エリック・ドルフィーが、チャールズ・ミンガスとのヨーロッパ・ツアーを終え、そのあとに録音された最後のアルバムが以下の2枚である。
エリック・ドルフィーは、1964年6月29日に、36歳の生涯を閉じている。その6月に演奏され、録音されたものである。
・ラスト・デイト(1964.06.02録音 LIMLIGHT)1964リリース
・ラスト・レコーディングス(1964.06.11録音 West Wind/DIW)1988リリース
「ラスト・デイト」は、1964年に発売されており、ひろく知れていた。
わたしも、LIMLIGHTとfontanaのLP、LIMLIGHTとEmarcyのCD、4枚を持っている。
《「ジャズ・アンド・ジャズ」(講談社)にレーベルのこと。「マーキュリー傘下のジャズ部門としてはエマーシーがあったが、60年代半ばに新たにできたレーベルがライムライトである」》
LIMLIGHT盤に、児玉紀芳氏による解説が付いている。エリック・ドルフィーのヨーロッパでの最後の日々の足どりが詳しく記されている。
ドルフィーの「音楽は空中に消えていく・・・」との有名な言葉が、最初どこで使われたかも紹介されていた。
ジャズだとか、その中のフリーだとか、そんなことを超えて、すばしい音楽が、そこにあると感じる。そして、それが、エリック・ドルフィーが存在して、そこにあると感じる。
エリック・ドルフィーの1961年9月6日、8日のプレイ。
コペンハーゲンでのライブ録音である。
「エリック・ドルフィー・イン・ヨーロッパ Vol.2」(Prestige)。
1.ドント・ブレイム・ミー(テイク1)
2.今宵の君は
3.ミス・アン
4.ローラ
5.ドント・ブレイム・ミー(テイク2)
このレコードの解説として小川隆夫氏が書いたものが付いていた。
エリック・ドルフィーの音楽の歩み、その中のハイライトについて、コンパクトにまとめられている。ドルフィーの音楽全体を捉え、凄く整理されていると感じた。分かりやすく、成る程と納得した。
ドルフィーのジャズの変化が語られ、確かにそれは感じられ、果たして自分は、ドルフィーのどこに魅かれたのだろうかと考えさせられた。
恐らく音。
ドルフィーなる存在の色は、初リーダー盤等の初期のもので鮮明に出ている。
音楽的に求め、実現してきたものの最初のハイライトは、ブッカー・リトルとの「アット・ザ・ファイブ・スポット」とある。
それを小川氏は、「ハード・バップの極限状態のような演奏」と表現していた。
この「イン・ヨーロッパ」は、三つあるハイライトの2番目をなすものであるとあった。
さて、三つ目のハイライトにあたる「ラスト・デイト」、「ラスト・レコーディングス」については、改めて、しっかり聞きたい。