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通し狂言 「菅原伝授手習鑑」

2015-03-28 | アート
歌舞伎座で江戸の三大歌舞伎演目のひとつと言われる『菅原伝授手習鑑』を見てきました。

今回どうしても見たかったのは、これが「通し狂言」で上演されるから!
私は以前、この中の「寺子屋」だけを見たことがありますが、やはり筋書き通りに全て見たいです。
今回は13年ぶりの通し狂言とありましたので、是非見なくちゃ!
でも、朝から夜まで7時間ぶっ通しで見るのは体力的にも辛いと思い、昼夜2回に分けて観ることにしました。

歌舞伎座へ行く前に、竹田出雲の原作を読むべきなのでしょうが、
時間がないので絵本でごまかし、大筋を頭に入れました。

橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻(3) 『菅原伝授手習鑑』 橋本治/文 岡田嘉夫/絵



「天神さま」として祀られている菅原道真を主人公とした物語です。
学問の神さま、菅原道真が悪魔のよう(見た目もそうだった!)な藤原時平にだまされ大宰府流罪となり、
それぞれの君主に仕えた三つ子の三兄弟にも悲劇が起こります。

仕事の都合で、後半の夜の部から参戦です。
歌舞伎座で夜の部を見るのは初めて!ライトアップされて綺麗です。



後半 夜の部の構成は
・四幕目 吉田社頭 車引の場
・五幕目 佐太村 賀の祝の場
・六幕目 寺子屋の場

三兄弟役は松王丸が市川染五郎さん、梅王丸が片岡愛之助さん、桜丸が尾上菊之助さんです。
車引きの場では、梅王丸の怒りをもった荒くれぶりが、
賀の祝いの場では、自害する桜丸の悲しみと辛さが、
そして最後の寺子屋の場では、我が子の首を差し出した松王丸の悲しみが、良く出ていました。
特に、我が子 小太郎の野辺の送りの場面で松王丸役の染五郎さんの悲嘆にくれる様は、
思わず涙するほど迫真の演技で、以前見た時よりも深く心に沁み、
いつも爽やかなイメージのある染五郎さんを見直しました!

舞台が跳ねるともう夜の9時近く、近くに一泊して翌日昼の部に備えます♪

27日は千穐楽ということもあって、歌舞伎座前はかなりの人でごった返しておりました!



前半 昼の部の構成は、
・序幕  加茂堤
・二幕目 筆法伝授
‐菅原館奥殿の場
‐菅原館学問所の場
‐菅原館門外の場
・三幕目 道明寺

二幕目で菅丞相役の片岡仁左衛門さんが神々しく登場しますが、もう本当に素敵です。
気品があって、物静かで、思慮深さや聡明さまで感じさせる、まさに当代きっての当たり役でしょう。
二幕目は三場の構成ですが、幕を降ろさず、奥殿→学問所→門外へと、回り舞台で変わっていくのも、
見ていて面白かったです。
三幕目の道明寺では、菅原道真が娘の苅屋姫と親子の対面をしましたが、大宰府流罪となる別れの場面が圧巻です。
涙がこらえきれないお客さんもいらっしゃいました。
大宰府へ流された道真公の元に、今まで大事にしていた梅が一夜のうちに飛んで行って根を張った、
それがあるかもしれないとさえ思わせる、風格と威厳が仁左衛門さんにはありました。

学生の時、九州大宰府の梅「飛梅」を見に行きましたが、きっかけはさだまさしの歌でした。
梅の季節も終わりましたが、有名な歌を。

「東風吹かば匂い起こせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ」

この後、日本橋のTデパートでお買い物をしているうちに、暑くてショールを外したりしていたら、
気が付くとそれが手元にない・・・(デパートって暖房が暑すぎません?!)
どこかに落としてしまったらしく、店員さんに手伝ってもらってあちこち探したのですが、
結局見つからなくて、自分のミスから楽しい気分もいくらか目減りしてしまいました。
が、今日、デパートから「ショール、見つかりました!」とのお電話が♪
どなたかが届けてくださったらしいです。
良かった!!
ありがとうございます、幸せ気分いっぱいです。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
桜子さま (holy)
2015-03-31 01:25:56
仁左衛門さん、本当に素敵でした♪
今回、通し狂言で観られて本当に良かったです。
座席にこだわらなければ格安なので、回数多く行けます。
ただ、ずっと座ってみているのは、本当に体力が必要ですよね。
行けるうちに、なるべく多く行きたいです。
また是非ご一緒下さいませ。
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歌舞伎 (桜子)
2015-03-29 18:42:43
本当に泣けました。前半、良い席が取れましたので、仁左衛門さんのお顔がはっきり手に取るように見て取れました。花道を行くそのお顔に、二筋の涙がつつーと落ちるのを目の当たりにした時、こちらもこらえきれなくなりました。

後半は、全く異なる座席から楽しみました。長年お芝居は良い席が取れなくても一等席としか考えていませんでした。が、今回高い位置の席でも一番前でしたので、劇場を俯瞰して眺めることができ、違う楽しみ方を覚えました。観客の様子、大向こうからかかる声等々。でも来月は、やはり良い席が取れましたので、役者さんを真近に見てまいりますね。(若手の役者さんの活躍にもエールを送りたいと思います。素敵な方々が多いですしね。)

私も、今まで2幕分をバラバラに見てきました。今通して見ることができ、素晴らしい機会に恵まれました。但し、お芝居見物にも体力が要りますね。翌日はぐったりです。でも、若い頃にゆっくりお芝居を楽しむ時間はありませんでしたね。またそのような環境でもありませんでした。今しばらく、できるだけ機会を見つけて古典芸能に触れる機会を増やそうと思います。

お話しできるお仲間が傍にいて下さって、嬉しいです。
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