風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

秋の食卓

2005-10-31 | 風屋日記
今日で10月も終り。
街路樹も色づき、空気はひんやりと淀んでいる。
夕方になるとモミ殻を焼く煙がどんよりと辺りに漂い、
いっそう寂しげな風景に拍車をかける。

この季節、当地の代表的な食卓メニューは
茹でたボリ(茸、正式名称は失念)とダイコンおろしを合えたものに
どんぶりの芋の子汁、そして精米したばかりの新米を炊いたごはん。
茸はアミノメ(正式にはアミ茸?)やバクロウ(正式名称不明)でもいい。
あとは大根の漬け物でもあれば大したご馳走。

当地には茸取り名人がどこにでもいる。
家内の親父さんもそのひとり。
ボリやアミノメを抱える程採ってきては煮付けて瓶につめる。
これが何年ももつんだけれど、
毎年採ってくるものだからどんどん貯まっていく。
せっせと食べなきゃ( ;^^)ヘ..
おろしと合えたボリは、それだけで立派なおかず。
新米の香りとともにごはんがすすむ。

芋の子とは里芋のこと。
山形でいう「芋煮」と「芋の子汁」はちと違うらしい。
醤油味か味噌味で、鶏肉か豚肉を入れて作る。
それぞれ家庭によって具や味付けが違う。
河原で火を熾し、大鍋で大人数分を作ってわいわい食べるのも楽しいが、
家でも2つの鍋に作っておいて、何日かかけて食べるのもよし。
我々にとっては実にポピュラーなメニューなのだが
これも当地を離れている人達には故郷の味なんだろうな。

私の好みは豚肉を入れた味噌味という、豚汁に近い味付けだ。
芋の子は北上市の二子地区で採れた、いわゆる「二子芋」が最高。
適度な粘りがあって口の中でとろけてくる。
あとはネギやら大根やらにんじんやら豆腐やらこんにゃくやら
まぁそういったものをゴチャっと入れるわけだ。
誰でも作れる。

「芋の子汁」のイントネーションは「じ」にアクセントがくる。
(当地のイントネーションは
 最後か最後から2番目の音節にアクセントがくる場合が多い。
 例えば「はな(ま)き」「ダイ(ゴ)ン(大根)」「アミノ(メ)」)
そして同じ母音が続く時には2番目が濁音化することが多く、
加えて「し」は「す」と音便化するから
「芋の子汁」は「いものご(ず)る」と発音するのが正しい(笑)
「いものごずるァ ンめぇなァ」と言えれば、あなたも立派な岩手人(^^)

あー食いてぇ・・・。
コメント (5)
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