まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

中山道御嶽宿

2012年03月31日 | 旅行記D・東海北陸

Dscn3472のんびりした風情の名鉄広見線。その終着駅の御嵩に到着。ホーム1本きりの線路の向こうに木造の駅舎がある。係員の人が出てくるが駅員ではなく、観光協会の人のようだ。

御嵩。初めてやってきた駅であるが、木曽の御嶽と混同しそうな感じである。終着駅には何かあるのかなということで一度外に出る。それこそ何もなければ折り返しの列車で引き返すだけのことだが。

窓口に貼っている地図を見るに、ここは中山道の宿場町であることがわかる。ちょうど駅前から伸びる道が中山道で、駅のところで鍵状になっている。ちょうど宿場の端に駅がある格好。古い町並みでも残っているかなと、とりあえず歩いてみることに。先ほど乗ってきた列車には車両や駅舎をいろいろ撮影していた人がいたのだが、その人はすぐ折り返しの列車に乗ったようだ。

Dscn3473すると、歩いてすぐのところに宿場町の風情が広がる。昔ながらの建物として保存されている「商家竹屋」に入る。

Dscn3477御嶽宿の本陣を務めていた旧野呂家の分家とかで、織物や金融、さらには名古屋で借家の経営など、幅広い商売を手掛けていたという。明治初期に建てられたという座敷や台所の昔ながらの造作を見物する。

Dscn3479竹屋の先には小さな商店街が形成されている。これらは御嶽宿の宿屋や商家を引き継いでいるものが多い。ただ日中のこととて人通りはそれほどなく、静かな時間が流れている。

Dscn3480ある商店の店頭では「街かどギャラリー」として、昭和の懐かしい品々が展示されていた。旧型のテレビ、冷蔵庫などだが、その中にファミコンがあった。うーん、ファミコンも「昭和の懐かしい品々」に分類されるのか。スーパーマリオとかファミスタとかやったなあ。初期のファミスタといえばセ・リーグ偏重であった時代背景を表していて、パ・リーグといえば西武だけが単独チームで、後は阪急・近鉄・南海の「レールウェイズ」、日本ハムとロッテの「フーズフーズ」という混合チームというものだったよな。今では考えられないことで。

本陣のあったところは現在「中山道みたけ館」という、図書館と資料館になっている。資料館では中山道の歴史、御嵩の歴史についても紹介されている。東濃の玄関口として栄えた歴史があるということだ。そして明治以降はエネルギーとなる「亜炭」の採掘で賑わったという。名鉄広見線も亜炭の運搬をやっていた時期もあったとか。御嵩がこういう町であるという予備知識も何もないまま、鉄道の終着駅というだけでやってきたのだが、短い時間の散策ながらなかなかためになる一時であった。

Dscn3484ただそんな名鉄広見線も利用客の減少で厳しい状況にあるようで、駅前、そして宿場町にも「乗って残そう広見線」の幟や看板が見える。ワンマン化も合理化、経費削減の施策であるが、路線の維持ということになると難しいものがあるのだろう。

さて駅に戻ると、来た時にはいなかった家族連れの姿が目立つ。そしていずれも揃って紙やカードのようなものを手にしている。春休みということで名鉄がポケモンのスタンプラリーでもやっているのかなと思ったが、手にした紙を見ると「ミタケ・クエスト」と書いてある。

調べたところでは、御嵩町の歴史スポットを宝さがし(それこそ、ファミコン、ドラクエの世界)のように謎を解きながら回り、最後に宝をゲットするというイベントとのこと。その中で名鉄広見線に乗車して移動するというのがあるようで、これは名鉄が、というよりは地元が企画した広見線の活性化イベントの一環といえる。

Dscn3490新可児方面からやってきた2両の列車。日中は同じ車両が行ったり来たりしている。こちらに、「ミタケ・クエスト」参加の家族連れたちとともに乗車。再びのんびりとした走りの中、明知駅でぞろぞろと下車していった。明知は御嵩の隣の中山道伏見宿のあったところで、こちらがゴールポイントのようである。

新可児から再び犬山行きに乗車し、犬山に戻る。朝方は雨も降っていた犬山だが、御嵩を歩くうちにすっかり空も晴れた。うーん、犬山城には後から行けばよかったかな。

それはそうと、御嵩では昼食をとろうと思わせる店がなかったので、ここで遅い昼食とする。駅前に昔ながらの食堂があったのでそちらに入ると、地元名物として岩魚の定食があるという。それも刺身ができるということで、岩魚の刺身も珍しいなと思い注文する。すると、店の入口横のいけすから岩魚をすくって私の目の前を通過し、奥の厨房で調理。

Dscn3493やってきた岩魚の刺身。なかなか身が締まっていて、コリコリとした食感がよい。川魚も刺身になるのだなと改めて感心したところである。

犬山からは今度は岐阜を目指すことにする・・・・。

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JR岩泉線廃止で秘境駅は本当の秘境に?

2012年03月29日 | ブログ

先の記事で開幕投手のことを書いたが、オリックス・バファローズの予告先発はフィガロ。

うーん、寺原ではなかったか。予想外れました。まあ、頭数は揃ってはいるがオープン戦で絶対的に良かった先発組がいたわけでもなく、岡田監督としては現在としての一手で選んだことだろう。シーズン序盤はいろんな手探りが続きそうかな。

さて、本日ニュースとして接したのが、JR東日本が岩泉線を廃止する意向というもの。

2010年に大雨からの土砂崩れが発生し、列車が立ち往生したという事故があった。それ以来、東日本大震災による三陸地区の他の運休区間とともに復旧が望まれていたが、巨額の経費と、それに見あうだけの利用が見込まれないことからの決断である。

確かに、復旧に100億円以上かかり、一日の利用が50人もいないと言われれば、海岸地区の復旧に回した方がよいのではと思う。
その50人にしても、乗りつぶしと秘境駅訪問者が結構なウエイトを占めていたりして。

P9203109私は、当時の本州のJR乗りつぶしの最後がこの路線ということで思い出がある。岩泉の駅の、一時は観光で賑わっていたであろう建物のガランとした感じ、ホーム一本の押角駅、どの駅だったかの駅前の日通の廃屋、汽車駅の風情の茂市駅。

その中で押角は「秘境駅」として、その筋に人気のあった駅であるが、そこにはもう列車は来ない。列車の来ない「秘境駅」は、もはやただの秘境である。さすがの「秘境駅」愛好家も、秘境となったその後までは追いかけているのかな。

これも鉄道に突きつけられた厳しい現実であるが、その分、一日も早い被災路線の復旧を願ってやまないのである・・・・。

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井川オリックス入りで投手陣は?

2012年03月28日 | プロ野球(バファローズ・NPB)
名鉄犬山岐阜旅行記の途中ですが、開幕迫るNPBプロ野球の話題を。


今日、開幕ベンチ入りのメンバーが発表となった。オリックス・バファローズは果たして誰が開幕投手になるのやら。


木佐貫という声も挙がっていたがその名はなく、寺原はいるがなぜか27日の二軍戦で投げているし。マクレーンというのも意表をついた選択で、私は面白いと思うが岡田監督はそんな采配はしないだろう。


まあ、あえて最後にもう一度調整をさせたということで、寺原に行くのが順当かと。


その一方で「ホンマにやったんやな」というのが、メジャーを自由契約となった井川の獲得。果たして、この補強はどう出るのだろうか。先発も今は頭数がいるし、小松や近藤といった元ローテーション組ももう一暴れしたいだろうし。左として割って入れるか。


選手にはそれぞれ合った環境があると思うので、アメリカで失敗した選手が日本で活躍したからと単純に「日本のレベルは落ちている」ということではなく、本人の意識と相手との相性ということで頑張ってほしい。


・・・それにしても、球団合併という経緯で始まったこの球団、ロートルというかベテランが最後にもう一花、というのが多い気がする。それが若手と上手くリンクすれば結構いい成績になると思うのですが。


さて今年、果たして何試合生で観戦できるかは微妙だが、昨年の悔しさもバネにして熱戦、勝利を期待してますぞ!!

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名鉄広見線に乗る

2012年03月28日 | 旅行記D・東海北陸

名鉄で行く犬山の旅。犬山城を見物の後、木曽川の堤防に沿ってやってきたのが鉄道と道路が並行して渡る鉄橋。

Dscn3457ここはかつて、幅の広い橋を鉄道と車道が併走していたところである。当時の名鉄特急のパノラマカーがこの鉄橋を渡るのに「ピ~ロ~リ~ピ~ロ~リ~」という独特のサイレンを鳴らしながら徐行していたのに出会ったことがある。ただそれも時代の流れとともにミスマッチとなり、結局新たな道路橋を架けることにより、車道のほうを退避させたといういきさつがある。道路が微妙に曲がっているのもその名残だろうか。

Dscn3461その鉄道橋のほうには頻繁に電車がやってくる。中部国際空港に向かうミュースカイも新鵜沼まで運転している。それらを眺めるのも楽しいし、犬山遊園側には「その筋」の人がスナイパーのように列車に照準を合わせている光景も見える。

Dscn3463でもまあ、名鉄と言えばこういうパノラマカーに乗りたいという気持ちがあるが、今となっては限定運用で、前もってダイヤを押さえる必要があるんだろうな。

Dscn3467結局新鵜沼から普通列車で犬山に戻り、さらにやってきた広見線の新可児行きに乗車。広見というのは新可児の昔の駅名らしいが、犬山から北東の方向、ちょうど愛知県と岐阜県の県境にまたがる東濃エリアの足である。名鉄といえば岐阜周辺や三河周辺などで赤字ローカル線をバッサリと切り捨てる施策で有名なのだが・・・・。

やってきた新可児行きに乗車。昼下がりのローカル区間はガラガラで、沿線ののんびりした風情と合わさって「乗り鉄」の身に快感を与えてくれる。真っ赤な色の車体も、どこかJRの国鉄型気動車車両を彷彿とさせるなと思ってみたりする。

Dscn3470新可児はJR太多線に隣接していることもあり、頭端式のホームということで犬山方面、御嵩方面ともに賑わっている。その御嵩方面に向かうのだが、同じ鉄道なのに別会社のような扱いに思えるのは不思議なことである。特別に中間改札が求められていたり、列車はワンマンだし・・・・。

Dscn3471これまでの区間はまだ平地の端を走行しているような印象であったが、新可児から先は完全にローカル線。そろそろ、両側から山並みがじわじわと迫ってくる。すっかりローカル線の風情である。ただどうだろう、中部国際空港への最適なアクセスを提供するのと同じ鉄道会社であるのに、こういう「いつ廃止されてもおかしくない」路線が表に出てくるのは・・・・?

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春の犬山へ

2012年03月25日 | 旅行記D・東海北陸

通勤電車の中で名鉄電車の中吊り広告を見る。「春の犬山キャンペーン」。さすがにポスターのような桜の景色はまだまだ先のことだろうが、そろそろ春めいてきた中でどこか一日のお出かけということで、名古屋、岐阜あたりもいいかなと思う。そんなことから、犬山に出かけようかということにした。

時間的に青春18きっぷを使い切るだけの予定が組みにくいこともあり、かといって金券ショップでも青春18の回数限定販売は結構品切れになることも。それならばと、近鉄電車で往復することとして株主優待券を購入。販売価格は1500円で1回だけ乗車できるというものだが、大阪からだと名古屋、伊勢志摩まで出かける分には安く行くことができる。

Dscn3405特急券は難波から購入していたのだが、結局橿原神宮前から大和八木へと乗り継いでここから同じ列車に乗車する。外はどんよりとした天候で、これから雨が降るのかどうなのかといったところ。アーバンライナーのデラックス席に座り、リクライニングを倒すと前日の寝不足もありウトウトする。気が付けば青山トンネルを抜け、伊勢中川の連絡線を走って伊勢路に入る。雨も降ったりやんだり、どうもすっきりしない。

名古屋に到着。犬山に行くなら名鉄ということになる。名鉄・・・・実は私、名鉄の路線図がよく呑み込めていないところがある。名鉄名古屋を中心として愛知、岐阜方面に路線が伸びているが、どうも位置関係とか距離感とか・・・。犬山に行った後は別のどこかに回ることとして結局3000円の1日フリーパス(10~16時の間であれば、特急の座席指定にも乗れる)を購入したのだが、果たして元が取れるのかどうか。

Dscn3406ホームに降り立つ。私鉄のターミナルといえば頭端式ホームがほとんどであるが、名鉄名古屋は通過型。しかも方面ごとにホームが分かれるということもなく、同じホームに次から次へと列車がやってくるので(8両もあれば2両もある)、慣れるのに時間がかかる。まあ、方面ごとに乗車位置が色分けされ、ランプで誘導されるからそれに従うということで。

Rscn3409やってきた快速特急で犬山に向かう。クロスシート車の車両は地上に出て名古屋市街を快走する。車端部の電光掲示板にスピードが表示されるが、軽く80キロを超え、時には100キロを上回るスピード。

Dscn3412名古屋から25分で犬山に到着。犬山に来たのはこれで3回目である。1回目は中学生の時、家族旅行で犬山城に明治村を訪れたもので、2回目は当時所属していた旅行サークルの面々と明治村を訪れたもの。結局いずれも明治村が関係しており、今回は明治村、あるいはリトルワールドあたりを一緒に訪れるかどうしようか迷ったのだが、犬山は城がメインということにする。雨がポツポツ降っているが、このくらいなら傘なしでもいけるかということで駅前通りを歩く。実は城下町を歩くのは初めてで、今回のキャンペーンで「犬山城下町」のことを知った次第である。

Dscn342210分ほどで天守閣に続く通りに出る。ここは電線も地上に隠し、昔ながらの家屋が残されていたり、あるいは復元されていたりと風情ある通りである。うーん、こういう町であることにもっと早くに気づけばよかったなあ。

Dscn3416そのうちの一軒、旧磯部家住宅というのが登録有形文化財として無料で公開されている。

Dscn3418元々は呉服商とかで、幕末から明治にかけて建てられたものを保存修理したもので、「起り(むくり)屋根」という、凸形に反った屋根が独特の雰囲気を出している。奥の土蔵はギャラリーとして使われることもあるとかで、街並み環境整備事業の中心となっている建物である。

Dscn3428次に訪れたのは「からくり展示館」。毎年4月に犬山祭というのがあり、その山車に乗せた人形でからくりを見せるのが名物である。この展示館はそのからくり人形についていろいろと紹介をするというものである。

Dscn3430からくりにはもう一種類、「座敷からくり」というのがあり、その代表が「茶運び人形」。ぜんまい仕掛けの人形がお茶の入った湯呑を客の前まで運び、そのまま向きを変えて主人のところにもどるという、アレである。そのからくりの構造を実演を交えて説明してくれる。からくりを出すタイミングと、細かな計算に裏付けされた仕掛けというのは見ていてうなるばかりである。

Dscn3449しばらくからくりを楽しんだ後、犬山城に到着。先ほどは傘なしでは辛いくらいの雨が降っていたのだが、からくり展示館がいい雨宿りになったようである。犬山祭の舞台ともなる針綱神社の境内を過ぎる。梅の花もちょうどいい具合に水を含んだようである。

Dscn3437そしてやってきた天守閣。現在国内に残る国宝4城(犬山、彦根、姫路、松本)の中でも最も古く、中世から近世への城郭の過渡期の風情を留めるという。

・・・ということで、昔ながらの姿を留めているのだから当然エレベーターなどというものはなく、急な階段を上るのである。前回は中学生だったから階段もホイホイ上ったはずだが、さすがにアラフォーともなると・・・・。

Dscn3446それでも、三層の天守を上り、最上階からの展望に接するとそういうことも吹っ飛ぶ。ちょうど天気も回復に向かうところで、目の前を流れる木曽川の雄大な流れに始まり、濃尾平野を一望することができる。

Dscn3442遠くには名古屋駅のセントラルタワーも見える。ちょうど木曽川が平野に出るところで、守るのにも適した立地と言えるだろう。

Dscn3454しばし展望を楽しみ、天守閣を後にする。木曽川に沿って歩くと、今度は木曽川沿いの丘の上にそびえる天守閣を望むことができる。李白の「早発白帝城」にちなんで「白帝城」という別名があるが、長江に臨む白帝城ほどのスケールはないにせよ、川の流れに実によく合った天守閣の眺めというのは美しい。

犬山、木曽川とくればもう一つ見ものがある。私はこれを見るのは初めてということになるが・・・・。

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第70代横綱は今後現れるのか?

2012年03月21日 | ブログ
大相撲春場所の11日目。綱取りに挑む把瑠都は琴欧洲に敗れて2敗に後退。この時点で今場所の優勝、そして綱取りが絶望となった。


把瑠都自身にもまだ最強の力がなかったということだろうが、それにしても「連覇」というのがこんなにも難しいものとは。


だからこそ、綱の重みというのがあるのだろうが。
第70代の横綱誕生にはまだまだ時間がかかりそうな気がする。


その一方で、1敗を守った鶴竜が大関に上がるのではという可能性のほうが高くなった。把瑠都だけでなく白鵬にも勝っているし。さほど人気がある、派手さがあるわけではないが、もろ差しをはじめとした技師ぶりは、師匠の井筒親方(逆鉾)譲り。


6大関というのはこれまでにない番付となるそうだが、どれだけ人材が滞留していることやら。昔のように「正大関」に「張出大関」を設けてもおかしくない。まあ案外、鶴竜がスルスルっと横綱になってしまったりして。


残り4日でどういう幕切れになるか、まだまだ注目したいところではあるが・・・。

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『旅情酒場をゆく』

2012年03月19日 | ブログ

本日は所用のため、終業後に大阪駅前まで移動。「20時までにお越しいただければ当日対応できます」というので時計とにらめっこだったが、何とか間に合ってセーフ。まあ、別に急ぐほどのものではなく、間に合わなければ明日以降でもよかったのだが、一日でも早くカタがついてやれやれというところである。

それでほっとしたというわけではないが、普段なかなか「夜に」訪れることのない大阪駅前ビル。第1から第4まで、昔ながらの風情を残す店舗の多いところ。地下1階はグルメ街となっており、仕事帰りの一杯の客(特に翌日は祝日だから)で賑わっている。

2012031921230000そんな中で第3ビルで見つけたのが「新鮮組」という店。オープンな雰囲気で店の熱気も伝わってくるし、「生ビール180円」の看板をはじめ、鮮魚と天ぷらを売りにしている食べ物メニューも一通り揃っていていずれも180円~480円とリーズナブル。若い人も結構来ている。

2012031919580000いろいろ飲み食いする中で「ほぉっ」とうなったのが、「ハタハタの造り」。ハタハタといえば秋田から青森の名物で、あちらなら大ぶりな子持ちのメスをいただくのが美味いが(特に卵のプリプリ感がよろしい)、最近になって鳥取あたりもハタハタの産地ということも知ったところだが、「造り」は初めて。ちょっと赤みがかった切り身であるが、なかなか歯ごたえがあっていける。こういう魚を造りで出せるとは、おそらく鳥取あたりの漁港とつながりがあるのだろうが、なかなかできる。

・・・ということでいろいろと味わいながらのひと時であったが、その時に読んでいた一冊に対して「こらあかんで」とブツブツ言いながらであった。

その一冊とは、『旅情酒場をゆく』(井上理津子著、ちくま文庫版)。

とにかく、日本列島の北から南まで(といっても北限は秋田で、南限は福岡に別府であったが)のいろいろな街の酒場をのぞき、そこでさまざまな土地の味わいに舌鼓を打ち、店のマスターに女将さん、ともに店内にいた常連のお客さんたちとの触れ合いを楽しむ、また時間があればその土地の日中の素朴な日常に触れる・・・・というものである。

それぞれの酒場放浪記を読み進めるに連れて、うならされることばかりである。何よりも、そういう店を見つけ出す取材力やら長年の勘にうなるばかりである。

51bm2rkeojl__sl500_aa300__4私も「乗り鉄」が高じて、時として「飲み鉄」を名乗り、旅先の夜は郷土料理を楽しませる居酒屋を探して回り、「良かった!」と思わせる店にも出会ったことがあるが、本書に登場する店の数々を見るに、私の未熟さを痛感させられる。何よりも「人」の素晴らしさを店の選定基準にしているところが年季の違いを感じさせるし、太田和彦氏のようにやたら酒に蘊蓄を垂れるというものでもない。まあ、太田氏はこういう店には見向きもしないだろうが、吉田類氏なら好んで入りそうな感じの店が多いかな。

私が「こらあかんで」と思うのは、「こういう素晴らしい店を次々に紹介されてもったいない」という気持ちと、「酒場の目利きについては私などまだまだ未成年のようなもので」という自己評価からである。岡山の「ミシュラン居酒屋」の雰囲気は好きなのだが、本書に登場する店と比べた時に果たしてどうだろうかとか、大阪市内に点在する赤垣屋に行って満足してそれでええんか??と、自らがブレてしまう。某県の県庁所在地にあって「結構ええな」という印象を持っているあの店は・・・・?こういう人の手にかかると箸にも棒にもかからない「三流」なんだろうな。

こうなれば、もっと場数を踏んで「これは!」というのを発見できるように精進しなければならないかな? と思うのである・・・・・のだが・・・・。

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海をめざした鉄道~なにわの海の時空館

2012年03月18日 | まち歩き

Dscn3402_4少しずつ暖かくなっているのか、それでもどんよりしたはっきりしない天候のこの週末。18日は大阪市内のほうに出る所用があり、そのついでもあってWTCのある南港へと回る。まあ、南港へ行くのは結構大回りとなったのだが・・・・。

Dscn3347やってきたのは「なにわの海の時空館」。海や港とともに発展してきた大阪の歴史について紹介するという、2000年にできた建物である。このドーム型の建物が海に浮かぶように見える。南港のこのエリア、WTC、ATCもそうなのだが、まったく人の気配がないということではなく物流の拠点として機能はしているのだが、ベイエリアを副都心や観光地として発展させようという当初の目論見は崩れているように思う。橋下前知事が大阪府庁のWTC移転を声高に叫んでいたが、東日本大震災でこの建物の耐震性に疑問がついたこともあり、市長への転身とともにいつしかその話もどこかにいってしまったようだ。

この「なにわの海の時空館」も、それらのハコモノとともに無用の長物のように見られてしまいがちだが(この日もどんよりした天候のため、余計にそう見えてしまうのかもしれない)、海上交通や港を中心とした街づくりという、この建物のコンセプトは嫌いではない。まあ、それを巨額の費用をかけて、海の上に浮かべてみるというのが賛否あるところだろうが・・・。

Dscn3345やってくるのも久しぶりのこと。入場券を購入すると穴あき銅銭をあしらったコインが渡される。これを改札口に投入してゲートを開けるのだが、どうせならこのコイン、記念に持ち帰れないものかと思う。

Dscn3351エレベーターで地下に降り、海底通路を通ってドーム型の展示棟に行くという順路。窓が開けられており、大阪湾で見られる魚の紹介をパネルもあるのだが、濁った海水と窓にこびりついた海藻が見えるくらいである。海遊館あたりのマネをしたかったのだろうが、真上に窓をこしらえたところで魚の動きはわからないでしょうに。

Dscn3352館内は世界の海上交易と大阪の港づくりについて、バーチャル技術も駆使してわかりやすく紹介されている。

Dscn3353文化の交流と発展には「海の道」が果たした役割が大きく、古来の探検家たちが航路を見つけ、開拓してきたことで「世界」が広がったとも言える。

日本も中国文化の受容に海を介していたことはもちろんで、難波にも一時都を置いていたのも国際海洋国家を意識してのことという。ただこれは外敵からの脅威を守るために再び大和盆地に戻ってしまったのだが、難波~大坂はその後も海とともに発展してきた。現在の繁栄の基礎となったのは江戸時代のことである。

Dscn3361この時代には新田開発を積極的に行い、現在の区名でいえば住之江区、大正区、港区、此花区といったところに当たる場所はこの頃の開発により広がったところ。現在にも残る町名がその当時の古地図でも確認できる。

Dscn3378私が小学生の頃に社会科の郷土史のような感じで「大和川の付け替え」というのを習ったのだが、これらも含めて江戸時代の殖産興業につながるものがあった。現在の湾岸エリアの工業地帯などはこの時代にはまだまだ姿形を現していないのだが、そういう、陸地ができていく様子を見比べるのも面白いだろう。

Dscn3358そして、海上交通である。この頃に300石から1000石積の弁才船、菱垣廻船が活躍するのだが、これを現在に復元したのが、この建物の中央にどんとそびえる「浪華丸」である。畳200枚ほどはある大きな帆船。中に入ることもできる。

Dscn3382この「浪華丸」、復元にかかった費用は10億円とも言われている。確かに建造時に一度大阪湾を航行したそうであるが、その後はこのドームにすっぽりと覆われて、今後外に出ることはないだろう。まあ、当時の船の様子を現代に伝える・・・という存在意義があるということで納得するしかないかな。

Dscn3365まあ、展示資料をじっくりと見ればそれなりに充実しているし、物流とか交通に興味がある向きにはなかなかの建物であるが、もう一つパンチがあればな・・・とも思う。もっとも、これでも昔はいろいろなアトラクションものとかもそれなりにあったそうなのだが、採算がとれずに閉鎖したとか。一回だけ航行した菱垣廻船だけでは客を呼ぶのは難しいか。

・・・と、これだけ書けば閑古鳥が鳴いている施設のように思うのだが、この日に限っては小さいお子さんを連れた家族連れとか、どこか目つきが怖いお兄さんとかの姿が目立つ。

Dscn3348その理由は、こちら。「企画展~海をめざした鉄道 なにわの海の鉄道もけい展」。そう、鉄道である。今や、人を呼ぶには鉄道を絡めるのが有効。「鉄道」と銘打っておけばどんなイベントでも客は集まるし、企画もの、販売ものもよく売れる。コーナーではNゲージやプラレールの運転会が行われており、関西の各私鉄の模型を走らせる光景が見られる。

Dscn3385今回この「なにわの海の時空館」で行われていた企画展示は、大阪の市電~地下鉄の紹介。大阪市電の第一期線というのは現在の九条あたりに位置する花園橋から大阪港の間を結んだ「築港線」というそうで、いわば大阪の公営鉄道の歴史は「海をめざす」ところから始まったということだ。

Dscn3396企画展示室には年表やら模型、切符などが展示されている。ちょうど「市電博士」と呼ばれる男性によるギャラリーツアーが行われるということで、私も一緒に話を聞くことに。

Dscn3388開業したばかりの市電というのはもの珍しさもあって見物客も多く、その後は築港に魚釣りに行くのに市電に乗ってみたり(車内に釣竿が持ち込めないからと、運転台のところに釣竿を置くスペースがあったり)、2階建て電車を運転したこともあったとか。

Dscn33932階席からはサーチライトで周囲を照らすサービスをしたこともあったそうだが、「2階から家の中を覗かれる」という苦情が相次いだために取りやめになったという。そういう歴史を「市電博士」(もともと、どういう経歴の方なんだろうか)から聞くのも面白い。

Dscn3387市電の路線網というのも結構広かったものだ。ただ戦後のモータリゼーションの波に押され、市電は渋滞の原因と決めつけられていつしか廃止。市内交通は地下鉄が賄うことになった。ただ、走っていた車両の一部は現在でも広島電鉄の市内線で見ることができる。うーん、また広島に行きたくなってきたなあ。

Dscn3395その地下鉄で「海をめざした」のは中央線にニュートラム。こちらについても精巧な模型で紹介されている。中央線というのもなかなか変化に富んだ線だと思う。乗り入れしている近鉄けいはんな線も含めて考えると、東は生駒山の向うの高台。生駒トンネルを抜け、大阪平野の東部を高架橋で駆け抜け、そして地下に潜り、阿波座を過ぎると再び顔を出し、大阪港から先で最後はコスモスクエアの埋立地の中に潜る。山の上から海底まで走り抜ける路線というのもなかなかないことだろう。この中央線も最初に開業したのは国鉄と接続する弁天町から大阪港の区間。海をめざす役割を果たしたということだ。

Dscn3386大阪市の施設ということで取り上げたのは市電に地下鉄ということだったが、海と陸を結ぶ役割を果たしたということでは貨物鉄道もあるだろう。今回はこれに関する展示はなかったが、海上交通の延長ということでこうしたことも取り上げられていればな、と思うのであった。

こちらのベイエリア、天気が良ければ六甲山系や神戸あたりも望むことができるそうだがこの日は残念。それほどバカみたいに混雑するエリアでもないので、のんびり、まったり過ごすには面白いかもしれないなあ・・・・。

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本日をもって引退・・・テツをめぐる仁義なき戦い。。

2012年03月16日 | ブログ
この時間になってようやく気づいたのだが、明日17日からJRのダイヤ改正。

その影響で、大阪を出発する夜行列車の日本海にきたぐに、そして新幹線も100系に300系が廃止、引退ということになったわけだ。


おそらく夕方の大阪駅は、カメラをチャカのようにぶら下げた、山○組の総会以上に怖い「その筋」が集まって、腕の一本や二本落ちていても不思議ではない雰囲気だったんでしょうね。

・・・あ、まだこの後、今度はきたぐにの見送りがあったか。その時間となれば、金曜の夜とてカタギの酔客が騒動に紛れ込んでしまい、それを不快に思うその筋のお兄さん方がチャカをぶっ放す・・、そんな光景になりそうな。


ダイヤ改正とは血を見るものと心得たり・・・じゃけんのぉ。

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劇的、激動の80s

2012年03月15日 | プロ野球(バファローズ・NPB)
今朝の朝日新聞では、巨人にドラフト逆指名で入団した複数の選手に対して、規定以上の契約金を支払っていたことを一面で取り上げていたそうだ。


それに対して、巨人は「ルール違反ではない」とし、それ以外の球団も巨人擁護のコメントを出している。

まあ、逆指名制度であろうとなかろうと、有望な選手に入団してもらおうと思えば、それなりの色をつけないといけないというのは理解できる。選手に拒否権がある以上は。


意外に思ったのが、契約金に上限を設けることのほうが、いわゆるカルテルに当たるとして独占禁止法の観点から問題なのだとか。企業の自由競争という視点で見れば、より優位な条件を提示して選手の意思で入団するのが正当となるのだが、それはそれでどうかと思うなあ。


ドラフト制度について言えば、別にウェーバー制度にこだわらなくてもいいから、プロ志望届を出した選手については、好き嫌い関係なく「指名を断ることはできない。もし拒否したら3年はドラフトにかけられない」とでもしたほうが良いのではと思っている。ドラフト入団を企業の配属に置き換えて考えればなおのこと。


朝日は何を思ってこの時期にこの話題を出したのだろうか。よくわからない。


さて、ドラフトで拒否はあっても「絶対ここに入団したい!」というラブコールなんてのはほとんど縁がなかったのが阪急に近鉄。その球団の復刻企画を今年もオリックスバファローズが行うという。


昨年の70年代に続き、今年は80年代。特に阪急は88年をもって球団を手放すことになったとあって、歴史的に重い年代である。一方の近鉄。今年はあの岡本太郎の猛牛マークがよみがえる。私がファンになったのもこのユニフォームの時代で、それならば何としてもチケットにグッズを入手しなくては。


昨年はサヨナラ本塁打も飛び出した近鉄復刻試合。今年もまた、ミラクルを期待したいものである・・・。

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北陸新幹線・・・の裏で考えなければならないこと

2012年03月13日 | ブログ

先日「九州新幹線が好調」ということを書いたのだが、今度はこれから開通しようという新幹線のこと。

2012031320490000_2「北へ向かって、魅力に向かって、北陸新幹線」というポスターを、会社帰りの駅で見かける。「北へ向かって」とはあるが、ポスターに登場する写真の光景は長野、新潟、富山、金沢、そして福井。つまり、「北へ向かう」のは東京から長野まで開通している長野新幹線のその後の新規開業を指してのことである。

こういうポスターを関西の駅に掲示するのって、果たしてどのくらいの効果があるのだろうか。長野から金沢まで開通したところで、関西にとって何かメリットが生まれるというものでもないし。まあうがった見方をすれば、東京から新幹線を直通させてメリットが生まれるのはせいぜい金沢まで。後の福井、そして福井から関西という区間に新幹線を通すのは関西の人たちの胸三寸ということで、だからこそ「北陸新幹線に協力してよ」という意味で出した広告ということなのだろうか。

先日、福井から特急サンダーバードに乗ることがあった。福井の次は京都までノンストップ、後は新大阪だけに停車して所要時間は2時間足らずというものだったが、在来線の特急でも走りやすい環境を整備してやれば別段苦にならない時間で到達できるというものである。これをわずかの時間短縮するために高い特急料金を設定し、かつ、地元在来線の交通網をズタズタにするだけの価値があるのだろうか。

世間では「地元の通勤通学客の利便性を低下させる」ということで、新幹線新規開業区間の在来線廃止、第三セクター化への反対意見が多い。ただその中で、目立たないが実はもっと憂慮しなければならないのが、貨物列車への影響ではないだろうか。

貨物列車を運転するJR貨物は自前の線路を持たない(・・・と言っていいだろう。もっと専門の方からはツッコミが入るところだが)。旅客列車を運行するJR各社の線路を使用する形で運転しているのだが、これがJRではない、第三セクターでズタズタにされた区間となるとどうだろう。それぞれの会社が線路使用料を高額に要求したり、会社によっては線路保守がままならないとかで貨物列車の走行そのものに難色を示すところもあるとか。

まあ、鉄道各社も自社の経営をどう安定させるかに苦慮するところである。しかし、貨物列車を一本走らせるのにいくつもの旅客会社をまたがせるのっていかがなものだろうか。

耳触りのいい言葉に「モーダルシフト」というのがある。トラック輸送から、環境負荷の少ない鉄道などに輸送をシフトしようということで、国の環境施策の一つでもあるし、最近は企業のグリーン経営の一環として「物流を鉄道に切り替えた」というのをアピールするメーカーもある。ただその実態を見るに、鉄道への移行はほんの一握りの話。やはり物流を支えるのはトラックである。

こういう、鉄道網がズタズタというのは、モーダルシフトに逆行していることである。せっかく鉄道を利用して・・・といいながら、その鉄道がものすごく不便なのだから。鉄道網の維持ということであれば、第三セクターにするくらいならJR貨物が引き受ける、あるいは国のものにしてもいいのではないかと思うが、どうだろうか。

本気で貨物列車へのシフト、物流の一翼を担わせようとするのであれば、当事者がもっとインフラ整備についての意識を持たなければ意味がないだろうな・・・・。

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大相撲春場所観戦

2012年03月11日 | ブログ

Dscn2960昨年は東日本大震災の影響で・・・ではなく、例の八百長問題を受けて中止になった大相撲春場所。2年ぶりの開催、そして今場所は把瑠都の綱取りがかかるということで注目しており、久しぶりにチケットを購入して出かけた。

春場所をナマで観戦するのも7年ぶりのこと。その時は朝青龍の一人横綱で、白鵬はまだ三役、把瑠都はまだ十両にも上がっていなかったから、時間は流れるものである。

Dscn2965朝の大阪府立体育会館。当日売りの自由席券を買い求める客の列。力士の幟も林立しており、やはりこの風情だよなと思う。私の席は指定席なのだが、8時30分の開場と同時に中に入る。

Dscn2975早朝の序ノ口、序二段というところは観客もまばらだし、普通であればまず座ることのできない土俵溜り席も自由に腰かけても別に何も言われない。自由席券を買い求めたとおぼしき人も、荷物を置いて席だけキープしておいて土俵の近くにやってくる。

Dscn2980まあ私なぞが座っていたら「どこぞの相撲部の関係者かいな」と思う人がいるかもしれないが、このクラスの力士となると私よりもやせている(!)のが結構いるものだ。そういう力士は足腰のよさで(おそらく、ほかのいろんなスポーツで鍛えられた中で)スカウトされたのだろうが、そういう力士同士の対戦も面白い。

Dscn2989序二段で荒行志と若源治という一番があったが、この両者がそのようなタイプの力士同士の一番で、お互いに休まず譲らぬ攻め合いを見せる。最後はわたしこみで荒行志が勝ったが、序二段の相撲にも大きな拍手が送られていた。

Dscn3002その一方で、恵まれた体がありながらいとも簡単に引いて相手に押し込まれたり、ちょっと回り込まれただけでバッタリと倒れてしまうアンコ型の力士がいるとがっかりする。下位の力士ほど、引き技に頼る、引き技にはまるのではなく正面からの相撲を取ってほしいのだが・・・・(修業の意味で)。

Dscn3056Dscn3005せっかくなのでいろんな角度から土俵上の取組を見る。行司が場内アナウンスを行うテーブルの近くに座ったり(単語を覚えるためのカードをめくりながら力士紹介をしたり、決まり手で判断のわかれそうなものはインターホンで担当の親方に確認したりする様子を見るのも面白い)、控え力士の後ろに座ってみたり。そうするうちに早くも昼時となった。

Dscn3008土俵溜り席では飲食は禁止されており、食事は自席でということに。一度なら外に出て再入場できるのでなんばの近くで食事してもよかったのだが、まあせっかくなので。ただ弁当の類はこれといったものがなく、食事というよりは酒のアテということで焼き鳥を。両国国技館の地下で焼き鳥が調理されているのはよく知られた話だが、大阪場所にもあるんやなと。

Dscn30232階の椅子席ではあるが結構土俵も近く見える。取組が進むに連れて土俵溜りや枡席にも客が入るようになり、場内も少しずつざわついてきた。

さて今日は3月11日。ちょうど一年前の14時46分、東日本大震災の発生である。各地のスポーツイベント会場でも黙とうを行ったり義捐金を募ったりということがあるようだが、こちら大相撲も例外ではない。14時46分はまだ幕下の取組の途中であったが、15時を過ぎて十両の取組の間に行われる協会挨拶でイベントが行われた。

Dscn3155通常の協会挨拶は理事長に横綱、大関、三役が土俵に上がるものだが、この日は幕内の全力士が土俵下を含めて勢揃い。まずは観客も一緒に正面側を向いて1分間の黙とうをささげる。

Dscn3164その後は北の湖理事長の挨拶。弟子の不祥事で辞任した理事長職であるがまた戻ってくるところは政治力なのかどうなのか。まだまだ世間からの目は厳しいものがあるだけに、これからどのような土俵の充実を見せてくれるのか見守りたいものである。まずこの春場所は貴乃花親方のセールスぶりが一般紙でも取り上げられているが・・・。

Dscn3187相撲というのは「地鎮」の儀式から来ているともいう。「昨年春場所をやらなかったからあんな大震災が起きたんだ」ということを言う人もいる。まあその因果関係はともかくとして、改めて相撲の祭礼的な要素も改めて見直したほうがいいのではないかと思う。

Dscn3215Dscn3213昨年のプロ野球の開幕前に楽天の嶋選手が言った「見せましょう、野球の底力を」というのも流行語になったが、ここでこそ土地の安寧と鎮魂の儀式として「見せましょう、相撲の底力を」ではないかと思う。

Dscn3242幕内土俵入り、横綱土俵入りと続いて中入り後の取組となるが、テレビで見るのとは違って展開は早く感じられる。どうしてもテレビが土俵の上の動きだけを追うものだから時間が遅く感じられるのだろうが、実際に会場にいると周囲の声援に耳を傾けたり客席の動きに目が行ったりするからだろう。

Dscn3253春場所ということで関西出身の力士には大きな声援が送られる。幕内の初めには新入幕の勢。なんといっても景気のいい名前である。残念ながら宝富士に敗れたがこれからが楽しみである。幕内前半の最後に出てきたのが寝屋川出身の豪栄道。向正面に大応援団が陣取り横断幕やプラカードも出る。

Dscn3260その豪栄道、同じ若手の松鳳山を退けて大きな拍手。

Dscn3270力が入ったのは栃ノ心と安美錦の一番。土俵際での投げの打ち合いとなり、物言いがついた。ここで協議の結果取り直しとなった。「これだから相撲はわかりやすいんや」という客の声も。

Dscn3274取り直しの一番は安美錦が攻勢となり、またも栃ノ心を裏返して大きな歓声を受ける。久しぶりの三役復帰となったがまだまだ元気である。

Dscn3295大関陣も登場。琴奨菊、琴欧洲はそれぞれ危なげない一番であったが、稀勢の里に挑んだのがこちらも新鋭の栃乃若。尼崎出身ということでこちらも大関に負けない声援を受けていたが、正面から相撲を取り何と稀勢の里を押し出す快勝。「アンタのほうが大関や!」とまでも。それはさすがにちょっと早いかな・・・。でも、この日は日馬富士に敗れた妙義龍も含めて、関西勢の若手が場所を盛り上げてくれることを期待したい。

Dscn3307Dscn3322最後の2番は綱取りを目指す把瑠都に白鵬が登場。いずれも多くの懸賞の幟が回る。テレビ中継だとこの場面は意図的に引いた構図となり、そこで両者の対戦成績を出すことになる。ただ、ナマで聞いていると短い時間で、それぞれの企業のPRとなるようなキャッチコピーを織り交ぜており、広告宣伝費と考えればなかなかいい「媒体」であろう。

Dscn3333Dscn3342今場所も優勝争いの中心となるであろう両力士、それぞれ臥牙丸、栃煌山を危なげなく下す。稀勢の里は敗れたが上位陣はまず安泰ということで、果たしてこれからどのような場所になって行くかが楽しみである。ニュースもちゃんとチェックすることにするか・・・・。

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九州新幹線全通から1年・・・早く乗りたい

2012年03月10日 | ブログ
昨年は東日本大震災発生の翌日ということで目立ったイベントもなくひっそりとした形でのスタートとなった九州新幹線。


震災から1年、同時に九州新幹線も1年である。


はじめは利用客がどのくらいになるか危惧されていたようだが、特に関西方面からは飛行機にも十分対抗できる時間、価格ということもあってここまで好調にきているという。熊本、鹿児島も観光地としての魅力あるところで、鉄道アクセスの改良は大いにプラスである。


かくいう私、東北新幹線の新青森は乗りつぶしたが、九州の博多から新八代が未乗車となっている。行こうと思えば行けたのだろうが、そこは何やかんやで。


八代まで行って宿泊は熊本で一泊旅は十分可能だが、これを機に福岡でも筑後地方、あるいは熊本北部とか、これまで観光地としては素通りの多かったエリアに目を向けるのも面白いかと思う。


乗るだけでなく、乗った後の馬刺に米焼酎も楽しみ・・・。

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もうすぐ震災からまる一年

2012年03月09日 | ブログ
一年前の金曜日のことだったと思う。午後2時46分の地震発生後の混乱と各地の被害について、その夜から翌々日(週末ということもあり)までテレビでずっと見ていたことである。


東日本大震災は津波のため被害の範囲が阪神淡路大震災と比べてはるかに広く、そして何よりも原発事故である。原発事故が今後この国のエネルギー構造だけでなく、ひょっとしたら産業、経済構造まで変えてしまいかねないということで歴史上の転換点となるだろう。


ところがこの国のトップと来たら相変わらずで・・・ま、これ以上は言わないでおこうか。


被災地の状況も、まる一年が近いせいか少しずつ報道も増えているが、復興にはまだまだ遠い道のりである。


改めて、自分たちでできることは何だろうかと考えてみるのだが、なかなか思いつかない。結局は特別なことではなく、自分の生活を粛々と営んでいくだけなのかな。


できることなら、またもう一度、被災地の様子をこの目で見てみたいものである・・・。

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伊勢志摩へは近鉄と金麦で

2012年03月06日 | ブログ

近鉄のポスター。これまでは「団塊」世代をターゲットにしたイメージづくりということで、女優の竹下景子さんがイメージキャラクターを務めていたのだが、この3月からは30~40歳代の女性もターゲットに・・・ということで、元タカラジェンヌの檀れいさんを起用。

2012030621370000_2それにしても、綺麗ですね・・・・。

近鉄特急の旅のお供は、アサヒスーパードライではなく「金麦」で決まりですかな。

またいつの日か伊勢志摩に行く機会があれば、複数でビスタカーの階下のコンパート席を取りたいものだなと思うのである・・・・。

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