風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

命をかけた旅

2005-10-20 | 風屋日記
中津川

盛岡市の中心部を流れる中津川。
県庁所在地の町中の川ながら夏にはヤマメやアユが釣れる。
川べりも最低限の整備の手しか入っておらず
自然がそのまま残っていて風景がとても美しい。
朝夕ばかりでなく、川べりを散歩している人達が多い。
私が訪れた時にもワイシャツ姿のサラリーマンが
上着を肩にかけてのんびり歩いていた。
盛岡市民の母なる川だ。

この季節、中津川は鮭が溯上してくる川としても有名。
上の橋、与の字橋、中の橋、下の橋、町中の各橋の上では
必死に泳ぎ、産卵する鮭を眺める人達が並んでいる。

海から北上川を盛岡まで、約200kmもの距離を旅し、
中津川に入ってほんの2kmばかりの地点。
鮭の体はぼろぼろの傷だらけ。
体力が尽き果てる寸前で、溯上どころか、
尾ビレを動かしても流されるつがいも見かけた。
それでも一生懸命その場所で産卵している。

鮭

近くにあって写真に撮れたのは死んだ鮭。
子孫の種を残し、すべて成し遂げて力つきた鮭達を、
今度は生きるために小さな魚やカラスがついばむ。
それもまた死んだ後の彼らの重要な役目なのかも知れない。

その鮭のそばを離れ難く、私はしばらく川べりで眺めていた。
コメント (9)
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