風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

ジェンダー

2005-09-02 | 風屋日記
私には女性になってみたいという願望が昔からある。
・・・と書くとめちゃめちゃ怪しい文章だなー(^^;
大丈夫。今のところではあるけれど、私は一応男性で満足しているし、
少なくともそれなりの世界で語られるような性癖もないつもり。

男に生まれ、男の体を持ち、男としての価値観や考え方は身についている。
一方女性に関しては、子どもの頃から身近な存在だし、
教室の中でも会社の中でも、特別な意識を持たずにつきあっている。
同じ勉強をし、同じように仕事をしながら
相手のことはそれなりに理解したつもりでいたりする。

でもね、当事者じゃないと分からないことがある。
ヒロシマ・ナガサキのことをどんなに調べようとも、
その本当の痛みを理解することは不可能であるように。

若い頃、親しい女性の友人に
「女の人は生理の時の自転車って気にならないものなの?」
と尋ねたことがある。
彼女は笑いながら、(でもその質問には結局最後まで答えず)
「男の人は自転車に乗る時痛くないの?」と逆に尋ねてきた。
「痛くないよ。まん中にあるならともかくとして、
 両側に2コ、シンメトリーに振り分けられているからね」
「じゃあ、走る時には邪魔にならないの?」
「そりゃ、何も穿かずに走れば邪魔かも知れないけど、
 ストリーキング(死語)じゃあるまいし・・・」
お互いに疑問をぶつけはじめるときりがない。
ついている人にはついていない感覚が分からないし、
ついていない人にはついている感覚がわからない。
出っ張っているところも、引っ込んでいるところも。
頭では理解しているつもりでも、
結局それだけ理解できていないってことだよね。
(ちなみにこの女性、以前話題にしたトイレ談義をしたヒトだ)

私は異文化や他の国の人達のことを深く知り、理解し、認めたい。
できることならその中に浸かり、身を持って知りたい。
一方、私自身が持つ文化や価値観や生活についても伝えたい。
それと同じ考え方から、女性に関してももっと知りたいと思う。
自分がその身になってみないと分からないこともたくさんあるとも思うのだ。
1日だけ女性を体験できないものだろうか(笑)

私には母や妹がいて、18歳で家を出るまで家族で暮らしていたわけだが、
結婚し、身近な女性と一緒に暮らすようになって、
初めて知ったことも、実はとてもたくさんある。
「男性が結婚するということは、相手の女性の生理を共有することだ」
と、とある人が言うのを聞いたことがあるけれど、
本当にそうだねぇ。

違うんだよ。
男性と女性は基本的に違うんだと思う。
違うから良いんだと思うし、だからこそ惹かれ合うんじゃないかな?
それぞれが担う社会での役割も違っていて良いよ。
「女は家にいろ」なんて反動保守のようなことを言ってるわけじゃないよ。
男性と女性、若者とベテラン、頭脳派と肉体派・・・
それぞれに得意技があるだろうし、それらを生かすことによって社会は動く。
同じ能力、同じ価値観、同じ文化を持つ人達だけでは社会は成り立たない。
他の人と違う能力と個性を生かして社会を形成する。
例えば女性が男性とは違う能力と個性を生かす。
・・・それがジェンダーだと思うんだ。

男性も素晴らしいが、女性も素敵だ。
お互いにもっと認識し、認めあおうよ。
コメント (9)
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