風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

足駄

2011-12-20 | 文化
高校時代、
毎日の通学に履いていた足駄。
弊衣破帽に腰手拭い、
そしてこの足駄をカラコロいわせて歩いた。
はじめは皆と同じ黒い鼻緒のものを履いていたが、
自らも旧制中学時代似たような恰好で歩いていたという
親父が面白がって白い鼻緒の足駄を買ってきた。
鼻緒に「質実剛健」「花巻北高」と書いたのは親父。
バンカラを受け継いだ息子を
たぶん嬉しく思っていたのだろうと思う。

その足駄を、卒業以来33年も仕舞っていたのはお袋。
ひょんなことから実家の靴箱の奥から出してきた。
黄ばみも劣化もなく、ほとんどそのまま、
まるで昨日まで履いていたかのような当時のままの足駄。
「あの頃の延長線上に今があるんだな」と
ふと堪らなく懐かしく思った日曜日。
コメント
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