カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

哀愁のジェフ・ベックよ、永遠に

2023-01-18 | 音楽

 ジェフ・ベックが亡くなった。ショックと言えばそうだが、78歳ということだから、ロックスターなので長生きだろう。昨年もツアーやったり他のプロジェクトの録音があったり活躍している様子だったので、意外性はあるにはあったが、亡くなるにはおかしな年齢ではない。
 日本では過去に世界三大ギタリストの一人としてジェフ・ベックの名前があった。今もそういう名称が残っているとする古いファンもいるだろうが、いわゆる新しいブルース・ロックの世界の黎明期においての存在感のあった人だ。影響を受けたかもしれないギタリストはそれなりにいるはずで、僕より少し先輩の人はまねしている人も少なからずいた。まあピックを使って弾いてはいたが。たいてい「悲しみの恋人たち」であり、僕が中学生くらいの時は流行っていたのである。
 僕自身もいくつかアルバムは持っていたが、当時はインストルメンタルの曲が多くて、あんまり熱心には聞いていない。ちょうど80年代のアルバムだったということもあってゼア・アンド・バックはよく聞いていた(探せばワイアード、ブロウ・バイ・ブロウなんかは持ってると思う)。時代もあるんでエレクトリック・サウンドの、いわゆるコテコテ泣きのギターでなかったのに、それなりに町で流れていた印象がある。
 その後も来日していたようだし、ファンも多かったと思うが、いわゆる大ヒットを飛ばすような感じでは無かった印象がある。とにかくいつまでも伝説的なレジェンドであり、息の長いプレイヤーだった。しかし相当な変人であるという固定的な印象もあって、わがままにステージをすっぽかすような人だとばかり思われていた。体調を壊したとかいう理由でツアーが中断したりということもあったと記憶するが、それも過去の噂だったかもしれない。ネット時代になっても演奏する映像はそれなりにあって、やはりライブでは精力的に活動を続けていたようだ。クラプトンも神格化されているが、ジェフ・ベックも我が道を歩んでいるという感じだろうか。
 少しジャズっぽい方向もあって、ジェフ・ベックと組んでいる人たちの演奏能力も高いという感じだった。だからからか、それなりに即興でライブを膨らませていくような弾き方をしていたのではなかろうか。体形も変わらず維持していたようだし、地毛かどうかは知らないが、少し短くなったとはいえ長髪だったし。妙なところで急に盛り上がるくせに、情緒なくパタリと演奏が終わったり、まあ、独特なセンスではあった。
 僕としては三大の残るもう一人の動向が気になっていたけれど、結局ジェフ・ベックのように精力的に活動をすることもしないので、こればっかりはいまだに残念だ。ジェフ・ベックは本当にギターを弾くのが好きだという感じがして、羨ましいのだった。どういう思想の持ち主なのかはまるで知らないが、もちろんそんなことよりギター・プレイである。放っておいてもおそらくギターを弾き続けるような人だったに違いなく、幸運にもファンが根強くいたので、最後までお金を取ってプレーし続けることのできた人だったと言えるだろう。それこそが彼の素晴らしさで、そのすべてであろう。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする