今日も一期一会

「本が好き♪図書館ブログ」のタイトル変更
本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

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19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

角田光代 『森に眠る魚』

2009-03-10 | 本の紹介
出版元 扶葉社のレビュー

「東京の文教地区の町で出会った5人の母親。
育児を通してしだいに心を許しあうのだが、いつしかその関係性は変容していく。
―あの人たちと離れればいい。なぜ私を置いてゆくの。そうだ、終わらせなきゃ。
心の声は幾重にもせめぎあい、壊れた日々の亀裂へと追いつめられてゆく。 」

この小説は10年ほど前に東京都文京区で起きた、主婦による幼児殺害事件をモチーフにしています。
「お受験殺人」としてテレビや週刊誌で騒がれ、世間の注目を集めました。
我が家の子どもたちは「お受験」といわれる小学校受験をしていませんが、
私はこの事件がずっと印象に残っていました。
受験が大きなキーワードになっていますが、
それだけでなく子育て中の母親は、孤独や焦り、嫉妬、憎悪、猜疑心、
など負の気持ちでいっぱいになってしまいます。
子どもが小さいので自分で何とかしてあげなくてはという孤独な責任感。
社会的に評価されることが少ないので、子どもや夫の評価が自分のものと思ってしまいがち。

裁判所が認定したように、
この事件の根本的な原因は犯人である女性の特異な性格・感受性・考え方です。
でも個人的資質の短所が集積して発揮されると、結果として犯罪を犯したり、
場合によっては殺人のような重大なことにまでになるかもしれない。。。
そしてそれは誰にでも起こりうること。
そんな怖さを感じ、気分が晴れないままの読後感でした。

ちなみに。。。
娘の大学もマンションもそのすぐそばなのです!