椎の葉と実

　ジャンパーの襟を立てての散歩。緑のつやつやした葉に冬の陽をうけているのはマテバシイだった。椎の木のひとつである。
　少年の頃、一緒に林の中を歩くと椎の実を見つけて食べる友人がいた。椎の実は、いわゆるドングリと違って、その実を生のまま食べることができる。そいつに椎の実とドングリの見分け方を教わった。しかし、自分の見分けに自信が持てるまでには至らなかった。樫の類も大概が常緑だし、ドングリができる。
　スダジイ、ツブラジイ、マテバシイ等の椎の木は、常緑で、冬の日も、わたしたちに緑を見せてくれる。わたしの住む三多摩には、椎の木では、スダジイに目立つものが多いようだ。