《大人のジャズ》

2021-10-15 | 【断想】音楽

 ポール・デスモントとジム・ホールらが演奏したジャズ、静かで、整然として、熱くならない、大人しいジャズ、これが《大人のジャズ》と呼ばれる。
 ポール・デスモントの「イージー・リビング」(1963~65 RCA)は、そのように評されているアルバムだ。
 演奏メンバーは、以下の6人で、特に、うえから3人がメイン。
 ポール・デスモント(ts)
 ジム・ホール(g)
 コニー・ケイ(ds)
 ユージン・ライト(b)
 ジーン・キャリコー(b)
 パーシー・ヒース(b)
 汗の臭いがしないジャズとも言えるか。
 やむにやまれぬ思いを伝えようとするのでない。
 ドロドロしたものは封印されている。
 口角泡を飛ばす議論ではなく、ウィットにとんだ会話を楽しむというスタイルだ。
 大騒ぎしてもことは進展しないことがある、そういうことをわきまえたスタイル。
 CDには、10曲収録されていて、うち2曲がボーナス・トラック。
 5曲目に、アルバム名となっている「イージー・リビング」。
 シンプル・ライフという言葉が思い浮かぶ。
 こういう滑らかで静かなジャズ、いつもやるのは、結構しんどいのでなかろうか。
 このアルバム、CAMDENの「フィーリング・ブルー」との関係はどうなるのだろう。収録曲が似ており、日本版では、「イージー・リビング」と言われたりしている。
 ライナー・ノーツをよく読めば、何か書いてあるのだろうが。
 ポール・デスモントとジム・ホールは、仲がいいそうで、二人が組んだアルバムが何枚も出ている。


ブルース・ムーズ:BLUE'S MOODS

2021-10-15 | 【断想】音楽

 ホレス・シルバーの「ホレス・スコープ」や「フィンガー・ポッピン」、特に「ブローイン・ザ・ブルース・アウェイ」で、快適なトランペットを鳴らしていたブルー・ミッチェルのリーダー・アルバム「ブルース・ムーズ」(1960 Riverside)、ハード・バップの名盤。
 〈パーソネル〉
 ブルー・ミッチェル(tp)
 ウィントン・ケリー(p)
 サム・ジョーンズ(b)
 ロイ・ブルックス(ds)
 収録曲は、以下の8曲。
 1.アイル・クローズ・マイ・アイズ
 2.エイヴァース
 3.スクラップル・フロム・ジ・アップル
 4.カインダ・ヴェイグ
 5.サー・ジョン
 6.ホエン・アイ・フォール・イン・ラブ
 7.スウィート・パンプキン
 8.アイ・ウィッシュ・アイ・ニュー
 これぞモダン・ジャズと言う気分で、素直に愉しめる演奏である。
 スピード、軽快さ、屈託のなさ、それに時に、しっとりと、・・・・名盤と呼ばれることに納得。
 なんだかカッコイイんだよ。
 こんなジャズをやれること。
 リズム・セクションもいいからだな。
 「わたしが恋に落ちたとき」、とてもいいよ。
 この曲、マイルス・ディビスもやってるな。聞いてないな。