吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

世相の語り部「ゴルフ」

2006年09月29日 | Weblog
 今日2006年9月28日のランチは、仲間(?)11人、丸の内帝国劇場の地下一階「日平亭」で、久しぶりの”日比谷界隈”の仲間だ。いつも世話をやいてくれる最長老(失礼)の岡田良一さんのアレンジだ。楡郁太郎さんのエッセイ集「ゴルフ徒然草」(興和堂、2006年7月出版)の上梓を祝うオシャベリの会だ。近くの旭化成で現役する2人も含め、現役とリタイア半々のメンバーだった。
 仕事のこと、会社のこと、仲間のこと、家族のこと、そして昔のことなど最初は遠慮がちにオシャベリするのだが、そのうちそれぞれのマイペースになるのが常だ。この本は、挿絵を描いた三井敏雄さんとの合作のような本だと楡さんが言うが、その挿絵の主が発熱したとかで、この席にいなかったことがやや盛り上がりを欠くことになった。
 1-2時間あれば、一気に読み切れる”本”だが、挿絵が多いからではない。楡さんの文章がスマートで、読みやすいからだ。仲間のこと、ゴルフ華やかし頃のサラリーマン ゴルファーのプレイやマナーなどが日記風になっているだけでもない。ゴルフいろいろについてのウンチクがゆたかなのだ。だから、ちょっと興味を深耕し、ある部分に読みいると、前に進まなくなってしまう。ウンチク(薀蓄)にダフッてしまうのだ。
 ゴルフは、その人の”育ちや人柄を表す”という。うっかり、ゴルフしてはいけないということか。紳士(含、淑女)のスポーツといわれ、マナーやエチケットに厳しいと言われる。しかし、どうもこれは、ゴルフをするのには、ひとつの”こころのステータスを”などと思うようなそんな狭量な輩が言い出したことのようだ。ゴルフに限らずスポーツやスポーツをする人は、みんな共同生活や社会性をわきまえた常識人だ。もちろん、ゴルフを特別視したりもしない社会性や人間性ゆたかな人たちがほとんど。
 会社でも、地域や社会でも、人が何人かで暮らすには、お互い法律やルールがなくても、守らなければならない暗黙の了解がある。マナーやエチケットや常識といわれている。いつも、審判員や同伴者がついて回ってくれないゴルフだけが特別ではないのだ。ふつうの暮らしでも法律や他人の目を気にしてばかりいたら、日々の暮らしが気持ちよくいかないだろう。他人へのルールやマナーというより”自分”へのそれなのは、普段の生活もゴルフも同じなのだ。
 10年ほど前のゴルフ人口(%)は、男女あわせて平均すると、コースに出る人10~15%、練習場だけの人15~20%だったが、今(2005年)はコース・ゴルファー10%前後、練習場ゴルファー10%弱。女性のゴルファー率(コース3%前後、練習場5%前後)は、あまり変わってない(今が少し多い)ので、男性だけをみると、10年前はコース、練習場ともそれぞれ20~30%だったが、いま(2005年)は15~20%に減っている。楡郁太郎さんたちが、同僚や上司および取引先の人たちと競ってゴルフをした頃のゴルフ場やゴルファー模様といまのそれは、これらの数字以上に異なった風景なのかもしれません。
 「ご趣味は?」と聞かれ、「ゴルフやマージャン」としか答えられなかった中高年も、最近は「旅行や年に一回の海外旅行」とか「水彩画や隔週のウォーキング・マーチ」などに加え、「ブログやエッセイを書くこと」などがゴルフやテニスに加わったようで、大変いいことだと思っています。月一のコンサートや映画や落語なども含め、ただ”多様化”などということは文字通りの短絡で、人々の価値観や生き方が変わってきたと見られます。ゴルフ・マーケティングを考えている方の視野の広がりや視座の転換を期待する次第です。
コメント
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