恋は秘すもの

2011-01-09 | 【断想】ETC
 青山を横切る雲のいちしろくわれと笑まして人に知らゆな(大伴坂上郎の女)
 わたしを見て嬉しそうな顔をして、とやかく言う人たちにさとられないでね。
 やはり、そのように心得るべきか。
 恋は秘すもの。

夢に舞う蝶を

2011-01-07 | 【断想】ETC
 夢買ひに来る蝶もなし冬牡丹(蕪村)
 今は冬、君の夢を奪いに来る者はいないよ。
 冬に咲く牡丹の花に蝶が来ないように。
 心配無用。
 そういう意味をもつ一句のようだ。
 夢に舞う蝶を捉えん白き腕(健太郎)
 こうなると、熱にうかされた床のうえのことか。
 夢に舞う蝶を捉えん白き骨
 夢に舞う雪に・・・・。

エンペラーだね

2011-01-05 | 【草花】ETC
 最近、ところどころで見かける。
 まっすぐ伸びて背が高く、竹のように節がある茎をしている。
 あれは何だろうかと思わせる植物である。
 コウテイダリア(皇帝ダリア)だ。
 「昭和記念公園に見に出かけたが、季節が過ぎていた」
 そんなことを言う人がいたと聞いた。
 「この前、写真を撮ったよ」
 そう、応えた。
 この前と言うのは、12月だったろうか。

アムールトラの死

2011-01-04 | 【断想】ETC
 昨日、今年になってはじめて多摩動物公園を散歩した。
 そして、アムールトラのオスの子が死んだことを知った。
 12月30日に腸炎でとのこと。
 一緒に生まれたメスのトラの子たちは元気だ。
 以前、やはりオスの子が死んだことを思い出した。
 そのトラは、足どりがおぼつかなかった。
 気になって、いつも見に行っていた。
 からだを痙攣させている姿を獣舎の外から伺った。
 オスのトラは、育ちにくいのか。
 死すべきものたち。

梅の季節が来るね

2011-01-01 | 【断想】ETC
 吉野街道を通る。
 梅の季節がやって来るね。
 そう、そして、桜の季節が。
 時はめぐり、過ぎる。
 亡くなった人のことを思って語る。
 俺は死にのぞむとき、どうだろうか。
 蕪村の句。
 《しら梅に明る夜ばかりとなりにけり》