ツツジ科のパイプ

2007-01-22 | 【樹木】躑躅
 女にはパイプをくゆらせる姿は似合わない。パイプは、男に残された愉しみと言われる。休日の午後などに、パイプで煙草をすうことがある。パイプには、喫煙そのものの他に、パイプ自体の選定、関連グッズ集め等さまざまな愉しみ方がある。
 パイプのほとんどは木でつくられている。その木は、桜や柘植や樫が使われたりもするが、その主流はブライアーパイプである。ブライアーとは、ツツジ科のホワイトヒースと呼ばれる灌木で、パイプには、その根塊が使われる。他の素材に較べて、火に強くて、軽くて丈夫である。ホワイトヒースは地中海沿岸の乾燥した岩場などに自生する。ヒースという名前が示すようにエリカ属の木である。
 ナポレオンの生地であるコルシカ島に旅行に出かけた男が、愛用のメアシャウムパイプ(海泡石でつくったパイプ)を壊してしまい、代用に島の人たちが作っていたブライアーの根のパイプを使い、それが世に広まったきっかけであると言われる。その木肌、木目の美しさに魅せられたわけである。
 様々な木製品があるが、独特の思い入れがこもるのがパイプである。