銚子・角巳之・三代目

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グローカル④

2007年11月18日 | 日記・エッセイ・コラム

Img_2021 97年、タイタニックの大ヒットから10年。当時より食糧自給率の低下は由々しき問題で、農畜水産業の後継者不足は国力を急速に弱める。何か手を打たねば...。という“議論”は沢山なされておりました。でも殆ど議論のみ。かくいう私も安全地帯から評論している傍観者だったのだろうと思います。今でこそ、国産、国産と言われておりますが、10年前はどうだったでしょうか?当時は畜産担当者だったのですが、この97年の口蹄疫(こうていえき=家畜の病気)の蔓延で、日本が多くを依存していた台湾の豚肉産業が壊滅。その後、0―157問題、そしてBSE(狂牛病)....、それらと時を同じくして、数々の偽装事件...。食の安全・安心という事が叫ばれ始めた時代です。輸入品は嫌だ、やはり国産だ。と言ったところで、気が付けば自給率は40%台(現在は40%割れ)まで落ち込み、国内生産者は高齢化し、後継者が激減を始めました。欧州のBSEに関するショッキングな映像が度々TVで放映されるたび、牛肉消費は下がり続け、風評被害が多発。肉類に代って、水産物人気が世界的に高まり、それまで日本の独断場であった(世界中の)水産物の買い付け量が下がり始める。そこに中国の“曝食”(10数億の胃袋を充たすための食糧争奪戦)....。水産練製品(蒲鉾など)という小さな対象を前提とし、これを地球規模で考えると、世界的な気候変動による原料魚(タラなど)の水揚げが激減。にも拘らず世界的に需要は急拡大。練製品の主原料・アラスカ産冷凍スリ身などは、価格が高騰というより、数量確保もままならない状況。それらを踏まえて、地域で何を行動?という事なんですが、水産練製品は元来が、前浜で揚がる魚を無駄にしないための手法。地域内に沢山あるじゃないですか?という事なんです。その代わり恐ろしく手間が掛かったり、恒常的人手不足に悩まされたり...。タイタニックですら沈む、その教訓を踏まえて、自らの周囲を見渡すに、グローカルという言葉は非常に重いです。大言壮語でも何でもなくて、非常に身近で避け得ない命題であります。尻切れトンボのような文章になってしまいました。続きはいずれまた。