風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

表現技術1

2005-10-25 | 風屋日記
岩手山で初冠雪、稚内で初雪、旭川でも降雪の予報・・・。
冬、近けぇぞ。

   ◇     ◇     ◇     ◇

商売柄というより、割と昔から、
物事を表現する際のコンセプトワークからデザイン、
そして何よりコピーライティングにとても興味がある。
特にキャッチコピーやネーミング。
世界最短の定型詩である俳句や短歌を持つ日本文化の得意技だよね。
中でも漢字は表意文字なので、一文字でも色んな意味を持つし、
デザイン的にも一目でイメージを持たせることができる。
面白い。

我々のバンド名「大地座」も割とこだわりがある。
「座」でその枠組みを示し「大地」でコンセプトを表現する。
いわばハード面とソフト面を3文字で表現したつもり。
同じような形のバンド名で、私の好みのネーミングに「憂歌団」がある。
「大地座」の英語表記はさらにそのコンセプトの説明となっている。
だから「大地」は「ground」ではなく「the earth」でなければならない。
これまでに考えたことのあるバンド名は
「Native Groove」=いわば「土着のノリ」や
「Blues Market」=その名の通り「ブルース市場」など。
(Blues Marketは、略した通称としてブルマーと呼ばせたい 笑)
NativeでSoulfulでSpiritualな音楽を目指したい気持ちが込められている。

私的に今までで一番ウケたキャッチコピーは
某雑誌に連載されていた糸井重里さん主宰の「萬流コピー塾」の作品。
もちろん素人さんの投稿だ。
田中角栄氏の顔写真につけたコピーというよりもキャプションだが、
「アマンドってどこ?」というもの。
これは見た瞬間のインパクトやその顔写真の表情なども加味されているが
めちゃめちゃウケたし、その後で唸った。・・・うまい。
「流行ものに惑わされずゴリゴリ我が道を行く無骨な政治家」も表現されているし、
「偉そうなこと言って金持ちだけど基本は田舎モン」という意味も含まれる。
なにより可笑しい。
蛇足だが「アマンド」とはかの有名な東京六本木交差点角の喫茶店。
「アマンド」が持つコテコテのイメージもうまく使っているのだ。

うちの会社では新卒採用の際、応募書類に「自己プレゼンシート」をつけてもらう。
「A4判の白い紙に自由に自分を表現してみて下さい」というものだ。
大概は文章の羅列となる。つまらない。
中には紙粘土で立体型を作ってきたやつもいたが、
「平面デザインで」という条件を完全に無視していてボツ。
送り返すのにエラいこっちゃ苦労した(笑)

この方式を始めてからこれまでの最高評価作品を提出したやつは
当然その後内定を獲得、今では若手のホープして活躍中。
その作品はといえば、
大きな口で今まさにハンバーガーにかぶりつこうとしている自分の写真の横に
「多少からだに悪くても、美味しければ食べちゃいます」というコピー。
説明も何も無しでたったこれだけの表現だが、これで充分。
「体力的に大変でも、多少苦労しても、しんどいことがあっても
 基本的に面白い仕事ならボクはやりまっせ」
ということをうまーいこと伝えていて、表現としては完成品。
聞けば彼も大学時代から広告類の表現が大好きだったんだそうだ。

・・・と、こういう話になると際限なくなる( ;^^)ヘ..
またそのうち続きでも書きますかね。
コメント (6)
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