いま日本で(世界でかも知れない)最も注目されているベンチャー。
知的障害を持ったアーティストの作品をプロダクト商品化し
アーティストが正当な報酬が得られるビジネスモデルを作っている。
その会社ヘラルボニーを立ち上げた双子の兄弟の話だ。
自閉症の兄を持つ2人が差別や偏見の中で育ち
自分たちの立ち位置を見つけるまでの紆余曲折も
隠すことなく赤裸々に記している。
それから今に至る道が怒涛だ。
たくさんの人との出会いから始まったプロジェクト。
道なき道を行く覚悟と発想と行動力
高村光太郎の
「僕の前に道はない 僕の後ろに道はできる」
という言葉を思い出した。
一灯照隅。
花巻から始まって、彼らが灯したあかりは
今大きく広がってきている。
ところで、閉じられていると思われていた世界を
広い世界と融合させる試み。
これはもっとさまざまな文脈でも語られて然るべきだ。
国籍、人種、宗教、イデオロギー、性自認、性志向・・・。
居住地、年齢や職業でも。
「異彩を、放て。 『ヘラルボニー』が福祉×アートで世界を変える」
松田文登・松田崇弥:著 新潮社