文化の日は午前中良い天気。
午後から天気が崩れる予報だったので
雨の前にちょっとしたドライブがてら紅葉を見に行った。
行き先は、若い頃何度も近くを通っていながら
一度も実際に行ってみたことがなかった、奥州市の黒石寺と正法寺。
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最初は黒石寺。
全国的にも知られる奇祭「蘇民祭」の場所だ。
蘇民祭は蘇民将来伝説が元になっており
蘇民を助けた牛頭天王を祀っていることが多い。
「蘇民将来の子孫」という札を玄関先に貼り付けたり
神社で茅の輪をくぐったり、祭りで山車を引いたりするのが
蘇民将来信仰が現代にも残っている伝統的慣習。
もちろん蘇民袋を争奪するのも蘇民の子孫の立場を奪い合うものだ。
ちなみに全国にある八雲神社や八坂神社は牛頭天王を祀る。
山車を引く祇園祭も蘇民伝説によるものだという。
牛頭天王には8人の息子がいて、
八将神とか八王子とか言われていて、
東京の八王子の地名もそこからきているのだとか。
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黒石寺は天台宗のお寺だが
仏教の寺に蘇民祭が残っているというのは神仏混交時代の名残か。
考えてみれば天台宗は修験宗の元になった宗派。
なるほど。
開基は西暦729年だから奈良時代のこと。
全国でも稀に見る歴史を持つ古刹だ。
山を背負った境内は紅葉真っ盛りだった。
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黒石寺前の小川は瑠璃壺川というらしい。
ここもまた綺麗な水が緩やかに流れる美しい場所。
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次に向かったのは「奥の正法寺」。
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なんとこの門は17世紀の建立とのこと、江戸初期だ。
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寛政時代に建てられた茅葺の本堂が美しい。
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もちろん国の重要文化財だ。
寛政時代といえば江戸時代中期。
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曹洞宗のお寺なので禅僧を迎える僧堂や坐禅堂もある。
鐘つき堂も含め、こちらも茅葺だ。
実は本堂の裏に稲荷社もあった。
こちらも神仏混交時代の名残なのかも知れない。
明治時代の廃仏毀釈の嵐によって仏教が排斥されるまでは
お寺は神社の別当(管理者)だったりしたから
かつては同じ境内にお社とお寺が同居していた時代がある。
そんな姿も垣間見られて、とても興味深かった。
どちらのお寺も岩手が誇る文化財。