まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

新門司港上陸~博多に移動

2019年05月03日 | 旅行記H・九州

4月29日朝、新門司行き名門大洋フェリーの船内で目覚める。時刻では日の出まであと少しの頃合いだが、空はどんよりとしている。また展望デッキの甲板も濡れている。やはり予報通りの雨か(笑)遠くに見える陸地は山口県の上関の沖合いの島のようだ。

テレビでは天気予報が流れていたが、これから向かう九州全土、ものの見事に傘マークである。この日は夜の博多埠頭発五島列島行きフェリーまでフリータイムだが、どこに行っても雨は避けられないようだ。

昨夜は夕食後に乗船したのでレストランには入らなかったが、せっかくなので朝食は利用してみよう。なお、往復とも船内での食事はツアー料金に含まれていない。6時40分からという案内だったが早く準備ができたようで6時半にはレストランに入ることができた。

バイキング形式で750円。品数も結構あり、皿にはあれこれ乗っかる。海を眺めながらの食事というのも贅沢な気分になれる。他の客も次々来て、料理の周りはあっという間に行列ができる。

またしばらく外を眺めながらぼんやりする。展望デッキに上がると、前方に客船の姿が見える。よく見ると阪九フェリーである。時刻からすれば、昨夜20時に神戸を出航して8時30分に新門司に着く便のようだ。

そろそろ新門司が近づく。阪九フェリーのほうが先に到着したようだが、こちら名門大洋フェリーは同じ港でも少し離れたバースに着岸するようだ。横腹を岸壁に着けるように動いていく。位置を微調整する舵さばきに「上手いもんやなあ」と感心する声が挙がる。

8時30分、定刻に到着する。徒歩客はフェリー接続の無料バスで門司駅、小倉駅に向かう。この日はツアーご一行用に1台用意されていて、大阪から同行の添乗員が旗を持ってそのバスに誘導する。添乗員とバス運転手との会話でも、このツアーが参加者31名、添乗員1名の計32名で組まれていることがわかる。もっともこれだけではバスに空席があり、同じ小倉駅に向かうからと一般客も乗せる。最初添乗員は「クラブツーリズム専用です」と突っぱねていたが、運転手が「乗れるからええじゃろ」と他の客も受け入れる形になった。最後には折り畳み自転車の持ち込み客もあった。外が雨で急遽バス移動となったのかな。

バスは門司駅を経由して、40分ほどで小倉駅北口(新幹線側)に到着。添乗員の引率で駅に入り、そのまま在来線の改札口から乗り換え階段に着く。ここでいったん集合となった。昨夜は受付順にフェリーに乗り込み、船内では自由行動だったから、31名のご一行全体が顔を合わせるのは初めてである。ご夫婦、子ども連れ、カップル、3世代、親戚一同など複数人参加が中心だが、1人参加もちらほら見える。後に、1人参加は男性女性とも4人ずついることがわかったが、いずれもこの手のツアーには慣れた感じの方ばかりのようにうかがえた。

改めて添乗員のKさんから挨拶があるとともに、この先の移動は団体行動が基本となる旨が伝えられる。次に乗る小倉10時05分発の特急「ソニック14号」博多行きは団体乗車券利用で、ツアー参加者には割り当ての座席番号が書かれた紙が渡される。時間が来れば列車に乗るよう指示された後は、到着まで20分あまり改札内で待機となる。

その間、ホームに発着する列車の写真を撮ったり、ホームのスタンドで名物の「かしわうどん」をいただいたりする。やってることはいつもの鉄道旅行と変わらない。

やがて「ソニック14号」が中津方面から入線し、3号車に固まって乗車する。小倉で進行方向が変わるのだが、皆さんそれを知らずそのまま走り出す。誰かが声を挙げたのをきっかけに順次座席の向きをひっくり返す。

割り当てられたのが通路側ということで、車窓を遠くに見る。途中、黒崎と折尾に停車する。そう言えば折尾の駅舎も数年前に建て替えられたなあ。ホームも新しいものになっている。

10時50分、博多に到着。ふと、「これやったら今朝早くの新幹線で出るのと時間的に変わらないのでは」というのが頭によぎったが、それを口にしてはいけないだろう。今回、大阪から出航して福岡に上陸し、博多からまた船に乗って福江島を目指すのは、かつての遣唐使のルートをたどるかのような面白さもあるのだから。

ひとまず一斉に改札を出て、人でごった返すコンコースを移動する。博多駅ってこんなに客がいたっけか。まあ、10連休の影響も大きいか。博多どんたくの時はさらに混雑するのだろう。そのまま筑紫口側の「ひかり広場」まで進む。ここでいったん解散となるが、その前に添乗員Kさんから何点か注意事項の説明がある。

「今夜(29日夜)は博多埠頭から福江島行きのフェリーに乗りますが、博多駅からタクシー8台に分乗して移動するので、21時にひかり広場に集合してください。博多駅、ひかり広場、21時です。時間厳守です」(ここ、もっとも大事なこととして何回も何回も繰り返し、しまいには参加者も唱和することに)

「今夜は海が荒れることも予想されます。昨夜の大阪からのフェリーと違って揺れると思うので、心配な人は酔い止め薬を買っておいてください」(これも遣唐使の疑似体験か)

「最悪フェリーが欠航する恐れもあります。大丈夫とは思いますが、船会社の運航判断を16時に行うので、16時~16時半の間に、お渡しした案内に記載した私の携帯に確認電話をお願いします」(これはうっかり忘れてしまいそうだ)

「万が一欠航になったら・・陸路長崎まで移動して長崎で1泊します。そして翌朝のジェットフォイルで福江に向かいます。決して旅程を中止して五島に渡らないということにはしません。私が何とかしますので」(まあ、長年運航実績がある路線だから、台風やよほどの爆弾低気圧でも来ない限りは大丈夫だろう。それにしても、急遽長崎に移動と言ってもKさん含めて32人の宿なんて取れるのかな)

「もし直接博多埠頭に向かうという方はそれでも構わないので、16時の連絡の時に申し出てください。時間はその時に伝えます」(ある客から質問があった)

「フェリーにはシャワーブースしかなく数も少ないので、事前にどこかで入浴をおすすめします。博多駅近くや、博多埠頭近くにも日帰り浴場ありますよ」(中洲には特殊浴場がありますなあ・・って違うか)

・・・いろいろ説明があるのも団体旅行ならではで、しつこいくらい言わないと、いやしつこく言っても遅刻したり勝手な行動を取る人がいるのだろう。私も注意しなければ。

11時20分頃に解散となる。まず大バッグを預けようとコインロッカーを探すが、いずれもふさがっている。添乗員Kさんから先ほど案内があった駅ビル内の臨時の手荷物預り所にも向かうが、こちらには何百人と長い列ができている。預けるだけで何時間かかるやら。集合までの間、私は博多から南、太宰府市に向かうつもりである。太宰府へは地下鉄で天神まで移動して西鉄電車に乗るが、天神駅のコインロッカーも軒並みふさがっている。これでは太宰府までバッグを転がしていくしかない。ただそうすることで、帰りは博多駅に戻らず直後博多埠頭に向かうという選択肢ができる。

11時48分発の急行太宰府行きに乗る。西鉄電車に乗る機会もなかなかないので車窓を見ながら進むが、雨は一向に弱まる気配がない・・・。

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