カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

テレビっぽいけど、騙された   ルームメイト

2016-05-17 | 映画

ルームメイト/古澤健監督

 交通事故で入院していた晴海は、病院で知り合った看護婦(麗子)と仲良くなり、退院後ルームシェアして一緒に暮らすことにする(職が不安定なうえリハビリなども必要で、家計が助かるということもあるようだ)。最初は気の合う友人・麗子との生活は順調で楽しいものだったが、徐々に麗子の奇行が目につくようになっていく。明らかに異常がみられるようになって、ルームシェアを解消するかに見えたのだが、不思議と晴海はこの状態から完全に逃げ切ろうとはしないのだった。
 事故を起こした加害者の青年との恋らしい絡みや、その青年らと関係のあるらしい政治家も時々場面に現れるので、恐らくミステリらしい展開の何らかの関係があるのは分かるのだが、物語のホラー度がどんどん上昇していくうちに、ちょっと本当にこの話が成り立つのかさえ不安になってしまった。しかしながら結末までは一気にまとまりを見せていくわけで、良くできた作品だとは思った。恋人同士の会話の不自然さというのがあって、さらに不必要に殺されていく人がいるようにも感じはするのだが、お話としてはそのほうが断然面白いのでいいのである。むしろ騙される渦中で、主人公の行動に少しイライラしてしまうところがある。早く逃げてしまえ、という気分がそうさせるのと、実は恐らくネタはそこだろうということに、半分くらいは気付いてしまうからだ(原作があるらしいし、記述ミステリの定番トリックだし)。しかし、正直にいうと、完全には読み切れてなかったというのは告白しておく。ちゃんと騙されて驚きました。
 まあ、そういう意味では、割合評判のいいのに騙されて借りてしまったかな、という思いもいい意味で裏切られて楽しめた。僕は人気のある俳優だからという理由で映画は選ばないけれど、北川景子の驚きの顔はこういうのに合ってると思うし、何と言っても深田恭子のコケティッシュな可愛らしさとこの怖さのコントラストは良かったな、と思った。映画というよりテレビのサスペンスっぽい感じはあったのだけれど、それもあえてこの作品の雰囲気にあっていて良かったのではなかろうか。
コメント
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