吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

誰がための「P」マーク?

2006年06月15日 | Weblog
 H15年5月「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)が成立施行されて以来、各情報取り扱い企業や市場調査会社などの「P」(プライバシー)マーク取得が活発だ。ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)が先だろうに、「P」マークなのだ。日本だけではないのかもしれないが、これも典型的なマーク・マーケティングなのだ。情報化や管理社会化(ビューロクラシー)の進展がなせるワザか、認証やマークがやたら大手を振って歩くのだ。いわゆる下流社会が膨らむと余計この手のビジネス(認証利権)が、「世のため、大衆のため」という顔つきをして、増殖するのだ。
 「モノ」不足気味で、「品質レベル」が低かった工業化初期、JISマークやJASマークが、多くの消費者に安心基準を与えた時代と”いま”は、大きく人々の知識レベルや価値基準が異なっていることを認識している上流の人々が、このような風潮に乗っていることは、一種の確信犯だ。
 国際化やグローバルスタンダード化の流れに乗じ高まったISO認証取得などは、9001だ、14001だと、昔のデミングQC運動がなつかしく思えるほどの国際的謀略ビジネスだ。ISOの認証マークも、「P」マークも官公庁や大手企業の業務発注や外注の基準として働く、一種の「大手ギルド」なのだ。
 消費者一人ひとりの個人情報を保護する企業行動が本来だろうに、自分たちのビジネス利権のように、これらの「マーク」が働いていることは、このところのヤフーやDION(KDD)の大量の個人情報の漏洩問題を見るまでもないのだ。
 エコマーク、Pマーク、グリーンマーク、リサイクルマーク、ブルーエンジェルマーク、フェアトレードマーク、防災ラベルやJIHFSマークなど、挙げだしたらキリがないマークや認証の発行元のほとんどが、役所の外郭団体や天下り法人団体なのだ。最近はこれらに負けじと、各都道府県が「マーク」作りに精進しだしたのだ。
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