風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

マーマレードの朝

2023-05-21 | 文化
片岡義男さんの小説にはハマりまくっていたのは
大学1年から就職して1〜2年ぐらいまで。
特に大学2年から3年の頃は
文庫の新刊が出るたびに買ってきたものだ。
それほど厚い本じゃないし、軽い内容でもあったので
あっという間に読み終えるんだけど。

片岡さんの小説を読んで何かを得たとは思わないが
チャラチャラとは縁遠くなった気がする。
ひとりで本を読んだり、コーヒーを飲んだり
車のホイールキャップを灰皿がわりにタバコを咥えたり
バドワイザー飲みながらジャズを聴いたり・・・。
女の子と仲良くなることしか考えていなかった(と思う)
当時の男子大学生たちとは
片岡さんのおかげで距離を置くことができたんだろうね。

二輪免許も、もちろん金もなかったから
オートバイやサーフィン、ハワイなどについて
やたら知識だけは詳しくはなったけれど
実際に買ったり、乗ったり、行ったりということに縁はない。
(ピックアップトラックだけは欲しかったなぁ)
アルバイト代貯めてアメリカ製カウボーイブーツを買い、
ブルージーンズに白いTシャツで歩いていたのも
そのTシャツの袖にショートホープを挟んでいたのも
ジッポのライターを使っていたのも片岡さんの影響だった。

片岡さんの小説を原作とした映画は
かっこつけすぎててイマイチだったな。
片岡ファンはみんなかっこよさに惹かれていたようだけど
私はどちらかというと
自分のこだわりに丁寧に生きるという
片岡さんなりのライフスタイルを学んだ気がする。

ところで、作品全体に漂うクールな雰囲気や
主人公たちのライフスタイルなどが
村上春樹さんとちょっと似ている気がするのは気のせい?
アメリカ文学を通ってくるってそういうことなのかな。

「マーマレードの朝」は
私が初めて買った片岡さんの小説のタイトル。
大学入学の年、1979年刊。


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