風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

下駄

2020-08-05 | 文化

バンカラな校風だった高校時代、
1年の頃は下駄で、2年からは高下駄(足駄)で通学した。
(もちろん腰手拭いに破れ帽子だ)
古の貧乏文士は着流しに下駄が定番だったから
当然のことながら下駄は靴よりもチープな履物のイメージ。
削り出しの下駄の場合は歯がチビると
下駄そのものを買い換えなければいけない。
(足駄の場合は胴が桐、歯は硬い素材で
  チビてくると歯だけ付け替えが効いた)
高校時代の下駄も足駄も親に買ってもらったものだし
値段もよくわからないまま「安いだろう」と思っていたのだった。

着物好きな私。
いつも和装の時は雪駄を愛用しているのだが
浴衣の時にはやはり下駄が良い。
ということで(浴衣を着る機会もそれほどないけど)
下駄を買おうという気になった。
さすがにもう下駄屋なんて商売はここいらにはないので
こういう時こそネットの出番。
店で買うよりさらに安いだろうし・・・
と思って調べてみると、これが意外に高い(^^;
本革の靴ほどじゃないにせよ、普通に買うと5千円はする。
足駄に至っては1万円前後。
いかなバンカラといえど、
そんな高価なものをよくもまぁ当時ぞんざいに扱ったものだ(-"-;

ってことで、散々探した挙句
3千円代の写真の下駄を注文してみた。
輸入物のような後から歯をつけたものではなく、
一応桐削り出しの本格的なもの。
届くのが楽しみだ。

ところで購入者レビューがひどい。
「引っ張ったら鼻緒が切れた。不良品だ」
「歯がすぐに減ってしまう。安物はダメだ」
いやいやアナタ方、下駄を知らないでしょう?
鼻緒は切れるものだし
(それがきっかけで生まれる恋は昔の恋愛小説の定番)
高いものほど歯も桐だから減りは早い(その代わり軽い)。
桐下駄なんてかつてはそれなりに高級品だったんだよ。
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