梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

会社寿命30年説(その2)

2013年10月05日 09時49分12秒 | Weblog
一時期「会社の寿命は30年である」と、ショッキングな説が持てはやされました。約30年前に新聞社か経済雑誌社で、企業の調査事例で企業寿命30年を実証的に研究して掲載した記事のようで、少し調べた範囲でしか私も詳しくは知りません。

経営者が目先の繁栄に目を奪われ努力を怠ったり、無謀な経営に走り過ぎて命を短縮したり、あるいは企業が成長段階から成熟しそして衰退期を迎え何もせずに放っておく限り、寿命は30年程度にしか過ぎないとの内容です。

わが社の過去を振り返って見ることにします。創業時から扱い商品別に見て、スケールが30年、スクラップが33年、端板が24年、と撤退した事業の寿命を見ていくと、この説がうなずけてしまいます。単体に頼っていたら、むしろ恐ろしい事実でもあります。

しかしわが社が存続をして来れたのは、スケールから始まって伏線的に次の扱いを開始して、相乗効果を出しながら、何とか次の扱い商品に繋げて来たからに他なりません。その流れは今日の、素材(一級品)鋼板、溶断切板へと更に繋がって来ました。

前回お話をしました、私の友人の会社の変遷を見ても同じことが言えそうです。一つの事業に行き詰まって、必死に打開しようとした結果、今日の居酒屋経営があります。息子さんがしっかり責任者として、今後も居酒屋を運営していくとのことで、彼は今までの経験を活かし新たなビジネスを考えています。

人間は、現在安定していると将来も安定するであろうとつい信じ込みがちです。また「自社は〇〇業」と、業界や業種・業態を特定してしまいがちですが、変化に対応するには「環境適応業」と捉えた方が道は開けるかもしれません。

例えばどこかの企業に勤めていて30歳で独立し開業する、そして60歳を迎え商売は順調に行っていても、結局は後継者が居なくて廃業するケースもあり得ます。これでちょうど30年です。

企業は、一番に存続・継続することにあると私は思います。寿命30年説を打ち破るには、後継者を作ることも大切です。
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