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本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

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19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

下重暁子 著 『家族という病』

2015-06-08 | 本の紹介
5月の読書は以下の3冊でした。
今、自主的にちょっと取り組んでいることがあって時間が足りない日々(言い訳…)。

・『家族という病』 下重暁子
・『れもん、よむもん! 』 はるな檸檬
・『【図解】ピケティ入門 たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める!』 高橋洋一

この中の『家族という病』について・・・
著者はNHKアナウンサーを経てフリーとなり、作家・評論、講演活動をされている下重暁子さん。
新聞広告の「家族ほどしんどいものはない」「殺人事件で最も多いのは〝家族間″である」
「日本人の多くが『一家団欒』という呪縛にとらわれているが『家族はそれほどすばらしいものなのか?」
「なぜ日本で家族は美化されるのか?」「これまで神聖化されてきた〝家族"を斬る!」
という刺激的なフレーズのコピーが気になって読んでみました。

新書で出版されているのだから、学術的な裏付けのある社会学的な本かと思ったのですが、
作者が自分の家族に対する恨みつらみを書いただけのエッセイだと感じました。
自分を産み(立派に)育ててくれた親を、そんなお年になって恨まなくてもいいのに。
こんな親だったのに、私は自分一人で頑張ってここまでになったのよ!と自慢しているようでした。
立派な職歴をお持ちで、インテリで、キャリアウーマンの先駆者でもあった作者だからこそ、
このような考え方が残念でした。
本当に立派な方は、そういう物言いはしないのでは?!
ましてやご両親はとうに亡くなり、ご自分も傘寿も近いお年なのに。

でも、家族の存在について悩んでいる方には心が軽くなる良い本かもしれません。
下重さんは「『家族はすばらしい』は欺瞞である。」と言っています。
先日新聞で読みましたが、家族であるからこそその存在が無視できずに苦しく、
他人であったら気にならないことも家族だからこそ許せないこともある、という考え方もあります。
家族とは断絶でもしない限り離れられませんからね。
家族間で起こる信じられないような残酷な事件も、家族だからこそ、の重さがあるのでしょう。
遺産相続が「争族」による「争続」になるということは、広く知られていますし。

根底には無条件に愛してほしかった、という作者の心があるのでしょう。
お嬢様のわがままのような本、と言ってしまったら言い過ぎかもしれませんが・・・

関東地方が梅雨入りしました。
ひと雨ごとにブルーベリーの実が大きくなるこの時期、雨は貴重です。
(こんな時ばかりスミマセン。。。)

アメリカ演劇界の最高の栄誉である第69回トニー賞、
ミュージカル部門の主演男優賞に「王様と私」でノミネートされた渡辺謙さんは残念ながら受賞ならず。
でも、この賞にノミネートされただけでも本当に素晴らしい!
私はこの映画「王様と私」を見たことがありますが、
王様役を演じたスキンヘッドのユル・ブリンナーに渡辺謙さんはそっくりでした!
英語でセリフを言い、歌を歌い、座長としてみんなの中心に立つのはどれだけ大変だったことか!
チャレンジし続ける姿に感動しました。