カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

愛は国境を越えていいが…

2015-03-07 | culture

 見たドキュメンタリーの要約。アジア女性(中国系)好きの中年男性(すでに既婚歴二度。日本でいえば退職前くらいだろうか?)が、ネットで知り合った中国深圳の女性に会いに行きそのままアメリカに連れ帰る。三か月交際し、すぐに結婚ということになる。もちろん好き合った仲という事であるが、女性はほとんど英語は出来ないし、ドキュメンタリーを撮っている中国系女性に通訳をしてもらうなどしてなんとか意思疎通をしている。三か月という短期間でもあるし、男性は実は借金があったり結婚資金の2万ドルは男性の兄から出してもらうことになっていたり、実は女性の母親の手術の資金1千ドルも出しているということだ。過去にも中国系女性と付き合っていて、その人とは別れているらしいが、パソコンに写真が保存されているとか、メールの痕跡は残っている。中国人女性はそのことで相手をせめており、不安がってもいる。男性が部屋の掃除をちゃんとしないことにも不満があるようだ。普通に見ていて計略結婚の匂いがするし、お互いに好ましい感情が皆無ではないだろうにせよ、少しお話は出来過ぎの感もある。結果的には結婚し、その後いきなり別居したりなどあるが、その後現在は4度目の結婚記念日を迎えているというアナウンスで終了。
 男女の話だからいろいろあるよね、という事でもいいのかもしれないが、以上のような背景は限りなく人身売買ではないか(本人たちは同意にしろ)という疑いが無いではない。何故ならば、これが逆のケースで、中国人男性が米国白人女性が好きでネットで知り合ったカルフォルニア女性に会いに行き、中国に連れ帰って三か月で結婚という図式になるケースが本当に存在するのか?という事である。疑わしいからドキュメンタリーの題材として監督さんは面白がっていたはずである。結果はまとまりを見せたので良かったように見えるけれど、多くの場合はそのまま長期滞在ビザを取得して別居するなり離婚するなりするケースの方が圧倒的なのではなかろうか。また、多くの移民という中にも、そのような偽装結婚が相当数含まれているはずなのではないか。そういう中に純愛があるのもまた間違いないところではあるが、そういう疑わしい要素と、国という格差を利用して事実上の人身売買が可能だという図式の方が問題意識の出発点だったはずではないだろうか。
 まあ、そうではあるが、末永くお仕合せに。人間は利用できるものはなんだって利用したらいい。人間のエゴというのは落語も証明している自然な感情なんだから。
コメント
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