恩田陸 著 『蜜蜂と遠雷』読了しました。
私の中では、今年読んで良かった本ベスト3に入る傑作と思います!!
以前から恩田陸さんの作品は好きでした。
デビュー作の『六番目の小夜子』、本屋大賞の『夜のピクニック』、『光の帝国 常野物語』『上と外』、
等、かなりの作品を読んできました。
が、『夢違』『夜の底は柔らかな幻』などはちょっとぼんやりしているなぁ、とやや残念に思っていたところ、
この『蜜蜂と遠雷』は、作品の中に浸って終わりまで共に走り抜けられるくっきりとした素晴らしい作品です!
2段組みで500ページ…一体どれだけ時間がかかるかと思っていたのですが、
面白くて手放せず夜遅くまで読みふけり、2日で読了!読み終えるのが惜しい作品でした。
内容は、3年ごとに開催される国際ピアノコンクールが舞台でエントリーから本選までが時系列で描かれます。
登場人物は、もちろん若きピアニストたち。
12日間のコンクールの期間中の、様々な人間模様、音楽への熱い思い、
1次予選、2次予選、3次予選、本選と4回の演奏の様子、コンクールの結果もハラハラドキドキです。
(最終結果は、作品の最後に一覧になっているのですが、我慢して見ないで読んでも面白いですね。)
読んでいるのは文章なのに、まるで本の中から音楽が聞こえ、ピアニストたちの顔つきが見えるようでした。
文章で音楽をこんなにも鮮やかに描き表せるのだと、驚愕しました。
人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説、帯にある通り「文句なしの最高傑作!」。
また、作品の冒頭に課題曲や主役級の四人が弾いた曲のリストも掲載されているので、
動画サイトでその音楽を流しながら、ピアニストが弾いている様子を読むのもとても楽しかった♪
(レコードやCDがなくても、手元のスマホですぐに音楽が聴けるのは本当に便利になった!)。
《追記》この作品中の演奏曲を集めたプレイリストのページが出来たそうです。
全日本ピアノ指導者協会
このサイトでは実際に若手ピアニストがコンクールで弾いている曲を全曲完全収録しているので、
その演奏にはまさに作品に近い緊張感も感じられそうです!
私はクラシック音楽も好きで聞きますが、多分、あまり興味がない人でも楽しく読めると思います。
描かれている登場人物たちの人間性も素敵で、
読みながらも読み終わった後も、清々しく前向きで明るい気持ちになれました。
魂を揺さぶられるこういう作品に出会え至福の時を過ごせるから、読書をやめることができません。
クラシック音楽は、オペラ以外は歌詞がありませんよね。
だからこそ、聞く人や場所、気分によってその音楽から様々な雰囲気や情景が浮かんでくるところが面白い、
と以前から思っていましたが、作中にそのような記述があり、それで良かったのだと思えました。
また、弾く人によって、曲想もピアノの音さえも違うものなので、
同じ曲を何回聞いても面白いし、生演奏でなければわからない面白さもあります。
直木賞候補作に選ばれるのではないか、と(勝手に)思うのですが、
前回の直木賞候補がやはりピアノを題材とした『羊と鋼の森』だったので、
今度こそピアノで、大好きな恩田陸さんに直木賞をとってもらいたい!
雑誌連載は7年にも及んだ本作、著者の恩田陸さんも並々ならぬ熱の入れようだったと思います。
図書館の順番待ちが待ちきれず書店で購入したのですが、
買って良かったことの一つが、カバーを外した本体の色と手触りを知れたこと。
本体はツルツルした手触りで真っ黒、ちょっと指紋が付くと柔らかい布で拭き取りたくなる、
これ、ピアノを表しているのですよね!?
うーん、とてもお洒落で素敵な装丁です!!
私の中では、今年読んで良かった本ベスト3に入る傑作と思います!!
以前から恩田陸さんの作品は好きでした。
デビュー作の『六番目の小夜子』、本屋大賞の『夜のピクニック』、『光の帝国 常野物語』『上と外』、
等、かなりの作品を読んできました。
が、『夢違』『夜の底は柔らかな幻』などはちょっとぼんやりしているなぁ、とやや残念に思っていたところ、
この『蜜蜂と遠雷』は、作品の中に浸って終わりまで共に走り抜けられるくっきりとした素晴らしい作品です!
2段組みで500ページ…一体どれだけ時間がかかるかと思っていたのですが、
面白くて手放せず夜遅くまで読みふけり、2日で読了!読み終えるのが惜しい作品でした。
内容は、3年ごとに開催される国際ピアノコンクールが舞台でエントリーから本選までが時系列で描かれます。
登場人物は、もちろん若きピアニストたち。
12日間のコンクールの期間中の、様々な人間模様、音楽への熱い思い、
1次予選、2次予選、3次予選、本選と4回の演奏の様子、コンクールの結果もハラハラドキドキです。
(最終結果は、作品の最後に一覧になっているのですが、我慢して見ないで読んでも面白いですね。)
読んでいるのは文章なのに、まるで本の中から音楽が聞こえ、ピアニストたちの顔つきが見えるようでした。
文章で音楽をこんなにも鮮やかに描き表せるのだと、驚愕しました。
人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説、帯にある通り「文句なしの最高傑作!」。
また、作品の冒頭に課題曲や主役級の四人が弾いた曲のリストも掲載されているので、
動画サイトでその音楽を流しながら、ピアニストが弾いている様子を読むのもとても楽しかった♪
(レコードやCDがなくても、手元のスマホですぐに音楽が聴けるのは本当に便利になった!)。
《追記》この作品中の演奏曲を集めたプレイリストのページが出来たそうです。
全日本ピアノ指導者協会
このサイトでは実際に若手ピアニストがコンクールで弾いている曲を全曲完全収録しているので、
その演奏にはまさに作品に近い緊張感も感じられそうです!
私はクラシック音楽も好きで聞きますが、多分、あまり興味がない人でも楽しく読めると思います。
描かれている登場人物たちの人間性も素敵で、
読みながらも読み終わった後も、清々しく前向きで明るい気持ちになれました。
魂を揺さぶられるこういう作品に出会え至福の時を過ごせるから、読書をやめることができません。
クラシック音楽は、オペラ以外は歌詞がありませんよね。
だからこそ、聞く人や場所、気分によってその音楽から様々な雰囲気や情景が浮かんでくるところが面白い、
と以前から思っていましたが、作中にそのような記述があり、それで良かったのだと思えました。
また、弾く人によって、曲想もピアノの音さえも違うものなので、
同じ曲を何回聞いても面白いし、生演奏でなければわからない面白さもあります。
直木賞候補作に選ばれるのではないか、と(勝手に)思うのですが、
前回の直木賞候補がやはりピアノを題材とした『羊と鋼の森』だったので、
今度こそピアノで、大好きな恩田陸さんに直木賞をとってもらいたい!
雑誌連載は7年にも及んだ本作、著者の恩田陸さんも並々ならぬ熱の入れようだったと思います。
図書館の順番待ちが待ちきれず書店で購入したのですが、
買って良かったことの一つが、カバーを外した本体の色と手触りを知れたこと。
本体はツルツルした手触りで真っ黒、ちょっと指紋が付くと柔らかい布で拭き取りたくなる、
これ、ピアノを表しているのですよね!?
うーん、とてもお洒落で素敵な装丁です!!
目に見える記録で争うのではないのですから、曲の解釈など違ってきますよね。
でも、演奏者も審査員も観客も、音楽への熱い気持ちは同じですよね。
音楽の持つ力、というものも感じました。
図書館はカバーごとコートをかけてしまうので、本体を見ることができないのが玉にきずです。
この本も、初めは「どうして真っ黒な本⁈」と思っていましたが、
触っているうちに「これはピアノ!」と思ったのでした。
本当に素晴らしいですよね。
審査員ひとりひとりの想いや人生が繊細に描かれているところが良かったです。
そのうえ音楽をこのように表現できるなんて本当にすごいと思いましたよ。(笑)
おっしゃるとおり装丁もお洒落で素敵ですよね。