カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

レベルの低い日本映画やばい、っすか

2016-05-22 | net & 社会

 映画配給を仕事にしているある外国人が、最近の日本映画のレベルの低下を嘆いて、こんな状態じゃ「やばいよ」と発言したとされることを受けて、日本の映画製作者側である人物がツイッターで「低予算で頑張っている現場を知らずに神目線の発言する奴なんか信用できない。勝手にほざいてろ(大意)」という発言をし、逆に苦労したからといって映画のレベルとは何の関係も無い精神論で反論したため大炎上したという事件(ま、よくある日常ですが)があった。情けなくて笑える訳だが、結局予算が無いだろう日本の映画界の現状が漏れ伝わってくるのは、確かに悲しくはある。
 映画のレベルと予算は関係あるかと言えば、多少はあるだろう。しかしそれは映画の種類によっては絶対条件ではあり得ない。いや、まったく予算なしじゃ話にはならないとはいえ、興業なのだから、予算があってとりあえずその予算内で作る仕事としては、それでやるだけのことという現実以外の何物でもない。作られもしなければレベルもなにも無いだろう。
 問題はその外国人とやらがいうレベルの話なのだが、いや、神目線といわれるまでも無く発言すると、それは多くの人が既に感じていることだろう。でもまあ、昔から日本の映画のレベルが高かったのかという議論もあって、まあ、ある程度厳選されて作られていた時代もあるだろうし、逆に量産されて酷かったものもたくさんあるわけで、そのレベルがどうなのかというのを物理的に語るのはけっこう難題だ。
 そうすると相対的に諸外国の映画とはどうなのか、を考えなければならないが、外国の映画だって、それはまあ似たようなものだろう。映画王国の米国だって、実に全体レベルからするとひどいものはそれなりに世界一であろう。金のかかったハリウッドものでも、例えばマイケル・ベイなんかの映画を観ると、凄いには凄いがものすごく低レベルだ。まあそれでいいという開き直りが清々しいからいいんだけれど、そういうレベルの映画が日本にも増えているような実感があることも確かである。
 結局レベルがどうのというけれど、その程度しか作る技量はともかく、映画は既に日本では娯楽の王道ではない。そんなことは別段そんなに最近からのことでは無い。相対的に近隣諸国の映画というのは比較的多く作られるようになっており、例えば韓国や中国、東南アジアなどの映画の質が上がっていることも確かだろう。日本映画というものがそれらに比べてレベルの低いものになっているという指摘はある意味では当たってしまうのが当然のことで、そういう中でもいい映画というのは時たまくらいは出来てしまうというに過ぎないのかもしれない。観る方としては、日本映画に頑張ってほしいという心情があったにせよ、まあ、はっきり言ってどうでもいい話である。作っている人だって生活があるので、いい映画を作りたいという矜持は持ってたってかまわないが、食えないのならやめるより無いだけだろう。食えるように頑張るしかないではないか。その上に客をくさすなり批評をくさすなりしたところで、まあ、それで気分がいいのならやればいいだろう。たぶん、むなしいとは思うけれど…。
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