風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

世界史

2005-10-17 | 風屋日記
高校時代の得意科目は国語、現国も古文も。
「入試が国語だけなら旧帝大クラスに入れるのになぁ」と
進路指導の先生に溜息をつかれたこともある(笑)
今でも国語だけセンター試験の問題にたまにチャレンジしてみるけど、
なーんも勉強してなくても140~160はとれるよ。

世界史は好きな教科だったものの点が取れなかった。
なにせ試験のための暗記より地域別の時代の動きが面白かっただけなので。
特にフランス革命の頃が好きで、教科書以上のことを知っていた。
点数そのものは倫理や政経の方が取れてたけど、
意地で入試の選択寡黙に世界史を選んだのはそのせい。
一応それなりに取れるぐらい勉強したけど、
英語がおろそかになってしまい・・・・結果は推して知るべし(^^;

これまで何度も書いてるけど、いま長男が受験生。
彼の得意科目は英語と世界史、地理。
ということで、長男と世界史の話になったり、副読本を見たりしている。
面白い、昔興味のなかった時代や地域が特に。
最近の参考書や副読本は絵も多くて分かりやすいしね。

世界四大文明のひとつであるメソポタミアが今のイラクであることは
実は湾岸戦争の頃に初めて認識した次第だが、
例えばイランがペルシャだったとか、モヘンジョダロがパキスタンだとか、
ウマイヤ朝、オスマントルコ、そして元の範囲等がすごく面白い。
匈奴がチベット系、西夏がタジク系ってのも初めて知ったよ。

大きな目で世界史を俯瞰すると
西のキリスト教と中東のイスラム教の陣取り合戦の歴史だね。
1500ねん前から現代に至るまで、それが綿々と続いたいるわけだ。
キリスト教の覇権主義に聖戦を挑むイスラム教徒。
基本的に仏教徒のアジア人は西の覇権主義に簡単に飲み込まれる。
そういう歴史の動きを見てると、
民族性というよりは宗教の性格が歴史に大きくかかわっている気がする。
もちろんそれらが持つ文化も。
その境目、中東や中央アジア、そして北アフリカに激しく興味を感じるなぁ。
考えてみれば大好きだった「アラビアン・ナイト」の物語も
シンドバットはイラク、アラジンはタジキスタン、アリババはイランと
広く彼の地域が物語の舞台だ。
素養はあったんだなぁ。

いずれにせよ、現代の世界情勢を考える時、
あるいは日本の外交を考える時、
これまでの各地域の動き、時代の流れが分からないと何も語れない。
考えてみればキリスト教とイスラム教のぶつかり合いの
現代における最前線はイラクやアフガニスタンだ。
そこに全然関係のない日本が自衛隊を派遣するって
何だか滑稽なことのようにも感じるんだけど・・・。
どうでしょー?
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公開

2005-10-16 | 風屋日記
大地座のHPができました。
演奏同様まだまだこれからのお楽しみですが、
よろしければお立ち寄り下さいませ。
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お帰り!!

2005-10-15 | 風屋日記
しゅんてゅけさんが帰ってきた。
4月にブログの更新が途絶えて以来、
1~2週間に1度くらいのペースで覗きに行っていたのだが
昨日、約半年ぶりにブログが更新されているのを見つけた。
お帰り!!

学童クラブでアルバイトをしている、
子どもと絵本が大好きなしゅんてゅけさんとお会いしたのは2月
4月から待望の小学校の先生になることが決まったと
熱く語ってくれたその時のキラキラした目が忘れられない。
その後、4月の勤務スタートから間もなく
理想と現実とのギャップに悩む記事を残して更新は途絶えた。
しばらくの間、読者からの励ましコメントだけが増える状態。
私からももちろんコメントを入れたが、
「現役先生からの励ましの方が役に立つかも」と思い、
+Lhaca先生にコメントをお願いしたりもした。

2月にお会いした時にメールアドレスを聞いていたが、
でもなぜか「メールで問い合わせるのは反則」と思っていた。
しゅんてゅけさんが更新したくなるまでじっと待とうと。
それでも必ずきっとまた帰ってくると信じて、
ブックマークは消さずにいた。

10月になってしゅんてゅけさんは帰ってきた。
この半年間のことは記事では何も語っていない。
以前と同じように
まるでブランクなんかなかったかのように
楽しそうに、でも静かに絵本を紹介してくれている。
でもその文章に、以前よりも力強さと
そして少し柔らかくなったしゅんてゅけさんを感じたのは
私だけだろうか。

しゅんてゅけさん。
また会うことができてうれしいです。
何ごとにも理想と現実の壁はあるけど、
大丈夫、あせることはない。
ゆっくりいこうよ。
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妄想の日々

2005-10-14 | 風屋日記
家内からよく「あまり先ばかり見ないで・・・」と言われる。
基本的には楽天的で時間にもルーズなのだが( ;^^)ヘ..
ついつい先回りしてしまう癖があったりする。
「計画的」といえば聞こえはいいが、「妄想」に近いかも?

今うちの長男は首都圏の大学に入るべく受験生まっただ中。
勉強を手伝うわけにはいかないけれど、つい家を離れた後を考える。
「第一志望に首尾よく入れれば寮が充実してるからいいとして、
 第二志望は寮がないから部屋を探さなきゃな。
 初めての一人暮らしだし、学生会館のようなとこがいいかな」
ということで学生会館を紹介するサイトを覗いてみたりする。
「ふむ、この辺りなら学校も近いし生活にも便利か。でも高いな。
 ちと遠いけどココなら安いしネット環境も充実・・・と」
その時の私の頭の中はすでに第二志望に合格が決まっている(笑)
たまに国際交流団体やNGOなどの関係の学生寮をネットで見つけると、
つい金額や周囲の環境などもチェック!!
まだセンター試験すら3ヶ月も先・・・早過ぎ(^^;

次男はまだ高校1年。入学して半年だ。
学校の先生方は「2年半後を見据えて」とお話になるが、
私はといえば更にせっかち。
「この成績ならもうちょっと頑張ればココに入れるか?
 体育会の硬式野球部はどうだろう」
本人はまだ「どーしよーかな」と言っている段階なのに
私の中ではもう大学で野球することになっている(笑)
「野球するとなかなか帰省はできないかな。
 たまにこっちから試合を見に行ってみるか」
おいおい、どこに見に行こうと言うのだ?

「あなたがそうやって先走った話ばかりするから
 次男はプロセスを学ぶところを飛び越えて頭でっかちになるのよ」
家内の厳しい声が時々飛んではくるが、
残念ながら妄想の最中には何も聞こえないぞ(笑)
毎日夕食後、男3人で妄想に励む楽しさよ。
「おい、ココに入れば甲子園で活躍した○○選手が先輩だぞ」
「おー!!でもこっちだと△△選手と一緒だし」
「なんかオレも引退したら野球したくなってきたなー。
 第二志望だったら野球やっかな。」
「うんうん、部員不足らしいからすぐレギュラーだぜ」
いつまでも続く親父と息子達との3人の会話・・・

「ホラ、バカな夢ばっか語ってないで、
 長男は勉強、次男は課題、お父さんは茶碗洗ってちょーだい!!」
ハイハイ・・・
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神楽観賞会

2005-10-13 | 風屋日記
夕べ、今年収穫された新米を食べた。
瑞々しくて、生命力が香り立っているようだ。
わが家では米の消費量がとんでもないので(30kgが1ヶ月もたない)、
直接農家から買っているから、ホントに収穫されたばかりの米。
今朝の分は私が研いだが、研ぐ前の米そのものがしっとりしている。
水分が多いのでもちろん炊く時の水の量は少なめ。
今朝の炊きあがりは、ひと粒ひと粒がしっかりと存在している。
うまい。

    ◇      ◇      ◇

さて、今年の農作業も峠を越え、
米農家の方々も後片付けや野菜の収穫をしながら骨休めの時期。
(りんご農家はこれからが収穫の時期だろうけど)
このタイミングを見計らって、
私の所属する神楽の後援会の方々が「神楽観賞会」を企画してくれた。
長いこの神楽の歴史の中でも初めての試みだ。
所属する神社の氏子地区の公民館が会場なので、
観賞時はもちろん地域の人達が中心となって集まるのだが、
大きく宣伝していないだけで、実は誰でも入れるし入場も無料、出入り自由。
お近くにお住まいで興味のある方はぜひどうぞ。

日程は10月23日(日)13:30頃から2時間程度。
場所は上根子公民館。
花巻市内の県道13号線(通称「盛岡和賀線」)沿いの南に向かって右側。
湯口一本杉から太田方面に約1km弱行った右手の大きな石碑が目印。
新しく広い公民館で、畳の広間に舞台があるので観賞にはもってこい。
駐車場も駐め放題・・・ってか、周囲は農地や空き地ばっか(笑)

今のところ演目は、
お年寄り向けに、小学校低学年達の「三番叟」。
おひねり狙いね(笑)
そしてたぶん中高生による「八幡舞」・・・定番。
大人は「天王舞」と「鐘巻」は確実に演る予定。
「天王舞」は、ちょっとエッチな狂言もの。
「鐘巻」はいわゆる「娘道成寺」であり、修験僧と蛇の立ち回りがある。
基本的に娯楽系の演目が中心となるかな。
その他に何か演るかどうかはその場の雰囲気(笑)
我々にとってはいつものことだ(^^;

私は「鐘巻」の修験僧「安珍坊」に扮して舞うことになる。
久しぶりなので足腰がもつかどうか不安。
とりあえず蛇の役の奴と一度合わせ方をおさらいしてみて・・・
って、あいつ「天王舞」の「悪鬼」と連続じゃん!!
間に別な演目挟まないと着替えが無理だろ。
その前に暴れ役を2つ掛け持ちして体がもつのだろうか?

まったく、うちの代表の段取はいつもこうだ・・・ヤレヤレ ┐(´ー`)┌ マイッタネ
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友人の絵

2005-10-12 | 風屋日記
9月28日に話題にした友人tokuから雑誌が送られてきた。

フーガ表紙

美大出身の彼女が2ヶ月に1度、
得意の水彩画にエッセイを載せているというもの。
タイトルは「わたしのお気に入り図鑑」。
ご主人の転勤に伴いアメリカのメンフィスへ。
その地で趣味の水彩画を学び、その後マレーシアのクアラルンプールへ。
今回送られてきた2005.Sept号のテーマは「Afternoon tea」。

フーガ本文

昔イギリス領だったマレーシアに残る風習ということでの紹介だが、
やはりどこか南国の空気が漂う雰囲気がよく伝わってくる。

それにしても、彼女の絵を目にするのは高校時代以来だが、
この水彩画、すごくいいタッチだねー。
淡いけれどもどこか鮮やかで、優しいタッチ。
こういう感じの絵は好きだなー。

フーガ絵

私は、自分では描けないけど、絵を鑑賞することだけは好きだ。
モジリアニやピサロ、シスレーなどが好きだね。
今回目にしたtokuの絵も、できればちゃんと額に入れて、
居間か玄関正面の壁にでも掛けたい気分。
いやホントに、この絵いいわ。
toku、わざわざ送ってくれてありがとう。

今回送られてきた雑誌「フーガ」は栃木県の情報誌とのこと。
雑誌全体もなかなか面白く、結構よくできている。
+Lhacaさん、ぜひ買って読んでみて下さいな。

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秋の一日

2005-10-11 | 風屋日記
昨日は体育の日ということで、
花巻市では恒例のスポレクフェスタが開催された。
総合体育館周辺はニュースポーツ参加者やフリマでたくさんの人。
その中心のトレーラーステージではバンド演奏も。
写真はその時のKatsu with 2Uの面々。
左端のBassmanがサワダ氏だ。
屋外ステージの割にはいい音だったねー。
相変わらず安定感のある演奏・・・お見事。
他にmiyu & kojiのGuitar Shopによるフルバンドを初めて見た。
miyuさんのボーカルは、PA使うと意外にパワフル(@o@)

さて連休中は、土曜と昨日がぐずついた天気。
ひと雨毎に秋が深まってきている。
今日のように小春日和のいい天気だと昼間は暖かいけれど、
朝晩は冷えて、もう毛布に蒲団が必要だ。
天気の悪い日は昼間でもフリースを着たくなる程。
今週あたりから紅葉も見ごろかな。
東北地方への旅行は、今後は寒さ対策が必要かも・・・mkさん(笑)

田圃は稲刈りも終わり、
モミ殻を焼く煙の中、タモ木に稲束が干してある。
リンゴの収穫も順調で、朝早くから農家の人達が忙しそう。
あと半月で、西の山のてっぺんが白くなってくる季節に突入する。
季節の移ろいは駆け足だ。

今日のタイトルは、
かつてホプコンやコッキーポップで名を馳せた
下成佐登子の代表曲から拝借(^^)
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敗退

2005-10-10 | 風屋日記
高校野球市長杯は0-1で敗退。
うちのチームが放ったヒットは
2番を打った次男の1本と、9番だった2年の甥っこの2本だけ。
これじゃ勝てないわな。

相手チームは隣の高校なので知っている奴も多い。
特にキャッチャーは1年で、
昨年までは次男と同じ中学校のチームメイト。
彼がなかなかいい。
配球といい、肩といい、バッティングといい、
昨年から注目してはいたが、順調に育っている。
後で出てきたサードの控えも元チームメイト。
次男は勝ち負けより
奴らと試合できることが嬉しかったみたい。
背番号5も見せたかっただろうし。

・・・でも0-1はちとショックだったかな!?(笑)
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Smokin' Blues

2005-10-09 | 風屋日記
空を仰いで 風景眺めて
1本取り出し火をつける

Smokin' Blues Smokin' Blues
昔からそうだった
涙も 汗も
煙とともに吐き出した


あんな時 こんな時
箱に入ったボクの溜め息

Smokin' Blues Smokin' Blues
昔からそうだった
怒りも 焦りも
煙とともに吐き出した


誰も見てない夜ののベンチ
ひとりいつものボクを脱ぎ捨て
胸に溜った煙を風に流す


いつものように みんなの前で
ボクはボクを演じながら

Smokin' Blues Smokin' Blues
昔からそうだった
風に 思いを
煙とともに吐き出した


by 風屋
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KILLER STREET

2005-10-08 | 風屋日記
サザンオールスターズの久々アルバム。
今日ようやく買ってきて、今聴きながらのエントリー。
限定版にはアルバムメイキングのボーナスDVDがついていて、
さっきまでそれを見ていた。

なーんだ。
テクニックやスケールの大きさや才能ももちろん違うけど、
演っていることやノリは我々と同じじゃん(笑)
今日はこれからバンドの練習。
いいタイミングで見たな。
モチベーションもばっちり(^-^)v
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金曜日

2005-10-07 | 風屋日記
昨日のエントリー、あまり興味なかったかな?
メールで1人お話を寄せていただいただけだったけど。
もしかしたら、私がちとマニアックに書き過ぎたかしらん。
まぁいいけど。

今日は金曜日。明日から3連休。
とはいいながら今日も1日会議の嵐だった。
今週溜った疲れで今はヘロヘロ状態。
何せ眠れなくて、夕べも1時半に蒲団に入ったのに3時に目が覚め、
いつもの5時半に起きた時には疲れて這って歩いたほど。
疲れがとれないんだねー。

明日、明後日は高校野球の市長杯。
うちの次男は1年生ながら背番号5をもらってきた。
見に行かなくちゃ。
明日の夜はバンドの練習があるし、
(大地座の皆さん、お忘れなく)
明後日は試合の合間を見て英会話教室のBBQに顔を出すつもり。
都合がつけば家内と長男も連れて。
週末だけど何かと忙しいなぁ・・・。

今のところ10日は何も予定がないからのんびりしよう。
仲のいいバンドであるKatsu with 2UGuitar shop
屋外ライブを演るらしいから散歩がてら見に行こう。
うちのバンドも「どう?」って聞かれたけど、
おじさん4人がお天道さんの下で演奏するのは絵にならないしね(笑)
他のバンドのパフォーマンスを見るのも勉強だ。

あー、明るく日が射し込む喫茶店で、
のんびりコーヒー飲みたいなー。
そういや拓郎に「金曜日」ってタイトルの
そんな歌あったな・・・。
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ルパン100年

2005-10-06 | 風屋日記
今年はアルセーヌ・ルパンが生まれて100年とのこと。
もちろん生誕からじゃないよ(笑)
モーリス・ルブランが「怪盗紳士」にルパンを登場させてからの話し。
だって第一次世界大戦にもルパンは、陸軍中佐として出征してるし。

私が小学生だった時分、
周囲にはルパン派とホームズ派、明智小五郎派がいた。
いうまでもなく、それぞれ子ども向けの本が出ていたわけで、
本好きの友人達は自分の好みに分かれていたのだ。
明智派は「外人の名前が覚えにくい」って理由が大きかったので別格。
観察力、推理力が超人的なホームズは、
結局「水戸黄門」的というか、ONが揃って9連覇の巨人というか(笑)
あまりに完璧過ぎて私はどうも好きになれなかった。
その点、ヒールでありながら情と信義に厚く、涙もろいルパン、
手下を亡くして落ち込んだ時には乳母のビクトワールに甘えに行くルパンが
とても人間的で魅力ある存在に思えたものだ。
そう、私は熱狂的なルパン派で、
ポプラ社刊のシリーズ27巻を読破している。

27巻のうち後から追加された19巻以降にはあまり惹かれなかった。
せいぜい24巻目の「ルパン最後の戦い」における年老いたルパンに
何だか寂しさを感じたぐらいしか印象に残っていない。
前半18巻は名作がめじろ押し。
レイモンド嬢との悲恋が涙を誘う「奇巌城」。
ホームズとの死闘に手に汗握る「813の謎」や「ルパン対ホームズ」。
美しい風景の中で哀しい話が進む「青い目の少女」など。
特に「奇巌城」は
明智シリーズの小林君のようなイジドール・ポートルレ少年探偵に
自分を投影させながらわくわくして読んだものだ。

日本の子ども達にこれだけルパンを根付かせたのは
訳者である故南洋一郎の功績が大きいと思う。
自身が戦前から冒険小説作家として有名な存在であり、
少年少女の夢をかき立て心踊らせる表現はお手のものだっただろう。
フランスの美しい風景描写、すべての登場人物を魅力的に描く人物描写。
翻訳ものの文芸作品は何でもそうだが、
訳者の役割はとても大きい。
私がランボーやボードレールに憧れた高校時代、
それらの訳がすべて堀口大学であり、
他の翻訳者による同じ作品を手に取ることがなかったように。

いずれ私はルパンによってフランスの国や自然、町を知り、
ルパンによってフランス革命や普仏戦争、第一次大戦等の歴史を知り、
恐らくはそれが引き金となって、ランボーなどのフランス詩人、
あるいはカミュやデフォーなどのフランス作家に
その後惹かれていくことになったのだと思う。

「奇巌城」は何度も繰り替えし読んだので、
今でも1枚1枚の挿し絵まで思い浮かべることができるけど、
「ルパン100年」についての昨日の朝日新聞「天声人語」を読んで、
図書館あたりで、また27巻読み直そうかと思ったりしている。



「今日の話題はタイガース株の上場だろう」と予想していた方、残念でした(笑)
ああいう金儲けしか考えていない方々には興味がないので・・・悪しからず。
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権利と義務

2005-10-05 | 風屋日記
せっかくお気に入りのテンプレートだったのに、
時々うまく表示できなくなっていたので変更。
重くならないように、シンプルに、シンプルに・・・。



アメリカ産牛肉の輸入解禁が決まりそうだ。
しかもその基準は以前からアメリカ側が求めていたものと変わりない。
20月齢以下の牛肉に関しては検査なし。
しかも月齢は肉質と出征証明書で判断とのこと。

以前は「そんな基準では認められない」って言ってなかったっけ?
結局はアメリカの言い分に屈する形となったわけだ。
「アメリカのポチ」と揶揄される政府の姿勢もさることながら、
何だかんだ言ってファストフード業界の圧力もあるよね。
金と票のためなら何でもOKだというわけだ。
国民の健康や命よりも・・・。

ファストフードの利用者は圧倒的に若者が多い。
ということは将来のことに目を瞑っていることになる。
教育に対する予算削減や効率化も合わせ、
あるいは年金制度改革が遅々として進まないことも合わせ、
政府の考え方に長期的視野が全く感じられない。
国民の命を守るのが政府の義務だと思うけど、
「今、しかも多くの人間(票)がいるところが良ければそれでいい」
という単眼的、刹那的、利己的姿勢しか見えない。
これが現代の日本の政治。

仕方ないよね。
少数意見は抹殺され、
政策に反対を唱えれば刺客を送られ、
他人と違うことを言えば顔が見えない不特定多数から攻撃され、
今の日本はものが言えない、
戦前と同じような状況に陥りつつある。

それでいいのか? 若い人達よ。
「憲法を守る」「靖国公式参拝を認めない」「イラク派兵に反対」
する人達以上に、国民の命を犠牲にしてまで牛肉を輸入しようとする方が
君たちの言うところの「売国奴」にあたると思うのだが。


ところで、
昨今の自己チュー人間や何でも学校のせいにする保護者達などと
かつての日本の戦争責任に真摯に向かい合うことを「自虐的史観」と言う人達、
何だか似ているような気がするのは私だけ?

「権利ばかり主張し義務をないがしろにした社会」と感じるのは
右派の方々と同じなんだけどね(笑)
その「義務」の考え方が違うだけなんだよね、実は。
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寒い

2005-10-04 | 風屋日記
今日は寒い。
今朝の天気予報を何となく眺めていたら
僕はもうなんというか、とてもびっくりしてしまったんだけど、
最高気温が15度までしか上がらないらしい。
この時期というのはちょうと夏と冬のまん中あたりだと思う。
1ヶ月半前は夏真っ盛りだったし、1ヶ月半後は雪が降っている。
たぶんね。
だからどうということはないけど、
何かものすごく寂しいわけだ。

明日からはまた晴れ間が戻って
気温も23度前後になるらしいけど、
もうこれまでとは空気が全然違ってくるみたい。
熊の子みたいに
今この季節を充分に楽しまなくちゃと思うんだ。







・・・知る人ぞ知る庄司薫くんの文体を真似てみたけど、
   もう何かとても、ものすごくヘタくそなので、
   この辺で止めときます(^^;
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KS君へ

2005-10-03 | 風屋日記
うちの長男Kとは小・中学校で野球仲間だったKS君。
高校では野球部と陸上部に別れてしまったけど、
今夏の高校野球県大会応援時、私が「応援頼むな」と声をかけたら
「Kがうらやましいっすよ。野球部に入らなかったことマジ後悔してます」
と言った君の気持ちは、やはり高校で野球をしなかった私は痛い程わかる。
今はお互い部活を引退し、それぞれの目指す大学に向けて
同じクラスで切磋琢磨している関係が私にはとてもうれしい。

君のブログをこっそり見たよ。
こういう言い方はオヤジ臭くていやだけど、
今時の若いモンにしちゃ色んなことをよく考えている。
哲学もポリシーもしっかり持ち、大きな夢も抱いている。
たいしたもんだ。
ただ、その思想にちょっと引っ掛りを覚えたので、
ひとこと言わせてもらっていいかな?

以前息子から、君が防衛大を目指していることを聞いていたが、
その時は「へぇ~」と思っただけだった。
その後志望校は変わったみたいだけど、思想は一貫していたんだね。
「自分の生まれ育った国を愛するのは当然なのに、なぜ愛国心が問題となるのか」
「右翼は暴力的と言うけど、左翼はソ連の崩壊で消滅したのではないか」
うんうん、まだ表面的ではあるけれど言いたいことはよくわかる。
君がネットで知り合った仲間と立ち上げた○○憂国学生○○の主旨も分かったつもり。

残念ながら君の見方はまだまだステロタイプでしかない。
だいたい今日の日本において、「右翼」と「左翼」というカテゴライズそのものが、
もうすでに形骸化していないかい?
私は日本は大好きだ。
日本の伝統、文化、言葉・・・みんな美しく、誇りに思えるものばかりだ。
八百万の神を奉り自然を畏れる思想(私は宗教とは考えていない)も
ある意味今日的であり、今後ますます必要な思想かも知れない。
でもね、私が好きなのは日本の「人」や「文化」や「自然」や「思想」であって
決して「国家」や「国体」ではない。
自分の家族や愛すべき人達(君もそのひとりだ)を守るためなら体を張れるだろう。
しかし「国家」や「国体」を守るために命を捨てるつもりはさらさらない。
ましてそれが知らない誰かの命令ひとつで強要されることなどまっぴらごめんだ。
ついでに「愛国心」の強要も。
私は私の意志で自分の人生や思想を決める。
そういう考え方は君の目にはどう映るのだろうか。

もうひとつ。
「左翼は戦争の悲惨さをことさら言い立てる」と君は言う。
私自身、直接戦争を体験していないから、君と同様よくは分からないけれども、
少なくとも戦争に関するさまざまな情報や物語は
不足することこそあれ、どんなに語っても語り尽くせない程・・・事実だ。
銃は人の柔らかい体に鉛の銃弾を撃ち込むものであり、
爆弾は皮膚を引きちぎり、手足を吹っ飛ばし、頭を破裂させるものであり、
核兵器は全てを一瞬で焼き尽くすだけではなく、無傷の人も子々孫々まで傷つけるものだ。
それらを体験していない我々は、それらに対して何も言うことはできない。
私が唯一言えるのは、
地球上で今、そういう兵器の犠牲になっているのは
我々と同様ささやかに、つつましく暮らしている人々だということだけだ。

君の仲間なのか賛同者なのか「そういうことを言うのは支那人か・・・」
というコメントが掲示板の中にあったね。ちょっと悲しかった。
同じように君たちも「総じて日本人は」とカテゴライズされるとどう思う?
人間はひとりひとり違う。
その違いを認識し、認めあうことによって人間関係ができ、社会が形成される。
自分との違いを認められないということは、異性を理解できないことと同じことだと思わない?
人間はすべからく差別されるべき存在じゃない。
みんな祝福の中に生まれ、小さな希望と願いを胸にささやかに生きている。
どんな理由があろうと、それを邪魔する権利は誰にもないと思う。
ところで「ソ連=左翼」と思ってるようだけど、当時のかの国は「社会主義ファシズム」だと思うよ。
ひとりひとりの人間の自由に生きる権利すら認められていなかった国だもんね。
ヒトラーだって「社会主義」を標榜していたし(笑)

まだまだ言いたいことはあるけれど、
実際には君がここを見ているわけではないし、
オルグ(シャレで使ってみました 笑)するつもりも毛頭ない。
いろんな考え方や自分との違いを認めるってのはそういうことじゃないかもしれないけど、
でも実際は何も言わず、君が自分でどう考えていくのか、静かに見守っていこうと思っているよ。
受験、がんばれ。

/Kの父より
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