風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「ナラタージュ」

2011-12-14 | 読書
ホントは
この本を読んだことを書くつもりはなかった。
イイ歳して高校生や大学生が主人公のラブストーリー読んだっての
ちょっと恥ずかしくもあるからね(^^;
でも読後の静かな心の震えは隠したくない。
これは単なる少年少女の恋物語じゃない。

女性の立場から書かれたものだから自分とは対極。
だからこそ30年前を振り返り、
「あぁそうだったのか」とわかることがある。
小野くんはまるで当時のワタシだ。

あとから作者の経歴を読んでみたら
なんと高校生の頃に芥川賞の候補になったとのこと。
まだ20代なのに今まで2度候補になったらしい。
そう。
ラブストーリーではあるけれど、
確かにこれは純文学かも知れない。
ワタシのバイブル「されどわれらが日々」に通じるものを感じた。
自分の大学時代と違うことを挙げるとすれば、
この子たちの方がずっと大人であること。
ちゃんと地に足をつけ、考えながら行動する姿を見て
自分の学生時代とは大違いと、ちょっと凹んだ。

「ナラタージュ」島本理生 著 角川文庫
コメント
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