カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

上下が分からない

2016-05-04 | HORROR

 僕はダイビングの経験は無いが、やったことが無いのに潜っている人を見ているだけで、時々怖くなったりする。それはやはり潜っているときに何かトラブルがあるのではないかという恐れである。人間は水の中では息が出来ないから、酸素ボンベなんかにトラブルなどが起こると悲惨である。サメなどの凶暴なものも困るが、やはり深い場所に潜っているときに何か起こると、水面まで時間がかかりそうだというのが怖い気がする。何とか無事に終わってくれ、という思いが観ていて湧いてくる感じかもしれない。
 気圧の高い深い場所に潜っていて、急に水面に上がってしまうと、潜水病になるというのも怖い。上がりたくても留まっていなくてはならないなんて、殺生なことである。
 体験談としてしか知らないが、潜っていてハプニングに接したりすると、パニックを起こして上下の感覚を失うことがあるという。そうしてさらに深く潜ってしまうことがあるのだとか。ただでさえ何か恐ろしい目に会っているだろうにもかかわらず、さらにもっと自分の状況を苦しくすることを自分でしてしまうなんて、まったく耐えられない恐ろしさだ。
 上下の感覚を失うというのは、飛行機乗りの話なんかでも聞いたことがある。戦闘機などのパイロットが訓練などの時に、上下が分からずパニックに陥るなどの場面は、映画などの定番である。まさに手に汗握る。見ているだけでそうなのだから、パイロットなどという人種は、まったくマゾにもほどがあると思う。旅客機に乗っていて雲の中に入ると、前から飛行機が飛んできても分からないな、と考えるだけでずいぶん恐ろしい気分になる。一度考えてしまうと頭から離れないので、落語のチャンネルなどを探して没頭するようにしている。飛行機の落語は貴重であります(無い航空会社の時で、曇っているときは要注意である)。
 植物の種には重力センサーのようなものがあるという。土の中は真っ暗で、太陽の光が届かない。やみくもに根を伸ばしたり、芽を伸ばす方向をまちがってしまうと悲惨である。でも植物はちゃんと間違わない。それは重力に従って方向を決めているからだ。もっとも人間だって重力は分かっている。わざわざわかりにくい場所や環境に自ら進んで入り込んでしまうので、時々混乱してしまうということなんだろう。それにしてもあんな小さな種にも知恵がある。勝手に感心してしまうのも人間の才能である。
コメント
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