梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

集中力を高める

2017年07月21日 21時05分07秒 | Weblog
「集中力を高めよ、集中力を高めれば生産性も上がる」、とは言うものの具体的にどうしたらそれが可能なのか。「二つの事を同時に行えば集中力は二分してしまうので、極力一つのことを追い求めよ」、これは理解出来ます。しかし一定の時間は集中出来たとしても、長時間持続できるわけでもありません。そのような疑問を持っていました。

新聞の広告で、“神・時間術”とのタイトルの本が目に留まりました。サブタイトルは、「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す・時間の使い方は人生の使い方だ」、でした。上述の疑問もあり、早速買い求め読みました。著者は、精神科医の樺沢紫苑(かばさわしおん)と言う方です。

かつて勤務医だった樺沢氏は、地獄のような多忙な生活を送って、皮肉にも精神科医がそのストレスで病気に。これを切っ掛けに、仕事中心の生き方を改め、自分らしく生きることを決意して、時間配分や時間の使い方を根底から見直した。自分の体験や、最新の脳科学や心理学も取り入れ、科学的な根拠の基に体系化したのがこの本です。

朝:脳のゴールデンタイムをフル活用する。昼:脳に良いリセット術でダラダラ仕事を脱する。夜:正しい運動が疲れた頭をシャキッとさせる。朝起きてから2~3時間が最も集中力が高く、それが段々と低下していくが、集中力をまた回復させて、それに合わせ仕事の質や中身を変えていく。この時間術の要諦です。

日本人は勤勉と言われているけれど、アメリカ人は日本の1.6倍も労働生産性が高いとの統計があるとのこと。樺沢氏はその時間術が奏功し、3年間アメリカに留学されたそうで、そのアメリカ人の労働効率が高いことをしっかり観察したと言います。

「アメリカ人は5時に退社する」と聞いてはいたけれど、やはり5時に帰っていたそうです。「では5時に帰って何をするか」と質問したところ、「何をバカな質問をするのだ、家族と一緒にご飯を食べるに決まっている」と。夕食を一緒に食べるために必死に5時まで仕事を終わらせる。アメリカ人が、人生を楽しんでいるのを認識します。

少しこの本から外れます。「残業時間抑制へ数値目標/総労働時間など経団連が要請へ」との新聞記事を、最近読みました。経団連による会員企業の調査では、2016年の年間の総労働時間は、非製造業で2006時間と前年に比べて7時間多くなり、製造業は8時間減の1979時間で、非製造業での働き方改革が不可欠としています。

樺沢氏の指摘です。日本人で5時に自宅に帰る人は滅多にいない。人生を楽しむことに罪悪感を持っている人が多い。残業が当たり前、でも残業は決して生産性は上がってない。遅く帰り、寝る前に食事をして、睡眠も削り、疲れが取れずに翌日の悪循環に繋がっている。 

私はどちらかと言えば、仕事が終わらなければ、時間を掛けてでも完遂することに賛同する意見を持っていました。しかしこの本を読んで、記事のようにまだ増えている日本人の非製造業の職場での労働時間の多さが、本当に生産性を上げているのか、疑ってみることも必要だとの考えに変わっています。

人間の生体のリズムには逆らえません。であるならば、時間帯によって、仕事にも緩急をつけ、また脳や身体をリフレッシュすることで、そこで集中力を高めることを追求したらよいのではと考えています。
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