まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

井持浦教会のルルドと平成最後の夕食

2019年05月14日 | 旅行記H・九州

観光バスは福江の市街地に戻ってきた。この日は「コンネホテル」というホテルに宿泊する。「コンネ」は「来んね」から取っている。

15時のチェックインまで30分ほどあるということで、それまでの時間調整で商店街でいったん下車する。五島銘菓「治安孝行(ちゃんここ)」の「はたなか」という店である。「ちゃんここ」とは福江島に伝わる盆踊りで、お菓子は餅をあんこときな粉でくるんだもの。試食させてもらったがものすごく甘い。

少しぶらつく。石田城跡も近いし、コンビニも見つけた。福江島にはコンビニが5軒あるそうだが、ブランドはいずれもポプラ。私も広島勤務時代は結構お世話になったが、まさか福江島で目にするとは。品揃えは普通にあるし、五島うどんや焼酎などの簡単な土産物もある。フェリーでいただいた九州限定の「檸檬堂」もある。改元を祝う酒類は後ほどここで調達しよう。

バスが来る。ホテルは歩いてもすぐそこだが、先ほどの時間調整の間にチェックインができたようで、車内でカードキーが渡される。大きな荷物もすでにロビーに並べられていた。

客室はコンパクトだが落ち着いた色合いの内装だ。コーナーいっぱいにデスクが広がっていて、ビジネスにも対応している。

シングルルームはバスの備え付けがないものの、トイレ、洗面台が独立している。風呂は、1階の大浴場を使う。15時にチェックインして、次の集合が16時40分。この時間でも風呂は入れるということで早速出かけ、一番風呂を楽しむ。夜行フェリー2連泊で、船内の風呂と日帰り温泉は利用したが、やはり揺れないところで寝ることができる安堵感が湧いてきた。ただ、ベッドに横になるとそのまま寝過ごしそうになるのでそれは我慢する。

時間となりロビーに下りる。ここからバスに揺られ、夕日のスポットである大瀬崎に向かう。日の入り時刻は19時05分ということで、その前に近くのレストランで夕食となる。昼間楽しませてくれたガイドのSさんはお役御免で、ここからは添乗員Kさんが担当する。これから目指す大瀬崎は島の南西端に当たり、途中山がちな区間を横断する。遠くには風力発電の風車も見える。

玉之浦の入江に出る。この辺りも複雑な地形で、地図を見ると海水面がUの字を描いている。

夕食はこの先の「ニューパンドラ」という店だが、添乗員Kさんが、「コースには予定していませんでしたが、先ほど運転手さんと『緊急サミット』をしまして、手前にある井持浦教会に立ち寄ることにしました」と告げる。ちょうどレストランの手前にあるし、雨は止んだものの夕日を見られる可能性がほぼゼロとなったため、大瀬崎での滞在時間を短くし、夕食の時間も少しずらしたようだ。これには車内からも喜びの声が挙がる。このツアーでは教会めぐりも含まれていて、この日は水ノ浦教会を訪ねたが、井持浦教会は観光スポットとしても有名なのだそうだ。当初の予定では素通りだったが、やはり行きたいと思っていた客も多かった様子だ。

時刻は18時に近い。敷地の入口にはマリア像が立ち、「いらっしゃい」と書かれた札がある。「いらっしゃい」とは聖書の一節にある言葉なのだそうだが、この文字を見ると「いらっしゃ~い」と桂文枝ふうに読む人がいるのはやはり関西人の集団だからだろうか。

さすがに中は閉まっているだろうから建物だけでも・・と案内されたが、何と扉が開いていて、少しなら入ってもよいことになった。

井持浦教会が建てられたのは1897年のことで、フランス人のペルー神父の手による。途中台風による倒壊もあり、現在の建物は1987年に改装されたものだ。

この教会が知られているのは、日本で最初にルルド(聖水の湧く泉)が造られたこと。ペルー神父の指揮の下、五島各地から集められた石を積み上げてできたそうだ。ここに来られたのはラッキーということで皆さんカメラやスマホを構える。

ただ、泉の水はいつしか枯れてしまったそうだ。で、代わりに横に飲み場がある。普通に蛇口をひねってプラスチックのコップに受ける。まあ、これも聖水ということでありがたやといただく。

そして「ニューパンドラ」に到着。ここで平成最後の夕食である。

五島の味覚がさまざま詰まった特別メニューと言ってもいいだろう。ヒラマサの造り、サザエ、ウツボの湯引き(この店はウツボ料理が売りなのだとか。五島でもウツボが食べられるとは)、野菜の五島牛巻き、巨大な有頭エビフライなど。

絶対これ、酒が進む。いつもの一人旅ならそうするだろう(あ、でもレンタカーで来たら無理やけど)。ただそこは団体ツアーのためか、瓶ビール1本頼んでご夫婦で一杯という方が若干いた程度で、さすがの私も皆さんがいる手前、注文を遠慮した。他の男性一人参加のお父さん方に飲んべえがいるわけでもない。まあ、部屋に帰って、ポプラで調達しますか・・。

この後はいよいよツアーの一番のイベントであり、ツアーの名前にもなっている「平成最後の夕日観賞」へ・・・。

コメント