カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

そういえば題名がスイッチだった   スイッチ

2023-01-23 | 映画

スイッチ/月川翔監督

 テレビドラマらしい。ネットフリックスで観た。以前長い間恋人どうしであった検事と弁護士の二人だが、現在はお互いに結婚を前提につきあいのある相手がいる。それでも友達としての間柄は続いている。もっともそれは秘密にはしているわけだが、憎まれ口をたたきながらもお互いに仲はいい(と言えるだろう)。しかし、ある殺人事件が起こり、弁護側と検察側で、その事件で対峙することになるのだった。
 いわゆる恋愛コメディなのだが、ちょっとした仕掛けがあって、ミステリ仕立てにはなっている。二人はすでに別れてしまったが、別れがたい何か秘密が隠されていた、ということになる。それは事件の進展とともに後半一気に明かされていくが、それまでは、なんだかよく分からないラブコメである。惹かれあってはいるようだが、しかし今の付き合っている相手とも関係は悪くは無いのである。
 他にも弁護士事務所の人間関係のギャグもあるし、警察捜査のデフォルメしたいい加減さをあらわすエピソードなんかもある。裁判の争点も、このような切り口で崩せるのだという見方も面白い。そういう意味では構成もよく練られていて、軽いドラマ仕立てであり、ある意味で荒唐無稽さもありながら、それなりに説得力のある娯楽作に仕上がっている。
 適齢期というよりすでに大人だし、付き合いがあれば結婚もすぐに目の前にあるような二人にありながら、どうにも煮え切らないものがある。それは燃え上がるような恋愛では無い訳だし、悪くない人だから付き合っているが、その先に進むのもなんだか面倒なのかもしれない。仕事も二人ともよく出来るが、しかし本当に熱心に仕事をやりすぎない方がいいという問題がある。そういえば、最初からやりたくなかったという伏線が貼ってあった。それはどういう訳だというのだろうか。
 まあしかし、これでは生きていくのは大変だろうな、と素直に思う。だからドラマにはなるわけだが、そのためには、やはり何度も成功し続けなければならないだろう。いや、それはある意味で成功ではあるわけだが、片方の側の本当の成功は、破滅だからだ。まあそこのところは観てのお楽しみということで……。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする