。

一方のベイスターズ先発は今永。今季、自身初となるタイトルとして最多奪三振を受賞している。その今永に対し、まずは菊池、野間が凡退したもののファウルで粘り、球数を投げさせる。

そして3番・西川もフルカウントまで粘った後、ライトへの当たり。これがスタンドに入る。カープが幸先よく1点先制し、早くも「宮島さん」からの万歳三唱でスタンドが沸き上がる。まずは大きな先制点だ。

この後2回、3回は森下、今永の両投手が危なげなく抑える。

前半の山場となったのは4回表。ベイスターズは先頭の楠本がチーム初安打で出塁。一死後、牧のヒットで一・二塁となり宮﨑を迎える。

ここで宮﨑が空振り三振となるものの、ダブルスチールが成功して二死ながら二・三塁。ビジターからも一打逆転に大きな声援が起こる。これに対して大和もファウルで粘るが、最後はフライに倒れて残塁。

試合は5回裏が終了。スタンドではビールの売り子さんも一緒になってのCCダンス。そして、第3戦の予告先発が発表され、カープは第1戦でリリーフ登板した九里、そしてベイスターズは故障から復帰のバウアーである。はたして最終戦までもつれ込むのか・・。

500系新幹線が通過した後の6回表、先頭の林がライトへの二塁打で出塁。続く楠本が送りバントで一死三塁と同点のチャンスを作る。

球数82、レギュラーシーズンなら続投なのかもしれないがカープは継投に出る。登板したのは大道。

迎えるはクリーンアップの大田、牧だが、大道はストレートで押しまくり、大田はセカンドフライ、牧もライトフライに打ち取り、得点を許さない。

その裏、先頭の大道のところで代打・末包。「つかんだ男」として新井監督や広島の評論家たちも鍵を握る選手として挙げていたのだが・・。

2球目を振り抜くと打球は一直線にレフトへ。ここまで今永の前に追加点がなかなか取れなかったが、見事な代打本塁打である。これで2対0。もうスタンドは大騒ぎで、そこらじゅうでカンフーバットを合わせてのハイタッチが繰り広げられる。

さらに菊池がヒット、野間が四球で無死一・二塁となったところで三浦監督がマウンドに向かい、ここで今永は降板。伊勢に継投する。

さらに追加点を狙うカープは、本塁打を打っている西川が送りバント。4番・堂林に代打・松山が登場するが、凡退で追加点はならず。

次の小園のところでエスコバーに交代。しかし請求が定まらず3ボールとなったところで申告敬遠。満塁で前日のヒーロー・秋山との勝負。秋山もファウルで粘るが空振り三振で、結局末包のソロ本塁打での1点止まり。それでも大きな1点だ。

7回表、ビジター席からは全力の「熱き星たちよ」が響く中、マウンドには中﨑が上がる。勝ちパターンの矢崎が体調不良で抹消になったことを受けてのこと。

これに対し先頭の宮﨑がヒットで出塁、大和にも連打が出て無死一・二塁。山本が送りバントでランナーを進める。ここで中﨑から左腕のターリーに交代。

この場面で続く関根がレフト前に抜けるタイムリーを放ち、2対1と追い上げる。ビジター席が大いに沸く。なおも一死一・三塁のところエスコバーに打順が回ったところで、代打・ソトが登場。嫌なバッターが出てきたものである。また三塁ランナーの大和のところに知野が代走に入る。

ソトの当たりはセンターへのフライ。ちょっと浅めに見えたのだが三塁から知野がホームに突っ込む。送球は大きくそれてタッチプレーにもならず生還。終盤で2対2の同点となった。第1戦同様、どちらも引かない展開だ。ラッキー7を前にスタンド中のファンがジェット風船を膨らませて待っていたのだが、あちこちから風船の破裂音がする。別にいらだっているわけではなく膨らませすぎただけだろうが・・。

なお二死二塁とベイスターズ逆転のチャンスが続くが、ターリーが踏ん張って同点止まりとして、「それ行けカープ」である。

今季途中からジェット風船が解禁されている。ただし衛生面を配慮して、従来のように口で膨らませるのではなく、専用のポンプで膨らませる造りのようだ。個人的にはゴミが増えるし、コロナを機になくなってよかったと思う応援風景だったのだが・・・。

7回裏はこの回からの上茶谷が三者凡退に抑える。

8回は最優秀中継ぎ投手を受賞した島内が登板。先頭の楠本に四球を与えるも(代走・桑原)、後続を退けて2対2のまま。

同点のまま8回裏、2イニング目の上茶谷に対して先頭の菊池がヒットで出塁。続く野間はバントの構えだが2ストライクまで追い込まれる。結局ヒッティングに切り替えてショートへのゴロだったが、ボテボテしたのが幸いして内野安打となった。無死一・二塁。

続く西川が前の打席に続いてのバント。打球は上茶谷の前に転がり三塁に送球するが、セーフ。野選となり無死満塁。当然勝ち越しのチャンスである。次は途中から守備で入っていた矢野だが、代打が出そうである。

ここでコールされたのはベテランの田中。

その初球、ライトに抜けるヒットを放つ。3対2とカープが勝ち越しスタンドはこの日一番の盛り上がり。

続く小園は三振に倒れたが、一死満塁から秋山がレフトに犠牲フライを打ち、4対2とリードを広げる。

9回表は栗林が登板。さあ、この回を抑えるとファーストステージ突破である。

ベイスターズは代打に今季限りで引退の藤田が登場。レギュラーシーズンで引退セレモニーも行われていたのだが、クライマックスシリーズにも帯同していた。おそらくこの試合がチームとしても最終戦になると腹をくくったか、現役最後の打席である(こうした三浦監督の「温情」采配について、ネットではあまりよい評価は得られていないようだが)。結果はライトフライ。

山本が三振で二死となるが、タイムリーを放っている関根がセンター前ヒットで出塁、ソトを迎える。あと一人だが、一発出れば同点ということでいったん間を置く。

最後はストレートで見逃し三振。4対2、カープが2連勝でファーストステージ突破となった。いや、スタンドの盛り上がりのすごいこと。カープとすればまず「下克上」への第一歩となった。

カープの選手たちはいったんベンチに下がり、その代わりベイスターズの三浦監督以下コーチ、選手たちがグラウンドに登場し、スタンドの観客に挨拶する。ファーストステージは2戦とも接戦だったことから、スタンド全体から大きな拍手が起こる。「いい試合じゃった」という声も回りから多く出ていた。

そしてお立ち台には決勝タイムリーの田中が登場。

マツダスタジアムでのクライマックスシリーズは最終戦ということで、新井監督以下コーチ、選手たちが整列する。ここで新井監督から挨拶である。

・・・とマイクの前に立った新井監督だが、「私の挨拶の前に、今季最優秀中継ぎ投手を受賞した島内投手に挨拶していただきます」という。

島内も「聞いてませんよ」という無茶ぶりだが、マイクの前で新井監督が何やら耳打ちする。そして島内は「甲子園でも勝って、マツダスタジアムに帰ってきます!」と力強い言葉。

改めて新井監督からは「甲子園でも『がむしゃら』に、全員野球で高校球児のように戦って、またマツダスタジアムで野球ができるよう頑張ります。行ってきます!」とあり、大きな歓声があがる。

相手はタイガースということで、また甲子園では「完全」とまでは行かなくてもアウェイなのだが、これでマツダスタジアムでの日本シリーズの望みがつながった。私個人の願いでもある「バファローズ対カープの日本シリーズ」の実現も、まだまだわからない(もっとも、仮にそうなったとしてもマツダスタジアムでの試合は仕事の繁忙期である月末月初と重なるのでスタジアムに行こうにも行けないのだが・・)。

広島駅までの戻り道では、ファンの「よかったよかった」の話し声があちこちで聞こえる。この後、駅周辺の飲み屋は大変盛り上がったことだろう。さて、今季この後でこうした光景が繰り広げられるのかどうか・・・?

・・・さて、翌16日はパ・リーグのクライマックスシリーズ・ファーストステージ第3戦が行われた。マリーンズ対ホークスの1戦はここまで1勝1敗、そして第3戦も9回終了まで0対0という展開。そして、延長10回表にホークスが3点を取り、さすがにホークスが制したかと思ったが、その裏にマリーンズが粘り、ランナー2人を置いて藤岡が何と同点の3ランを放つ。さらにその後も岡が出塁して、最後は安田がタイムリー二塁打を放った。延長10回でホークスが3点を取った時には、やはりホークスが来るのかと思ったが、その裏で同点に追いつき、さらにサヨナラ打が出るというマリーンズのミラクルもすごかった。

ファーストステージのカープ、マリーンズの劇的な試合ぶり、そして盛り上がりを見ると、ファイナルステージも何が起こるかわからない。この制度については(特に今季は両リーグとも優勝チームが独走しただけに)賛否いろいろあるが、ファンとしては楽しみが長く続くし、選手のモチベーションにもなっていると思う。

さて、18日からが楽しみですな・・・。

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